薄皮ヨモギの暗中模索

渋谷かな

文字の大きさ
2 / 81

しおりを挟む
ああ・・・どうして春はやってくるのだろう? どうして桜は咲くのだろうか? どうして私は高校生にされてしまったのか? ああ・・・春は嫌い。だって新生活は悩み事が増えるんだもの。

入学の季節といえば春。いったい誰が入学式を春に決めたのだろう? 私は、そんな悩み事を考えながら体育館の形だけの入学式に大人しく出席していた。入学初日から目立つ行動は控えようと悩み考え結論を出していたからだ。

みんなと同じ行動をしていれば、特に目立つことは無い。入学式は無事に乗り切れるはずだ。これが私の出した答えであった。今までの悩み続ける人生は伊達ではないのだ。ワッハッハー!

4度目の入学式。幼稚園、小学校、中学校の入学式の経験から、私は同じ失敗はするものかと悩みに悩み一睡もできずに朝を迎え、入学式に睡眠不足で、フラフラの状態で参加している。

私には勝算があった。今日は高校初日で、入学式と軽いホームルームしかないはずだ。睡眠不足であっても、お昼には家に帰ることができ、暖かい布団で眠ることができるのだ。私は勝利を九分九厘確信していた。

どうして校長先生の話は長いの? 自己顕示欲の現れね。自分のことを偉いとおもっているのかしら? それとも自分の存在に不安を感じているのかしら? どちらにしても長い。早く終わってよね! 体育館は寒いから、トイレに行きたくなっちゃうだろうが。

形だけの入学式が終わった。新入生の私は自分が、これから1年間暮らす教室に移動した。移動中にトイレにも行き、ここまでは私の悩み考えたシナリオ通り。伊達に15年間も悩み生き抜いてきた訳ではない。

高校初日を勝利で飾れると思っていた。ここまでは・・・。

え!? なんで!? どうして!? 理解できないんですけど!? これは罠!? 誰かが私を狙っている!? 私に恨みでもあるの!? やっぱり高校生になっても周りは幼稚な敵だらけなのね!?

私は取り乱していた。外面は冷静を装っていたが、心の中ではピンチだと警報が鳴り響いていた。ああ~背中に変な汗をかいてきたし、額から冷や汗が・・・。落ち着け! 落ち着くのよ! こういう時こそ、冷静に悩むのよ!

こんなことができるのは個人じゃない・・・今日、初めて私と会う奴らができることじゃない・・・。まさか!? 黒幕は、学校!? 私が瞬時に悩み考え導き出した答えだ。

初めてのクラスの席順は名字のあいうえお順が鉄板。私の苗字は薄(すすき)だから、私の席はクラスの真ん中のはず・・・それなのに私の席があいの生徒の次の、うの所になっているのはなぜ!?

いじめね! いじめに違いない! この悩み事に陰謀を感じるわ。故意でなければ、一人のカワイイ新入生の女の子の3年間の人生を決めてしまうような、こんな酷いことができるはずがない!

どうする!? 私!? 悩んで悩んで、色々な可能性を悩むのよ! そして、この悩み事を解決してみせるのよ! ああ! 神よ! どうして高校初日から大きな悩み事を私に与えるのですか!? あんまりだ・・・。

つづく。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし

かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし 長屋シリーズ一作目。 第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。 十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。 頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。 一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。

対米戦、準備せよ!

湖灯
歴史・時代
大本営から特命を受けてサイパン島に視察に訪れた柏原総一郎大尉は、絶体絶命の危機に過去に移動する。 そして21世紀からタイムリーㇷ゚して過去の世界にやって来た、柳生義正と結城薫出会う。 3人は協力して悲惨な負け方をした太平洋戦争に勝つために様々な施策を試みる。 小説家になろうで、先行配信中!

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

四代目 豊臣秀勝

克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。 読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。 史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。 秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。 小牧長久手で秀吉は勝てるのか? 朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか? 朝鮮征伐は行われるのか? 秀頼は生まれるのか。 秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?

処理中です...