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3-10 東京都大会決勝 開戦前
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「しまった!?」
皇女様は何かに気が付いた。
「どうした!? スズ!? 何かあったのか!?」
従者のサトは心配で駆けつける。
「トイレの扉を閉めるの忘れた。アハッ!」
「ズコー!」
つまらないことが気になるお年頃の皇女様。
「つまらん。僕はてっきりトイレの水を流し忘れたとか、手を洗わないでうなぎを調理したとかと思ったじゃないか。」
「それはないわ。私のトイレは自動で水が流れるし、トイレから出る時に壁一面からアルコールが噴出して全身除菌できるもの。」
「おまえのトイレは半導体工場か!?」
皇女様専用トイレは疫病対策もバッチリであった。
「思い出した! 私が言いたかったのは、異世界ファンタジー部の開催場所よ!」
皇女様は本題を思い出した。
「野球は甲子園、サッカーは国立競技場。バスケは代々木体育館。その流れで異世界ファンタジー部はお台場でいいと思っていたのよ。サト。スズを甲子園に連れてって。アハッ!」
開催地の定番である。
「でも、大相撲の様に大阪や名古屋で行ったりする方が地域振興としては正解だわ! 東京一極集中の批判もかわせるしね。」
「じゃあ、どうするの?」
「春の新人戦を個人戦で細々と日本武道館で行って、夏は沖縄で台風デスマッチ。秋は京都で紅葉狩りデスマッチ。冬は北海道でキツネダンスデスマッチでどうだ?」
「でも、それだと東京、沖縄、京都、北海道以外の都道府県が怒らないか?」
「う~ん。そうきたか。」
便秘の時間に入る皇女様。
「こん、こん、こん、こん、こん、ピキーン!」
とんちの時間から何かを閃いた皇女様。
「トーナメント戦とかリーグ戦を開催しよう。それなら日本全国47都道府県を回ることができる。それに異世界ファンタジー部の全国大会の優勝者しか世界大会に出場できないから、海外への遠征で練習試合をすることにしよう。そうすれば本当の意味での異世界ファンタジー部のワールド・カップやオリンピック種目への道が開けるというものだ。ワッハッハー!」
「要するに世界まで手が回らないから、春の新人戦は蛍ちゃんに負けたのね。」
「そうだよ。何か悪い。文句を言うなら闇に消しちゃうよ。なぜなら私は日本国の皇女なのだから! オッホッホー!」
「なんも言えねえ。」
文句を言うものは闇に滅する。バイ、皇女様。
「いや~! すごいな! これだけ大規模で日本全土のことを考えている作品が他にあるだろうか? 皇女はつらいぜ。ワッハッハー!」
「おまえは虎さんか?」
「アハッ!」
注意。皇女様は日本のことをとても大切に考えています。
「さあ! 今度こそ異世界ファンタジー部の東京都大会決勝! 夏のお台場決戦だ!」
やっと本編が始まるのであった。
「それでは異世界ファンタジー部! 夏の東京都大会決勝を行いたいと思います!」
司会者が大会の始まりを告げる。
「そろそろ司会者もキャラクター名を付けた方がいいんじゃないか?」
「それは無理。」
「どうして?」
「だって、どこの局でアニメ化、実写化、映画化してくれるか決まってないだろ。だから特定の局を依怙贔屓することはできないんだ。」
サトは正論を言う。
「そんなことは分かっているよ。私が言いたいのは皇女テレビ局を作ってしまえばいいのだ。そうすれば司会者の女子アナのキャラクター名も自由に決めれるし、どこかの局で現実にアニメ化が決まれば、皇女テレビ局の社名を変えればいいのだよ。ワッハッハー!」
「天才だ!? こういうことだけにはスズには適わないな。」
「おまえが真面目過ぎるんだ。もっと柔軟に発想しないと想像力が育たないぞ。生真面目もダメ、ダメというやつもダメなんだ。」
「発想ね。う~ん。皇女ラジオに、皇女FMも作ろう。皇女SNS、皇女ネット動画配信、皇女百貨店、皇女ホームセンター、皇女コンビニ、皇女海の家、皇女富士山避難小屋なんかどうだ?」
「いいんじゃない。まあ、日本にあるものは全て私のものだけどね。アハッ!」
素晴らしいジャイアン思考をお持ちの皇女様。
「いかんいかん!? また脱線してしまった。私の悪い癖だ。」
皇女様は話を膨らませて、ついつい脱線しがちである。
「司会者は司会者のままでいいや。そのままの君でいて。アハッ!」
最後は笑って誤魔化す皇女様。
「問題です。最終的に司会者の名前に困った時はどうすると思う?」
「分かりません。」
「公募だ。あとキャラクター人気ランキングなどするとキャラクター数の多い作品は盛り上がるらしい。」
「異世界ファンタジー部は恐ろしくキャラクター数が多い作品なので炎上間違いなしだな。」
「それも狙いです。アハッ!」
困ったときはファンに丸投げ。それが皇女様クオリティー。
「ああー! 自局の女子アナ面接編をやりたくて仕方がない! 東京都大会をやめたらダメかな?」
「ダメー!!!!!!」
「何もそんな大声で怒らなくてもいいじゃないか。アハッ!」
「一層のこと暇な我が部の顧問の中村ナカ先生に司会をやらせたらどうだ?」
「顧問の司会転用か? 大会の公平性を欠いてしまうではないか。」
「おまえ、そういう所だけ真面目だな。」
「これでも皇女なので。オッホッホー!」
あべこべな二人であった。
「それでは開戦を前に日本国の鈴木宮スズ皇女様からありがたいお言葉をいただきたいと思います!」
「エッヘン! 仕方ないな。私の有難い言葉を聞かせてやろう。なぜなら私は日本国の皇女なのだから! オッホッホー!」
皇女様は得意げに公務を果たそうとした。
「ですが! その前に各予選を勝って、東京都大会決勝に駒を進めたチームの入場です。」
「ズコー!」
皇女様がこける中、司会者が出場校の紹介を始める。
「まずは東京24区の代表! 皇小学校! 春の新人戦の東京都代表であり、全国二位に入った強豪校です!」
「イエイ! イエイ! ピース! ピース!」
「恥ずかしいからやめい。」
「いいじゃないか。私は今だけ皇女の衣を脱ぎ、鈴木という一般人の衣に着替えるのだから。」
「おまえは天ぷらか?」
「皇女ガチャも悪くないな。フチ子ちゃんが売れる時代だから、私のてんぷらコスプレガチャも大ヒット間違いなしだ! 臨時収入で298円の箱アイスを買うんだ! ワッハッハー!」
「それぐらい僕が買ってやるよ。」
「本当か! サト! 大好きだ! アハッ!」
皇女様は借金漬けの日本国のために節約していた。
「続きまして東京市部大会の代表! 武蔵野小学校! 市部では財政黒字の圧倒的な人気を誇る東京都大会決勝の常連校です!」
次に入場してきたのが武蔵野小学校。
「都の決勝の常連って言われ方が虚しい・・・・・・。」
武蔵野小学校の代表選手の吉祥寺キチ。彼の一番の功績は遊びでつけた名前が、今の全体の名前の付け方の元祖になっている。彼には感謝しかない。
「今度こそ見返してやろう!」
メンバーの三鷹ミタ。住所だけでなく、駅の名前なんかもキャラクター名に利用されている。愛着のある名前の方が共感しやすく人気が出やすいだろう。
「おお! ミタさんの言うとおりだ!」
武蔵境ムサシ。武蔵野市に渋い住所はなかったことも駅名が起用された理由である。
「メンバーが三人だけで、後二人足らないが仕方がない。武蔵野市には井の頭公園くらいしか観光スポットがないのだ! 仮に井の頭イノを加えても4人。数の上でも皇居小学校に比べて不利だ。人手不足ならぬ、部員不足だ。う~ん。」
武蔵野小学校の顧問、武蔵野ムサ。異世界ファンタジー部の過酷さからなかなか部員が集まらなかった。異世界フ
「特別ゲストでレンタル転校生で南大沢ミナを加えればいいのでは?」
「えっ!? いいんですか!?」
「許す。皇女の私が言うのだから大丈夫だ。」
「ありがとうございます! 皇女様!」
「みんなも自分のオリジナルチームを作ってね! 育成、トレード、手っ取り早くは廃課金ガチャがお勧めだよ! 大丈夫! 私の取り分は消費税より少ないからね! アハッ!」
こうしてレンタルトレードが導入された。
「これで5人揃ったぞ! これで互角の勝負ができるぞ!」
「おお!」
武蔵野小学校のメンバーはキチ、ミタ、ムサシ、イノ、ミナの5人に決まった。
「勇者ミナ! 頼むぞ!」
「聖剣使いがいるなんて、私たちも心強いわ!」
「一人で八王子解放戦線を壊滅させた実力を見せてくれ!」
「私なんか、ただの公園なので役に立たないと思います。ミナさん! 期待しています!」
「は、はい。がんばります。アッハッハッハ!」
南大沢ミナは戸惑っていた。
「どうして私はここにいるの!? それに私、出ても大丈夫かな? 八王子の裏切者とか言われないかな? 私がいない間にまた南大沢が襲われないかな? ああ~、不安だわ。」
ミナはかなりの不安症だった。
「それにしてもミナのレンタル移籍を認めるとは心の狭いスズにしては優しかったな。」
「ふっふっふっ。甘いな。私が何の算段もなく許すと思うか?」
「というと?」
「ミナが八王子にいる限り治安が安定して私への献上金が減ってしまうのだ。略奪、強奪したものの20パーセントは私のものになるからな。新しい八王子市長には北島キタジを選挙で勝たした。もちろん中身は悪魔サブローだ。歌も上手いから八王子ホールでコンサートを開けば超満員で私への寄付も以前よりも集まるだろう。もし献上金を断れば参勤交代させるぞ! と脅しているからな。私のために血と汗の涙を流して昼夜働くだろうよ。今頃、暁軍を編成して復興中の南大沢の東京都の金持ちを襲う準備をしているころだろうさ。ワッハッハー!」
「なんて長い台詞だ!? 声優さんの苦労も考えろよ!」
「そこか!? 文句をいう所はそこなのか!?」
どちらも血迷っていた。
「最後に多摩地域の代表! 奥多摩小学校です! 奥多摩湖のタマッシーが人気です!」
奥多摩小学校が入場してくる。が、少し様子が変だ。
「どうも! どうも!」
「ゲッ!? あれは魔子ちゃん!?」
なぜか奥多摩小学校のメンバーに魔子がいた。
「こらー! 魔子ちゃん! なんで奥多摩小学校で出場しているんだよ?」
「あ、皇女様。かくかくしかじかで。アハッ!」
「分かるか! ちゃんと説明しろ!」
魔子は説明を面倒臭がったが皇女様に却下された。
「実は奥多摩町に皇女様がお忍びで来られるということで、機密費で奥多摩町の再開発を行うために私は街づくりボランティアに参加しました。」
政府の機密費は皇女様のお忍びに使われていることが発覚した。
「そこでタマちゃんと出会い、街づくりを通じて友情を育みました。」
共通作業は目的が同じなので仲良くなりやすい。
「お願い! 魔子ちゃん! 奥多摩町は過疎で子供が少ないの! このままでは私一人で出場することになる! 可哀そうな私を助けて! 見捨てないで! うえ~ん!」
「と、泣きつかれたので仕方なく参加することにしました。アハッ!」
こうして魔子は奥多摩小学校のメンバーになった。
「分かったよ。魔子ちゃんは優しいんだね。アハッ!」
(この裏切者め! 私を裏切った者の末路がどうなるか教えてやる! ウキャキャキャキャ! ウキャキャキャキャ! ウキャキャキャキャ!)
「スズ。おまえ本当に思ってるか?」
「当たり前だ! 私は全世界の子供たちの憧れの優しい皇女様だぞ! アハッ!」
「怪しい・・・・・・。」
顔で笑い、心でカオスしている皇女様。
(良かった! 怒ってない! もしかしたら裏切者とか言われて殺されるかと思ったけど助かった! セーフ! セーフですわ!)
魔子ちゃんはデビル・プリンセスだが世間知らずの魔界の箱入り娘なので他人を信じてしまう。
「ところで魔子ちゃん。」
「はい。なんでしょうか?」
「人間二人は分かるんだけど、後の3人は何か違うよね?」
多摩タマ子は人間であるが他の3人から異様な気配を感じ取った皇女様。
「さすが! 皇女様! お気づきですね! 自己紹介させますね。」
「奥多摩町の人気者! 奥多摩湖のタマッシーこと、シュベルコ様の魔界のペット魔界竜が擬人化しました。魔竜ラミアスです。諸事情でラミちゃんとお呼びください。皇女様。」
「長っ!? 自己紹介が長っ!? どこかの秋葉原の売れたいアイドルグループの挨拶かと思ったぞ!?」
「つっこむ所は、そこじゃないだろう。」
「アハッ!」
どこか感覚が凡人とはズレている皇女様。
「タマッシー!? タマッシーの正体は魔界竜だったのか!? しかも擬人化させて、東京都大会に出場するだと!?」
やっと事態を把握した皇女様。
「ピカリを連れてこい! バエル! バエルはどこだ!? アンを準備させておけ!」
竜の恐ろしさを知っているだけに最悪の事態に備える皇女様。
「ちなみに私が参戦しても人数が足らないので、私のお友達のメイちゃんにも来てもらいました。」
「初めまして。冥竜メイです。私のご主人様はハーデース様です。ラミちゃんが人間界に呼んでくれたので遊びに来ました。初めての人間界旅行が楽しみです。アハッ!」
メイは初めての人間界らしい。
「冥竜? ハーデース? う~ん・・・・・・。ピカーン! まさか!? まさか!? メイちゃんの正体は冥界竜!?」
「当たり! 大正解です! そうです! 私は冥界竜が擬人化した姿です! さすが皇女様ですね!」
「それほどでも。エヘッ!」
どんな時でも褒められると嬉しい皇女様。
「はっ!? 冥界竜だと!? ピジリだ! ピジリを呼んでくれ! 相手が魔界竜と冥界竜なら、こっちは聖竜だ! ピジリ! ご飯の時間だよ! うおおおおおおー!」
今までに一度も登場していない聖竜の名を叫ぶほど狂喜乱舞している皇女様。
「葉月! 直ちに私と聖竜ピジリとの出会いのエピソードを考えろ!」
「葉っぱっぱ!」
皇女様の無理難題をこなすのがお庭番衆の隠密の仕事である。
「ぬかったわ!? 真面目に出現! 八岐大蛇! 編をやっておけば竜の数には困らなかったのに!? まさか敵の方が竜の数が多いだと!? こんな運命にした神を恨むぞ!」
皇女様は天にいる神様を憎んだ。
ドカーン!
「なんだ!? 落雷か!?」
空から雷が降ってきた。
「私はオリュンポス十二神の一人。ゼウス。」
雷と共に天界から神ゼウスが降臨した。
「おまえか? 天界の神にケンカを売ったのは?」
天界の神様は地獄耳だった。
「ち、違います!? あいつらです!」
皇女様は苦しまみれに他人を指さした。
「魔界竜に!? 冥界竜だと!?」
「ご無沙汰しています! アハッ!」
「初めまして! ニコッ!」
愛想よく挨拶するラミとメイ。
「聖戦だ! この戦いに天界も参加させてもらうぞ!」
「そんな勝手な。」
「人間の小娘よ。神に何か文句があるのか?」
「あ、ありません! 神様を崇拝する私はこの国の皇女です! 私が神様の参戦を許可します! 私が言えば否定する者はおりません! なぜなら私は日本国の皇女なのだから! オッホッホー!」
ただし皇女様が信仰している神は皇女神であり、自分自身である。なんせ皇女様は皇女教の教祖なのだから。
「ほお~。人間の中にも神を敬う者がいるとは感心だ。」
「それほどでも。アハッ!」
神ゼウスも異世界ファンタジー部の東京都大会決勝に参戦することになった。
「話は戻るが奥多摩小学校の五人目は何者だ?」
「バウ?」
「奥多摩に生息する多摩熊です。部員不足なので熊にも参加してもらうことにしました。アハッ!」
魔界竜が一撃で熊を脅したのは明白である。
「タマックマ? どこかで聞いたようなキャラクターだな?」
「さすが皇女様! 魔子はそこまで気が回りませんでした。」
「魔子ちゃんもまだまだだな。オッホッホー!」
「チョロイ。エヘッ!」
一歩下がって相手を持ち上げる太鼓持ちの魔子ちゃんは皇女様のご機嫌取りが上手かった。
「あ! 私の開会スピーチはどうなったんだ!? 世は皇女であるぞ! うおおおおおおー!」
こうして皇女様の有難いスピーチは闇に葬られることになった。
つづく。
皇女様は何かに気が付いた。
「どうした!? スズ!? 何かあったのか!?」
従者のサトは心配で駆けつける。
「トイレの扉を閉めるの忘れた。アハッ!」
「ズコー!」
つまらないことが気になるお年頃の皇女様。
「つまらん。僕はてっきりトイレの水を流し忘れたとか、手を洗わないでうなぎを調理したとかと思ったじゃないか。」
「それはないわ。私のトイレは自動で水が流れるし、トイレから出る時に壁一面からアルコールが噴出して全身除菌できるもの。」
「おまえのトイレは半導体工場か!?」
皇女様専用トイレは疫病対策もバッチリであった。
「思い出した! 私が言いたかったのは、異世界ファンタジー部の開催場所よ!」
皇女様は本題を思い出した。
「野球は甲子園、サッカーは国立競技場。バスケは代々木体育館。その流れで異世界ファンタジー部はお台場でいいと思っていたのよ。サト。スズを甲子園に連れてって。アハッ!」
開催地の定番である。
「でも、大相撲の様に大阪や名古屋で行ったりする方が地域振興としては正解だわ! 東京一極集中の批判もかわせるしね。」
「じゃあ、どうするの?」
「春の新人戦を個人戦で細々と日本武道館で行って、夏は沖縄で台風デスマッチ。秋は京都で紅葉狩りデスマッチ。冬は北海道でキツネダンスデスマッチでどうだ?」
「でも、それだと東京、沖縄、京都、北海道以外の都道府県が怒らないか?」
「う~ん。そうきたか。」
便秘の時間に入る皇女様。
「こん、こん、こん、こん、こん、ピキーン!」
とんちの時間から何かを閃いた皇女様。
「トーナメント戦とかリーグ戦を開催しよう。それなら日本全国47都道府県を回ることができる。それに異世界ファンタジー部の全国大会の優勝者しか世界大会に出場できないから、海外への遠征で練習試合をすることにしよう。そうすれば本当の意味での異世界ファンタジー部のワールド・カップやオリンピック種目への道が開けるというものだ。ワッハッハー!」
「要するに世界まで手が回らないから、春の新人戦は蛍ちゃんに負けたのね。」
「そうだよ。何か悪い。文句を言うなら闇に消しちゃうよ。なぜなら私は日本国の皇女なのだから! オッホッホー!」
「なんも言えねえ。」
文句を言うものは闇に滅する。バイ、皇女様。
「いや~! すごいな! これだけ大規模で日本全土のことを考えている作品が他にあるだろうか? 皇女はつらいぜ。ワッハッハー!」
「おまえは虎さんか?」
「アハッ!」
注意。皇女様は日本のことをとても大切に考えています。
「さあ! 今度こそ異世界ファンタジー部の東京都大会決勝! 夏のお台場決戦だ!」
やっと本編が始まるのであった。
「それでは異世界ファンタジー部! 夏の東京都大会決勝を行いたいと思います!」
司会者が大会の始まりを告げる。
「そろそろ司会者もキャラクター名を付けた方がいいんじゃないか?」
「それは無理。」
「どうして?」
「だって、どこの局でアニメ化、実写化、映画化してくれるか決まってないだろ。だから特定の局を依怙贔屓することはできないんだ。」
サトは正論を言う。
「そんなことは分かっているよ。私が言いたいのは皇女テレビ局を作ってしまえばいいのだ。そうすれば司会者の女子アナのキャラクター名も自由に決めれるし、どこかの局で現実にアニメ化が決まれば、皇女テレビ局の社名を変えればいいのだよ。ワッハッハー!」
「天才だ!? こういうことだけにはスズには適わないな。」
「おまえが真面目過ぎるんだ。もっと柔軟に発想しないと想像力が育たないぞ。生真面目もダメ、ダメというやつもダメなんだ。」
「発想ね。う~ん。皇女ラジオに、皇女FMも作ろう。皇女SNS、皇女ネット動画配信、皇女百貨店、皇女ホームセンター、皇女コンビニ、皇女海の家、皇女富士山避難小屋なんかどうだ?」
「いいんじゃない。まあ、日本にあるものは全て私のものだけどね。アハッ!」
素晴らしいジャイアン思考をお持ちの皇女様。
「いかんいかん!? また脱線してしまった。私の悪い癖だ。」
皇女様は話を膨らませて、ついつい脱線しがちである。
「司会者は司会者のままでいいや。そのままの君でいて。アハッ!」
最後は笑って誤魔化す皇女様。
「問題です。最終的に司会者の名前に困った時はどうすると思う?」
「分かりません。」
「公募だ。あとキャラクター人気ランキングなどするとキャラクター数の多い作品は盛り上がるらしい。」
「異世界ファンタジー部は恐ろしくキャラクター数が多い作品なので炎上間違いなしだな。」
「それも狙いです。アハッ!」
困ったときはファンに丸投げ。それが皇女様クオリティー。
「ああー! 自局の女子アナ面接編をやりたくて仕方がない! 東京都大会をやめたらダメかな?」
「ダメー!!!!!!」
「何もそんな大声で怒らなくてもいいじゃないか。アハッ!」
「一層のこと暇な我が部の顧問の中村ナカ先生に司会をやらせたらどうだ?」
「顧問の司会転用か? 大会の公平性を欠いてしまうではないか。」
「おまえ、そういう所だけ真面目だな。」
「これでも皇女なので。オッホッホー!」
あべこべな二人であった。
「それでは開戦を前に日本国の鈴木宮スズ皇女様からありがたいお言葉をいただきたいと思います!」
「エッヘン! 仕方ないな。私の有難い言葉を聞かせてやろう。なぜなら私は日本国の皇女なのだから! オッホッホー!」
皇女様は得意げに公務を果たそうとした。
「ですが! その前に各予選を勝って、東京都大会決勝に駒を進めたチームの入場です。」
「ズコー!」
皇女様がこける中、司会者が出場校の紹介を始める。
「まずは東京24区の代表! 皇小学校! 春の新人戦の東京都代表であり、全国二位に入った強豪校です!」
「イエイ! イエイ! ピース! ピース!」
「恥ずかしいからやめい。」
「いいじゃないか。私は今だけ皇女の衣を脱ぎ、鈴木という一般人の衣に着替えるのだから。」
「おまえは天ぷらか?」
「皇女ガチャも悪くないな。フチ子ちゃんが売れる時代だから、私のてんぷらコスプレガチャも大ヒット間違いなしだ! 臨時収入で298円の箱アイスを買うんだ! ワッハッハー!」
「それぐらい僕が買ってやるよ。」
「本当か! サト! 大好きだ! アハッ!」
皇女様は借金漬けの日本国のために節約していた。
「続きまして東京市部大会の代表! 武蔵野小学校! 市部では財政黒字の圧倒的な人気を誇る東京都大会決勝の常連校です!」
次に入場してきたのが武蔵野小学校。
「都の決勝の常連って言われ方が虚しい・・・・・・。」
武蔵野小学校の代表選手の吉祥寺キチ。彼の一番の功績は遊びでつけた名前が、今の全体の名前の付け方の元祖になっている。彼には感謝しかない。
「今度こそ見返してやろう!」
メンバーの三鷹ミタ。住所だけでなく、駅の名前なんかもキャラクター名に利用されている。愛着のある名前の方が共感しやすく人気が出やすいだろう。
「おお! ミタさんの言うとおりだ!」
武蔵境ムサシ。武蔵野市に渋い住所はなかったことも駅名が起用された理由である。
「メンバーが三人だけで、後二人足らないが仕方がない。武蔵野市には井の頭公園くらいしか観光スポットがないのだ! 仮に井の頭イノを加えても4人。数の上でも皇居小学校に比べて不利だ。人手不足ならぬ、部員不足だ。う~ん。」
武蔵野小学校の顧問、武蔵野ムサ。異世界ファンタジー部の過酷さからなかなか部員が集まらなかった。異世界フ
「特別ゲストでレンタル転校生で南大沢ミナを加えればいいのでは?」
「えっ!? いいんですか!?」
「許す。皇女の私が言うのだから大丈夫だ。」
「ありがとうございます! 皇女様!」
「みんなも自分のオリジナルチームを作ってね! 育成、トレード、手っ取り早くは廃課金ガチャがお勧めだよ! 大丈夫! 私の取り分は消費税より少ないからね! アハッ!」
こうしてレンタルトレードが導入された。
「これで5人揃ったぞ! これで互角の勝負ができるぞ!」
「おお!」
武蔵野小学校のメンバーはキチ、ミタ、ムサシ、イノ、ミナの5人に決まった。
「勇者ミナ! 頼むぞ!」
「聖剣使いがいるなんて、私たちも心強いわ!」
「一人で八王子解放戦線を壊滅させた実力を見せてくれ!」
「私なんか、ただの公園なので役に立たないと思います。ミナさん! 期待しています!」
「は、はい。がんばります。アッハッハッハ!」
南大沢ミナは戸惑っていた。
「どうして私はここにいるの!? それに私、出ても大丈夫かな? 八王子の裏切者とか言われないかな? 私がいない間にまた南大沢が襲われないかな? ああ~、不安だわ。」
ミナはかなりの不安症だった。
「それにしてもミナのレンタル移籍を認めるとは心の狭いスズにしては優しかったな。」
「ふっふっふっ。甘いな。私が何の算段もなく許すと思うか?」
「というと?」
「ミナが八王子にいる限り治安が安定して私への献上金が減ってしまうのだ。略奪、強奪したものの20パーセントは私のものになるからな。新しい八王子市長には北島キタジを選挙で勝たした。もちろん中身は悪魔サブローだ。歌も上手いから八王子ホールでコンサートを開けば超満員で私への寄付も以前よりも集まるだろう。もし献上金を断れば参勤交代させるぞ! と脅しているからな。私のために血と汗の涙を流して昼夜働くだろうよ。今頃、暁軍を編成して復興中の南大沢の東京都の金持ちを襲う準備をしているころだろうさ。ワッハッハー!」
「なんて長い台詞だ!? 声優さんの苦労も考えろよ!」
「そこか!? 文句をいう所はそこなのか!?」
どちらも血迷っていた。
「最後に多摩地域の代表! 奥多摩小学校です! 奥多摩湖のタマッシーが人気です!」
奥多摩小学校が入場してくる。が、少し様子が変だ。
「どうも! どうも!」
「ゲッ!? あれは魔子ちゃん!?」
なぜか奥多摩小学校のメンバーに魔子がいた。
「こらー! 魔子ちゃん! なんで奥多摩小学校で出場しているんだよ?」
「あ、皇女様。かくかくしかじかで。アハッ!」
「分かるか! ちゃんと説明しろ!」
魔子は説明を面倒臭がったが皇女様に却下された。
「実は奥多摩町に皇女様がお忍びで来られるということで、機密費で奥多摩町の再開発を行うために私は街づくりボランティアに参加しました。」
政府の機密費は皇女様のお忍びに使われていることが発覚した。
「そこでタマちゃんと出会い、街づくりを通じて友情を育みました。」
共通作業は目的が同じなので仲良くなりやすい。
「お願い! 魔子ちゃん! 奥多摩町は過疎で子供が少ないの! このままでは私一人で出場することになる! 可哀そうな私を助けて! 見捨てないで! うえ~ん!」
「と、泣きつかれたので仕方なく参加することにしました。アハッ!」
こうして魔子は奥多摩小学校のメンバーになった。
「分かったよ。魔子ちゃんは優しいんだね。アハッ!」
(この裏切者め! 私を裏切った者の末路がどうなるか教えてやる! ウキャキャキャキャ! ウキャキャキャキャ! ウキャキャキャキャ!)
「スズ。おまえ本当に思ってるか?」
「当たり前だ! 私は全世界の子供たちの憧れの優しい皇女様だぞ! アハッ!」
「怪しい・・・・・・。」
顔で笑い、心でカオスしている皇女様。
(良かった! 怒ってない! もしかしたら裏切者とか言われて殺されるかと思ったけど助かった! セーフ! セーフですわ!)
魔子ちゃんはデビル・プリンセスだが世間知らずの魔界の箱入り娘なので他人を信じてしまう。
「ところで魔子ちゃん。」
「はい。なんでしょうか?」
「人間二人は分かるんだけど、後の3人は何か違うよね?」
多摩タマ子は人間であるが他の3人から異様な気配を感じ取った皇女様。
「さすが! 皇女様! お気づきですね! 自己紹介させますね。」
「奥多摩町の人気者! 奥多摩湖のタマッシーこと、シュベルコ様の魔界のペット魔界竜が擬人化しました。魔竜ラミアスです。諸事情でラミちゃんとお呼びください。皇女様。」
「長っ!? 自己紹介が長っ!? どこかの秋葉原の売れたいアイドルグループの挨拶かと思ったぞ!?」
「つっこむ所は、そこじゃないだろう。」
「アハッ!」
どこか感覚が凡人とはズレている皇女様。
「タマッシー!? タマッシーの正体は魔界竜だったのか!? しかも擬人化させて、東京都大会に出場するだと!?」
やっと事態を把握した皇女様。
「ピカリを連れてこい! バエル! バエルはどこだ!? アンを準備させておけ!」
竜の恐ろしさを知っているだけに最悪の事態に備える皇女様。
「ちなみに私が参戦しても人数が足らないので、私のお友達のメイちゃんにも来てもらいました。」
「初めまして。冥竜メイです。私のご主人様はハーデース様です。ラミちゃんが人間界に呼んでくれたので遊びに来ました。初めての人間界旅行が楽しみです。アハッ!」
メイは初めての人間界らしい。
「冥竜? ハーデース? う~ん・・・・・・。ピカーン! まさか!? まさか!? メイちゃんの正体は冥界竜!?」
「当たり! 大正解です! そうです! 私は冥界竜が擬人化した姿です! さすが皇女様ですね!」
「それほどでも。エヘッ!」
どんな時でも褒められると嬉しい皇女様。
「はっ!? 冥界竜だと!? ピジリだ! ピジリを呼んでくれ! 相手が魔界竜と冥界竜なら、こっちは聖竜だ! ピジリ! ご飯の時間だよ! うおおおおおおー!」
今までに一度も登場していない聖竜の名を叫ぶほど狂喜乱舞している皇女様。
「葉月! 直ちに私と聖竜ピジリとの出会いのエピソードを考えろ!」
「葉っぱっぱ!」
皇女様の無理難題をこなすのがお庭番衆の隠密の仕事である。
「ぬかったわ!? 真面目に出現! 八岐大蛇! 編をやっておけば竜の数には困らなかったのに!? まさか敵の方が竜の数が多いだと!? こんな運命にした神を恨むぞ!」
皇女様は天にいる神様を憎んだ。
ドカーン!
「なんだ!? 落雷か!?」
空から雷が降ってきた。
「私はオリュンポス十二神の一人。ゼウス。」
雷と共に天界から神ゼウスが降臨した。
「おまえか? 天界の神にケンカを売ったのは?」
天界の神様は地獄耳だった。
「ち、違います!? あいつらです!」
皇女様は苦しまみれに他人を指さした。
「魔界竜に!? 冥界竜だと!?」
「ご無沙汰しています! アハッ!」
「初めまして! ニコッ!」
愛想よく挨拶するラミとメイ。
「聖戦だ! この戦いに天界も参加させてもらうぞ!」
「そんな勝手な。」
「人間の小娘よ。神に何か文句があるのか?」
「あ、ありません! 神様を崇拝する私はこの国の皇女です! 私が神様の参戦を許可します! 私が言えば否定する者はおりません! なぜなら私は日本国の皇女なのだから! オッホッホー!」
ただし皇女様が信仰している神は皇女神であり、自分自身である。なんせ皇女様は皇女教の教祖なのだから。
「ほお~。人間の中にも神を敬う者がいるとは感心だ。」
「それほどでも。アハッ!」
神ゼウスも異世界ファンタジー部の東京都大会決勝に参戦することになった。
「話は戻るが奥多摩小学校の五人目は何者だ?」
「バウ?」
「奥多摩に生息する多摩熊です。部員不足なので熊にも参加してもらうことにしました。アハッ!」
魔界竜が一撃で熊を脅したのは明白である。
「タマックマ? どこかで聞いたようなキャラクターだな?」
「さすが皇女様! 魔子はそこまで気が回りませんでした。」
「魔子ちゃんもまだまだだな。オッホッホー!」
「チョロイ。エヘッ!」
一歩下がって相手を持ち上げる太鼓持ちの魔子ちゃんは皇女様のご機嫌取りが上手かった。
「あ! 私の開会スピーチはどうなったんだ!? 世は皇女であるぞ! うおおおおおおー!」
こうして皇女様の有難いスピーチは闇に葬られることになった。
つづく。
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