楠葵先輩は頼られたい

黒姫百合

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第三十八話

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「それじゃー遊園地に向かうからみんな車に乗って」
「車って、楠先輩運転できるんですか」
「運転できるわよ。私、十八歳だから。でも初心者マークは付いてるけど」

 てっきり電車やバスで向かうと思っていた優は移動手段が車だったことと葵が運転できることに驚く。
 葵は十八歳でもう成人している。
 車の免許を持っていてもおかしくはない。
 葵は自信満々に運転免許書を優に見せつける。

「凄いです。高校生で運転できるって格好良いですね」
「そうでしょ」

 優に褒められた葵はさらに鼻息を荒くして誇らしげな表情を浮かべる。

「葵、駄弁ってないで車に乗れ。車に乗ってからでも話すことはできるだろ」
「中村さんも乗って乗って。早く行こうよ」

 瞳と実乃里に急かされ優たちも車に乗り込む。

「中村さんは助手席ね」
「えっ、私ですか。西条先輩じゃなくて」
「そうよ。瞳は実乃里ちゃんと後ろの席に乗る予定だから。瞳は私よりも実乃里ちゃんと一緒の方が良いんだって。だから中村さんは私の隣に座ってね。それに私は中村さんが隣でとても嬉しいわ」
「……わ、私も楠先輩の隣で嬉しいです」
「それは良かったわ。もし嫌だって言われたら凄く落ち込んだわ」

 てっきり助手席は瞳だと思っていた優は予想外なことに驚く。
 でもこれは願ったり叶ったりだ。
 こんなにも可愛くて美人な先輩の隣に座ることができたら誰だって嬉しいだろう。
 それは葵も同じようで優の隣に座れて嬉しいらしい。
 そう言われて嫌な気分にはならなかった。
 その後、車に乗り込んだ優たちは早速遊園地へ向かった。
 ちなみに葵の車は水色の軽自動車でオートマだった。
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