地球SOS!

渋谷かな

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菜々子SOS9

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「今度こそ地球を守ってみせるぞ! この世界はどこだろう?」
 菜々子はタイムワープして新しい世界にやって来た。
「すいません。ここは何時代ですか?」
 菜々子は通行人に尋ねてみた。
「ここは刀や忍術が飛び交う戦国時代だよ。」
「これはご親切にありがとうございます。ペコッ。」
 菜々子は礼儀正しく感謝のお礼をする。
「そうか。戦国時代か。・・・・・・私のハイパーメガ粒子砲一発で勝負がつけれるな。アハッ!」
 菜々子は自分の科学力に絶対的な自信を持っていた。
「出たな! 妖! くらえ! 水忍法! びしょ濡れ!」
 どこからか水が飛んでくる。
「どこかで聞いたことがあるような声・・・・・・。」
 水を交わした菜々子は嫌な予感しかしない。
「我こそは! 先祖代々! 水の一族! ウンディーネの助だ! 侍と忍者の両方のスキルが使える侍忍者なのだ! 我が妖刀! 水の刀の餌食にしてくれる!」
 現れたのはウンディーネの助。
「異世界と戦国時代は別の世界でしょう!? なんでウンディーネがいるんだよ!?」
 菜々子は抗議する。しかし名前を考えるのは大変なんだ。の一言で却下される。
「どうしても私と勝負するというのか?」
「もちろん。例え妖と刺し違えても人々の平和な生活だけは守ってみせる!」
 ウンディーネの助にも立派な覚悟があった。
「誰が妖だ!? 仕方がない。いいだろう。私のビームサーベルの餌食にしてくれる。」
「光る刀!? やはりお主も妖刀使いでござるな!?」
 菜々子もビームサーベルを抜き構える。
「それでは、いざ! 参り仕る! くらえ! 妖怪! 必殺! 水竜斬!」
 ウンディーネの助は水の刀から水竜を吐き出す。
「うんなアホな!? 水の竜なんかビームサーベルで斬れる訳ないしょ!? こうなったら仕方がない! ハイパーメガ粒子砲! 発射!」
 やっぱり菜々子はハイパーメガ粒子砲をぶっ放す。
「そんな!? 拙者の水竜が消滅するなんて!?」
 気落ちするウンディーネの助。
「諦めないで!」
「おまえたちは!?」
 その時、ウンディーネの助を励ます声がする。
「火の侍忍者! イフリートの助!」
「風の侍忍者! シルフの助!」
「土の侍忍者! ノームの助!」
「雷の侍忍者! サンダーバードの助!」
「氷の侍忍者! フェンリルの助!」
「雪の侍忍者! スノーウーマンの助!」
 現れたのはウンディーネの助の仲間たちであった。
「だから毎回少しずつ仲間の人数を水増しするなよな。卑怯者。」
 愚痴る菜々子。
「みんなの心を一つにして!」
「7人でかかれば怖くない!」
「全ては人々の平和な暮らしを守る為に!」
 一致団結して菜々子に襲い掛かる侍忍者たち。
「いくぞ! 化け物!」
「誰が化け物だ!? 誰が!? これでも私は可愛いんだぞ!」
 遂に化け物扱いされる菜々子。
「濡れろ! 水竜破!」
「燃えろ! 火竜破!」
「吹け! 風竜破!」
「盛れ! 土竜破!」
「響け! 雷竜破!」
「凍れ! 氷竜破!」
「積もれ! 雪竜破!」
 7人の侍忍者たちが一斉攻撃してくる。
「まだ水の精霊、水の騎士という流れは理解してもいいが、いつの間に竜まで倒して竜の力を手に入れたんだ? おかしいだろう! こんなインフレ強化は! 精々、水の妖怪の水妖ウンディーネを私が倒すなら分かるのだが? 確かに私が主人公で正義の味方のはず。どこかで次元がねじ曲がったのかな?」
 納得のいかない菜々子。
「7匹の竜の攻撃なんて食らっていられるか。タイムワープ!」
 菜々子は攻撃が命中する寸前で異次元に逃げて行った。
「やったー! 化け物を倒したぞ!」
「だが、私たちも竜の力を使い、命を使い果たしてしまったようだ・・・・・・バタッ。」
 水の侍忍者ウンディーネの助たちは力尽きて絶命した。

「なんだかな。これならタイムワープなどしないで、現代世界で悪の組織ゴエティアと戦い続けている方がマシなような気がしてきた。」
 菜々子は時間旅行に酔っぱらって気持ちが悪かった。
「あの、ここは何時代ですか?」
「ここは2500年の世界ですよ。」
「これはご丁寧に教えて下さり感謝します。ペコッ。」
 菜々子は教えてくれた通行人に頭を下げて感謝の意を表した。
「2500年か。今度は過去から未来にやって来ちゃった。アハッ!」
 相変わらず呪われている菜々子。
「なんだ!? そのパイロットスーツは!?」
 そこに聞き覚えのある声で大きなロボットが現れる。
「どこかで聞いたことのあるような声が聞こえる・・・・・・。」
 嫌な予感しかしない菜々子。
「私の名前は水野ウンディーネ。日本人と外国人のハーフだ。そして、このロボットは日本が開発したジャパロボというロボットだ。私の機体はジャパロボ・ウンディーネ。自分の名前を入れているのだ。アハッ!」
「私の名前は菜々子。よろしくね。」
 現れたのは水野ウンディーネ。ジャパロボのパイロットである。
「あっ! 未来の博物館で見たことがあるロボットだ! やっぱり巨大ロボットは小回りが利かないので、デビル・スーツが作られたと聞いたことがある。」
 2500年はジャパロボ。3000年はデビル・スーツ。時代の流れで科学力は大きく進化している。
「ということは3000年にもあるのかな? デビル・スーツ・ウンディーネ。」
 また、嫌な予感しかしない菜々子。
「すごいね! 菜々子の装着しているパイロット・スーツは。少し見せてもらってもいいかい?」
「いいよ。」
 菜々子は未来の技術を過去の世界に見せることで科学の発展を願う。
「スゴイ! スゴイ! 菜々子のパイロット・スーツ!」
 水野ウンディーネは初めて見るデビル・スーツの高度な科学技術に感動する。
「こいつを改良して、もっと強力なパイロット・スーツを作ってやる! そしたら世界は私のものだ! ワッハッハー!」
 そして水野ウンディーネは悪意を生み出してしまい世界征服を考える。
「ま、ま、まさか!? こいつが悪の組織ゴエティアを作ったんじゃないでしょうね!?」
 そのまさかである。ここでゴエティアの幹部はデビル・スーツ・ウンディーネなどの元は精霊たちで決まった。
「ウンディーネ! おまえの野望は今日ここで私が阻止する! 私が地球を守ってみせる!」
 立ちはだかる菜々子。
「何を言う? 小娘の分際で! おまえが私に技術供与などしなければ、私は世界を手に入れようなどという悪意など抱かなかったのだ! このおっちょこちょいめ!」
「おっちょこちょいの何が悪い!」
 菜々子のデビル・スーツ・バエルと水野ウンディーネのジャパネット・ウンディーネの激しい戦いが始まる。
「くらえ! 我が宿敵! ウンディーネ! 必殺! ハイパーメガ粒子砲!」
「目覚めよ! 水の力よ! 死ね! 菜々子! ウォーター・ビーム!」
 二人の必殺技が火花を散らす。
「やるな! ウンディーネ!」
「貴様こそ! 菜々子!」
 両者の戦いは互角に思えた。
「待たせたな! ウンディーネ!」
 そこに新たなジャパロボたちが現れる。
「ジャパロボ・サラマンダー!」
「ジャパロボ・シルフ!」
「ジャパロボ・ノーム!」
「ジャパロボ・サンダーバード!」
「ジャパロボ・アイス!」
「ジャパロボ・スノーウーマン!」
「ジャパロボ・ダークアイ!」
 7体のジャパロボが現れた。
「だから、毎回1体ずつ増やすなって。も~う! 私にどうしろという!?」
 菜々子は内心は焦っていた。敵の数が増え過ぎて、もう一人で戦って倒していけるのか不安な菜々子。
「くらえ! 菜々子! ジャパロボ・8体合体ビーム!」
 超極大ビームが菜々子を襲う。
「知らん! タイムワープ!」
 攻撃が命中する寸前、菜々子は別の次元にワープした。

「ふう~。異世界、過去、未来。どの時代に行っても碌な目に合わないな。やっぱり現代が一番だわ。」
 菜々子は現代のチタマの家に戻ってこれた。
「なんだ!? おまえたちは!?」
 菜々子が異次元で遊んでいる間にチタマの家は悪の組織ゴエティアに占領されていた。
「私の名前はベレト。裏切者。待ちくたびれたぞ。おかげでこたつでミカンを頂いている。中々、人間の生活というものもいいものだな。アハッ!」
 ゴエティアのベレトは2021年の人間生活を楽しんでいた。
「お! おかえり! 菜々子!」
「チタマ。おまえ、人がいない間に勝手にゴエティアを家にあげるなよ。こいつ、くつろいでいるぞ。」
 久しぶりの再会を果たすチタマと菜々子。
「まあ、そういうな。ゴエティアとの和解の道が開けるかもしれない。」
「なんだって!?」
 いろんな世界に行ったことで新しい発想が思い浮かぶ。
「ベレトたちゴエティアも半分人間、半分ロボットの3000年の人間であり生命体だ。話し合った結果、やはり生身の地球人、人間でいたいという結論に達成した。そこで地球を滅ぼすより協力して、美しい地球を残し、そして自分たちもキレイな生身の人間の体で3000年の地球で生きたいという結論に達した。ここにゴエティアと我々は同盟を結び地球の平和を守ることにしたのだ。」
「なんですと!? それではゴエティアは方針転換したというのか!?」
「つまり、そういうこと。」
 ゴエティアも菜々子と同じで綺麗な地球、生身の人間でいたいと願ったのだ。
「美味しいな! このアイスクリーム! やっぱり冬はこたつでアイスに限るぜ! アハッ!」
 全く人の話を聞いていないベレト。
「ははははは・・・・・・。素晴らしいオリジナルな物語だ・・・・・・。」
 呆れる菜々子であった。

バーキュン!

 その時、地球に宇宙からビームが落とされる。
「なんだ!? なんだ!? 何事だ!?」
 菜々子は外を見て見る。
「宇宙艦隊だ!?」
 空には宇宙戦艦が無数にいた。
「我々は全宇宙の支配を企むギャラクシーだ! 地球を侵略するためにやってきた! 地球人は速やかに降伏せよ! さすれば奴隷として我々が飼ってやろう! ワッハッハー!」
「なんだって!?」
「おいおい。今度は宇宙人の侵略かよ? どれだけ地球には敵が多いんだ。」
 新たな地球の危機がやって来た。
「まあ、いい! 私が地球を救います! ロード・トウ・ピースです! アハッ!」
 気持ちを切り替える菜々子。
「救えるものなら救ってみろ!」
 宇宙からの刺客が地球にやってくる。
「何者だ!?」
「私は水星を司る宇宙の騎士マーキュリーだ! くらえ! 地球人! マーキュリー・ビーム!」
 マーキュリーは水のビームを放つ。
「クソッ!? こいつもウンディーネ繋がりか!?」
 菜々子、若しくは地球は水の精霊ウンディーネに呪われているだろう。水の惑星だけに。
「菜々子。ここで敵の攻撃を受けるんだ。」
 その時、ベレトの演技指導が入る。
「なに!? 私に死ねというのか!?」
 抵抗する菜々子。
「違う。簡単に倒すと盛り上がらない。攻撃を受けてダメージを受けピンチを迎えるんだ。そこで一般大衆の気持ちを心配させて引き込んでからの不屈の闘志で蘇り敵を倒すんだ。」
「はあっ!? そういえばどのヒット作品もそれと同じ手法で一回ピンチを迎えてから敵を倒している!? ただの尺の調整の演出じゃなかったのか!? よし! やってみよう!」
 菜々子とベレトに友情が芽生える。
「ギャアアアアアアー!」
 菜々子はマーキュリー・ビームを食らう。
「ワッハッハー! 地球人も大したことがないな!」
 勝ったと水星騎士マーキュリーは高笑いする。
「それはどうかな!」
 その時、瀕死の菜々子が立ち上がる。
「なに!? まだ生きていたのか!?」
「そうだ! 私は生きている! 絶対に! 絶対に! 私が地球を守るんだ!」
 菜々子のデビル・スーツ・バエルが光を放ち覚醒する。
「これは!?」
「デビル・スーツの本来の力だ。」
「本来の力?」
 ベレスが解説する。
「悪魔の様な破壊力からデビル・スーツと人々に呼ばれるようになったが、本来はデビル・スーツは地球の平和を守る為に作られたピース・スーツだ。」
「ピース・スーツ!?」
 ちょっとダサい名前かも。
「そうだ。着る人の気持ち次第で平和にも悪魔にも変わるのだ。菜々子、君はデビル・スーツをエンジェル・スーツに変えることに成功したんだよ。」
 すぐさま訂正が入るデビル・スーツの別名。
「私は悪魔じゃない! 天使の様に地球を守る為に大空を駆け巡るんだ!」
 菜々子のエンジェル・スーツに羽が生え空に羽ばたく。
「なんだ!? 地球人は空を飛ぶことができるというのか!?」
 水星騎士マーキュリーは菜々子に地球人を見る。
「分かるまい! 綺麗な星を侵略しようというおまえには! 私が地球を守りたいという気持ちが!」
 菜々子がハイパーメガ粒子砲のエネルギーチャージを始める。
「なんだ!? なんだ!? こんな宇宙人は今までに見たことがないぞ!?」
 水の騎士マーキュリーはただただ驚くことしかできなかった。
「いくぞ! 侵略者! これが私のバエル・ハイパーメガ粒子砲だ!」
 菜々子は覚醒したバエルでハイパーメガ粒子砲を撃つ。
「ギャアアアアアアー!」
 水星の騎士マーキュリーは倒された。
「私が地球を救います! ロード・トウ・ピースです! アハッ!」
 菜々子は勝利する。
「盛り上がるけど、攻撃を受けてダメージを受けてから反撃して倒すって痛いね。」
 勝った菜々子も満身創痍である。
「大丈夫よ。菜々子なら。」
 ベレトが慰める。
「ありがとう。ベレト。心配してくれて。優しのね。」
 感謝する菜々子。
「だって、次回に続くだもの。アハッ!」
「え・・・・・・。」
 秋風が吹く菜々子の戦いはまだまだつづく。
 つづく。
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