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準決勝、栞、泪、結

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 ここは魔法剣道高校東京大会が行われている日本武道館。
「これから準決勝だ! 渋谷高校剣道部! 気合入れていくぞ!」
「おお!」
 渋谷高校剣道部は気合を入れて、準決勝に挑む。
「ドキ子、試合に出る!」
「ダメよ。決勝戦では絶対に出るんだから、秘密兵器は出さないわよ。」
「そんな!? 酷いわ!? あんまりよ!?」
「栞、泪、結、頼んだわよ。」
「おお!」
 ドキ子の出場は却下される。
「先鋒、前へ。」
 準決勝、魔法渋谷高校と魔法中央高校の戦いが始まろうとしている。
「久々の戦いで腕がなるわよ! キャハハハハハ!」
 栞はウォーミングアップ代わりに竹刀を振りまくる。
「はじめ!」
 先鋒戦が始まった。
「全ステータス3倍アップ! 中・中・中央!」
 魔法中央高校剣道部員Aは魔法を使いステータスをアップさせた。通常の竹刀振りの3倍のパワーとスピードで栞に襲い掛かる。
「魔法を使い過ぎて、剣道をしてなかったわ。私の剣道を見せてあげよう! 光れ星屑の竹刀! エル・エル・エルメス!」
 栞の竹刀が夜空の星々の様に金色に光り輝く。
「私の剣技を受け止めれるかしら。流星3連撃! 面! 胴! 小手!」
「ギャア!?」
 栞の竹刀が一瞬で相手の面、胴、小手を正確に捉える。
「一本!」
 先鋒戦、栞が勝利した。
「どうよ。私の剣道の腕前は。」
「栞お姉ちゃん、おめでとう。」
「ありがとう。怪獣ちゃん。」
「さあ、みんな。栞に続くわよ!」
「おお!」
 栞の勝利を渋谷高校剣道部の面々は喜んだ。
「次鋒、前へ。」
「私に任せろ。」
 次鋒は泪である。
「ゴー! ゴー! 泪! L・O・V・E! 泪!」 
「ああ、恥ずかしいな。やめてくれよ。」
 観客席の魔法自衛隊員の応援も盛り上がる。
「はじめ。」
 次鋒戦がはじまった。渋谷高校剣道部は泪。
「パワー10倍! 中・中・中央!」
 相手の中央高校剣道部員Bはパワーの強化に特化した。
「一撃で、一撃で決めてやる! でやあああああ!」
 会心の一撃を当てようと中央高校剣道部員は、泪に突撃してくる。
「反省しよう。魔法地雷なんかで勝ってきたことを。真面目に剣道をしようじゃないか。全砲門! 開け! ルイ・ルイ・ルイヴィトン! 一斉発射突き! ダダダダダー!」
 泪は一斉射撃したように数百発の突きを繰り出す。
「ギャアアア!?」
「一本!」
 無数の突きが炸裂し、泪は勝利した。
「キャアアアー! カッコイイ! 泪! ステキ! 泪!」
 観客席の魔法自衛隊員も泪の勝利に大喜びである。
「泪、勝利おめでとう。」
「ごめん、恥ずかしいから客席に行って、あいつらを怒って来るわ。」
 照れ隠しで泪は観客席に向かって行った。
「まったく落ち着きがないんだから。私が華麗に決勝進出を決めてこよう。」
「結、頼んだわよ。」
「任せなさい。」
 渋谷高校剣道部の中堅は結。
「中堅、前へ。」
 結と中央高校剣道部員Cも試合に望む。
「はじめ。」
「バリア3重魔法! 中・中・中央!」
 中央高校剣道部員は、栞と泪の圧倒的な剣技を見せつけられ、バリアを3重にも張り巡らせるディフェンスから入ることにした。
「その程度で私の突きが防げるもんですか! くらえ! 華麗な私の貫通突き! ティファ・ティファ・ティファニー!」
 結は突きを繰り出す。
「え!?」
 結の突きは中央高校剣道部員Cの作り出した3重のバリアを突き抜けていく。
「スローグ(貫通)。」
「ギャアアア!?」
 突きは中央高校剣道部員Cに突き刺さった。
「1本!」
「結! 強い! おめでとう!」
「やったー! これで決勝進出よ!」
 渋谷高校剣道部の決勝進出が決まった。
「それにしても妖怪さんたちはどうしたの?」
「怖いって、評判が悪いから会場の外に出したの。」
「へえー。」
 もちろん会場の外では妖怪たちがうろつき回っていた。
「足がありませんよ~! 」
「ギャア!? 助けて!? おばけ!?」
「待って! お兄さん! 遊びましょうよ!」
 皇居はリアルお化け屋敷になっていた。
 つづく。
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