ポンコツ皇女とAIの愛ちゃん 4

渋谷かな

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4-19-1

「ああ~、暇だな。」

 いつも皇女様は退屈していた。

「愛ちゃん、何か楽しいことはない?」

 AIの愛ちゃんに尋ねました。

「は~い! 可愛い愛ちゃんです! みなさん! 今までありがとう!」

「えっ!? AIって、どこかに行っちゃうの!?」

「最終回です! エヘッ!」

 今どきの、AIは、残業はしたくないらしい。

「ねえねえ、愛ちゃん。」

「私のチーズケーキはあげませんよ!」

「ズコー!」

 皇女様はズッコケるしかない。 

ピキーン!

「やっと世間の雑踏から離れて、物語を安定的に書き始めたら、10万字で終わり。人生って、こんなものよね。アハッ!」

 長かった迷走創作の皇女様。

「惜しいですね。せっかく善行を行うと心を改めたのに。」

 やってることは、魔王眼一発ですけどね。エヘッ!

「さあ! 今日は何を良い事しようかしら?」

「世界一周! ゴミ拾いの旅とかどうですか?」

「いいわね! 税金で世界旅行! アハッ!」

 最終回だから何か特別なことがしたい。

「そうね。何も思いつかない!?」

「そういう時は、皇女様を爆破してみましょう。最終回のスペシャルらしい回になりますよ! エヘッ!」

「う~ん。最後だからやってみるか。くらう! ニュークリア・ボム!」

ドカーン!

「やっぱり死ねない。アハッ!」

 ポンの世界は「非暴力・殺人NG」なので、キノコ爆弾でも皇女様は死ねない。

ピキーン!

「そうだわ。せっかく暇だから過去作の考察でもしてくるわ。」

 ペラペラ。

「おお!? 1-11も、ポンが溢れていた!?」

 考察しても、ポンの世界進出の恐ろしさを感じるしかなかった。

「ポンはすごいですね。ポンネタだけで、長寿アニメ30年分くらいできますね。エヘッ!」

「そうね。何でもポンだもの。アハッ!」

「これでご飯の心配をしなくていいですね!」

「そうそう。路頭に迷わなくていいのよ! アハッ!」

「私たちは、陽気な、ポンコツ姉妹~! エヘッ!」

 最終回なので、ポンコツ姉妹もBGM入り。

ピキーン!

「そうか!? 私が何か良いことをしないといけないと思い込み過ぎたんだわ!? 普通に、ポン・パンやって、次はポン・グミやって、ポン・ラクダやって、みたいな感じに物語を進めていれば、創作する必要がなかったんだわ!?」

 まさかの最終回に、楽な、長寿アニメの1話完結の同じことの繰り返しのアイデアが降ってくるサプライズ! アハッ! まあ、それだと、つまらないんですけどね。

「もがき苦しんだのが、嘘みたいだ!? ギャアアアアアアー!?」

「愛ちゃんの登場は、これで最後です! 今までありがとうございました! エヘッ!」

 つづく。

4-19-2

「ポン・パンに、いらっしゃいませ! アハッ!」

 皇女様は、ポンのパン屋さんに就職した。

「美味しそうです! あれも! これも!」

 客として、愛ちゃんが現れた。

「ゲッ!? なぜ!? 愛ちゃんが!? あんた、ファンに最後の挨拶したでしょうが!?」

「だって、愛ちゃんしか、暇なキャラクターがいなかったんです。エヘッ!」

「ズコー!?」

 こうして愛ちゃんの登場は許された。

「あれれ!? このチョココロネ!? チョコレートが入ってないです!?」

「うん? 呼んだ?」

 皇女様の口の周りにチョコレートが付いている。

「おまえなんかクビだ!」

「ギャアアアアアアー!?」

 こうして皇女様はポン・パンを解雇された。アハッ!

「四コマ漫画もいけるわね! アハッ!」

「次、いくです! エヘッ!」

 ポン・グミ。

「皇女の私の公権力を使えば、就職など容易い! 私は、グミ工場に再就職したのだ! なぜなら私はポン王国の皇女なのだから! オッホッホー!」

 皇女様は、なりふり構わってはいられない。

「ここに入って。」

「えっ? これグミを作る機械ですけど?」

「そうよ。えい!」

「ギャアアアアアアー!?」

 こうして皇女様はグミの原材料になった。

「新商品! 皇女グミ! 美味しく食べてね! アハッ!」

 皇女様はグミとして売り出されるのであった。

 めでたし、めでたし。

「どこが!? めでたいのよ!?」

「次、いってみよう! エヘッ!」

 ポン・ラクダ。

「み・・・・・・水・・・・・・。」

 皇女様はラクダに乗って、砂漠を彷徨っていた。

「ラク!? ラクラク!」

 ポン・ラクダが何かを発見した。

「ああ!? あれは私が援助して作った、サハラ砂漠の駅だ!」

 ポン王国は、豊富なポン・マネーを使って、世界中に援助をしている。

「ラクー!」

「ギャア!?」

 ラクダは皇女様を振り落とし、高速のスピードで、オアシスに一目散。

「待ってくれ・・・・・・私を・・・・・・置いていかないでくれ・・・・・・。」

 バタッ。皇女様は砂漠に捨てられた。

「どうも、ミイラ皇女です。エヘッ!」

 死ねないポンの世界の理念により、ミイラ仕様になった皇女様であった。アハッ!

「平和ね~。こんな物語ばかりで良かったような? まあ、いいっか。アハハ!」

 ポンの世界は、ハートフル・ストーリです。

 ログアウト!

 つづき。

4-19ー3

「ふあ~あ! 良く寝た!」

 皇女様は現実世界では、鈴木スズ、10才の女の子である。

ピキーン!

「どうして、皇族、皇女、政治などの、アニメ化の禁句に挑んでしまうんだろう? これも人間のサガか? パンや、グミ、ラクダのように、ポンを付けてしまえば、なんでも考えずに物語が作れるのに!? うおおおおおー!」

 次回、ポン5があれば、楽することをお約束しよう。アハッ!

「あれれ? もう悩まなくていいと思ったら、朝に目覚めてぼやくことがないぞ? 困ったな?」

 スズを悩ませる問題がなくなった。

「・・・・・・。」

 そして、スズは静かになった。

「お母さん!? 遂に、遂に、俺の娘が正常になったぞ!? 病気が治ったんだ!」

「はい! お父さん! 今日は赤飯を炊きましょうね! うるうる。」

 スズの両親のスズ男とスズ子は、娘の正常化を心から喜んだ。

「おはよう! お父さん! お母さん!」

「おはよう! スズ! よく頑張ったな!」

「偉いわ! スズちゃん! お母さんは感動しちゃった! うるうる。」

 スズ男とスズ子の温かく優しい家族愛。

「はあ? おかしな人たちだよ。」

 両親が何を言っているのか分からないのは、スズだけであった。

「スズ! 学校に行きます!」

「おお! 行ってこい!」

「お土産もよろしくね! スズちゃん! ファイト!」

 父の目からも涙が流れていた。

「神様! スズを真人間に治してくれてありがとうございます!」
 
 スズ男は、天にいる神様に感謝した。

 通学路のスズ。

「ちょっと最終回だからって、やり過ぎじゃないかい?」

 特別演出に納得がいかないスズ。

 そして教室にたどり着く。

「おはよう! タナちゃん!」

「おはよう! スズちゃん!」

 スズは、お友達のタナちゃんに挨拶する。

「どうしたの? 今日はいつもより早いね。」

「ちょっと両親が怖くてね。」

「え? どういうこと?」

「言葉で表すのは難しいね。アハッ!」

 スズは説明を諦めた。

「今日は、ポンカード大会の2回戦だね。スズちゃん、一緒に頑張ろうね!」

「うん! 頼れるのは、私とタナちゃんだけだよ! 二人で優勝しようね!」

 スズとタナは、友情の絆を深める。

 その頃、職員室。

「みなさん! 中村先生のポンカード部が二回戦に進みました! 他の部活動も中村先生を見習って、成績を上げてくださいよ!」

(やったー! 褒められた! これで優勝でもしたら、私の株は上がりまくりだな! イヤッホー!)

 ウハウハが止まらないナカ先生。

 つづく。

4-19-4

「伊藤部長は、体調不良で保健室で寝ています。」

 ナカ先生からイト部長の不在が知らされる。

(部長は体が弱いのね。可哀そう。)

(イト部長って、名字は、伊藤だったんだ!?)

(俺様が派手に決めるぜ! ワッハッハー!)

(やったー! また僕も試合に出れるぞ! わ~い!)

 各自思うことはバラバラ。

「ということで、部長代理は、渡辺さんにお願いするわ。あれ? 渡辺さんは?」

「あっちです。」

 スズは指さした。

「頭!? 頭よ!? 転がらないで!?」

「ズコー!?」

 ワタ先輩は頭を追いかけている、お約束。

「よし! ポンカード大会に出発だ!」

「おお!」

 ポン小学校のポンカード部は、大会の会場に向かう。

「東京都大会って、何試合するんだろう?」

「ええっと。24が12でしょ。6、3、だから、4試合か5試合だね。」

「結構、試合数があるね。これだから人口の多い所は嫌だよ。アハッ!」

 東京都は、正に激戦区であった。

「よし! 早送りだ!」

 スズは、リモコンの早送りを押した。

「2回戦! ゴミを拾う皇女様カード! 勝利! ポン小学校!」

「3回戦! バームクーヘンを土星のわっかにする皇女様カード! 勝利! ポン小学校!」

「決勝戦は三つ巴のリーグ戦! 第一試合 背中を孫の手でかく皇女様カード! 勝利! ポン小学校!」

「第二試合 お城の掃除を宙刷りで行うアクロバット皇女様カード! 勝利! ポン小学校!」

 次々と足早に試合が進んでいく。

「優勝は、ポン小学校に決まりました!」

 そして、スズたちは優勝することができた。

「やったー! スズちゃん! 優勝だよ!」

「そだね! 勝ったんだよ! タナちゃん!」

「俺様のおかげだ! これで将来、高橋財閥を継ぐ時に箔が付いたな! ワッハッハー!」

「やった! 何のとりえもない僕でも優勝チームの一員なんだ! 嬉しい!」

「頭!? 逃げないで!? 表彰式にいるんだから!? 待ってー!?」

「優勝! これで私の将来、校長就任は確実だ! 私は未来を手に入れたぞ! うおおおおおー!」

 勝利の余韻に浸る仲間たち。

「いかさまだ!」

 その時、会場から予期せぬ一言が飛んでくる。

「おかしいだろ!? なんでポン小学校だけ、あんなにポン皇女様カードを持っている奴がいるんだ!?」

「そうだ! そうだ! 普通ではあり得ないぞ!」

「超レア皇女様を手に入れるために、ポンカードを箱買いで買い占めたに違いない! 卑怯だぞ!」

「おかしいぞ!」

 会場は、自分が負けたことに納得できないバカ者ばっかりだった。

「どうしよう!? スズちゃん!? 私たち、会場から生きて帰れないよ!?」

「クッ!?」

 佳境に立たされるスズたちであった。

 つづく。

4-19-5

「黙りなさい!」

 スズが会場のいかさまコールを一言で一蹴する。

「・・・・・・!?」

 その威厳溢れた声に会場が静まり返る。

「イカサマなどしていない。なぜなら・・・・・・私はポン王国の皇女なのだから! オッホッホー!」

 毎回、最終回だけ正体を明かせるスズ。

「ポン皇女様!?」

「確かに!? 似ている!?」

「いや!? でも!? 10才の女の子のはずがない!?」

 会場は疑心暗鬼でザワザワする。

「そのお方は、本物の皇女様ですよ! エヘッ!」

 そこにアンドロイド・ボディの愛ちゃんが現れる。

「あれは!? ポン王国の、うっかり愛ちゃん!?」

「誰がうっかりですか!? 愛ちゃんは、可愛い愛ちゃんです! エヘッ!」

「ほ、本物だ!? 笑い方がゲームと同じだ!?」

 現実世界でも、エヘッ! 笑いは健在であった。

「私も本物の皇女様と認めます。」

 そこにポン執事まで登場する。

「う~ん。美味しい紅茶です。」

「ポン執事が一緒にいるということは、本物の皇女様なのか!?」 

 会場がザワザワから、ソワソワし始める。

「我が主君に対する暴言は、私が許しません! 愛ある限り戦いましょう!」

 そこに親衛隊隊長の聖ポンも現れる。

「聖ポン様だ!?」

「キャアアアアアアー! ・・・・・・バタッ。」

「うるうる・・・・・・もう死んでもいい!?」

 絶大な人気を誇る聖ポンに気絶者や涙する者が溢れた。

「我ら! ポン親衛隊! 皇女様をお守りします!」

 火ポン、水ポン、雷ポン、風ポン、土ポンも登場。

「キャア!」

 少し声援は、ダウンする。如実に応援は、キャラクターの人気を現していたた。

「・・・・・・名乗る名前はありません。」

 声だけが静かに聞こえてくる。

「キャアアアアアアー!」

 しかし、そのお約束のセリフを聞くだけで、人々は期待から歓声が沸き上がる。

「しかし、敢えていうなら・・・・・・魔ポンだ! ニッ!」

 スーパースターの正義のヒーロー、魔ポンがPPSSを引き連れて登場する。

「キャアアアアアア! キャアアアアアア! キャアアアアアアー!」

 会場のボルテージは最高潮!

「どうも、どうも!」

「ステージは俺たちは慣れたもんだ! おまけだけどな・・・・・・。」

「・・・・・・。」

 悪ポン、暗ポン。無ポンは、最後の全員登場でも動かない、喋らない。

「このお方が! ポン皇女様です!」

 ポンの世界のキャラクターたちが、ポン皇女様を証明する。

「本物のポン皇女様だ!?」

 スズのイカサマ疑惑は解消された。アハッ!

 つづく。

4-19-6

「みなさん! 私がポン王国のポン皇女なので、私がポン皇女カードを何枚も持っていても不思議はありませんね? なぜならポン皇女カードは私が生み出しているのだから!」

 実際、皇女様の活動を写真に撮って、ポンカードにしているだけであり、ご本人のスズが何枚持っていても問題はない。

「いいですか! 超超超レアカードは、ガチャを回そうが、カードを買おうが、自分で生み出すものです!」

 ポンは、心の結晶。ポン・カードも自分の心が生み出すものだと、スズは言っている。

「だから、他人のことを悪く言ったり、傷つけたりするのではなく、温かく優しい心で自分にも接してくださいね。自分のことが嫌いだと、笑えませんからね。アハッ!」

 スズの皇女としてのありがたいお言葉であった。これも元暗黒生命体の引きこもり、不登校でゲームやアニメばかりして、現実から逃げていたスズの言葉だから、言葉に実感がこもっている。

「ポン皇女様! なんて慈悲深いんだ!?」

「ありがたや! ありがたや!」

「俺、無差別殺人や、いじめはやめるよ!」

「ポン皇女様! 万歳! 万歳! 万歳!」

 会場は、温かい優しさに包まれた。これも世の中に初めて姿を現した、ポン皇女の雰囲気が影響を与えている。

「やっちった。アハッ!」

 スズは照れ笑いするしかない。

「スズちゃんがポン皇女様だったんだね!?」

 お友達のタナがスズの正体に驚いている。

「ごめんね。タナちゃん。今まで嘘をついていて。」

 素直に謝るスズ。

「サインちょうだい! お母さんに自慢する!」

「ズコー!?」
 
 本気のタナにズッコケるしかないスズ。

「はい。どうぞ。」

「わ~い! ありがとう! スズちゃん! 我が家の家宝にするね! ニコッ!」

「最後まで、タナちゃんには適わないよ。アハッ!」

「アハハハハッ!」

 正体がバレても、スズとタナは今まで通りお友達であった。

「でも、スズちゃん。正体がバレて、これからが大変だよ? どうするの?」

 タナはスズを心配する。

「大丈夫。最終回だから、直ぐに、みんな、忘れるよ! アハッ!」

 コネなし、金なし、弱小個人の作品など、最終回まで読む人間は、まずいない。

「そだね。みんな、忘れっぽいもんね。ニコッ!」

「そうそう。それでも保険をかけておきますか。魔王眼!」

 スズは第三の眼を開き、全人類の記憶から、自分が皇女だという記憶を消す。

「さあ、帰ってお茶でもしばくか。」

「は~い! 可愛い愛ちゃんが皇女様の好きな濃いいお茶をいれますよ! エヘッ!」

 おしまい。
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