異世界ファンタジー部3

渋谷かな

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3-6 最強の悪魔騎士の謎

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「回復役から倒すのは定石だろ?」
 悪魔ブエルは俊敏な皇居案山子に斬られた。
「このドーピング案山子め!? グシオン! こいつも案山子にしてしまえ!」
「おお! おまえもアヒルになれ! 精神魔法! マインド・チェンジ!」
 悪魔グシオンは皇居案山子に魔法をかける。
「・・・・・・。なにかしたのか?」
 しかし皇居案山子に変化はなかった。
「精神魔法など、堕落、腐敗、不摂生している者にしか効かん。」
「グワ!」
「グワッグワ!」
 人間失格の者たちもいる。
「雨の日も風の日も田んぼで自然災害に精神を鍛えられたオラに効くわけがない。」
「なんて恐ろしいんだ!? 田んぼの案山子!?」
 皇居案山子は強かった。
「くらえ! 案山子忍術! 藁牢獄!」
「ギャアアアアアアー!」
 悪魔グシオンを藁が覆う。
「グシオン!?」
「お得意の魔術で焼いてみろ。美味しい悪魔焼きができるぞ。ワッハッハー!」
「クッ!?」
 これで皇居案山子は二体の悪魔を倒した。
「これで皇女様も元に戻るだろう。」
 皇女様と蛍の洗脳が解かれた。
「まずたい焼きの鉄板を悪魔の形にした鉄板に代えてと。」
「面倒くさいなら悪魔という焼き印だけ押しますか? 漢字は外国人観光客にはウケそうですな。」
「銭が儲かって仕方がない! ワッハッハー!」
 相変わらずの皇女様と蛍。
「何をやっているんだ!?」
「百貨店の催事場に出店する時の採算を計算しているのよ!」
「渋谷とかの路面に全国展開した方が儲かるかもしれない!」
「おまえらは姉妹か!?」
「お姉さま!」
「おお! 妹よ!」
 兄弟愛溢れる末裔とご先祖様。
「さあ! 悪ふざけはここまでよ! 皇女である私は全てのステータス異常攻撃は無効! だから最初っから操られてなどいなかったのよ!」
「その通り! ちょっとアヒルの着ぐるみを着て遊びたかっただけだ! ワッハッハー!」
「嘘つき。説得力がないべ。」
 蛍も過去にスズ姫を食べているので状態異常無効であることに問題はない。
「ガーン! まさか人間に詐欺にあうなんて!? 悪魔失格だ・・・・・・。」
 悪魔パイモンはショックでかなりのダメージを受ける。
「この詐欺姉妹。」
「アハッ! 褒められちった。」
「誰も褒めてない!」
「おお! かわいい妹よ!」
「・・・・・・。」
 愛を育む皇女様と蛍。
「さあ! 降伏しなさい! 後はあなた一人よ!」
 気を取り直して決めに入る皇女様。
「はあっ? 何か勘違いしていないか?」
「なに!?」
「全てあの方の予想通りだ。それに私は一人ではないぞ。」
 悪魔パイモンはあの方のプラン通りに事を進めていた。

バキュン!

 銃声が鳴り響くと皇女様の頭が撃ち抜かれた。

「死体人柱!」
 スカイツリーの外壁を死体が何体もへばりついて展望台までの道を作りガミジンがたどり着く。
「遅かったな。皇女の額を撃ち抜いたところだ。」
 狙撃を司る悪魔バルバトスは超長距離射撃任務を完遂し白旗をもって両手を挙げている。
「しまった!? 間に合わなかったか!?」
 ガミジンの到着は数秒間に合わなかった。
「クソッ!? 降伏だと!? なぜおまえは逃げない?」
「私は自害しても闇に消えても構わない。あのお方の任務を達成できたのだから。それに私たちが勝つのに逃げる必要はない。逆におまえは逃げなくていいのか? なぜならあのお方が来ているのだから。」
「なんだと!? あのお方とはいったい!?」
「あのお方は最強の悪魔騎士。もっとも次の魔王に近いお方だ。」
 悪魔バルバトスはあのお方に忠誠を誓っている。

「皇女様!?」
 頭から血を流し倒れている皇女様。

「私たちの勝ちのようですね。」
 
 そこにあのお方が神々しく現れ、悪魔パイモンは片膝をつき頭を下げる。
「何者だ!?」
「私はルシファー。七つの大罪の傲慢を司る悪魔七騎士の一人です。」
 現れたのは悪魔騎士のルシファーだった。
「ルシファー!?」
「なんだ!?  こいつは!? まるで神だとでもいうか!?」
 蛍も皇居案山子もルシファーの神々しさに威圧される。
「日本のような小国など悪魔だけで簡単に征服できると思っていたのですが、これだけ多くの悪魔が魔王様を裏切っていたとは驚きです。」
 悪魔騎士ルシファーは日本の悪魔の惨状に呆れていた。
「私に任されたユーラシア大陸の支配は完了しました。ロシアのプチンは支持率が下がり権力を失うことに怯えていたので、簡単に私に魂を売りましたよ。今頃は隣国に攻め込んでいるでしょう。」
「ロシアのウクライナ侵攻はおまえの仕業だったのか!?」
「いいえ。違いますよ。悪いのは人間の弱い心です。アハッ!」
 悪魔騎士ルシファーは可愛く笑って見せる。
「これで日本国の皇女も死んだので、残るはローマ法王だけ。世界の希望を奪えば地球は悪に染まるでしょう。行きますよ。」
「はい。ルシファー様。」
 ルシファーたちは目的を終えて立ち去ろうとしていた。

「お待ちなさい! 誰が死んだですって?」

 その時。皇女様が目を覚ました。
「馬鹿な!? 確かに死んだはず!?」
 皇女様と初見の悪魔騎士ルシファーは予期せぬ出来事に驚く。
「残念でした。私、不死身なので。なぜなら私は日本国の皇女なのだから! オッホッホー!」
 日本国の皇女は不死身説。
「馬鹿な!? 日本の皇女は化け物か!?」
「私の生命力は普通の人間の七倍あるのだ! ワッハッハー!」
「知らなかった!? 人間の命が複数あるなんて!?」
 もちろん皇女様の嘘です。
「クスクスクスッ! さすが我が末裔だ!」
「悪魔を手玉に取るなんて、皇女様ぐらいにしかできねえ。」
 蛍も皇居案山子も愉快に笑っていた。
「ルシファー様! 嘘ですよ! 人間の命は一つですよ!」
「なんだと!? 私は騙されたのか!?」
 やっと気づく悪魔騎士ルシファー。
「いや。私は嘘はついていない。おい、そこの魔術の大道芸人。私を焼いてみろ。もしも皇女焼きを作れたら、東京都の大道芸人の認定書をやるぞ。」
「なんだと!?」
「私は死なない。何度でも、何度でも蘇るぞ。ワッハッハー!」
「馬鹿にしやがって! あまえが嘘つきだと証明してやる! 人間の命は一つだから美しいんだ! くらえ! 火の魔法! ファイア!」
 悪魔パイモンは火の魔法で皇女様を焼く。
「ギャアアアアアアー!」
 皇女様は炎に包まれた。
「お望み通り灰になるがいい! ワッハッハー!」
 悪魔パイモンは勝利を確信していた。

「あなた? それでも悪魔なの?」
 
 火の中から皇女様の声がする。
「おまえの魔力は東京都の大道芸人以下だ。芋すら焼けないわよ!」
「生焼き芋いいね! 生ドーナツの次にきそうだ!」
「芋さ堀るだ!」
 炎をかき消し皇女様が現れる。
「馬鹿な!? 私の炎が!?」
 一瞬で火が消されて動揺する悪魔パイモン。
「だから言っただろ? 私は賢者の石を持っていて体内に命を無尽蔵に宿していると。ワッハッハー!」
「本当だったんだ!? 人間の命は一人につき一個じゃなかったんだ!?」
 皇女様に騙されているとも知らないで衝撃を受ける悪魔パイモン。
「ちなみに命はお一人様2個までな。アハッ!」
 人をからかい貶めることに関しては饒舌な皇女様。
「もしかしたら!? とんでもない者を相手にしてしまったのかもしれない!? ど、どうしましょう? ルシファー様!? なっ!?」
 悪魔パイモンが悪魔騎士ルシファーを見た時。

「油断しましたな。」

 悪魔騎士ルシファーの間合いに蛍が入っていた。
「一刀両断! 蛍光斬!」
 蛍の必殺の一撃が悪魔騎士ルシファーを真っ二つに切り裂いた。
「ルシファー様!?」
 絶望する悪魔パイモン。
「お勤めご苦労様。」
「これでも用心棒なので。アハッ!」
「ワッハッハー!」
 今度は皇女様と蛍が勝利を確信した。

「ヒーリング・オール!」

 聖属性の上位回復魔法の光が輝いた。
「なに!? まだ生きているというのか!?」
 真っ二つに切り裂かれた悪魔騎士ルシファーの体が元通り一つになっていく。
「それに悪魔なのに聖属性の魔法を使えるというの!?」
「私は元々は天使だったので。」
「堕天使!?」
 悪魔騎士ルシファーの正体は堕天使だった。
「堕天使って何?」
「ズコー!」
「堕天使とは悪いことして天界から追い出された悪い天使のことだべ!」
「ああ~。タナの天女みたいなもんか。うんうん。」
「納得していいとこなんでしょうか?」
 注意。天女は別に悪いことはしていませんので無実です。

「こうなったら実力行使です。」
 悪魔騎士ルシファーは闇を発動させる。
「なんて強大な魔力だ!?」
 まさに魔王級の闇を操る悪魔騎士ルシファー。
「悪に染めてあげましょう! くらえ! ダーク・ボール!」
 悪魔騎士ルシファーが闇の玉で攻撃しようとした。

「やめなさい! ルシファー!」

 そこにお祈りをしていたはずの魔王の娘の魔子が現れる。
「シュベルコ様!? どうしてここに!?」
「私はお父様の命令で人間界のお父様の憑代の地球の魔王、日本国の皇女のスズの元でインターンシップ、異文化コミュニケーションをしているのです! 私の前で無礼は許さないわよ!」
 魔子は魔王の娘として悪魔には威厳があった。
「申し訳ございません。シュベルコ様。その命令には従えません。」
「なに!?」
「私は魔王様の命令で地球を支配しに来ているので、魔王の娘のシュベルコ様の命令を聞くことはできません。」
 魔王に忠誠を誓っている悪魔騎士ルシファー。
「シュベルコ、シュベルコと人の名前を安モノみたいに言うな!」
「気にするのはそこですか?」
 少しズレている魔子。

「日本国の皇女よ。私はあなたを魔王様とは認めていません。だから・・・・・・消してあげましょう!」
「こい! 私の邪悪さを教えてやろう!」
 自ら邪悪と認めている潔い皇女様。
「堕天の力を教えてやる! ホーリー・ダーク・ストラッシュ!」
 悪魔のくせに聖闇を混合させた一撃を放とうとする悪魔騎士ルシファー。
「おっと、これは久しぶりに魔王の力を開放しないと防げそうにないな。・・・・・・魔王眼!」
 スズの額に三つ目の目玉が現れる。
「なんと強大な魔力!? これは魔王様の邪悪な覇気!? 本当に日本の皇女が魔王様だというのか!?」
 悪魔騎士ルシファーも皇女様の邪気にたじろぐしかなかった。
「見せてやろう。魔王の実力を。」
 皇女の聖属性と魔王の闇属性を全開に解き放とうとする皇女様。

「やめなさい! スズ!」

 その時。皇女様を恐れない女の子の声が響く。 
「タ? ナ?」
 皇居から江戸城の天守閣にたどり着いたタナたち皇小学校の異世界ファンタジー部の部員たち。
(見られた!? 見られてしまった!? 本気の魔王モードの姿を!? みんなに嫌われてしまう!?)
 スズはサト以外の部員に自分が魔王だと知られてしまったのだった。
「スズ! あなたは何度お城を潰す気よ! また税金の無駄遣いだと国民に怒られるわよ!」
「タナ。」
「魔王でも天津飯でもいい! 俺と結婚してくれ! スズ!」
「私はどんな時も皇女様にお仕えするだけです。」
「ミー、トゥ。」
 タナたちはどんな姿になっても皇女様を怖がることはなく普段と態度を変えることはしなかった。
「おまえたち・・・・・・私が怖くないのか?」
「はあっ!? どうして怖いのよ? だって私たちはお友達でしょ。あなたが魔王のコスプレをするなら、私はバニーガールの衣装でも着て見せるわ! アハッ!」
「ああ! 私はなんて幸せ者なのかしら! 本当に良いお友達に恵まれた! 生きてて良かった!」
 感動した邪悪な魔王の皇女様の目から涙が零れる。
「どうしたの!? 何か悪い者でも食べたの?」
「拾い食いだな。落ちている物を食べたに違いない。」
「バナナの皮で滑って頭を打ったに違いない。」
「普段通りの皇女様に戻っただけだよね。アハッ!」
 タナたちは日頃のスズを見慣れていた。
「こらー! 好きかって言うな! 私の感動を返せ!」
「ワッハッハー!」
 和気藹々とした皇女様たち。

「あなたも戦いはやめて・・・・・・はあっ!? あなたは私に道を尋ねた迷子のきれいお姉さん。」
 タナは悪魔騎士ルシファーの顔に見覚えがあった。
「あの時の親切なお嬢さん!? どうしてあなたが!?」
 悪魔騎士ルシファーもタナのことを覚えていた。
(なんだ? この違和感は? 普通の人間にしか見えないのに、この娘から感じるものは天使!? いや女神!? なんだというのだ!? バカな!? 女神とあろうものが私みたいに、うっかり天界から足を滑らせて落ちたというのか!?)
 悪魔騎士ルシファーはタナから何かを感じて取っていた。
「やめて! 私たちが戦う理由がどこにあるというの?」
「・・・・・・。分かりました。今日の所は退きましょう。これで貸し借りは無しということで。」
「分かってくれて、ありがとう!」 
 律儀な悪魔騎士ルシファー。
「一つだけ忠告を。これからあなたを狙い天界からたくさんの使途が送られてくることでしょう。気をつけなさい。」
「私の心配をしてくれるの? やっぱりお姉さんはいい人ですね。アハッ!」
 タナは微笑みを悪魔騎士ルシファーに向ける。
「でも大丈夫。私にはお友達がいるから!」
 タナのお友達は皇女様を含め豪華なラインナップであった。
「確かに。要らぬ心配でしたね。」
「キャッハッハ! キャッハッハ! キャッハッハ!」
「・・・・・・。」
「ちょっと不安かも。お友達に恵まれなかったら、どこに相談すればいいのよ!?」
「クスッ。」
 不気味な皇女に一時言葉を失った悪魔騎士ルシファーに笑顔が戻る。
「帰るぞ。パイモン。」
「はい。ルシファー様。」
 パイモンはブエルにグシオンを担いでいる。
「いいか! おまえたち! 今度会った時はギチョンギチョンにしてやる! 覚えてろよ!」
「パイモン。おまえ、何を言っている?」
「えっ? これが人間のお別れの挨拶ではないのですか?」
「違う。それはただの負け惜しみだ。」
「ガーン!」
 パイモンは悪魔と人間の文化の違いに戸惑う。
「最後に、シュベルコ様。たまには魔界に帰ってください。魔王様が寂しがっていますよ。それではまた会いましょう。さらばだ。」
「シュベルコ言うな!」
「ワッハッハー!」
 悪魔騎士ルシファーたちは闇に消えていった。 
「お父様か。会いたいな。魔界に帰ろうかな?」
「嫌だ! 魔子ちゃんと離れるなんて絶対に嫌だ! 魔子ちゃんは私には必要なんだ! だって私と魔子ちゃんはお友達じゃないか!」
「皇女様! 私! どこにも行きません!」
 自分を必死に引き留める皇女様の姿に感動する魔子。
「良かった! 魔子ちゃんがいないと毎日の平和の祈りを私がしないといけないくなるんだよね。それに日本武道館の私のコンサート。私が歌うと殺人ボイスで血の海になっちゃんうんだよね。アハッ!」
 面倒臭がりの皇女様は極度の音痴であった。皇女様の歌を聞いて頭が爆発するので、皇女様の歌を聞いて生き残った者はいない。正に魔王の歌唱力であった。
「やっぱり魔界に帰ります!」
「帰らないで! 魔子ちゃん! チョコレート上げるから!」
「チョコレート!?」
「ほ~れほれ。黒だけでなく白いのもあるよ。赤いの青いの七色あるよ。レインボー・チョコレートだ。欲しくないかい?」
「私、皇女様に一生ついていきます!」
「ワッハッハー!」
 チョコレートで魔王の娘が釣れ場が和やかになった。
 つづく。
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