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3-17 世界大会の謎
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「絶対に尺で収めるんだ! サービス残業なんて、まっぴらだ!」
残り約5300字で尺が終わる。
「春の新人戦は酷かった。あの反省を込めて、世界大会の最終話は尺が残しました!」
といっても約5300字。
「これで練習試合をした中国とも戦える! 待ってろよ! パンダちゃん!」
こうして皇女様専用プライベートジェットは日本を飛び立ったかに見えた。
「いよいよ! 異世界ファンタジー部の世界大会が始まります! 開催地は・・・・・・日本です!」
皇女専用プライベート・ジェットは上空でUターンして日本に帰ってきた。
「ただいま! おお! 麗しの我が故郷よ!」
何事もなく皇女様は再び日本の地に降り立った。
「でも、どうして日本で開催することになったんだろう?」
「それは秘密。ウキャキャキャキャ! ウキャキャキャキャ! ウキャキャキャキャ!」
皇女様が世界各国に日本の国費をバラまいて開催地を買収したことは言うまでもない。これが本当のロビー活動である。もちろん国費は日本国民の血と汗と涙の血税である。
「すいません。各国のみなさん。私の世界へのお祈りがあるばかりに日本に集まっていただいて。」
「いえいえ。皇女様のためなら天国でも地獄でも行きますよ。」
「なら地獄に落ちろ。」
「えっ!? 皇女様、何か言われましたか?」
「いいえ。何にも。アハッ!」
皇女様は地獄耳だけでなく口も悪かった。
「さあ! 対戦の組み合わせ抽選会を行いましょう!」
マイペースな皇女様は前に進んで行く。
「世界大会の出場国は・・・・・・日本と中国だけです!」
「はいっ!? 他の国はどうした?」
「アメリカは中東情勢と大統領選挙で忙しくて不参加。ヨーロッパは予選が未だに終わっていないため不参戦。アフリカは食料不足で不参加。インドはカレーが辛いから不参加だそうです。」
「それでいいのか!?」
いいんです。アハッ!
「まだまだオリンピックやワールドカップみたいに各国が重きを置いていない新興大会ということですな!? クソっ! いつか異世界ファンタジー部はユニコーン企業になってやる! うおおおおおおー!」
闘志を燃やす皇女様。
「アッチチチチチ!?」
「水だ! 水を持ってこい! 消化しろ!」
目から燃える皇女様は今日の占いで水難の相がでている。
「まあ、いい。これで中国と本当の決着がつけれるというものだ! 侍魂を見せてやる!」
ずぶ濡れになってもカッコを決める皇女様。
「クシュン! 寒い! 早く服を着替えないとかぜをひいちゃう。」
皇女様も所詮は人の子であった。
「いよいよ! 異世界ファンタジー部の世界大会の始まりです! 場所は富士山です!」
やっとこさ異世界ファンタジー部の世界大会が始まる。場所は涼しい日本一の山の富士山である。
「よろしくお願いします。」
「こちらこそ。」
皇小学校の異世界ファンタジー部の顧問のナカと中国代表の中国小学校の顧問のチュウさんが挨拶をかわす。
「あれ? シュキンちゃんは来ないのか?」
「たかが異世界ファンタジー部のために国家主席は来ないだろうが。」
「電話で呼び出してやる! ウキャキャキャキャ! ウキャキャキャキャ! ウキャキャキャキャ!」
「やめろ! 呪いの電話!」
「チッ!」
貞子ならぬ皇女様の呪いの電話。電話を受けた者は二人の他人に迷惑電話をしないと呪われてしまうというものである。
「それにしても大会のスポンサーが皇女ブランドばっかりだな?」
「私が排除したんじゃないぞ!? あいつらが断りやがったんだ!」
今回は不安な世界情勢でアメリカやヨーロッパなどの各国が参加できないので大手の自動車会社や銀行などはスポンサー契約を断ってきたというのだ。
「許さないぞ! 復讐してやる! 法人税500パーセントだ!」
ちなみに異世界ファンタジー部世界大会のスポンサーになった企業は法人税が0パーセントになりお得である。
「そんなことしたら日本から会社がいなくなっちゃうよ。」
「なら機械ならネジを一本抜きリコール祭り。他にも嘘の裏帳簿を作成して事務所に置き、そこに税務署のマルサに突撃させる。飲食店ならなら髪の毛を一本入れてSNSで不買運動を叩きまくる。とどめは私が店舗に視察目的で来店し、一日中店から出ないので一般客が締め出されるという売り上げ激減作戦!」
「最低・・・・・・。」
「これでも女魔王なので。あなたの会社や学校の女魔王を教えてね。アハッ!」
邪悪なことを考えさせたら皇女様の右に出るものはいない。
「スポンサーになっていた方が幸せだったことを思い知らせてやる! ワッハッハー!」
この年の暮れ、皇女倒産という謎の言葉が流行語大賞にノミネートされたことはいうまでもない。
「皇女自動車、皇女電気、皇女半導体・・・・・・遂に私なんかが自動車や電機、半導体の会社を持つまでに育ったのだ! うるうる。」
感極まる皇女様の公営企業皇女ブランドは日本最大の企業になった。
「次のターゲットはアメリカのリンゴちゃんだ! パソコンだ! 経済を制すものが、世界を制すのだ! ワッハッハー!」
皇女様曰く。少年よ、大志を抱けばどこまでも行ける、らしい。
「おお!? 異世界ファンタジー部を制すものが、世界を制す! 秋の大会のキャッチコピーはこれでいこう。 アハッ!」
何事もタダでは転ばない皇女様の柔軟な発想力。
「皇女出版社から出版しようかな? ベストセラーは間違いなしだ。そういえば先月の月刊、皇女様も完売したしな。おしゃれ皇女様の付録は日本国内で使える10万円の商品券。販売価格1000円のジャストプライスは安すぎたかな? まあ、いいや。国民の税金だし。アハッ!」
皇女様は自分の懐が痛まないので金銭感覚は育たなかった。
「おい、話を膨らまし続けていると決勝戦が終わらないぞ。」
「なに!? しまった!? どうして早く教えてくれないんだ!? 私は皇女だぞ! おまえをクビにすることもできるんだぞ!?」
「えっ!? クビにしてくれるの! やったー! 自由だ! わ~い」
「やめて! 行かないで! 私を一人にしないで! 私を置いて行かないで! 泣いちゃうぞ!」
「まったく冗談の効かない奴だ。どこにも行かない。スズの側にいるよ。」
「ありがとう。アハッ!」
パワハラ皇女、あっけなく散りリストラ候補の従者と仲直り。
「それでは試合開始です!」
いよいよ異世界ファンタジー部の世界大会の決勝が始まった。
「いくぞ! 中国! かかってこい!」
気を取り直して戦いに挑む皇女様。
「あれ? 曹操でも劉備でもない? あなたは誰ですか?」
「私は孫権だ!」
中国代表の部長は呉の孫権。部員は太史慈、周瑜、孫策、陸遜。
「世界一になるのは中国だ! そして曹操と劉備に私の実力を見せつけてやる!」
「でも中国に負ける気がしないんだよね。剣と魔法、刀と忍術、ジャパロボとチャイロボ。どれをとっても日本の方が優れているよね。実際に親善試合も日本の圧勝だったし。アハッ!」
皇女様は余裕で中国に勝てると思っていた。
「甘いな! 皇女!」
「どこが!? どこが甘いの!? 頭!? 脇!? それとも糖度50の皇女イチゴを食べたからかな?」
「ふざけるな!」
「アハッ!」
小ネタを挟むと話が進まない。
「日本と中国の差は、霊獣だ。」
「霊獣?」
「霊獣は日本の竜のような伝説の生き物だ。」
「その通り。いるのだよ。中国にも日本の竜に負けないような、四神や四霊など伝説の生き物が!」
中国は親善試合で負けてから伝説の生き物探しを行っていたのだった。
「そういえば最近ピカリを登場させてないな。ブルブル。」
「怒っているだろうな。後が怖い。ブルブル。」
「蛍ご先祖様の時のように小話で機嫌を取るか? 嫌だな~、本編よりも小話の方が人気が高いとか。ブルブル。」
「九頭竜編をまだやってなかったから次回はそれでいこう。ブルブル。」
皇女様と従者は怒れる光竜に怯えていた。
「いでよ! 中国の四神の一匹! 玄武!」
「カメカメ!」
孫権は中国の伝説の生き物、玄武を呼び出した。
「どうだ! これが中国の四神の玄武だ! 最強の甲羅の鎧だぞ!」
孫権は亀になった。
「亀だ。」
「そだね。亀だね。」
「亀って、一回踏んで。」
「うわあ!?」
皇女様は玄武孫権を踏んで甲羅の中に頭と手足を収納させた。
「蹴り飛ばす! マリオ・キックならぬ、皇女キック!」
「ギャアアアアアアー!」
孫権は富士の火口へ落ちていった。
「ユー・ウイン!」
ストリート・ファイトみたいに皇女様は相手の部長を倒した。
「異世界ファンタジー部! 夏の世界大会の優勝は日本です! 日本に決まりました!」
「これでいいのか!?」
「いいんだ。私は忙しい。世界の人々がいつも笑顔で明るく前向きでいられるように祈らなければいけないのだから! なんて爽やか! 柔軟剤のコマーシャル依頼がきそうだな。アハッ!」
「祈っているのは魔子ちゃんだろうが。」
「私も関西から取り寄せたスナック菓子を食べるのに忙しいのだ。アハッ!」
見事な皇女様のKO勝ちであった。
「それでは本大会のMVPの皇女様にヒーローインタビューを行いたいと思います!」
司会者シカが皇女様にインタビューする。
「優勝おめでとうございます。」
「これも日本国のみなさんの応援があったからです。オッホッホー!」
不気味で怖い皇女様の営業スマイルである。
「それでは最後に一言お願い致します。」
「鈴木スズ改め! 鈴木宮スズは永遠に不滅です!」
「おまえは引退するのか?」
皇女様の見事な引退演説で会った。
「日本のことは嫌いになっても、私のことは嫌いにならないで下さい!」
「日本と私の場所が逆。」
「だって自分が大好きなんだもん! なんか文句あるか? 私を怒らせたら怖いぞ! 私は何でもできるのだから! なぜなら私は日本国の皇女なのだから! オッホッホー!」
こうして皇女様の断末魔の笑い声と共に富士山をバックにエンドロールが流れて、異世界ファンタジー部夏の大会が終わっていく。
「ああでもない!? こうでもない!?」
そして日常が戻ってくる。
「次はどんなお話にしようか? 秋の異世界ファンタジー部大会? 秋の松茸と梨取り合戦? 秋は食欲だよね。」
皇女様は読書より食欲であった。
「ピカリの九頭竜編じゃなかったのか?」
「あれは・・・・・・火竜、水竜など九竜が出てきて竜神になり、八岐大蛇を倒すという名作。ただピカリの昔話は悪さばかりだから恨まれているしな。」
「第四章全てではなくて、普通に1話で終わりますね。」
九回ピカリでボケるのもつらい。
「他は地球がAIロボットに支配される、ワタの惑星だ。」
「猿じゃないんだから。猿と。」
「アハッ!」
全て映画で一話完結の方が良い物語になる大作。
「これはどうだ! 宇宙の支配者テスラー総統率いるカミラス宇宙艦隊との宇宙戦争だ!」
「銀河レジェンド伝説ではなくて!?」
今昔入り乱れである。
「全宇宙の支配者となると冷蔵庫も出てきますな。」
「その時は中国から西遊記の孫悟空をお借りすればいいんじゃない? それか私がスーパー皇女になればいいのだ!」
「金髪で髪の毛を逆立てるだけだろ?」
「アハッ!」
孫悟空は同姓同名が多いらしい。
ピキーン!
その時、皇女様は閃いた。
「皇女ハンバーグがパワーアップ! スーパー皇女ハンバーグに10倍ボリュームアップ! 料金は据え置き!」
「泣くのは国民だな。」
「プレミアム皇女ハンバーグにしようかな?」
「なんでもプレミアムを付ければいいってもんじゃないでしょうが。」
皇女ブランドの商品は国民の税金で開発されている。
「なあ、サト。尺もないし、最後くらいは真面目に考えないか?」
「そだな。」
ここで心を改める皇女様。
「最初のコンセプトに戻って、もっと一話完結で地道な刀と忍術の物語が描きたいな。」
「どうして短命インフレしたんだろう?」
「分からん。」
「私が目指しているのは長寿アニメになって印税で優雅な老後を暮らすことだ!」
今となっては謎である。
「どうしよう? 秋だけど海外は9月入学だから、新入生を入学させて育てる物語にするか?」
「日本では難しいね。」
日本は鎖国の古臭い考えの国であった。
「転校生? 留学生にしてはどうでしょう? 異世界ファンタジーの発祥の地、ヨーロッパから勇者を留学生として転入させるのです。」
「名案! それでいこう! やるな! サト! 私は良い軍師をもったぞ! ワッハッハー!」
皇女様は上機嫌。
「話は変わるが、今の時代って、戦闘も放置、スマホゲームでも戦闘時間の無意味さが強調されている。ゲームしてキャラクターを鍛えるなら、勉強して自分自身のレベルを上げた方が現実世界では役に立ちますからな。」
「見も蓋もないことを言うな。異世界ファンタジー部も気晴らしには面白いはずだ。」
海外では日本の戦闘シーンや日常モノより、葬送の自由レンみたいなノスタルジックなものがウケたらしい。
「長寿アニメコースのつまらない日常生活を描けるといいでね。」
「こうやって、次の展開を語り合うのも公務であり私の日常だ! なぜなら私は日本国の皇女なのだから! オッホッホー!」
こんな皇女様で申し訳ない。
「サト。お腹空いた。なんか出して。」
「仕方がないな。百鬼夜行! いでよ! 妖怪ナポリタン!」
「ナポナポ!」
妖怪ナポリタンが現れた。
「美味しい! やっぱりパスタはナポリタンだな! アハッ!」
こうして平和裏に物語は終わりを迎える・・・・・・かに見えた。
「やっぱり強さは同じままで、毎回登場キャラクターを変えたり、登場秘密道具を変えるだけの方が長寿アニメとして扱いやすいんだろうな。後は完全懲悪。完全懲悪だと親が安心して子供と一緒に家族で見れる作品なんだよね。」
「スズ、おまえがいる時点でダメじゃん。」
「それを言わないで! キャアアアアアア!」
やはり皇女様の断末魔の叫びで終えるのが正しい終わり方である。
「散り際の美学というやつです。ありがとうございました。ペコリ。」
第4巻につづく。
残り約5300字で尺が終わる。
「春の新人戦は酷かった。あの反省を込めて、世界大会の最終話は尺が残しました!」
といっても約5300字。
「これで練習試合をした中国とも戦える! 待ってろよ! パンダちゃん!」
こうして皇女様専用プライベートジェットは日本を飛び立ったかに見えた。
「いよいよ! 異世界ファンタジー部の世界大会が始まります! 開催地は・・・・・・日本です!」
皇女専用プライベート・ジェットは上空でUターンして日本に帰ってきた。
「ただいま! おお! 麗しの我が故郷よ!」
何事もなく皇女様は再び日本の地に降り立った。
「でも、どうして日本で開催することになったんだろう?」
「それは秘密。ウキャキャキャキャ! ウキャキャキャキャ! ウキャキャキャキャ!」
皇女様が世界各国に日本の国費をバラまいて開催地を買収したことは言うまでもない。これが本当のロビー活動である。もちろん国費は日本国民の血と汗と涙の血税である。
「すいません。各国のみなさん。私の世界へのお祈りがあるばかりに日本に集まっていただいて。」
「いえいえ。皇女様のためなら天国でも地獄でも行きますよ。」
「なら地獄に落ちろ。」
「えっ!? 皇女様、何か言われましたか?」
「いいえ。何にも。アハッ!」
皇女様は地獄耳だけでなく口も悪かった。
「さあ! 対戦の組み合わせ抽選会を行いましょう!」
マイペースな皇女様は前に進んで行く。
「世界大会の出場国は・・・・・・日本と中国だけです!」
「はいっ!? 他の国はどうした?」
「アメリカは中東情勢と大統領選挙で忙しくて不参加。ヨーロッパは予選が未だに終わっていないため不参戦。アフリカは食料不足で不参加。インドはカレーが辛いから不参加だそうです。」
「それでいいのか!?」
いいんです。アハッ!
「まだまだオリンピックやワールドカップみたいに各国が重きを置いていない新興大会ということですな!? クソっ! いつか異世界ファンタジー部はユニコーン企業になってやる! うおおおおおおー!」
闘志を燃やす皇女様。
「アッチチチチチ!?」
「水だ! 水を持ってこい! 消化しろ!」
目から燃える皇女様は今日の占いで水難の相がでている。
「まあ、いい。これで中国と本当の決着がつけれるというものだ! 侍魂を見せてやる!」
ずぶ濡れになってもカッコを決める皇女様。
「クシュン! 寒い! 早く服を着替えないとかぜをひいちゃう。」
皇女様も所詮は人の子であった。
「いよいよ! 異世界ファンタジー部の世界大会の始まりです! 場所は富士山です!」
やっとこさ異世界ファンタジー部の世界大会が始まる。場所は涼しい日本一の山の富士山である。
「よろしくお願いします。」
「こちらこそ。」
皇小学校の異世界ファンタジー部の顧問のナカと中国代表の中国小学校の顧問のチュウさんが挨拶をかわす。
「あれ? シュキンちゃんは来ないのか?」
「たかが異世界ファンタジー部のために国家主席は来ないだろうが。」
「電話で呼び出してやる! ウキャキャキャキャ! ウキャキャキャキャ! ウキャキャキャキャ!」
「やめろ! 呪いの電話!」
「チッ!」
貞子ならぬ皇女様の呪いの電話。電話を受けた者は二人の他人に迷惑電話をしないと呪われてしまうというものである。
「それにしても大会のスポンサーが皇女ブランドばっかりだな?」
「私が排除したんじゃないぞ!? あいつらが断りやがったんだ!」
今回は不安な世界情勢でアメリカやヨーロッパなどの各国が参加できないので大手の自動車会社や銀行などはスポンサー契約を断ってきたというのだ。
「許さないぞ! 復讐してやる! 法人税500パーセントだ!」
ちなみに異世界ファンタジー部世界大会のスポンサーになった企業は法人税が0パーセントになりお得である。
「そんなことしたら日本から会社がいなくなっちゃうよ。」
「なら機械ならネジを一本抜きリコール祭り。他にも嘘の裏帳簿を作成して事務所に置き、そこに税務署のマルサに突撃させる。飲食店ならなら髪の毛を一本入れてSNSで不買運動を叩きまくる。とどめは私が店舗に視察目的で来店し、一日中店から出ないので一般客が締め出されるという売り上げ激減作戦!」
「最低・・・・・・。」
「これでも女魔王なので。あなたの会社や学校の女魔王を教えてね。アハッ!」
邪悪なことを考えさせたら皇女様の右に出るものはいない。
「スポンサーになっていた方が幸せだったことを思い知らせてやる! ワッハッハー!」
この年の暮れ、皇女倒産という謎の言葉が流行語大賞にノミネートされたことはいうまでもない。
「皇女自動車、皇女電気、皇女半導体・・・・・・遂に私なんかが自動車や電機、半導体の会社を持つまでに育ったのだ! うるうる。」
感極まる皇女様の公営企業皇女ブランドは日本最大の企業になった。
「次のターゲットはアメリカのリンゴちゃんだ! パソコンだ! 経済を制すものが、世界を制すのだ! ワッハッハー!」
皇女様曰く。少年よ、大志を抱けばどこまでも行ける、らしい。
「おお!? 異世界ファンタジー部を制すものが、世界を制す! 秋の大会のキャッチコピーはこれでいこう。 アハッ!」
何事もタダでは転ばない皇女様の柔軟な発想力。
「皇女出版社から出版しようかな? ベストセラーは間違いなしだ。そういえば先月の月刊、皇女様も完売したしな。おしゃれ皇女様の付録は日本国内で使える10万円の商品券。販売価格1000円のジャストプライスは安すぎたかな? まあ、いいや。国民の税金だし。アハッ!」
皇女様は自分の懐が痛まないので金銭感覚は育たなかった。
「おい、話を膨らまし続けていると決勝戦が終わらないぞ。」
「なに!? しまった!? どうして早く教えてくれないんだ!? 私は皇女だぞ! おまえをクビにすることもできるんだぞ!?」
「えっ!? クビにしてくれるの! やったー! 自由だ! わ~い」
「やめて! 行かないで! 私を一人にしないで! 私を置いて行かないで! 泣いちゃうぞ!」
「まったく冗談の効かない奴だ。どこにも行かない。スズの側にいるよ。」
「ありがとう。アハッ!」
パワハラ皇女、あっけなく散りリストラ候補の従者と仲直り。
「それでは試合開始です!」
いよいよ異世界ファンタジー部の世界大会の決勝が始まった。
「いくぞ! 中国! かかってこい!」
気を取り直して戦いに挑む皇女様。
「あれ? 曹操でも劉備でもない? あなたは誰ですか?」
「私は孫権だ!」
中国代表の部長は呉の孫権。部員は太史慈、周瑜、孫策、陸遜。
「世界一になるのは中国だ! そして曹操と劉備に私の実力を見せつけてやる!」
「でも中国に負ける気がしないんだよね。剣と魔法、刀と忍術、ジャパロボとチャイロボ。どれをとっても日本の方が優れているよね。実際に親善試合も日本の圧勝だったし。アハッ!」
皇女様は余裕で中国に勝てると思っていた。
「甘いな! 皇女!」
「どこが!? どこが甘いの!? 頭!? 脇!? それとも糖度50の皇女イチゴを食べたからかな?」
「ふざけるな!」
「アハッ!」
小ネタを挟むと話が進まない。
「日本と中国の差は、霊獣だ。」
「霊獣?」
「霊獣は日本の竜のような伝説の生き物だ。」
「その通り。いるのだよ。中国にも日本の竜に負けないような、四神や四霊など伝説の生き物が!」
中国は親善試合で負けてから伝説の生き物探しを行っていたのだった。
「そういえば最近ピカリを登場させてないな。ブルブル。」
「怒っているだろうな。後が怖い。ブルブル。」
「蛍ご先祖様の時のように小話で機嫌を取るか? 嫌だな~、本編よりも小話の方が人気が高いとか。ブルブル。」
「九頭竜編をまだやってなかったから次回はそれでいこう。ブルブル。」
皇女様と従者は怒れる光竜に怯えていた。
「いでよ! 中国の四神の一匹! 玄武!」
「カメカメ!」
孫権は中国の伝説の生き物、玄武を呼び出した。
「どうだ! これが中国の四神の玄武だ! 最強の甲羅の鎧だぞ!」
孫権は亀になった。
「亀だ。」
「そだね。亀だね。」
「亀って、一回踏んで。」
「うわあ!?」
皇女様は玄武孫権を踏んで甲羅の中に頭と手足を収納させた。
「蹴り飛ばす! マリオ・キックならぬ、皇女キック!」
「ギャアアアアアアー!」
孫権は富士の火口へ落ちていった。
「ユー・ウイン!」
ストリート・ファイトみたいに皇女様は相手の部長を倒した。
「異世界ファンタジー部! 夏の世界大会の優勝は日本です! 日本に決まりました!」
「これでいいのか!?」
「いいんだ。私は忙しい。世界の人々がいつも笑顔で明るく前向きでいられるように祈らなければいけないのだから! なんて爽やか! 柔軟剤のコマーシャル依頼がきそうだな。アハッ!」
「祈っているのは魔子ちゃんだろうが。」
「私も関西から取り寄せたスナック菓子を食べるのに忙しいのだ。アハッ!」
見事な皇女様のKO勝ちであった。
「それでは本大会のMVPの皇女様にヒーローインタビューを行いたいと思います!」
司会者シカが皇女様にインタビューする。
「優勝おめでとうございます。」
「これも日本国のみなさんの応援があったからです。オッホッホー!」
不気味で怖い皇女様の営業スマイルである。
「それでは最後に一言お願い致します。」
「鈴木スズ改め! 鈴木宮スズは永遠に不滅です!」
「おまえは引退するのか?」
皇女様の見事な引退演説で会った。
「日本のことは嫌いになっても、私のことは嫌いにならないで下さい!」
「日本と私の場所が逆。」
「だって自分が大好きなんだもん! なんか文句あるか? 私を怒らせたら怖いぞ! 私は何でもできるのだから! なぜなら私は日本国の皇女なのだから! オッホッホー!」
こうして皇女様の断末魔の笑い声と共に富士山をバックにエンドロールが流れて、異世界ファンタジー部夏の大会が終わっていく。
「ああでもない!? こうでもない!?」
そして日常が戻ってくる。
「次はどんなお話にしようか? 秋の異世界ファンタジー部大会? 秋の松茸と梨取り合戦? 秋は食欲だよね。」
皇女様は読書より食欲であった。
「ピカリの九頭竜編じゃなかったのか?」
「あれは・・・・・・火竜、水竜など九竜が出てきて竜神になり、八岐大蛇を倒すという名作。ただピカリの昔話は悪さばかりだから恨まれているしな。」
「第四章全てではなくて、普通に1話で終わりますね。」
九回ピカリでボケるのもつらい。
「他は地球がAIロボットに支配される、ワタの惑星だ。」
「猿じゃないんだから。猿と。」
「アハッ!」
全て映画で一話完結の方が良い物語になる大作。
「これはどうだ! 宇宙の支配者テスラー総統率いるカミラス宇宙艦隊との宇宙戦争だ!」
「銀河レジェンド伝説ではなくて!?」
今昔入り乱れである。
「全宇宙の支配者となると冷蔵庫も出てきますな。」
「その時は中国から西遊記の孫悟空をお借りすればいいんじゃない? それか私がスーパー皇女になればいいのだ!」
「金髪で髪の毛を逆立てるだけだろ?」
「アハッ!」
孫悟空は同姓同名が多いらしい。
ピキーン!
その時、皇女様は閃いた。
「皇女ハンバーグがパワーアップ! スーパー皇女ハンバーグに10倍ボリュームアップ! 料金は据え置き!」
「泣くのは国民だな。」
「プレミアム皇女ハンバーグにしようかな?」
「なんでもプレミアムを付ければいいってもんじゃないでしょうが。」
皇女ブランドの商品は国民の税金で開発されている。
「なあ、サト。尺もないし、最後くらいは真面目に考えないか?」
「そだな。」
ここで心を改める皇女様。
「最初のコンセプトに戻って、もっと一話完結で地道な刀と忍術の物語が描きたいな。」
「どうして短命インフレしたんだろう?」
「分からん。」
「私が目指しているのは長寿アニメになって印税で優雅な老後を暮らすことだ!」
今となっては謎である。
「どうしよう? 秋だけど海外は9月入学だから、新入生を入学させて育てる物語にするか?」
「日本では難しいね。」
日本は鎖国の古臭い考えの国であった。
「転校生? 留学生にしてはどうでしょう? 異世界ファンタジーの発祥の地、ヨーロッパから勇者を留学生として転入させるのです。」
「名案! それでいこう! やるな! サト! 私は良い軍師をもったぞ! ワッハッハー!」
皇女様は上機嫌。
「話は変わるが、今の時代って、戦闘も放置、スマホゲームでも戦闘時間の無意味さが強調されている。ゲームしてキャラクターを鍛えるなら、勉強して自分自身のレベルを上げた方が現実世界では役に立ちますからな。」
「見も蓋もないことを言うな。異世界ファンタジー部も気晴らしには面白いはずだ。」
海外では日本の戦闘シーンや日常モノより、葬送の自由レンみたいなノスタルジックなものがウケたらしい。
「長寿アニメコースのつまらない日常生活を描けるといいでね。」
「こうやって、次の展開を語り合うのも公務であり私の日常だ! なぜなら私は日本国の皇女なのだから! オッホッホー!」
こんな皇女様で申し訳ない。
「サト。お腹空いた。なんか出して。」
「仕方がないな。百鬼夜行! いでよ! 妖怪ナポリタン!」
「ナポナポ!」
妖怪ナポリタンが現れた。
「美味しい! やっぱりパスタはナポリタンだな! アハッ!」
こうして平和裏に物語は終わりを迎える・・・・・・かに見えた。
「やっぱり強さは同じままで、毎回登場キャラクターを変えたり、登場秘密道具を変えるだけの方が長寿アニメとして扱いやすいんだろうな。後は完全懲悪。完全懲悪だと親が安心して子供と一緒に家族で見れる作品なんだよね。」
「スズ、おまえがいる時点でダメじゃん。」
「それを言わないで! キャアアアアアア!」
やはり皇女様の断末魔の叫びで終えるのが正しい終わり方である。
「散り際の美学というやつです。ありがとうございました。ペコリ。」
第4巻につづく。
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センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
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