剣物語

渋谷かな

文字の大きさ
52 / 78

雷小僧

しおりを挟む
「師匠! 帰ったぞ! 出迎えろ!」
「はい! ただいま!」
 雷の剣騎士のシデンが師匠の元に帰って来た。
「おかえりなさい。シデンさん。」
「遅いぞ! 小僧!」
「ごめんなさい!? すいません!? すいません!? 許してください!?」
「まったく、使えないな。」
 シデンの師匠は、雷小僧であった。そう、雷小僧とは、カミナリパンツを履いた小さな小鬼である。
「おまえのオヤジはどこにいる?」
「父ちゃんなら、さっきバアルさんとフルフルさんが訪ねてきて、今頃、お茶してると思うよ。」
「バアル!? フルフル!?」
 バアルとフルフルという名前を聞いて、シデンの顔色が豹変する。
「どうしたの? シデンさん?」
「バカ野郎! バアルとフルフルは悪魔だ!」
「ええー!?」
「直ぐにオヤジの所へ案内しろ!」
「はい!?」
「まったく!? 嫌な予感しかしない!?」
 二人の悪魔の襲来にシデンと雷小僧は、父親の雷鬼の元へ急ぐのだった。

「グワアアアー!?」
 雷小僧の父親、雷鬼が吹き飛ばされている。
「さあ! 早くは吐け! 雷鳥サンダーバードはどこにいる?」
「言わないと、おまえの息子を殺してしまうぞ!」
 天候神の悪魔バアルと地獄の大伯爵フルフルが、サンダーバードの居場所を聞き出そうと子供を殺ぞ、と雷鬼を脅している。
「みっともない。それが悪魔のやることか?」
「誰だ!?」
「私は、シデン。」
 雷の剣騎士シデンと雷小僧が現れる。
「お父ちゃん!?」
「おお! 息子よ! 無事だったか!」
 雷鬼と雷小僧が感動の再会を果たす。
「おやっさん、やられっぱなしだな。」
「仕方がないだろう。息子を殺すと言われたら、親は抵抗できなくなるよ。」
「雷小僧、おまえはおやっさんに愛されてるな。」
「へええっ。」
 嬉しそうに少し照れる雷小僧。
「悪魔が二人も何の用ですか?」
「悪魔は人を恐怖で支配するのが仕事だ。」
「邪魔をするなら、おまえも殺すぞ。」
「やれるもんならやってみろ! こい! 雷の剣騎士のソード・ナイト・アーマー!」
 シデンに雷の剣騎士の鎧が装着されていく。
「雷の剣騎士だと!? おまえは剣騎士なのか!?」
「だが雷の剣騎士ごとき、我々の相手ではない!」
「それはどうかな? 私の雷を受けてから言ってもらおうか! サンダー・アタック!」
 シデンが雷を放電して、バアルとフルフルを攻撃する。
「フン、痛くもかゆくもない。そんなものが効くか。」
「雷属性の我々に雷が効くと思うなよ。」
「それはどうかな?」
 シデンの雷の剣気が静かに高まっていく。
「無駄だ。どんな雷でも、私がかき消してくれる。なんなら吸収してもいいし、反射してカウンター攻撃することもできるんだぞ。」
「なんだ? シデンの剣気が大きくなったような?」
「やれるものなら、やってみるがいい! さっきの雷とは一味違うぞ! サンダー・インパルス!」
 サンダー・アタックよりも大きな激しい雷が、バアルとフルフルを襲う。
 つづく。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。

ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。 彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。 婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。 そして迎えた学園卒業パーティー。 ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。 ガッツポーズを決めるリリアンヌ。 そのままアレックスに飛び込むかと思いきや―― 彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。

処理中です...