汚れ無き純粋な瞳の平凡な日常。2 魔法少女育成編

渋谷かな

文字の大きさ
53 / 71

中堅、結

しおりを挟む
 ここは魔法高校剣道東京大会の会場の日本武道館。
「勝ったぞ! みんな!」
「泪、おめでとう!」
「リーサルウェポンの私に比べればまだまだよ。ドキ。」
 泪は渋谷高校剣道部員たちの元に戻り祝福される。
「L・O・V・E・泪! イエーイ!」
 客席では魔法自衛隊の泪への歓喜の応援が続いている。
「あいつら!? ごめん、恥ずかしいから、あいつらを黙らせてくる!」
「いってらっしゃい。」
 泪は客席に走っていった。
「中堅、前へ。」
 審判が両校の中堅の選手に試合に挑むように促す。
「結、がんばってね。」
「泪なんかには負けないんだから。私に負けの二文字はないわ。」
 試合に望む結には少しの焦りがあった。
「まさか!? あんぽんたんな泪が魔法自衛隊の増員に成功していたとは!?」
 結の仲間が予想よりも早いペースで増えていたからだ。
「あの自衛隊員たちは、未来の魔法少女の卵! そのうち名前がついて、個性がついてしまう。それまでに魔法少女事務局を作り、魔法少女は申請制にして、魔法少女の合否は私が決める! ようにしなければ!」
 結は住まいの神山町の神山財団に、勝手に魔法少女48の事務局を設立中である。
「それにしても、頭の空っぽの泪の考えじゃないな。いったい誰が泪に知恵を貸しているんだ?」
 泪のブレーンを務めているのは、AIロボットの明治天皇である。
「同期の泪には負けたくない! やはり、こちらも増員して人数を増やしていかなければいけないか。」
 泪と結は、魔法少女の第1期生として、ほぼ同時に登場したので、女同士のライバル心が強かった。
「はじめ!」
 いよいよ中堅戦が始まった。2勝している渋谷高校剣道部は、あと1勝すれば準々決勝に進むことができる。
「朝食をゆっくりと楽しみたいところだけど、仕方がない。こんな手を使いたくはなかったけど、私を刺激した泪が悪い。いでよ! お化け屋敷! ティファ・ティファ・ティファニー!」
 結は、なぜか妖怪を司る魔法少女なので、日本武道館をお化け屋敷に変えることは容易であった。
「なに!? 暗くなった!?」
「お墓に、柳が現れた!?」
「いったい何がどうなっているのよ。」
 剣道部員たちも観客も日本武道館が不気味なお化け屋敷になって驚いた。
「キャア!? 司くん怖い!?」
「大丈夫。俺がついてるよ。エビメグ。」
 カップルの海老原恵と寿司だけは幸せそうだった。
「羨ましい。」
 そして、独り身の男女から恨まれるのだった。
「ギャアアア!? おばけ!?」
 そこに妖怪たちが会場のあちらこちらに現れ始めた。
「お化けとは失礼な。こう見えても幽霊なんですから。ちゃんと見て! 足はないんだから。ねえ、コンコン。」
「コン。」
 現れたのは第12魔法少女の癒し女のおみっちゃんとペットの小妖狐のコンコンと妖怪たちだった。
「おみっちゃん、よく来てくれたわ。」
「は~い! ティファニー様! 私のファンの妖怪たちをたくさん連れてきましたよ! エヘッ。」
 一つ目小僧、唐傘、提灯お化け、のっぺらぼうなど、たくさんの妖怪が日本武道館のお化け屋敷イベントに現れた。
「これでいい。これで泪との差は無くなったわ。後はこの中から魔法少女になれる人材を育てるだけ・・・って、女の妖怪がいないじゃない!?」
 結は妖怪で魔法少女を作らなくてはいけない厳しさに直面し悩み込む。
「これは妖術!? ええーい!? 隙あり!」
 港高校剣道部員Cは結を攻撃しようとする。
「ストップ!」
「え?」
 結の声に港高校剣道部員Cは静止した。
「私は縁を結ぶけど、逆は呪いもかけるわよ。それでもよければ攻撃しなさい。」
「呪う!? 参りました!? 助けて!? お母さん!?」
「それまで、準々決勝進出は、魔法渋谷高校。」
 魔法渋谷高校剣道部は順当に初戦を突破した。
 つづく。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

貧乏神と呼ばれて虐げられていた私でしたが、お屋敷を追い出されたあとは幼馴染のお兄様に溺愛されています

柚木ゆず
恋愛
「シャーリィっ、なにもかもお前のせいだ! この貧乏神め!!」  私には生まれつき周りの金運を下げてしまう体質があるとされ、とても裕福だったフェルティール子爵家の総資産を3分の1にしてしまった元凶と言われ続けました。  その体質にお父様達が気付いた8歳の時から――10年前から私の日常は一変し、物置部屋が自室となって社交界にも出してもらえず……。ついには今日、一切の悪影響がなく家族の縁を切れるタイミングになるや、私はお屋敷から追い出されてしまいました。  ですが、そんな私に―― 「大丈夫、何も心配はいらない。俺と一緒に暮らそう」  ワズリエア子爵家の、ノラン様。大好きな幼馴染のお兄様が、手を差し伸べてくださったのでした。

処理中です...