ポンコツ皇女とAIの愛ちゃん 4

渋谷かな

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「ああ~、暇だな。」

 いつも皇女様は退屈していた。

「愛ちゃん、何か楽しいことはない?」

 AIの愛ちゃんに尋ねました。

「は~い! 可愛い愛ちゃんです! 空を見ると星空がきれいです!」

「えっ!? AIって、夜更かしするの?」

「愛ちゃんはロマンチストです! エヘッ!」

 今どきの、AIは、マロンらしい。

「ねえねえ、愛ちゃん。」

「私の犬のハンカチはあげませんよ!」

「ズコー!」

 皇女様はズッコケるしかない。 

ピキーン!

「はい! ポンの世界も現実世界も、非戦闘・殺人NGのポンの理念によって、主軸の話に、ポン・カードが選ばれました!」

ドンドン! ピュウピュウ! パフパフ!

「これでやる気がない時、何も思いつかない時、ポン・カードを中心に物語を進めればいいのだ! やっぱり、私は天才だ! なぜなら私はポン王国の皇女なのだから! オッホッホー!」

 自画自賛の嵐の皇女様。

「長寿アニメを目指す主人公って便利ですね。前回、消滅したはずなのに!?」

「私は不死身です! アハッ!」

 私は不死身です! Tシャツ。絶賛販売中。アハッ!

「後は私がログアウトするだけ。アハッ!」

 ポンが全てに拡張して、もうポン・カードで遊ぶぐらいしかなくなった。アハッ!

「ということでポン・カードのデッキでも考えよう。」

「何枚で戦うかで変わりますね。」

「1枚勝負なら、1枚強いカードを持っていればいいだけですね。」

「でも、5枚勝負だと、例えばポン執事とPPSSメンバー4人のカードで、光ポン力5倍だな。アハッ!」

「ポン親衛隊もそうですね。火ポン、水ポン、雷ポン、風ポン、土ポンの5枚で・・・・・・3倍くらいですね。」

 なんか麻雀とかが好きそうな人が好きそうなカード集め。アハッ!

「チー! ポン! ロン! 泣きの竜~です!」

 もう、完全に麻雀。アハッ!

「火ポン5枚で、2倍かな?」

「なんかコンボが難しくないですか?」

「しなくていいんです。だって、お子ちゃま用だから。難しいルールは、私が覚えられない! アハッ!」

 初心忘れず、ポンコツ皇女。

ピキーン!

「そうか! 光ポン・オンリー! 闇ポンのみ! でもいいんだけど、光ポンは、プラス。闇ポンはマイナスで戦えば面白いのか!?」

 ストレスのたまる、大批判の地雷カード入りゲームの完成である。でも、これがゲームとしては一番面白いだろうな。アハッ!

「それでは、現社で普通の女の子に戻ります。ログアウト!」

 キャンディポンみたいな、皇女様であった。

 つづく。

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「ふあ~あ! 良く寝た!」

 皇女様は現実世界では、鈴木スズ、10才の女の子。

ピキーン!

「そうか! 闇ポンカードでマイナスになってしまったら、全国のチビッ子が泣いてします!? 5枚引いて、闇ポン170とかになって、相手が光ポン150とかだったら、闇ポンの勝ちにしよう! 闇が深ければ勝ち! 光が輝けば勝ち! これならチビッ子も、大人もストレスがないからいいね! アハッ!」

 地雷を撤去したスズの閃きである。これなら無駄なカードがないので、安心して保護者がお子様にポン・カードを買ってあげることができる。アハッ!

「怖い!? 怖すぎる!? 自分の才能が怖すぎる!? なぜなら私は鈴木スズなのだからだ! オッホッホー!」

 もうスズの朝の定番。

「俺は、おまえが怖いよ・・・・・・。」

「まあまあ、いつもの発作よ!? 大丈夫!? 大丈夫!? 私たちの娘を信じましょう!?」

 スズの親のスズ男とスズ子の朝も、これが定番である。

「おはよう! お父さん! お母さん!」

「おはよう。スズ。お小遣いやろうか?」

「おはよう。スズちゃん。今日は学校休んでもいいんだよ?」

 低姿勢でスズの様子を伺う両親。

(なんか不気味だね!? 何か隠し事でもあるのかな?)

ピキーン!

(まさか!? 離婚!?)

 スズは気持ち悪い両親の態度に想像を巡らせた。

「ダメだよ! お父さん! お母さん!」

「えっ!? どうした!? スズ!?」

「やっぱり病院に行って、脳みそを見てもらいましょう!?」

 お互いを思いやる素晴らしい家族愛。

「なんで私が?」

「俺も何も悪いことはしてないぞ?」

ピキーン!

「そうだわ! 仲直りに、ポン・カードで遊びましょうよ!」

「いいけど。」

「おお! 望むところだ! 俺は若い頃は、虎のポンと言われたもんだ!」

 スズ男よ、おまえの若い頃に、ポンカードはない。

「はい。配るわよ。」

 スズ子が各自に5枚ずつカードを配った。

「俺は、光ポン90だ!」

「私は、闇ポン120よ!」

「・・・・・・私、学校行ってくる。スズ、いきます!」

 スズは勝負を着けないで学校へ旅立った。

「スズの奴、負けるのが嫌で逃げたな。どれどれ、スズのカードは・・・・・・なっ!?」

「どうしたの? あなた?」

 スズ男はスズのカードをスズ子に見せた。

「魔ポンのファイブカード!?」

 勝負はスズの勝ちだった。

「あいつは、ギャンブラーだ!?」

「スズちゃん、大きくなったのね。うるうる。」

 つづく。

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ピキーン!

「いかさまを思いついた。10回勝負で9連敗しても、最後の最後で、ポン皇女様のファイブカードで絶対に勝ち! やっぱり、私って、最高ね! なぜなら私は鈴木スズなのだから! オッホッホー!」

 新ルールが追加された。

「スズちゃん、普通はそんな入り方で教室に入ってこないよ。」

 お友達の普通少女タナである。

「こ、これは発作だよ!? 私は不治の病なんだ!?」

「言い訳は結構。あんまり非行が過ぎると、おともだちやめるからねえええええ!」

 タナの言葉の圧力。

「すいません。気を付けます。薬を飲みます。どうか、許してください。」

 スズは、お友達を失うのが怖かった。

「分かればよろしい。ニコッ!」

 恐怖の普通少女タナ。

「はい! みなさん! 授業を始めますよ!」

 担任のナカ先生がやってきた。

「は~い。」

 渋々、授業を受ける子供たち。

「テストで出るのはここです! 私の評価のために全員100点で宜しくお願い致します! イエーイ!」

 ナカ先生は、こういう人間であった。

キーンコーンカーンコーン!

 昼休みがやってきた。

「タナちゃん! 一緒に逃げようか?」

「スズちゃんとなら、私はどこまでも行けるよ!」

 スズとタナの愛の逃避行であった。

「あの、もう捕まえてますが?」

「にゃあ。」

 首根っこをイトとワタに押さえられているスズとタナ。

「イト先輩。どうして一学年下の教室に来るんですか?」

「だって、ここに部員と顧問が揃っているんだもの。イヒッ!」

 素晴らしいイト部長の判断である。

ピキーン!

「ああ!? ナカ先に逃げられた!?」

 ナカは、授業が終わったら一目散に教室から逃亡した。

「なんて逃げ足の速い先生なの!?」

 プライベートは犠牲にしない。バイ 中村ナカ。どいつもこいつも、Tシャツ販売の売り上げの1パーセントが欲しくて、名言をぶち込んでくるキャラばかりである。

「さあ! みんなで楽しく給食を食べながら、ポンカードで遊ぼう! もうすぐ大会も近いからね! イヒッ!」

 イト部長とワタ先輩は、給食も下級生の教室で食べることに抵抗を感じていない。

「タナ普通教祖様。あそこに普通じゃない人間とアンドロイドがいますが、許していいんですか?」

「う~ん。上級生だし、注意しにくいな。・・・・・・本当は普通じゃないから、注意したくてウズウズする!? 鳥肌が立ってきたよ!?」

 普通少女タナは、普通でないと鳥肌が立つらしい。

「さあ! ポン・カード・バトルの開園だ! イヤッホー!」

 つづく。

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「部長! 俺様の扱いが雑じゃないか?」

 お金持ちのタカ。

「僕は、どっちでもいいですよ。」

 庶民のサト。

「いいじゃないの! これから登場すれば! 同じ部員なんだから! 気にしない! 気にしない! イヒッ!」

 妙にカリスマ部長な雰囲気があるイト。

「あっ!? 頭!? 頭!? 私の頭がコ~ロコロ!?」

 ワタ先輩はアンドロイドらしく、頭を転がして遊んでいた。

「さあ! 部員全員の自己紹介も終わったし、ポンカードで勝負だ!」

 やっと部活らしくなるポンカード部。

「部長! 質問です!」

「何かな? 鈴木さん。」

「部活動に、おやつはいくらまで許されますか?」

「ズコー!?」

 さすがの部長もコケるしかない。

「スズちゃん、遠足じゃないよ。」

「すいません!? 教祖様!? わざとじゃないんだ!? いつもの病気が!?」

 普通は、部長としてふざけた部員を怒る所である。

「300円までいいんじゃないかな?」

(か、カワイイ!? やっぱりスカウトして正解だ! イヒッー!!!!!!)

 実は、イトは可愛い女の子が大好きだった。

「ズコー!?」

 他の部員たちはズッコケるしかなかった。

「頭!? 頭!?」

 こけた衝撃でワタの頭も転がる。

「心配だわ!? 私は、この部活で生きていけるのかしら?」

 普通少女には耐えられそうにない衛生状態の悪い部活だった。

「鈴木! おまえ、自分だけ目立とうとしているな! 許せん! 俺とポンカードで勝負だ!」

 タカが前に出ようと必死である。

「バ~、レ~、タ~、カ~! アハッ!」

 もちろん、目立ちたがり病などないので、確信犯のスズ。

「さあ! 今度こそ! みんなでポン・カードで遊ぼう!」

「おお!」

 やっと第一試合が始まる。

「じゃあ、まずは5枚勝負ね。ワタちゃん、配って。」

「は~い。」

(AIとかアンドロイドとか、みんな緩いな? なぜだろう?)

 スズは、ワタ先輩も愛ちゃんも変わらないと感じた。

「ポン・カード・バトル! スタート!」

「私は、光ポン60。」

 イト部長。

「私も、光ポン30。」

 ワタ先輩。

「私は、闇ポン!? 210です! やったー! 勝った! ニコッ!」

 タナ部員。

「お、俺様が闇ポン100だと!?」

 タカ部員。

「僕は光ポン120だよ。」

 サト部員。

「甘いね。あんたたちは坊やさ。私の勝ちだよ!」

 もったいぶるスズ。

「いいから早く見せろ!」

「とくと見よ! 私のカードは「夜空のお星さまを取って食べる、ポン皇女様」カードだー!!!!!!」

「なにー!?」

 ポン皇女カードを持っている人が無条件で勝ちになるルールである。

 つづく。

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ピキーン!

「部員6人の日常会話で回していると、サザエポン先輩の日常会話で尺が埋めるができてしまう。逆に尺が足らなくて、何も言えないキャラクターが現れている!?」

 これでもスズは小説家志望の10才の女の子の設定。アハッ!

「スズちゃん、また独り言を言っているの?」

「いいえ!? 私は世界の平和を祈っているのです! アーメン!」

 タナに嫌われないようにスズも気遣いが大変である。

ピキーン!

「ワタ先輩! 一緒にボーリングに行きましょうよ!」

 スズが、ワタ先輩に声をかける。

「・・・・・・。私の頭をピンに投げるつもりでしょ?」

「バレたか!? アハッ!」

 スズの企みは単純であった。

「どうすれば俺様の出番を増やせるんだ!? 考えろ! おまえならできる! ジャスト・ヂュウ・イッツ!」

ピキーン!

「ピザの出前でも撮ろうか! ドリンクも俺様が奢るぜ!」

 タカの答えは、自分の長所である親のクレジットカードを前面に出すことであった。

「・・・・・・。」

(僕だって、前に出たいけど、庶民なんて、何の特徴もないじゃないか!?)

 内心、穏やかではないサト。

「なんか、みんな、違う方向を向いているな?」

 困惑するイト部長。

「部長。イト部長。みんな、自分のキャラクターづくりに必死なんですよ。」

(スズちゃんが!? 私に声をかけてくれた!? 嬉しいー!!!!!!)

 内心は変態部長のイト。

「えっ? 鈴木さんは、みんなの気持ちが分かるの?」

「はい。これでも小説家志望ですから。アハッ!」

(読む読む! スズちゃんの書いた小説! 私の聖書にしますー!!!!!!)

 やはり変質者イト。

「頭~!? 私の頭!? どこ行った!? 出ておいでよ!?」

 ワタ先輩のコロコロ頭、行方不明。

「ゲホッ!?」

 その光景を見て、大ダメージを受ける普通少女タナ。

「あいつらは!? いったい!?」

「気持ち悪いから関わるのはやめておこう。」

 スズたち、ポンカード部は教室の中でういていた。

キーンコーンカーンコーン!

 ベルが昼休みの終わりを告げる。

「イト部長、ワタ先輩、自分のクラスに帰ってくださいよ!?」

(あった! 僕の居場所! これが僕の立ち位置だ!)

 サトは後処理係が似合うらしい。

「ポン・ピザです! ご注文のデンジャラス・ピザとコーラをお持ちしました!」

 デリバリーサービスのピザが届いた。

「はい! 静かに! 私の評価が下がるでしょ! 部外者は帰って!」

 ライトニング・ナカが職員室から教室に戻ってきた。

「これでいいのだ。アハッ!」

 スズの明るく楽しい学校生活は、これでも正常運転であった。

 つづく。
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