アリスと兎

Neu(ノイ)

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一章:不良アリスとみなしご兎

欲求に基づく付き合いのススメ 02

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 家の中は理路整然としすぎていて、生活感が無い印象を受けた。
架の部屋も、また同じで無駄な物は置かれていないようだ。

「意外と片付いてるんだね」
「散らかすとうるせぇんだよ。お前の部屋よりはマシだろうが」

感心の声に悪態を吐かれ些かムッとする。
ベッドに腰を下ろした架を見下ろして笑ってやる。

「ねぇ、有住君。あそこは部屋じゃないんだよ。君と一緒にしないでくれるかなあ」

緩い笑みを口許に湛えたまま声色を気持ち低くする。
架の顔色が変わり、僕のことを目で窺ってきた。
その様は怯えているようにも見え可愛らしかった。


 不意に欲求が浮かぶ。
物足りなさを覚えた。
逆らうことの出来ない欲求に体は正直に応える。
手を伸ばして彼の唇を指で嬲る。
少し乾燥しているのか、かさついていた。
弾力のある肉を指先で突く。

「ヤメロ。追い出すぞ」
「抵抗も出来ない癖に、出来るのかな? 乾燥してるみたいだから、水分をあげなきゃだ」

身動きの一つもせずに口だけで抵抗を示したところで、何の抑止力にもならない。
本気で抵抗すれば逃げれるだけの体格差があることを知っていて、架はそれをしない。
僕は調子に乗って顔を近付けた。
彼の肩に片手を置いて、唇を寄せる。
指の代わりに唇を押し当てようとして寸でのところでやめた。
舌を出して潤すように舐めていく。
架の体がビクンと動いたが、抵抗らしい抵抗はしない。
噛み締められた唇を解すみたいに丁寧になぞる。
ぴちゃぴちゃ、と水音が響き僕を煽り立てる。

「舌、出して?」

ゆっくりと彼の腿の上へ体を滑らせて座ってしまう。
目線を合わせてイヤらしく囁くと、架の首が拒否を示した。

「ムリ、だ。もうヤメロ」

顔を反らして僕を見ようとしないのがヤケに悲しくて、僕は力任せに架を突き倒した。
油断していたのか彼の体が揺れベッドの上に落ちる。
手を着き見下ろすと悔しそうに架は目を反らす。
唇は噛み締められたままだ。

「ねぇ、ホントにこのまま……奪っちゃうよ? 嫌がっても許してあげないよ?」

耳元に口を寄せて囁く。
架の瞼が綴じられて、体が微かに震えていた。

「怖い?」

彼の頬に片手を添え優しく撫でる。
僕の言葉に目を開いて睨んでくる架が解らない。
何故、抵抗しないのか、と。
疑問は膨らむばかりだ。

「馬鹿野郎。俺を犯して何が愉しいんだよ」
「有住君は、可愛いもの。愉しいと思うよ、とってもね」

心にもない笑顔を浮かべる。
皆が大好きで僕の大嫌いな上辺だけの笑み。
架の眉が潜められた。
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