薄皮ヨモギの暗中模索

渋谷かな

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あなた、NJKって覚えてる? ニュータイプ女子高生じゃないわよ。

私は忘れていた。原因は勉強が忙しくて間が空いてしまったから。もし続けて書けていたら前話もNJK(何か取り柄のある女子高生)を盛り込んで、もっとエキサイトな展開にできたはず・・・。ちょっと後悔。

ワードズ・オブ・アウェーケニング。私は薄皮ヨモギ。私は高校を支配する。

アンコ、ツブコ、ズンコ。あなたたちの死は無駄にはしないわ。この戦いを終わらせてみせる! こんなサイバーセキュリティ世界なんて、私がぶっ潰してやる!

「キャアアア!?」

なに!? 私は悲鳴が聞こえた方に振り返った。こ、これは!? 仲間割れしていたサクコ、タイコ、ハチコ、キンコが後ろから迫ってきた電撃に気づかずに呑み込まれた。

「・・・。」

お、終わった。十代の青春の終わりなんて、こんなものだ。儚くてあっという間に覚めてしまって、現実に呑み込まれ大人の階段を登ってしまうのよね。なんだか、悲しいね。私は私を覚醒させる言葉も使わずに、製作委員会の渋谷区代表に決まった・・・かに見えた。

「・・・!?」

その時、4人を呑み込んだ電撃が人の姿に集約されていく。じょ、女子高生!? 電撃が女子高生の姿を形成していく。そして変身が完了すると自分の手の平を不思議そうに眺める。電撃は自分の意志で手が動き、自分に人格が備わったことを自覚し私を見つめる。

「私の名前は電撃ウイコ。サイバーセキュリティのプログラムの隙間をかいくぐって侵入したコンピューターウイルスが擬人化した姿。私は薄皮さん。あなたを倒して、自分の存在を、なぜ自分がここにいるのかを確かめる。私が生まれた意味を証明する。」

電撃ウイコ!? ウイコなんて名付けたら、ういろうからのウイコができないじゃない!? ・・・んん!? それは私が悩む問題じゃない。いけない、いけない。どうも脱線して物事を悩むクセが私にはあるわね。

「・・・。」

私には分かる。ウイコの気持ちが。ウイコは私と一緒なんだ。私自身の存在に不安で、なぜ生まれたのか、なぜ悩むのか。答えの無い問題をどこまでも悩むんだ。大人になったら悩まないんだろうけど、精神不安定の十代の青春特有の悩み事ね。いいわ。人生の先輩として、その挑戦、受けて立とうじゃない。私は私を覚醒させる想いのこもった言葉を心の中で唱える。

ワードズ・オブ・アウェーケニング。私は薄皮ヨモギ。私は高校を支配する。

「いいわよ。ウイコ。その悩み事、私が解決してあげる。」
「な、なに!? 薄皮さん。あなたは喋れるのですか!? 私を騙しましたね!?」

濡れ衣だ! 私は騙してなんかない。ちょっと内気で悩み事が好きで話そうと思ったら時間が過ぎていて、次の話題に切り替わっているから喋れないだけよ。私は何も悪くない。エッヘン。

「騙される方が悪いのよ。」
「薄皮さん許しません! 私のウイルスで犯してあげます!」
「私を犯す? 今、犯すはグラビアアイドルが中学校の始球式で4000人の中学生に犯された衝撃映像が世界のニュース番組のトップニュースで、日本は犯すOKの国ですってやってるのよ! それに大会は中止にならず、グラドルは泣き寝入りよ! コンピューターウイルス如きで私を犯せるものなら犯してみなさいよ!」

あれ? ちょっとズレたかしら? 小さなことは気にしないっと。きっと、これからドラマや映画で1人対4000人というゴット稲村スタイルが流行るのね・・・日本って寂しい国だわ。マジ動画見て、衝撃過ぎて、髪の毛が抜けるわ・・・。

つづく。
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