最強の歯科助手、みなみちゃん4

渋谷かな

文字の大きさ
1 / 48

1話

しおりを挟む
登場人物 
綾・・・野菜嫌い、おやつ大好き女子高生。
お母さん 

歯医者スタッフ
美代先生・・・怖い
みなみ助手・・・ブリっ子


朝。自宅。

綾「イタイ~!!!」

綾の大声が画面を飛び出す。綾はパジャマを着替え自分の部屋から出てお母さんのいるリビングに移動する。お母さんは朝ごはんの準備をしている。

「綾、おはよう。」
「お母さん、おはよう。イタタタタっ!」
「あら!? どこか痛いの?」
「歯が痛い。」
「まぁ! 大変!」
「痛いよ~。」
「大丈夫? どうして虫歯になったのかしら?」
「お母さんのチョコキノコ料理が原因だよ。」
「違います。お母さんは虫歯になってないもの。」
「ガーン。どうして私だけ!?」
「しっかり歯は磨いたの? 昨日、暑い暑いっていいながら、苺のアイスクリームばかり食べていたのはだあれ?」
「ギク! なぜそれを!?」
「学校には電話してあげるから、歯医者さんに行ってらっしゃい。」
「は~い!」
(やった! 学校に行かなくてもいい! 虫歯、最高!)

綾は歯医者の前まで来る。歯医者は本日オープンの看板がある。

「あ、新しい歯医者さんだ。」

綾は扉を開けて中に入っていく。歯医者の中は新しくきれいな内装だった。受付に助手の女の人がいる。

「おはようございます。初めての方ですね。」
「はい。」
「今日はどうしましたか?」
「歯が痛いんです。」
「分かりました。座ってお待ちください。」
「は~い。」

綾は待合室のソファーに座った。場面変わり歯医者のスタッフルーム。助手が扉を開けて中に入ってくる。

「先生! 初患者がやってきましたよ!」
「キタ~!」

中には歯医者の院長先生の美代がいた。

「長かった安月給の勤務医時代、お金を貯めに貯めて、やっと開業資金をつくり、自分の医院を持っことができた。」
「・・・先生。」
「これからはガッポリ稼いで、セレブ生活をするんだ!」
「・・・先生。」
「ブランドバックに、ドンペリに、あと外車もいいわね。」

自分の欲望の世界に入った先生は、助手が読んでるのも気づかない。助手は冷たい目線で呆れている。

「・・・先生。長く待たせるとセレブ生活が帰っちゃいますよ?」
「なに!? それは困る! 早く診療室にお通して! みなみさん! あなた! そんなこともわからないの!?」
「え!? 私のせいですか!?」
「さぁ、開業して1人目の患者だ。腕も鈍ってるし肩慣らしに削りまくるぞ!」
「プンプン・・・はぁ。」
「ハワイにしようか、パリもいいな。ワッハハハハハ~。」

先生は直ぐに夢の世界に入ってしまう。助手は綾を呼びに行く。

「綾さん、中へどうぞ。」
「は~い。」

中にはイスがリクライニングする診療台がある。歯を削る機械。うがいをする機械もある。

「それではイスに座ってお待ちください。」
「は~い。」

そこにセレブ生活のことしか頭にない、美代先生が歌を歌いながらやってくる。

「カモがねぎをしょってやってきた。バン!バン!バン!っと。」
「・・・先生。患者さんがいますよ。」
「おっと!?」

綾は鴨葱の歌を理解してないので気にしていない。美代はイスに座り、座っている綾と向い合せになる。

「おはようございます。当院の委員長、美代です。今日はどうされたんですか?」
「歯が痛いんです。」
「わかりました。歯を見てみましょうね。」
「は~い。」
「みなみさん、イスを倒して。」
「イスを倒しますよ。」
「おお!?」

綾はイスが真横にリクライニングするのに驚く。美代の頭の中は

(きれいな歯でも1年位は通院してもらうんだ。私はセレブになるんだ。)

「歯を見るので、お口を大きく開けて下さい。」
「は~い。」
「ギャア!?」

先生は綾の口の中を見て恐怖した。思わず大きな声を出してしまった。

「どうしたんですか!? 先生!」

みなみも綾の口を覗きこむ。

「ギャア!?」

綾の口の中は真っ赤だった。昨日食べた苺のアイスクリームがそのまま残っていた。歯の所々から苺が生えていた。奥歯にはチョコキノコも生えていたのだった。
綾の口の中は虫歯ランドになっていた。

「こんな歯を見たのは初めてです。学会でも発表されていません・・・。」
「・・・先生、あれって生えてるんですか?」
「わ、私は少し休みます。みなみさん、あとよろしく・・・。」
「そんなぁ! 私には無理です! プンプン。」

先生はスタッフルームに逃げて行く。助手は1人残された。

「・・・はぁ」

助手はため息を吐く。気合いを入れる。

「よし! みなみ、がんばる!」
「イスを元に戻しますね。」
「は~い。」

イスは寝台状態から普通のイスに戻る。助手は綾に説明を始める。

「今日は歯のクリーニングをしますね。」
「は~い。」
「自分の歯を見たことがありますか?」
「ありません。」
「毎日、ちゃんと歯磨きはしていますか?」
「してません。」
「歯に、いちごやチョコキノコが生えてましたよ。」
「すごい~。」
「・・・はぁ。ちゃんと歯磨きをしないと、おやつが食べれなくなりますよ。」
「ガーン!」

綾は始めて、歯の大切さに気付いた。

「虫歯を直してください!」
「わかりました。それでは歯の掃除を始めますので、イスをたおしますね。」
「お願いします!」

イスを寝台タイプにリクライニングする。助手はやる気満々である。

「まず口の中の赤いのと黒いのをきれいにします。口を大きく開けてください。」

綾は口を大きく開ける。そして助手はゴーグルをし、機器を手に持ちボタンを押す。ウイーン!!! 機器の作動音が鳴る。

「いきますよ!」

綾の歯に機器があたり、ギュギュギュギュギュ!!! 歯の削れる音がする。

「ギャ!?」

綾は気絶する。助手は機器を止める。

「大丈夫ですか?」

綾は気絶しているので返事をしない。助手の顔が笑う。

「チャンス!」

機器のスイッチをONにする。ウイーン! 助手は綾が気を失ったのを見て、歯のクリーニング作業に入る。ギュギュギュギュギュ!!! 助手は集中して作業を進める。

(まず苺を倒して、奥のチョコキノコを倒さなくっちゃ!)
(あぁ! 虫歯だらけね。いったいどんな生活しているのよ!?)
(プンプンしちゃうぞ!?)

「みなみ! がんばる! おぅ!」

助手は絶好調だった。バラエティー的に許されるなら、助手はお手上げで、綾の口の中に消火器のホースを突っ込み、苺とチョコキノコを洗い流す。でも、おもしろかっただろう。

場面が変わる。

綾は夢の中にいた。綾の体は巨大化していて、普段暮らしている街が足元に小さく広がっている。いつものように謎の声がする。

「綾、綾。」
「あ、神様?」

神の声は聞こえるものの、神様の姿は見えない。

「綾、歯をちゃんと磨きましょうね。」
「だって面倒くさいだもん。」
「そんなことでは野菜が食べれませんよ?」
「別にいいもん。野菜が食べれなくったって。野菜大っ嫌い!」
「おやつも食べれませんよ?」
「ガーン!」
「しっかり虫歯を直して、あなたの地球を守ってくださいね。」
「私の地球!?」

場面が変わる。

綾は目が覚める。イスが寝台のようになっていて、綾は横になって眠ってしまっていた。イスがリクライニングして、綾は自動で起き上がる。そこには先生がいた。

「お目覚めですね。まず鏡で自分の歯を見て下さい。」

綾は鏡で自分の歯を見る。

「おお~!」

歯が真っ白になっている。ピカン! と歯が光っている。

「真っ白~。」
「助手のみなみさんが命がけで、あなたの歯に生えていた、苺とチョコキノコを取り除きました。」

場面が変わる。

歯科医院の休憩室。歯科医院の休憩室で助手は倒れてピクピクしている。助手はノイローゼ気味に疲れてしまった。

「い、苺が・・・、チョ、チョコキノコが・・・、アハハハハ・・・。」

場面戻る。

診察室。綾は喜んでいる。

「わ~い! 虫歯が治った!」
「・・・はい!?」
「寝ている間に治るなんてラッキ~。」

綾は喜んでいる。歯もきれいになり、勝手に帰ろうとした。

「まだ虫歯は治っていませんよ。」
「え!?」
「汚い歯のクリーニングが済んだだけで、本番はここからですよ。」
「ガーン!」

イスのリクライニングが下がり、横の寝台タイプになり、綾は寝た姿勢になる。バラエティー的に許されるなら、手と足が拘束バンドで拘束される。ウイーン! 先生が歯を削る機器を手に持っている。

「いきますよ、細菌娘。ウイーン!」
「や、やめて~! 許してください!」

綾は必死に抵抗する。先生は口の中でバカンスを楽しんでいる虫歯をロックオンしている。

「虫歯め。私のセレブ生活のために覚悟しろ! ギュギュギュギュギュ!!!」
「ギャア!」

先生と虫歯の戦いは2時間も続いたらしい。綾の悲鳴はどこまでも響いた。

場面が変わる。

歯医者からでてきた綾は言った。

「歯医者なんか・・・大っ嫌い!」

綾は自宅へ向けて帰っていく。綾は歯医者に2度と行くものかと思った。しかし、今日は虫歯を削って詰め物をしただけなので、また来週も大っ嫌いな歯医者に行かなければならないのだった。

おしまい。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

婚約破棄の代償

nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」 ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。 エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。

処理中です...