遅刻勇者は異世界を行く 俺の特典が貯金箱なんだけどどうしろと?

黒月天星

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第二章 牢獄出たらダンジョンで

名付けと夢とダンジョンコア

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「……いよいよ明日か」

 なんだかんだ三日間このダンジョンに居たが、明日で遂に終わりだ。

 このダンジョンは広くて構造も複雑。おまけに道具は大半牢獄に置きっぱなしの状況。……俺一人だったら下手すりゃ野垂れ死んでたな。

「本当に、俺は出会いに恵まれた」

 エプリが居なかったら今もダンジョンを彷徨っていたと思う。それにアシュさんとジューネ。この二人に会っていなかったら、バルガスを助けられずに俺も大怪我をしていただろう。隠し部屋の件もそうだ。

 もしかしたらこの出会いこそが加護では……なんてな。

 そう感慨に耽っていると、急に袖をグイグイと引っ張られる。ヌーボ(触手)だ。

 ヌーボ(触手)は起きているのか眠っているのか分かりづらく、動かないから眠っていると思っていたが起きていたようだ。俺が気付いたと分かると、今度は触手を伸ばして俺の頭をべしべし叩き始めた。

「イタッ。イタタタッ。分かってるって忘れてないよ。ごめんごめん。お前にも助けられたよな。ヌーボ(触手)がいなかったら眠っている間にスケルトン達にやられてた。感謝してるって」

 叩かれながら謝るとどうにか機嫌を直してくれた。本気ではないとは言え地味に痛い。それにしても、

「なあヌーボ(触手)。いい加減(触手)って付けるのも長いよな。そのままヌーボって呼んだ方が良いか?」

 それを聞くなりヌーボ(触手)は再びべしべし俺を叩く。どうやら気に入らないみたいだ。

「というか前から気になっていたんだけど、意識というか人格はどうなってるんだ?」

 本体は牢獄のヌーボで間違いない。しかし切り離された事でその意識はどうなったのか。単にコピーが増えただけか、それとも新たな生物として生まれたのか?

 ヌーボ(触手)もよく分からないのか伸びたり縮んだり捻じれたりと妙な動きをする。

「……まあいいか。分からないってことは、少なくとも意識が別物である可能性があるってことだもんな。それじゃあひとまず仮でも良いから呼びやすい名前でも付けるか。…………ボジョって名前はどうだ?」

 名づけはフィーリングだ。なんとなくヌーボと言えばボジョって言うのがフッと浮かんだのだ。……どっかの酒にそんなのがあった気もする。今度はヌーボ(触手)も気に入ったようで、叩く代わりに俺の頭をスリスリ撫で始める。

「……叩くか撫でるかっていう選択肢はさておいて、じゃあボジョで決まりだ。では改めてこれからヨロシクな。ボジョ!」

 ヌーボ(触手)改めボジョは、やるぞ~っとばかりに身体を真上に伸ばしてやる気をアピールする。

 なんかさっきより物凄く元気になっていないか? あんまりはしゃぎすぎて他の人を起こすなよ。何故か元気に動き回るボジョを止めながら、俺はエプリの番が来るまでまた焚き火の番に戻った。




 その夜、妙な夢を見た。

「ここは……?」

 俺は真っ暗な空間に居るのだが、不思議と暗闇でも目が見えるのだ。そして俺の前には、隠し部屋で手に入れたあの石がふわりと浮かんでいた。

『……やあ! こんばんは』

 突然それが口を利いた。正確に言うなら頭に言葉が流れ込んできたというべきか。

 普通なら驚く所だが、ここが夢だと分かっている為かそこまでビックリはしない。寝る前にアンリエッタから話を聞いていたのも理由かもな。

『ここは君の夢の中だけど、ボクを持ったまま眠ったから少し繋がっているみたい。ここならちゃんとお話ができるね』

 よく聞くと聞き覚えがある声だ。

「そう言えば隠し部屋から脱出する時声が聞こえたと思ったけど、あれはもしかしてお前か?」
『そうだよ。外ではあまり長く話せないし、言葉も飛び飛びになっちゃうけどね』

 そう言えば石を手に入れてからだな。言葉が聞こえたのは。

「それじゃあ先に礼を言わないとな。ありがとう。あの時の言葉は少し助かった」
『お礼なんて良いよ。ボクもあそこから出してもらったからお互い様だよ』

 石は少しだけ嬉しそうな声をした。どうやら感情はある。もしくはそう聞こえるように話す知性があるらしい。

「自己紹介がまだだったな。俺は時久。こっち風だとトキヒサ・サクライかな。ヨロシク……えっと」
『あぁ。名前だね。……ボクには名前がないんだよ』

 石は今度は少し悲しそうに言う。名前が無いってのは寂しいな。

『だけど、名前じゃないけど色んな人にはこんな風に呼ばれていたかな。……って』

 石はそこで爆弾発言を繰り出した。ダンジョンコアって……ホントかよ!?




「……ダ、ダ、ダンジョンコアですって!? 本当ですかトキヒサさん!?」

 異世界生活十日目。

 俺が夢の中での事を皆に説明すると、ジューネがやたらに興奮してこちらに詰め寄ってきた。時折俺の手にある石にチラチラと視線を向けながらだが。

「あぁ。確かにそう言ってた。一応聞くけどダンジョンコアってで合ってるよな?」
「はい。各ダンジョンに必ず存在していて、それが有る限りダンジョンは成長を続けるとか。壊すかダンジョンから持ち出すことでダンジョンマスターは消滅し、ダンジョンも力を失っていずれ崩壊するとされています」

 そこら辺はよくある話だな。放っておけばどんどんモンスターが増えていく動力炉であると同時に、どんな凄いダンジョンでもそれを壊されたら終わりの急所でもある。だが、

「じゃあ……高く売れたりするのか?」
「それはもう!!」

 ジューネがもう爆発しそうな勢いで言う。というか近い近い!? 顔がぶつかりそうだからもうちょい離れてくれ! アシュさんもやれやれって顔で見てるぞ。

「ダンジョン自体そこまで多くなく、加えて攻略される事も数年に一度程度です。以前一度だけ売りに出されるのを見たことがありますが、その時の値段ときたら」
「いくらくらいだったんだ?」
「……コアもダンジョンもそれほど大きくなく、攻略難度も低めだったそうですが、それでも個人が十年は遊んで暮らせる額が付きましたよ」
「それにダンジョンコアと言ったら冒険者にとって一種の目標だ。金だけじゃなくダンジョンを踏破した証だからな。一生自慢できるレベルだぜ」

 成程。確かにこれなら一攫千金を狙って冒険者がダンジョンに潜るのも分かる。今は少し調子が良いのか、バルガスも起き上がって補足説明をする。

「しかし、そんな大事なものが何であんな場所に有ったんだ? ダンジョンコアと言えばダンジョンの最深部、或いはマスターの傍にある筈だ」

 アシュさんの疑問はもっともだ、確かにあの部屋は罠だらけだった。しかし絶対安全かと言えばそうでもない。

 場所は隠されていたが良く調べれば分かるし、入り口からも遠くない。地図とある程度の人員と装備が有れば数時間くらいで辿り着けるような場所に重要な物を置くことは考えづらい。

「そう。その理由が問題なんです。コイツは夢の中で言っていました。って」




 夢の中で自称ダンジョンコアが言うには、元々このダンジョンは自分と自分のダンジョンマスターが管理していたという。

 マスターは戦いを好まない性格で、ダンジョンのコンセプトは俺の予想通り人が入りたがらないダンジョン。入口を巧妙に隠し、ダンジョンはとにかく広大かつ複雑に。モンスターもスケルトン系に限定して人寄せの宝箱も置かず、旨味のないダンジョンを徹底した。

 それではポイントも貯まらないだろうと訊ねると、少しずつだけど毎日ポイントが入るので、地道にコツコツ十年ほどかけてポイントを貯める予定だったという。気の長い話だ。

 おまけにポイントの使い道は防備だけ。外に攻め入る考えもなく、只々そこに在り続けたいというだけのささやかな願いだった。

 計画は順調に進み、実際このダンジョンが出来て一年間誰も入らなかったという。ダンジョンの拡張も進み、最深部に辿り着くだけでも相当な時間を要する大迷宮となりつつあった。

 しかし、そこで事件が起きた。

『……奴らは突然現れた。入口を見抜いて入ってきたかと思うと、ほとんど迷わずに最深部に辿り着いたんだ。そして…………ボクのダンジョンマスターを、殺した』

 そう言った自称ダンジョンコアの声はとても悔しそうだった。もし肉体があれば、涙を流しながら手を血が出るまで握りしめているんじゃないかと思える。

「そして、ダンジョンにダンジョンマスターが不在となった瞬間を突かれたらしい」

 普通の冒険者ならダンジョンコアを持ち帰ろうとする。又はその場で壊すという選択肢もあった。

 コアが壊れた時点でダンジョンのモンスターは消滅する。帰り道で戦う体力がない場合壊していく事もあるとか。事実コアもその覚悟はしていたらしいが、襲撃者の行動はどちらでもなかった。

「そいつらは自分達が持っていた石をダンジョンコアと入れ替えたらしい。つまり石の言葉を信じるなら、ことになる」
「そんな……前代未聞です! それにそんなことをやる理由が分かりません!」
「こう考えたらどうだ? マスターのいないダンジョンに自分の所有するダンジョンコアがある。つまり擬似的にだが、
「……ちょっといいか?」

 俺は夢の中で話し合った考えを述べると、アシュさんが軽く腕を組みながら声をあげた。

「いくつか気になったんだが、もしその入れ替えたコアが命令を受け付けるのなら確かにダンジョンマスターの真似事が出来る。しかし、それはあくまで命令を受け付けたらの話だ」
「ダンジョンコアの話では、入れ替えたのはコアに近い別物という話です。どうやって作ったのかは分からないけれど、自分の意思もなく性能も本物には及ばない。しかしその分制御は容易いって」

 そのもう一つの方は自分の代わりにダンジョンのコアになっているものの、性能の差と元々このダンジョンのコアではない事から、部屋やモンスターにはあまり手出しできないらしい。だから今は下にダンジョンを増築しているという。

「俺が次に気になったのはそこだ。トキヒサが言っているのは全てその自称ダンジョンコアから聞いた事。嘘を吐いている可能性だって十分ある」

 問題はそこだ。俺自身も全てを信じている訳じゃない。……だけど、

「……夢から覚める直前に聞いたんです。話は分かったけどお前の目的は何なんだ? マスターの敵討ちがしたいのか? それとも今のコアを追い出して元に戻りたいのかって。……コイツの答えは」

『どちらも少し違うよ。このダンジョンはボクとマスターが造ったものだから、ボク達以外の誰かに好き勝手にしてほしくない。ダンジョンが踏破されて消えるのは仕方がないけど……マスターの思いが、願いが詰まったダンジョンを……穢されたくない』

 言葉こそとぎれとぎれだったが、それが逆に真実味があった。

「コイツにとってダンジョンが消える事よりも、ダンジョンが勝手に弄られる方が問題なんです。だから少なくとも、ダンジョンを勝手に変えようとしている何かがいるのは間違いないと思います」
「ダンジョンを勝手に変えようとしている何か……か」
「……あの。話が脱線してきたので確認したいのですが」

 そこに再びジューネの発言が飛ぶ。

「話は分かりましたが、結局それを売り払って終わりなのではないですか? ダンジョンマスターとダンジョンコアが変わったというのは私達には関係のない事。……確かに事実なら少しは同情しますが、それだけの話ではないでしょうか?」

 そう。このままさっさと売り払ってしまえば、山分けしても相当な額になることは間違いない。目標の一千万デンに大きく近づくまず失敗のない手だ。……だけど、本当にそれで良いのだろうか?

「多分それが一番なんだろうけど……俺は別の選択肢を提案したい」
「……何? まさか私達でダンジョンの最深部に挑んで、そのダンジョンコアを入れ替えようなんて言うんじゃないわよね」

 今まで黙っていたエプリが、微妙に皮肉げにここで初めて発言した。おいおい。また俺が何かするって思ってるのか?

 ちなみに今はフードを被っている。バルガスには混血の事は話していないからだ。

「いやいやまさか。俺達だけでは流石にキツイって。いくらアシュさんやエプリがいても、全員を護りながらじゃどうにもならないだろ? だからやれる奴にやってもらう」

 俺はそう言うと、手に持った石を掲げてみせた。

「もう一つの選択肢は、コイツがダンジョンを踏破するのを手伝う。って言うのも……面白いだろ」
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