星鏡の杜

史人

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前奏曲

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四五〇年前。まだ戦争が絶えなかったころ、貴族の長女に金髪の賢い子がお産まれになりました。今までに類を見ない天童で、わずか一四歳の若さでで軍事第5部海洋隊指揮官におなりになりました。戦争はその方の協力で有利に進み、海上戦でついに勝利を治めました。人々は喜び、彼女を完璧な人と呼びました。しかし、それには大きな語弊がありました。彼女には人の心と言うものが欠けているのでありました。親が死んでも涙一つも流さず、訓練を怠る兵士が居ると、半死にするまで鞭をお入れになるのでした。人々は少々、彼女を悪魔や魔女などと恐れました。しかし、指揮官としての功績を女王は買い、富と上流貴族の証、そして領土をひとつお与えになりました。後に、その一族、オール家では代々金髪の賢い子が産まれるようになりました。召使いや一族の人間はその子を特別な子として、「アリス」と呼びました。これが全ての始まり。忌まわしき「アリス」が繰り広げる物語り。
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