剣物語

渋谷かな

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バッド・エンディング!?

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「姫! ミキ姫!」
 救世主様は、ミキ姫のいるプリンセス・キャッスルに全速力で帰って来た。
「遅かったな。救世主様。」
「デカノーホウト!?」
 救世主様の前には、姫と邪悪なる者になった伝説の剣騎士デカノーホウトがいる。
「姫! 大丈夫ですか! 姫! 助けに来ましたよ!」
「・・・・・・。」
 しかし、姫は救世主様の声に反応しない。
「どうしたんですか!? 姫!?」
「・・・・・・。」
「フッフッフ。ワッハッハー!」
 デカノーホウトが笑い出す。
「何がおかしい!?」
「姫は、ミキ姫は、私の妃になったのだ!」
「なんだと!? 出まかせを言うな!?」
「出まかせではない。この城の者たちが証人だ。私と姫の結婚式を見たのだからな。」
 デカノーホウトに操られ、首を縦に振る城の兵士やメイドたち。
「私と姫は、愛を誓い合ったのだ!」
「そ、そんな!?」
「ワッハッハー!」
 デカノーホウトの笑い声に、事実を突きつけられて放心状態になる救世主様。
「俺の夢は、姫と結婚して幸せになることだったのに・・・そんな・・・この世界でも、僕はダメ人間なのか?」
 夢が破れた救世主様は、挫折した人間の様にいじけた。
「どうせ僕なんか。」
 救世主様の様子が少し変だ。落ち込んだ救世主様に、邪悪なる者たちが集まって来る。
「どうした救世主様? この世界を救うんじゃなかったのか?」
「この世界は剣が全て。剣が最強なんだろう? なら剣でデカノーホウトを倒せばいい。」
「他の男の女になった姫には用はないか? キャハハハハ!」
「壊してしまえよ。こんなクソみたいな世界。」 
 邪悪なる者たちが救世主様を邪悪な道に落とすべく話しかける。
「どうせ僕なんか。どうせ僕なんか。どうせ僕なんか。」
 邪悪なる者たちの甘い誘惑に救世主様の心は折れた。
「うおおおおー!!! こんな世界なんて、潰れればいいんだ!」
 邪悪なる者たちに魂を売った救世主様に、世界中の邪悪が集まって来る。それは伝説の剣騎士デカノーホウトの邪悪なるソード・ナイト・アーマーも例外ではなかった。
「うおおおおおー!」
 デカノーホウトの邪悪なるソード・ナイト・アーマーが、救世主様の体に装着されていく。
「俺は邪悪なる夢の剣騎士になったのだ! 全て滅ぼしてやる! みんな粉々に砕いてやる! 俺の夢は儚く散ったんだ! うおおおおおー!」
 荒れ狂う救世主様は邪悪な夢の剣騎士になってしまった。
「おお! 私の邪悪なる呪いが解けたぞ!」
「あなたは伝説の剣騎士デカノーホウト様!」
「姫! 我が妻よ! あの邪悪なる剣騎士を倒して、世界を平和に導きましょう!」
「はい。あなた。」
 邪悪なる剣騎士ではなくなったデカノーホウトは、伝説の剣騎士レジェンドに戻った。そして邪悪なる者デカノーホウトに操られていた姫も正気を取り戻したが、伝説の剣騎士デカノーホウトと、自分に負けた情けない邪悪なる夢の剣騎士ドリームの救世主様のことは、世界の平和のために倒すべき存在でしかなった。
「これが夫婦の初めての共同作業だ!」
「はい! あなた!」
「滅びろ! 邪悪なる者よ! レジェンド・ソード・スラッシュ!」
「さようなら! これも伝説の成就のためよ! プリンセス・ソード・スラッシュ!」
 デカノーホウトとミキ姫の夫婦の必殺の剣が、邪悪なる者になった救世主様を襲う。
「こんな終わり方でいいのか!? 私もデカノーホウトのように100年の眠りについてやる! 今度目覚めた時には、この邪悪なソード・ナイト・アーマーを次の救世主に擦り付けて、私は、もっとカワイイ姫と結婚するんだ! 覚えていろよ!!! ギャアアアー!? 」
 邪悪なる者になった救世主様は100年の浅い眠りについた。こうして世界は平和を取り戻した。
 つづく。
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