72 / 133
9.閑話休題
3
しおりを挟む
来てしまった。
上野公園。
足がなんかむにゃむにゃする。
昨日夜更かししたおかげで午前中一杯寝て過ぎ、やっべ遅刻だと思って脊髄反射でダッシュしたからここまで来れたものの。
そしたらそしたでじっとしてたくない今のこの感じ。
何度ケータイを眺めたことだろう。
公園の時計と見比べさえした。時間、ズレてなかった。当たり前だ。電波繋がってるから。
コウダ、未だ来ず。
まだ10分あるから。
あと9分35秒…。
34、33、32…。
むうー。待ってると長いってこの前四月一日が言ってたな。
あれはカップ麺だったけど、人も待ってると長いぞ。
しかも食い物と違って、コウダが来たことで苦行が終わって喜び来たるってわけじゃないからなぁ。
あ? あれか?
ぼんやりと賑やかな上野公園の広場を眺めると、割とすぐに雑踏の中にそれらしきシルエットを発見した。
ハンチングっていうらしいと分かったあの帽子をかぶったそれは、いつもよりもこそこそして見えた。
俺の思い込みか?
それにコウダも早い?
時計を見るとまだ7分前。いつものぎりぎりじゃない。
コウダは、どう思ってるんだろうか。
俺やっぱ謝っといたほうがいいのか?
しないとだめか?
コウダもコウダだったじゃんか。
次第に大きくなるコウダのシルエットに苛立ちともやもやが手に手をとって俺を支配していく。
嫌な事の後の当事者の臭いはひたすら鼻についた。
「逃げなかったんだな」
一言目も鼻につく。
てか逃げるって選択肢ないじゃん。放置したらまず消えるんだろ、俺が。
くそったれと思っても例によってほぼ動かない表情筋が今日は有り難い。
コウダは俺の横に来ても無表情のまま。
そのまま腰を降ろしたから、俺もそれに倣った。
癪に触るのはそのままだけど。
無言。
無言。
無言。
息が詰まりそうだ。
多分1、2秒なんだろう。
なのにもう10分も20分もそうしてるような気がしてくる。
でもな、やっぱな。ヤなんだけど。うぅ…。
…うん。
引きずるよりずっといい。そうだ。
思い切って力一杯でっかく口を開いた。
「…ぁ」
残念。でっかく開いたつもりの口は、気持ちと裏腹に空気の隙間くらいしか開いていなかったらしい。
あのさ、と言うつもりが、吐息とともに途中で切れる。
だめだぞ、言わないとだめだ。
大人になるんだ。
認めるんだ俺。
あれは、俺の八つ当たりだった。
「ごめん」「わるかった」
かぶった。
かぶったのにびっくりして、一呼吸置いてからコウダの方に首を回すと、コウダも同じタイミングでこちらに首を回していた。
「大人げなかった。すまん」
すぐさまコウダは続けた。
「正直言うと俺もちょっとあれは堪えた。
でも、生活と、お前の次があるから」
「俺…」
俺の言葉を遮って、コウダは続けた。
「一つだけ。
色々『中』で見たけど、あれがその人そのものだってわけじゃない。
武藤さんはあのとき偶々ああだったってだけっだ。
あのちょっと前とか、ちょっと後だったら、全く別物になってるかもしれない。
友達と遊んでたかもしれない。
佐藤くんと仲良くデート中だったかもしれない。
一家団欒だったかもしれない。
俺たちは本当にごくわずかな瞬間を切り取って見た。
だから、それを基に普段のこの人はこうだって、決めつけたりするなよ」
ほっとしたようななんというか。
いつものコウダだ。
「謝罪かと思ったらお説教かよ」
ライトに毒付くと、ライトにお説教返し。
「謝罪兼忠告だ。
来週からのお前の学生生活のための、な」
もっともだった。
実は来週から武藤さんにどんな顔しようかと思ってたとこだったのだ。
佐藤と付き合ってんじゃねーの?
弐藤さんのこと、嫌いなんじゃねーの?
好きなの? 異物なの? 崇拝してんの? 嫌いなの? 辛いの? 平気なの? 何とも思ってないの?
『普段武藤さんとの接点無いくせに今から不安になったってしょうがないだろっ!』
そんなセルフツッコミを入れるくらい、考えてもしょうがない例のもやもやの一つは、コウダの言葉で多少薄くなった。
「でも、やっぱ後味悪いし、『中』に入らないで済むならそうしたい」
気持ち悪かった内訳ーー動きとかなんとか、あと、矢島の『耳なし邦一』そっくりだったこともーー一通り伝えると、思いもかけない言葉だった。
「俺も『中』になんて入らないで済むなら入りたくない」
空白が出来た。
ちびっこがキャハハと甲高い声を上げて走り回るのがうらめしくなりそうなくらい、大人の空白だった。
「普通はああいう落ち込んでそうなときは荒れるし狙わないんだ。
本人に悪いってのもある。
あと、その…『耳なし邦一』そっくりってのな。
本人が実際にヤジマくんの書いた絵を見たからかは分からん。
本人が自前で作り上げたイメージが、偶然別の何かにそっくりってことは結構多いから」
また空白。
何か思い出してるんだろうか。
あの夫婦プラス子供の3人組を目で追ってるみたいだ。
コウダの次をまちながら、そうするコウダを観察してみる。
父親が抱き上げた子供を下ろすと、目を伏せて話を続けだした。
「世界観の推測に以外で『中』の情報を細かく分析をしだすと堪える。
無理かもしれないが深く思い詰めるな。
あの場で必要だった事柄は3つ。
一つ目。本人が落ち着いて無かった。だから、狭く迷路状になった『中』の形はころころ変わった。
二つ目。本人が侵入者に気を配る余裕すら無かった。本人が俺達の真横を通ってもスルーだった。
三つ目。本人の考え自体が狭くなってて頭の中で嫌な記憶を思い返して堂々巡りするような状態だった。お前が気持ち悪いって言ったような、重たいイメージが繰り返し登場したのはそのせいだ。
このくらいまでにして、あとは捨て置くべきデータとして扱った方がいい。
ただ、最初のアンドウさんのときからずっと、基本、スケジュールが無茶だからな。
侵入には向かない性格やタイミングの、レアケースばっかり集めてる感じだと思っておけ。
普通はもっとマイルドだ」
いい終わって安堵したような表情になるコウダ。
でもね。
「そういう問題じゃないよ」
嫌だな、って事なんだよ。うん。
コウダのしみじみした話し振りに、こっちもしみじみした言い方になる。
返事もしみじみしていた。
「…そうくると思った」
前半は。
「そこで、だ」
ん? なんかやらないで済む案あるの?
コウダからの提案なんて怪しいことこの上ない。
「次は休み明けになるから、それまでの間に慣らし運転でやる練習場所に入ってみないか?」
一瞬考える間が空くものの。
「今更ぁ~?」
思わず声がでかくなる。
だってもう本番やってんじゃん。意味なくない?
しかもこの先『中』に入りたくないっていう俺の気持ちの問題解決にはならないし。
期待して損した。
「さっき言った通り、休み挟むだろ?
だいぶ『中』に慣れて動けるようになってきてるのに、勘が鈍られても困る。
その間お前の消え方も気掛かりだし。
様子見と気分転換兼ねてな」
俺がじとっとしてるのを感じとったようだ。
「誰か特定個人の『中』ってわけじゃないから」
だったら、多少は気が楽か。
でも『中』って人の頭の中なんじゃないのか?
それに、そもそもなんだけど、
「それで死んだら元も子もないじゃないか」
「あそこなら大丈夫。
時間制限はいつもどおりあるけど、他に命に別状はないし、不安要素もほぼないから」
全然安心できないんだけど。
コウダ的な『大丈夫』でしょ? 不安要素も『ほぼ』ない?
佐藤の時にその手のセリフ聞いた後どうなったか、忘れてないからな。
「じゃ、そういうことで」
上野公園。
足がなんかむにゃむにゃする。
昨日夜更かししたおかげで午前中一杯寝て過ぎ、やっべ遅刻だと思って脊髄反射でダッシュしたからここまで来れたものの。
そしたらそしたでじっとしてたくない今のこの感じ。
何度ケータイを眺めたことだろう。
公園の時計と見比べさえした。時間、ズレてなかった。当たり前だ。電波繋がってるから。
コウダ、未だ来ず。
まだ10分あるから。
あと9分35秒…。
34、33、32…。
むうー。待ってると長いってこの前四月一日が言ってたな。
あれはカップ麺だったけど、人も待ってると長いぞ。
しかも食い物と違って、コウダが来たことで苦行が終わって喜び来たるってわけじゃないからなぁ。
あ? あれか?
ぼんやりと賑やかな上野公園の広場を眺めると、割とすぐに雑踏の中にそれらしきシルエットを発見した。
ハンチングっていうらしいと分かったあの帽子をかぶったそれは、いつもよりもこそこそして見えた。
俺の思い込みか?
それにコウダも早い?
時計を見るとまだ7分前。いつものぎりぎりじゃない。
コウダは、どう思ってるんだろうか。
俺やっぱ謝っといたほうがいいのか?
しないとだめか?
コウダもコウダだったじゃんか。
次第に大きくなるコウダのシルエットに苛立ちともやもやが手に手をとって俺を支配していく。
嫌な事の後の当事者の臭いはひたすら鼻についた。
「逃げなかったんだな」
一言目も鼻につく。
てか逃げるって選択肢ないじゃん。放置したらまず消えるんだろ、俺が。
くそったれと思っても例によってほぼ動かない表情筋が今日は有り難い。
コウダは俺の横に来ても無表情のまま。
そのまま腰を降ろしたから、俺もそれに倣った。
癪に触るのはそのままだけど。
無言。
無言。
無言。
息が詰まりそうだ。
多分1、2秒なんだろう。
なのにもう10分も20分もそうしてるような気がしてくる。
でもな、やっぱな。ヤなんだけど。うぅ…。
…うん。
引きずるよりずっといい。そうだ。
思い切って力一杯でっかく口を開いた。
「…ぁ」
残念。でっかく開いたつもりの口は、気持ちと裏腹に空気の隙間くらいしか開いていなかったらしい。
あのさ、と言うつもりが、吐息とともに途中で切れる。
だめだぞ、言わないとだめだ。
大人になるんだ。
認めるんだ俺。
あれは、俺の八つ当たりだった。
「ごめん」「わるかった」
かぶった。
かぶったのにびっくりして、一呼吸置いてからコウダの方に首を回すと、コウダも同じタイミングでこちらに首を回していた。
「大人げなかった。すまん」
すぐさまコウダは続けた。
「正直言うと俺もちょっとあれは堪えた。
でも、生活と、お前の次があるから」
「俺…」
俺の言葉を遮って、コウダは続けた。
「一つだけ。
色々『中』で見たけど、あれがその人そのものだってわけじゃない。
武藤さんはあのとき偶々ああだったってだけっだ。
あのちょっと前とか、ちょっと後だったら、全く別物になってるかもしれない。
友達と遊んでたかもしれない。
佐藤くんと仲良くデート中だったかもしれない。
一家団欒だったかもしれない。
俺たちは本当にごくわずかな瞬間を切り取って見た。
だから、それを基に普段のこの人はこうだって、決めつけたりするなよ」
ほっとしたようななんというか。
いつものコウダだ。
「謝罪かと思ったらお説教かよ」
ライトに毒付くと、ライトにお説教返し。
「謝罪兼忠告だ。
来週からのお前の学生生活のための、な」
もっともだった。
実は来週から武藤さんにどんな顔しようかと思ってたとこだったのだ。
佐藤と付き合ってんじゃねーの?
弐藤さんのこと、嫌いなんじゃねーの?
好きなの? 異物なの? 崇拝してんの? 嫌いなの? 辛いの? 平気なの? 何とも思ってないの?
『普段武藤さんとの接点無いくせに今から不安になったってしょうがないだろっ!』
そんなセルフツッコミを入れるくらい、考えてもしょうがない例のもやもやの一つは、コウダの言葉で多少薄くなった。
「でも、やっぱ後味悪いし、『中』に入らないで済むならそうしたい」
気持ち悪かった内訳ーー動きとかなんとか、あと、矢島の『耳なし邦一』そっくりだったこともーー一通り伝えると、思いもかけない言葉だった。
「俺も『中』になんて入らないで済むなら入りたくない」
空白が出来た。
ちびっこがキャハハと甲高い声を上げて走り回るのがうらめしくなりそうなくらい、大人の空白だった。
「普通はああいう落ち込んでそうなときは荒れるし狙わないんだ。
本人に悪いってのもある。
あと、その…『耳なし邦一』そっくりってのな。
本人が実際にヤジマくんの書いた絵を見たからかは分からん。
本人が自前で作り上げたイメージが、偶然別の何かにそっくりってことは結構多いから」
また空白。
何か思い出してるんだろうか。
あの夫婦プラス子供の3人組を目で追ってるみたいだ。
コウダの次をまちながら、そうするコウダを観察してみる。
父親が抱き上げた子供を下ろすと、目を伏せて話を続けだした。
「世界観の推測に以外で『中』の情報を細かく分析をしだすと堪える。
無理かもしれないが深く思い詰めるな。
あの場で必要だった事柄は3つ。
一つ目。本人が落ち着いて無かった。だから、狭く迷路状になった『中』の形はころころ変わった。
二つ目。本人が侵入者に気を配る余裕すら無かった。本人が俺達の真横を通ってもスルーだった。
三つ目。本人の考え自体が狭くなってて頭の中で嫌な記憶を思い返して堂々巡りするような状態だった。お前が気持ち悪いって言ったような、重たいイメージが繰り返し登場したのはそのせいだ。
このくらいまでにして、あとは捨て置くべきデータとして扱った方がいい。
ただ、最初のアンドウさんのときからずっと、基本、スケジュールが無茶だからな。
侵入には向かない性格やタイミングの、レアケースばっかり集めてる感じだと思っておけ。
普通はもっとマイルドだ」
いい終わって安堵したような表情になるコウダ。
でもね。
「そういう問題じゃないよ」
嫌だな、って事なんだよ。うん。
コウダのしみじみした話し振りに、こっちもしみじみした言い方になる。
返事もしみじみしていた。
「…そうくると思った」
前半は。
「そこで、だ」
ん? なんかやらないで済む案あるの?
コウダからの提案なんて怪しいことこの上ない。
「次は休み明けになるから、それまでの間に慣らし運転でやる練習場所に入ってみないか?」
一瞬考える間が空くものの。
「今更ぁ~?」
思わず声がでかくなる。
だってもう本番やってんじゃん。意味なくない?
しかもこの先『中』に入りたくないっていう俺の気持ちの問題解決にはならないし。
期待して損した。
「さっき言った通り、休み挟むだろ?
だいぶ『中』に慣れて動けるようになってきてるのに、勘が鈍られても困る。
その間お前の消え方も気掛かりだし。
様子見と気分転換兼ねてな」
俺がじとっとしてるのを感じとったようだ。
「誰か特定個人の『中』ってわけじゃないから」
だったら、多少は気が楽か。
でも『中』って人の頭の中なんじゃないのか?
それに、そもそもなんだけど、
「それで死んだら元も子もないじゃないか」
「あそこなら大丈夫。
時間制限はいつもどおりあるけど、他に命に別状はないし、不安要素もほぼないから」
全然安心できないんだけど。
コウダ的な『大丈夫』でしょ? 不安要素も『ほぼ』ない?
佐藤の時にその手のセリフ聞いた後どうなったか、忘れてないからな。
「じゃ、そういうことで」
0
あなたにおすすめの小説
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さくら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
レディース異世界満喫禄
日の丸
ファンタジー
〇城県のレディース輝夜の総長篠原連は18才で死んでしまう。
その死に方があまりな死に方だったので運命神の1人に異世界におくられることに。
その世界で出会う仲間と様々な体験をたのしむ!!
転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた
季未
ファンタジー
【書き溜めがなくなるまで高頻度更新!♡٩( 'ω' )و】
気がつくとダンジョンコア(石)になっていた。
手持ちの資源はわずか。迫りくる野生の魔物やコアを狙う冒険者たち。 頼れるのは怪しげな「魔物ガチャ」だけ!?
傷ついた少女・リナを保護したことをきっかけにダンジョンは急速に進化を始める。
罠を張り巡らせた塔を建築し、資源を集め、強力な魔物をガチャで召喚!
人間と魔族、どこの勢力にも属さない独立した「最強のダンジョン」が今、産声を上げる!
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚…
スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。
いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて…
気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。
愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。
生きていればいつかは幼馴染達とまた会える!
愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」
幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。
愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。
はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる