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10話
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「どうもです~♪」
美代先生が着物を着て、ひな人形のお雛様の姿でやってくる。パシャパシャっと、取材のカメラがシャッターを押す。
「美代先生、今年のお雛様に選ばれた感想をお願いします。」
取材陣の問いかけに、美代先生は答える。
「私みたいな、おばちゃんが選ばれて、申し訳ない。」
美代先生は、18才から6年間、大学生で24才。1年間の研修医で25才。そこから勤務医でお金を貯めて、開業したとなると・・・30才は超えているだろう。
「美代先生、今年で何才になったんですか?」
「んん、いわゆる一つの、どうもでしょう~♪」
女性に年齢を聞くのは失礼だと思うが、記者の質問を上手にはぐらかす美代先生。その会場に一際、おかしな光景がある。
「プヒャ~♪ 甘酒おいしい(⋈◍>◡<◍)。✧♡」
「キュルキュル(⋈◍>◡<◍)。✧♡」
会場の片隅で、ひなあられ、菱餅をひたすら食べ、甘酒を飲んで酔っ払っている、女の子とパンダがいた。
「どうもです~♪」
この物語は、もらえる賞は、何でももらうガメツイ美代先生と、食べ物で簡単に釣れる最強の助手のみなみちゃんと、笹団子が大好きなパンダのパンパンの、心温まる物語である。
美代歯科医院に朝がやって来た。
「青い空~♪ 澄み切った空気~♪ なんて素晴らしい1日の始まりなんだ~♪」
「先生、無理の楽しそうにしないでください。」
「キュル。」
美代先生は、今日も絶好調を装っていた。
「来るなら来い! 細菌娘!」
「今日の新しい綾ちゃんの細菌はなんでしょうね? また、先生の学会にのレポートのネタが増えますね。」
「キュルキュル。」
美代の歯科医院は、綾が通院してくれる間は、学会に提出する「新種の細菌を発見!」レポートの題材に困らない。後に、みなみちゃんが作成する、美代先生のレポートは、新種の細菌に支配されそうな世界の人々を、虫歯から救うことになる。
「綾ちゃんのお母さんが、ネット通販で、チョコキノコを販売して、世界中に新種の細菌をバラまいたら、地球は新種の細菌で、歯からチョコキノコが生えた人間ばかりになるだろうな。」
「ダメですよ、先生。そんなことを言ってると本当になってしまいますよ。」
「そうなの?」
「キュルキュル。」
綾の虫歯は、「おかずおやつ」という新しい料理作りが好きな、綾ママによるところが大きい。世界の細菌の出所は、綾ファミリーなのである。
「美代先生、私たちリニューアルしたんですから、こんなにパロディにこだわらなくてもいいんじゃないですか?」
「それはもう、手遅れ。」
「ガクン・・・。」
「キュル・・・。」
いくらでも書けるけど、不正しないから、読者選考にもかからないな。2まで、考えて書く必要はないか・・・。
「美代ちゃん、遊ぼう~♪」
綾ちゃんの声が聞こえてきた。美代歯科医院には緊張が走る。
「出た!? 細菌娘!?」
「綾ちゃんの襲来だ!?」
「キュルキュル!?」
美代先生は、クマではないが死んだふりをする。
「みなみちゃん、後よろしく。」
「先生!? ここは先生の病院でしょ!?」
「まだクマに食べられたくないんだ!?」
「私は食べられていいんですか?」
「うん~♪」
「先生・・・。」
「キュル・・・。」
みなみちゃんは、諦めて、お客さんを迎える。
「はい。綾ちゃん、おは・・・あなたたち!?」
「みなみちゃん、友達を連れてきたよ~♪」
綾ちゃんは、1人ではなかった。以前に美代歯科医院に遊びに来た、友梨、麻美がいた。
「こんにちわ。」
「また、来たぞ。」
「私の歯も見て。」
友達は2人しか見えないが、声は3人分した。
「ミクちゃんもいるのね!?」
「そうだよ。」
「みなみちゃん、ミクちゃんが見えないなんて、心が汚れている証拠だよ。」
「グサ!? って、綾ちゃんには言われたくない。」
そこに美代先生が、様子を見にやって来る。
「みなみちゃん、生きてる? ・・・うわあ!? 綾ちゃんの他に見覚えのあるのが、2人もいる!?」
「先生、綾ちゃんの友達は、3人ですよ。ミクちゃんが見えないなんて、心が汚れている証拠ですよ。」
「あのプロレス娘か!?」
心の汚れている美代先生には、ミクちゃんの姿は見えなかった。そして、いつものように美代先生は、誰もいないのに、コブラツイストにかかる。
「イタタタタ!?」
「ミクもいるよ。」
「ごめん!? ごめん!? ギブ!? ギブ!?」
「勝者、ミクちゃん!」
「うおお~♪」
勝ち名乗りを受けるミクちゃん。美代先生には、やはり綾ちゃんが関係がある日は、厄日である。
「先生、大丈夫ですか?」
「し、死ぬかと思った。」
美代先生よミクちゃんの相性は悪い。麻美ちゃんが、パンパンを見つける。
「この前のパンダ~♪ 続きをしようじゃないか? おいしそうなパンダ~♪」
「キュルキュル!?」
「ダメ! パンパンを食べてはいけません!」
麻美ちゃんは、なんでも食べる大食いモンスターなので、前回登場の時も、パンパンの頭を丸飲みしているのを救出した。
「はあ・・・はあ・・・この物語は歯医者の話だったはず!?」
「はあ・・・はあ・・・先生、歯を治療する前に体力が持ちません!?」
「キュル・・・キュル・・・キュル!?」
そう、これでもメインは歯医者の話だ。そこに友梨が助け船を出す。
「この3人の相手を、真面目にしていると疲れますよ。」
「そうだね。虫歯の無い、友梨ちゃんだったっけ?」
「はい。」
「よく、この3人と友達でいられるね?」
「適当に流していますから~♪」
「ははは・・・賢いね。」
美代先生は、さっさと流して終わろうと思った。
「みなみちゃん、まず麻美ちゃんの歯が1週間でどうなったか、確認して。」
「はい。」
「その後で、綾ちゃんの歯を見てね。」
「先生、ミクちゃんは?」
「私がやる。」
「美代先生が燃えている!?」
珍しく美代先生がやる気なのだ。
「歯科医院に来て、歯科医師に暴力を働いたことを後悔させてやる!」
「そういうことか・・・。」
みなみちゃんは、美代先生に呆れる。
「麻美ちゃん、診察室にどうぞ。」
「しょうがないな。」
みなみちゃんと麻美ちゃんは、診察室に消えていく。
「こい、プロレス娘。」
「もう来てるよ。」
美代先生は、姿が見えないミクちゃんをどうやって治療するだろう?
「麻美ちゃん。お口を開けてください。」
「はい。」
みなみちゃんは、麻美ちゃんの口の中を見る。
「え!? 歯がボロボロ!?」
麻美ちゃんの歯は、ガタガタになっていた。
「何をどうやったら、こんなことになったの!?」
「前の時に歯をコーティングしてもらったので、試しに地面や岩石を食べてみたんだ。そしたら、こうなったのさ~♪」
「笑顔で言うな!」
さすがのみなみちゃんも歯科に関わるものとして、麻美ちゃんの行動は、許せない。自分の歯を何だと思っているのだろう?
「私に治せない歯は無い!」
みなみちゃんは、決めゼリフを自分に言い聞かせるように言う。
「もう! これじゃあ、差し歯に、インプラントに、歯を削ったりしないといけないのよ! プンプン!」
「大丈夫だよ。」
「なにが大丈夫なのよ!?」
「歯が全部抜けて、歯が生えてくるから~♪」
「おまえはサメか!?」
麻美ちゃんのガタガタの歯が一度に抜け、真新し歯が一斉に生えてきた。万国ビックリショーもびっくりの麻美の歯である。
「麻美ちゃんは、これで終わり。次の綾ちゃんを呼んできて。」
「わかった。みなみちゃん、ありがとう。」
みなみは思う。普通にしてくれていれば、みんないい子なのになっと。
「見えない・・・。」
美代先生は、ミクちゃんの歯を見て、虫歯を削りまくってやると思ったが、歯が見えないのでは、どうしようもない。
「先生、ミクの勝ちだね。」
「(ΦωΦ)フフフ…」
美代先生は、不敵に笑う。
「なめるなよ! 小娘!」
「何!?」
「歯科医学の力を見せてやる! ラムネを上げる。」
「ありがとう。」
ミクちゃんはラムネを口に放り込む。見る見る内にミクちゃんの歯が真っ赤になっていく。
「なんだ!?」
「さっきの薬が歯石染色剤だ。」
「騙したな!?」
ミクちゃんの全身の姿は見えない。しかし、口の中だけ真っ赤という、透明人間状態であった。美代先生には、口の中が見えれば十分である。
「コブラツイストは痛かったぞ、プロレス娘。」
「え!? そんなことしましたっけ!?」
「私は、歯の歯石落としは得意じゃないんで、手が滑ったら、ごめんね~♪ へへへ~♪」
「ギャア!? やめろ!? 人殺し!?」
美代先生は、みくちゃんの歯石落としを始めた。会話の運びには、問題があるが、美代先生は真面目に治療をしていく。
「綾ちゃん、口を開けてください。」
「はい。」
ついに細菌娘の綾ちゃんとの戦いが始まるかに見えた。
「ああ!? 綾ちゃんの歯に虫歯が無い!?」
今まで、歯からチョコバナナ、イチゴ、虫歯ランド遊園地を建設してきた、綾ちゃんの歯に虫歯がないのだ、前回、歯にフッ素コーティングをしたおかげである。
「歯科助手をしていて、こんなに良かったと思ったのは、初めて。」
みなみちゃんは、目から涙をこぼして、感動している。
「みなみちゃん、そんなに綾の歯のことを思ってくれてたんだね。」
綾も、今までの自分のおやつばかり食べて、歯磨きをしないで寝る不摂生を反省した。自分のためにみなみちゃんが涙を流してくれているのだから。
「みなみちゃん!」
「綾ちゃん!」
2人が抱きしめ合おうとした時だった。ピキピキっと歯を覆っていたコーティングに亀裂が入る。
「コケコッコー!」
綾の歯からニワトリが生まれた。
「え!?」
「うそ!?」
みなみちゃんと綾ちゃんは、驚く。
「コケコッコー!」
「どうして、ニワトリが!?」
「そういえば、昨日の晩御飯のメニューが、チョコチキンだったような!?」
「チョコチキン!?」
綾の口の中で、小さなニワトリが鳴いている。理由が、チョコチキンを食べたからだった。
「綾ママは、魔法使いか!? 新種の細菌を作り出す魔女か!?」
綾ちゃんのお母さんの趣味は「おかずおやつ」を作ること。野菜嫌いの娘のために、材料をおやつにして、料理を作っているのだ。
「ほほほほほ~♪」
みなみちゃんと綾ママは、全話、大学病院で会ったので、面識がある。そして、みなみちゃんは思う。
「綾ママを止めないと、綾ちゃんの虫歯は治らない!」
「みなみちゃん、カッコイイ~♪」
しかし、綾は、余計なことを思いだした。
「あ!? 昨日、お母さんがチョコチキンの出来が良かったので、インターネットで全世界に販売するって言ってたよ。」
「なんですって!?」
綾ママが世界中に、新種の細菌を拡散しようとしている。現在、新種の細菌を治療できるのは、美代歯科医院だけである。
「ああ!? 先生が言ったことを綾ママが、本当にやってたよ!?」
「みなみちゃん、大丈夫?」
みなみちゃんは頭の中がパニックである。綾も心配する。
「まず、綾ちゃんの歯を治療しましょう。」
「無理しないでいいよ?」
「大丈夫。私は最強の歯科助手なんだから。患者さんの歯を治療するのが、私のお仕事なんだから! 歯科助手だけど、シークレットライセンスも持ってるんだから!」
「みなみちゃん、カッコイイ~♪」
「ありがとう。それに綾ちゃんが呑み込んじゃう前に、ニワトリさんも助けてあげないとね。」
みなみちゃんは、綾ちゃんの歯の治療をする決心をする。
「みなみ! いきます!」
みなみちゃんの綾ちゃんの口の中の、ニワトリ救出作戦が始まった。
(そういえば、パンパンを助けた時も、こんな感じだったな。もしもペットで飼ったら、名前は、チキチキか、ニワニワになるのか・・・あんまり可愛くないから、引き取るのは止めておこう。)
(じゃあん~♪ ピンセット~♪ パンパンの時も強制的に摘み出した方が早かったのよね。えい! あ!? コラ!? 逃げるな!?)
「コケコッコー!」
「捕まえた!」
みなみちゃんは、ニワトリを摘み、綾の口の中から取り出した。ニワトリは助けてもらったので、みなみちゃんにペコペコ頭を下げている。微笑ましい光景だった。
「もう捕まっちゃあダメだぞ。」
「コケ!」
ニワトリさんは、診察室から去って行った。
「ふう。これでニワトリさんはOKっと。」
みなみちゃんは、引き続き、綾ちゃんの治療に取り掛かるために、他にニワトリなどの胃生物や新種の細菌がいないか、を確認しようとする。
「綾ちゃん、一度起き上がって、うがいしてね。そしたら、レントゲンを撮ってみましょう。」
「はい。」
みなみちゃんは、綾の歯のレントゲンを撮る。幸い他に新種の細菌は発見されなかった。
「よし、今日も歯をコーティングして、虫歯を防ぎましょう。」
「はい。」
綾ちゃんも、みなみちゃんが自分の歯のことを、大切に思ってくれているのが伝わっているので、みなみちゃんの言われることに素直に従っている。
「みなみ! いきます!」
治療を始める、みなみちゃんも仕事にやりがいを感じている。普通の虫歯じゃないけど、それでも困っている患者さんの歯を治せることがうれしい。
「綾ちゃん、終わったよ。」
「ありがとう。みなみちゃん。」
「綾ちゃんも、よくがんばったよ。」
「えへへ~♪」
患者さんから、感謝の言葉を言ってもらえることも、この仕事が好きな理由の1つである。金の亡者の美代先生とは、かなり違うのだ。
「おお!? 光ってる!?」
存在感の無く、姿が見えないミクちゃんの歯が、歯だけが光り輝いて見える。それを全員が驚いてみている。
「歯に蛍光塗料を塗ったんだ。これでどこにいてもミクちゃんがいると分かる。」
透明人間のプロレス娘は、口を開ければ、歯が光る女の子になったのだ。恥ずかしい時は口を閉じればいいのだ。
「美代先生。」
「ん?」
「これでミクも、みんなに存在を認めてもらえるんだね。」
「わ、私はただ、プロレス技を掛けられたくないから、やっただけだよ。」
「ありがとう。」
「どうもです。」
「みんな~♪」
照れ屋の美代先生は、営業用の口癖で、その場をしのぐ。ミクちゃんは、仲間たちの方へ、笑顔で駆けていく。
「ギャア!? 歯が襲って来る!?」
「怖い!?」
「みんな、どうして逃げるの!? ミクだよ!?」
「見えない方が怖くなかった!?」
光る歯が襲って来る。ポルターガイストも真っ青なホラーさ。
「あれ、そういえば、綾ちゃんの歯から生まれたニワトリさんがいないね?」
「キュル、キュル。」
「なに? パンパン。」
「キュル、キュル、キュル。」
「なになに、診察室から出てきたニワトリさんは、麻美ちゃんが食べた・・・。」
みなみちゃんは、ゾオっとした。見つめた、麻美ちゃんの口の周りには、チョコレートがべったりと憑いていた。
「ギャア!?」
「大丈夫? みなみちゃん。」
みなみちゃんは、恐怖のあまり悲鳴を上げ倒れ込む。それを支える美代先生。
「む、これは!?」
綾ちゃんが、壁に飾ってある。写真と表彰状に目が留まる。日本の総理大臣、中国の国家主席との写真と感謝状。国会議事堂の非常勤歯科医、渋谷大学病院の名誉教授の任命書である。
「もらったんだ。病院の宣伝になればと思って、飾ってあるんだよ。」
いかにも、セレブになりたい美代先生の考えそうなことだ。
「私も、ここに写真を貼る!」
「え?」
「私の写真を貼った方が、いい宣伝になるよ!」
綾は、自分の写真を総理大臣の横に並べたいだけである。(ΦωΦ)フフフ…。
「ワ~イ~♪ みんなで写真を撮ろう!」
「おお!」
綾ちゃんの提案で、全員で記念写真を撮ることになった。
「誰がシャッターを押す?」
しかし、次の問題が発生する。当然ながら、シャッターを押すと写真には写らないのだ。みんなで考え込んでいる。
「みなみちゃんは、ダウンして寝ているしな。」
「パンパンでは、肉球が邪魔して、ボタンが押せない。」
「ニワトリは麻美ちゃんが食べちゃったし・・・。」
「美代ちゃん、シャッターを押そうか~♪」
「いいよ~♪ ・・・て! ここは私の病院だぞ!?」
このメンバーでは、なかなか物事は決まらない。
「美代、遊びに来たぞ。」
そこに、渋谷ハチ太郎が、やって来た。
「誰?」
「美代の旦那です。」
「こら!? 違うだろう!?」
「美代ちゃんみたいな、ズボラな人間でも結婚できたの!?」
「そっちか・・・。」
こいつらは、私のことを何だと思っているんだ!? と思う美代先生だった。
「はい。」
「なに?」
「シャッターを押せ。」
「ええ!? 俺も写りたい!?」
「ハチ太郎、シャッターを押すか、ここに出入り禁止になるか、どっちがいい?」
「シャッターを押します~♪」
美代先生が好きな、ハチ太郎に選択肢はなかった。
「いきます! 3,2、1、パシャ。」
こうして、全員集合の記念写真が撮れた。
「また来週、写真の出来具合をチェックしに来るね~♪」
「歯の治療のためだろう・・・。」
「美代ちゃん、バイバイ~♪」
「もう来ないで・・・。」
こうして綾ちゃんたちは帰って行き、本日は無事に解散することができた。
「美代も大変だな・・・。」
「疲れた・・・。」
「さっさと俺と結婚すると、大学病院の御曹司の奥様として、悠悠自適に優雅に暮らせるぞ?」
「それも、イヤだ・・・。」
「ガーン!? 俺は、さっきの女子高生たちよりもダメなのか!?」
「桜吹雪、掃除しといてね。」
美代先生も、みなみちゃんの横に倒れるように寝転がった。歯科医師と歯科助手の2人は仲良しさ~♪
「みなみちゃん、後でラーメン食べに行こうか?」
「はい~♪ いきます! (⋈◍>◡<◍)。✧♡」
みなみちゃんは、目がパッチリ開き起き上がる。
「生き返った!?」
ほうきで掃除している八太郎は、ゾンビを見ているようだった。
「今日はチャーシューを2枚にしてもいいですか? (⋈◍>◡<◍)。✧♡」
「いいよ。」
「ゆで卵なんかも足してもいいですか? (⋈◍>◡<◍)。✧♡」
「いいよ。」
「お店のもやし、全部お持ち帰りしていいですか? (⋈◍>◡<◍)。✧♡」
「いいよ。ハチ太郎おごりだから。」
みなみちゃんは立ち上がり、桜吹雪を掃除しているハチ太郎に近づく。
「手伝います~♪」
「・・・ありがとう。」
「これも、もやしのためです! (⋈◍>◡<◍)。✧♡」
現金なイマドキ女子のみなみちゃんだった。
つづく。
おまけ。(⋈◍>◡<◍)。✧♡
みんなが気になる写真の構図はこうだ。
中央でカメラ目線で、美代先生と綾ちゃんが笑顔で握手している。まさに総理大臣・国家主席クラスの綾である。
後ろから、友梨と、口の周りがチョコレートだらけの麻美と、歯しか写らないミクが桜吹雪を舞い散らしながら、しっかり女子高生らしく写っている。
写真の端っこに、待合室の長椅子に寝転んで、目をグルグルさせている最強の助手みなみちゃんと、それを団扇で仰ぐパンダのパンパンが写っている。
もちろん八太郎はカメラを持っている指が、写真の隅に奇跡的に写っているだけである。
おわり(⋈◍>◡<◍)。✧♡
美代先生が着物を着て、ひな人形のお雛様の姿でやってくる。パシャパシャっと、取材のカメラがシャッターを押す。
「美代先生、今年のお雛様に選ばれた感想をお願いします。」
取材陣の問いかけに、美代先生は答える。
「私みたいな、おばちゃんが選ばれて、申し訳ない。」
美代先生は、18才から6年間、大学生で24才。1年間の研修医で25才。そこから勤務医でお金を貯めて、開業したとなると・・・30才は超えているだろう。
「美代先生、今年で何才になったんですか?」
「んん、いわゆる一つの、どうもでしょう~♪」
女性に年齢を聞くのは失礼だと思うが、記者の質問を上手にはぐらかす美代先生。その会場に一際、おかしな光景がある。
「プヒャ~♪ 甘酒おいしい(⋈◍>◡<◍)。✧♡」
「キュルキュル(⋈◍>◡<◍)。✧♡」
会場の片隅で、ひなあられ、菱餅をひたすら食べ、甘酒を飲んで酔っ払っている、女の子とパンダがいた。
「どうもです~♪」
この物語は、もらえる賞は、何でももらうガメツイ美代先生と、食べ物で簡単に釣れる最強の助手のみなみちゃんと、笹団子が大好きなパンダのパンパンの、心温まる物語である。
美代歯科医院に朝がやって来た。
「青い空~♪ 澄み切った空気~♪ なんて素晴らしい1日の始まりなんだ~♪」
「先生、無理の楽しそうにしないでください。」
「キュル。」
美代先生は、今日も絶好調を装っていた。
「来るなら来い! 細菌娘!」
「今日の新しい綾ちゃんの細菌はなんでしょうね? また、先生の学会にのレポートのネタが増えますね。」
「キュルキュル。」
美代の歯科医院は、綾が通院してくれる間は、学会に提出する「新種の細菌を発見!」レポートの題材に困らない。後に、みなみちゃんが作成する、美代先生のレポートは、新種の細菌に支配されそうな世界の人々を、虫歯から救うことになる。
「綾ちゃんのお母さんが、ネット通販で、チョコキノコを販売して、世界中に新種の細菌をバラまいたら、地球は新種の細菌で、歯からチョコキノコが生えた人間ばかりになるだろうな。」
「ダメですよ、先生。そんなことを言ってると本当になってしまいますよ。」
「そうなの?」
「キュルキュル。」
綾の虫歯は、「おかずおやつ」という新しい料理作りが好きな、綾ママによるところが大きい。世界の細菌の出所は、綾ファミリーなのである。
「美代先生、私たちリニューアルしたんですから、こんなにパロディにこだわらなくてもいいんじゃないですか?」
「それはもう、手遅れ。」
「ガクン・・・。」
「キュル・・・。」
いくらでも書けるけど、不正しないから、読者選考にもかからないな。2まで、考えて書く必要はないか・・・。
「美代ちゃん、遊ぼう~♪」
綾ちゃんの声が聞こえてきた。美代歯科医院には緊張が走る。
「出た!? 細菌娘!?」
「綾ちゃんの襲来だ!?」
「キュルキュル!?」
美代先生は、クマではないが死んだふりをする。
「みなみちゃん、後よろしく。」
「先生!? ここは先生の病院でしょ!?」
「まだクマに食べられたくないんだ!?」
「私は食べられていいんですか?」
「うん~♪」
「先生・・・。」
「キュル・・・。」
みなみちゃんは、諦めて、お客さんを迎える。
「はい。綾ちゃん、おは・・・あなたたち!?」
「みなみちゃん、友達を連れてきたよ~♪」
綾ちゃんは、1人ではなかった。以前に美代歯科医院に遊びに来た、友梨、麻美がいた。
「こんにちわ。」
「また、来たぞ。」
「私の歯も見て。」
友達は2人しか見えないが、声は3人分した。
「ミクちゃんもいるのね!?」
「そうだよ。」
「みなみちゃん、ミクちゃんが見えないなんて、心が汚れている証拠だよ。」
「グサ!? って、綾ちゃんには言われたくない。」
そこに美代先生が、様子を見にやって来る。
「みなみちゃん、生きてる? ・・・うわあ!? 綾ちゃんの他に見覚えのあるのが、2人もいる!?」
「先生、綾ちゃんの友達は、3人ですよ。ミクちゃんが見えないなんて、心が汚れている証拠ですよ。」
「あのプロレス娘か!?」
心の汚れている美代先生には、ミクちゃんの姿は見えなかった。そして、いつものように美代先生は、誰もいないのに、コブラツイストにかかる。
「イタタタタ!?」
「ミクもいるよ。」
「ごめん!? ごめん!? ギブ!? ギブ!?」
「勝者、ミクちゃん!」
「うおお~♪」
勝ち名乗りを受けるミクちゃん。美代先生には、やはり綾ちゃんが関係がある日は、厄日である。
「先生、大丈夫ですか?」
「し、死ぬかと思った。」
美代先生よミクちゃんの相性は悪い。麻美ちゃんが、パンパンを見つける。
「この前のパンダ~♪ 続きをしようじゃないか? おいしそうなパンダ~♪」
「キュルキュル!?」
「ダメ! パンパンを食べてはいけません!」
麻美ちゃんは、なんでも食べる大食いモンスターなので、前回登場の時も、パンパンの頭を丸飲みしているのを救出した。
「はあ・・・はあ・・・この物語は歯医者の話だったはず!?」
「はあ・・・はあ・・・先生、歯を治療する前に体力が持ちません!?」
「キュル・・・キュル・・・キュル!?」
そう、これでもメインは歯医者の話だ。そこに友梨が助け船を出す。
「この3人の相手を、真面目にしていると疲れますよ。」
「そうだね。虫歯の無い、友梨ちゃんだったっけ?」
「はい。」
「よく、この3人と友達でいられるね?」
「適当に流していますから~♪」
「ははは・・・賢いね。」
美代先生は、さっさと流して終わろうと思った。
「みなみちゃん、まず麻美ちゃんの歯が1週間でどうなったか、確認して。」
「はい。」
「その後で、綾ちゃんの歯を見てね。」
「先生、ミクちゃんは?」
「私がやる。」
「美代先生が燃えている!?」
珍しく美代先生がやる気なのだ。
「歯科医院に来て、歯科医師に暴力を働いたことを後悔させてやる!」
「そういうことか・・・。」
みなみちゃんは、美代先生に呆れる。
「麻美ちゃん、診察室にどうぞ。」
「しょうがないな。」
みなみちゃんと麻美ちゃんは、診察室に消えていく。
「こい、プロレス娘。」
「もう来てるよ。」
美代先生は、姿が見えないミクちゃんをどうやって治療するだろう?
「麻美ちゃん。お口を開けてください。」
「はい。」
みなみちゃんは、麻美ちゃんの口の中を見る。
「え!? 歯がボロボロ!?」
麻美ちゃんの歯は、ガタガタになっていた。
「何をどうやったら、こんなことになったの!?」
「前の時に歯をコーティングしてもらったので、試しに地面や岩石を食べてみたんだ。そしたら、こうなったのさ~♪」
「笑顔で言うな!」
さすがのみなみちゃんも歯科に関わるものとして、麻美ちゃんの行動は、許せない。自分の歯を何だと思っているのだろう?
「私に治せない歯は無い!」
みなみちゃんは、決めゼリフを自分に言い聞かせるように言う。
「もう! これじゃあ、差し歯に、インプラントに、歯を削ったりしないといけないのよ! プンプン!」
「大丈夫だよ。」
「なにが大丈夫なのよ!?」
「歯が全部抜けて、歯が生えてくるから~♪」
「おまえはサメか!?」
麻美ちゃんのガタガタの歯が一度に抜け、真新し歯が一斉に生えてきた。万国ビックリショーもびっくりの麻美の歯である。
「麻美ちゃんは、これで終わり。次の綾ちゃんを呼んできて。」
「わかった。みなみちゃん、ありがとう。」
みなみは思う。普通にしてくれていれば、みんないい子なのになっと。
「見えない・・・。」
美代先生は、ミクちゃんの歯を見て、虫歯を削りまくってやると思ったが、歯が見えないのでは、どうしようもない。
「先生、ミクの勝ちだね。」
「(ΦωΦ)フフフ…」
美代先生は、不敵に笑う。
「なめるなよ! 小娘!」
「何!?」
「歯科医学の力を見せてやる! ラムネを上げる。」
「ありがとう。」
ミクちゃんはラムネを口に放り込む。見る見る内にミクちゃんの歯が真っ赤になっていく。
「なんだ!?」
「さっきの薬が歯石染色剤だ。」
「騙したな!?」
ミクちゃんの全身の姿は見えない。しかし、口の中だけ真っ赤という、透明人間状態であった。美代先生には、口の中が見えれば十分である。
「コブラツイストは痛かったぞ、プロレス娘。」
「え!? そんなことしましたっけ!?」
「私は、歯の歯石落としは得意じゃないんで、手が滑ったら、ごめんね~♪ へへへ~♪」
「ギャア!? やめろ!? 人殺し!?」
美代先生は、みくちゃんの歯石落としを始めた。会話の運びには、問題があるが、美代先生は真面目に治療をしていく。
「綾ちゃん、口を開けてください。」
「はい。」
ついに細菌娘の綾ちゃんとの戦いが始まるかに見えた。
「ああ!? 綾ちゃんの歯に虫歯が無い!?」
今まで、歯からチョコバナナ、イチゴ、虫歯ランド遊園地を建設してきた、綾ちゃんの歯に虫歯がないのだ、前回、歯にフッ素コーティングをしたおかげである。
「歯科助手をしていて、こんなに良かったと思ったのは、初めて。」
みなみちゃんは、目から涙をこぼして、感動している。
「みなみちゃん、そんなに綾の歯のことを思ってくれてたんだね。」
綾も、今までの自分のおやつばかり食べて、歯磨きをしないで寝る不摂生を反省した。自分のためにみなみちゃんが涙を流してくれているのだから。
「みなみちゃん!」
「綾ちゃん!」
2人が抱きしめ合おうとした時だった。ピキピキっと歯を覆っていたコーティングに亀裂が入る。
「コケコッコー!」
綾の歯からニワトリが生まれた。
「え!?」
「うそ!?」
みなみちゃんと綾ちゃんは、驚く。
「コケコッコー!」
「どうして、ニワトリが!?」
「そういえば、昨日の晩御飯のメニューが、チョコチキンだったような!?」
「チョコチキン!?」
綾の口の中で、小さなニワトリが鳴いている。理由が、チョコチキンを食べたからだった。
「綾ママは、魔法使いか!? 新種の細菌を作り出す魔女か!?」
綾ちゃんのお母さんの趣味は「おかずおやつ」を作ること。野菜嫌いの娘のために、材料をおやつにして、料理を作っているのだ。
「ほほほほほ~♪」
みなみちゃんと綾ママは、全話、大学病院で会ったので、面識がある。そして、みなみちゃんは思う。
「綾ママを止めないと、綾ちゃんの虫歯は治らない!」
「みなみちゃん、カッコイイ~♪」
しかし、綾は、余計なことを思いだした。
「あ!? 昨日、お母さんがチョコチキンの出来が良かったので、インターネットで全世界に販売するって言ってたよ。」
「なんですって!?」
綾ママが世界中に、新種の細菌を拡散しようとしている。現在、新種の細菌を治療できるのは、美代歯科医院だけである。
「ああ!? 先生が言ったことを綾ママが、本当にやってたよ!?」
「みなみちゃん、大丈夫?」
みなみちゃんは頭の中がパニックである。綾も心配する。
「まず、綾ちゃんの歯を治療しましょう。」
「無理しないでいいよ?」
「大丈夫。私は最強の歯科助手なんだから。患者さんの歯を治療するのが、私のお仕事なんだから! 歯科助手だけど、シークレットライセンスも持ってるんだから!」
「みなみちゃん、カッコイイ~♪」
「ありがとう。それに綾ちゃんが呑み込んじゃう前に、ニワトリさんも助けてあげないとね。」
みなみちゃんは、綾ちゃんの歯の治療をする決心をする。
「みなみ! いきます!」
みなみちゃんの綾ちゃんの口の中の、ニワトリ救出作戦が始まった。
(そういえば、パンパンを助けた時も、こんな感じだったな。もしもペットで飼ったら、名前は、チキチキか、ニワニワになるのか・・・あんまり可愛くないから、引き取るのは止めておこう。)
(じゃあん~♪ ピンセット~♪ パンパンの時も強制的に摘み出した方が早かったのよね。えい! あ!? コラ!? 逃げるな!?)
「コケコッコー!」
「捕まえた!」
みなみちゃんは、ニワトリを摘み、綾の口の中から取り出した。ニワトリは助けてもらったので、みなみちゃんにペコペコ頭を下げている。微笑ましい光景だった。
「もう捕まっちゃあダメだぞ。」
「コケ!」
ニワトリさんは、診察室から去って行った。
「ふう。これでニワトリさんはOKっと。」
みなみちゃんは、引き続き、綾ちゃんの治療に取り掛かるために、他にニワトリなどの胃生物や新種の細菌がいないか、を確認しようとする。
「綾ちゃん、一度起き上がって、うがいしてね。そしたら、レントゲンを撮ってみましょう。」
「はい。」
みなみちゃんは、綾の歯のレントゲンを撮る。幸い他に新種の細菌は発見されなかった。
「よし、今日も歯をコーティングして、虫歯を防ぎましょう。」
「はい。」
綾ちゃんも、みなみちゃんが自分の歯のことを、大切に思ってくれているのが伝わっているので、みなみちゃんの言われることに素直に従っている。
「みなみ! いきます!」
治療を始める、みなみちゃんも仕事にやりがいを感じている。普通の虫歯じゃないけど、それでも困っている患者さんの歯を治せることがうれしい。
「綾ちゃん、終わったよ。」
「ありがとう。みなみちゃん。」
「綾ちゃんも、よくがんばったよ。」
「えへへ~♪」
患者さんから、感謝の言葉を言ってもらえることも、この仕事が好きな理由の1つである。金の亡者の美代先生とは、かなり違うのだ。
「おお!? 光ってる!?」
存在感の無く、姿が見えないミクちゃんの歯が、歯だけが光り輝いて見える。それを全員が驚いてみている。
「歯に蛍光塗料を塗ったんだ。これでどこにいてもミクちゃんがいると分かる。」
透明人間のプロレス娘は、口を開ければ、歯が光る女の子になったのだ。恥ずかしい時は口を閉じればいいのだ。
「美代先生。」
「ん?」
「これでミクも、みんなに存在を認めてもらえるんだね。」
「わ、私はただ、プロレス技を掛けられたくないから、やっただけだよ。」
「ありがとう。」
「どうもです。」
「みんな~♪」
照れ屋の美代先生は、営業用の口癖で、その場をしのぐ。ミクちゃんは、仲間たちの方へ、笑顔で駆けていく。
「ギャア!? 歯が襲って来る!?」
「怖い!?」
「みんな、どうして逃げるの!? ミクだよ!?」
「見えない方が怖くなかった!?」
光る歯が襲って来る。ポルターガイストも真っ青なホラーさ。
「あれ、そういえば、綾ちゃんの歯から生まれたニワトリさんがいないね?」
「キュル、キュル。」
「なに? パンパン。」
「キュル、キュル、キュル。」
「なになに、診察室から出てきたニワトリさんは、麻美ちゃんが食べた・・・。」
みなみちゃんは、ゾオっとした。見つめた、麻美ちゃんの口の周りには、チョコレートがべったりと憑いていた。
「ギャア!?」
「大丈夫? みなみちゃん。」
みなみちゃんは、恐怖のあまり悲鳴を上げ倒れ込む。それを支える美代先生。
「む、これは!?」
綾ちゃんが、壁に飾ってある。写真と表彰状に目が留まる。日本の総理大臣、中国の国家主席との写真と感謝状。国会議事堂の非常勤歯科医、渋谷大学病院の名誉教授の任命書である。
「もらったんだ。病院の宣伝になればと思って、飾ってあるんだよ。」
いかにも、セレブになりたい美代先生の考えそうなことだ。
「私も、ここに写真を貼る!」
「え?」
「私の写真を貼った方が、いい宣伝になるよ!」
綾は、自分の写真を総理大臣の横に並べたいだけである。(ΦωΦ)フフフ…。
「ワ~イ~♪ みんなで写真を撮ろう!」
「おお!」
綾ちゃんの提案で、全員で記念写真を撮ることになった。
「誰がシャッターを押す?」
しかし、次の問題が発生する。当然ながら、シャッターを押すと写真には写らないのだ。みんなで考え込んでいる。
「みなみちゃんは、ダウンして寝ているしな。」
「パンパンでは、肉球が邪魔して、ボタンが押せない。」
「ニワトリは麻美ちゃんが食べちゃったし・・・。」
「美代ちゃん、シャッターを押そうか~♪」
「いいよ~♪ ・・・て! ここは私の病院だぞ!?」
このメンバーでは、なかなか物事は決まらない。
「美代、遊びに来たぞ。」
そこに、渋谷ハチ太郎が、やって来た。
「誰?」
「美代の旦那です。」
「こら!? 違うだろう!?」
「美代ちゃんみたいな、ズボラな人間でも結婚できたの!?」
「そっちか・・・。」
こいつらは、私のことを何だと思っているんだ!? と思う美代先生だった。
「はい。」
「なに?」
「シャッターを押せ。」
「ええ!? 俺も写りたい!?」
「ハチ太郎、シャッターを押すか、ここに出入り禁止になるか、どっちがいい?」
「シャッターを押します~♪」
美代先生が好きな、ハチ太郎に選択肢はなかった。
「いきます! 3,2、1、パシャ。」
こうして、全員集合の記念写真が撮れた。
「また来週、写真の出来具合をチェックしに来るね~♪」
「歯の治療のためだろう・・・。」
「美代ちゃん、バイバイ~♪」
「もう来ないで・・・。」
こうして綾ちゃんたちは帰って行き、本日は無事に解散することができた。
「美代も大変だな・・・。」
「疲れた・・・。」
「さっさと俺と結婚すると、大学病院の御曹司の奥様として、悠悠自適に優雅に暮らせるぞ?」
「それも、イヤだ・・・。」
「ガーン!? 俺は、さっきの女子高生たちよりもダメなのか!?」
「桜吹雪、掃除しといてね。」
美代先生も、みなみちゃんの横に倒れるように寝転がった。歯科医師と歯科助手の2人は仲良しさ~♪
「みなみちゃん、後でラーメン食べに行こうか?」
「はい~♪ いきます! (⋈◍>◡<◍)。✧♡」
みなみちゃんは、目がパッチリ開き起き上がる。
「生き返った!?」
ほうきで掃除している八太郎は、ゾンビを見ているようだった。
「今日はチャーシューを2枚にしてもいいですか? (⋈◍>◡<◍)。✧♡」
「いいよ。」
「ゆで卵なんかも足してもいいですか? (⋈◍>◡<◍)。✧♡」
「いいよ。」
「お店のもやし、全部お持ち帰りしていいですか? (⋈◍>◡<◍)。✧♡」
「いいよ。ハチ太郎おごりだから。」
みなみちゃんは立ち上がり、桜吹雪を掃除しているハチ太郎に近づく。
「手伝います~♪」
「・・・ありがとう。」
「これも、もやしのためです! (⋈◍>◡<◍)。✧♡」
現金なイマドキ女子のみなみちゃんだった。
つづく。
おまけ。(⋈◍>◡<◍)。✧♡
みんなが気になる写真の構図はこうだ。
中央でカメラ目線で、美代先生と綾ちゃんが笑顔で握手している。まさに総理大臣・国家主席クラスの綾である。
後ろから、友梨と、口の周りがチョコレートだらけの麻美と、歯しか写らないミクが桜吹雪を舞い散らしながら、しっかり女子高生らしく写っている。
写真の端っこに、待合室の長椅子に寝転んで、目をグルグルさせている最強の助手みなみちゃんと、それを団扇で仰ぐパンダのパンパンが写っている。
もちろん八太郎はカメラを持っている指が、写真の隅に奇跡的に写っているだけである。
おわり(⋈◍>◡<◍)。✧♡
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