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一章:不良アリスとみなしご兎
不良アリスは救世主になりうるか 09
しおりを挟む架の母親は、とてもぶっ飛んでいた。
架はあまりの驚きに食べていた料理を詰まらせたようで、ごほっと咳き込んでいる。
「僕としては、今すぐにでも行きたいんですけど。やっぱり、架君の気持ちも考慮しないと」
「おいっ! お前ら、ふざけてんのか? お袋、婿っておかしいだろうがっ」
がなる架にお構いなしで、愛架は無表情の顔で宣う。
「何を言うか、かける。可愛くて料理が上手くて他人を立てられる婿なんて、そうはいないんだぞ? 逃がしたら許さないよ、かあさん。言っておくけど、アンタの気持ちなんかお見通しだし、かあさんもとうさんも、普通の家庭のように反対する人間じゃあないからね。結婚式はハワイかしら?」
完璧に彼女のペースである。
架は顔を赤くしたり青くなったり、と見ていて飽きはしなかった。
しかしながら、聞いた通りの変わった両親のようだ。
「有住君。さっき、君のお父さんに、養子に来ないかって誘われたんだけど。どうしようか?」
僕は架の両親を気に入った。
この人達とならば、一緒に暮らしていけそうだと思う。
架を伺えば、養子、とずっとぶつぶつ呟いている。
考え込んでいるようだ。
「お前が、嫌じゃないなら、来いよ。親父もお袋も、オサダさんも、何故か気に入ってるみたいだしな。言っとくけど、婿とかそういうことじゃねぇぞ!」
二分はぶつくさと呟いていたが、決心がついたかのように僕の目を見ながらそう告げる架は真剣だった。
彼の思い遣りが、痛いぐらいに伝わってくる。
「うん、ありがと。僕、もう独りじゃないんだね。有住君のお陰だ」
「ばっかやろ。礼を言うのは俺の方だ」
不意に頭を襲われる。
架の手がぐしゃぐしゃと髪を掻き混ぜている。
顔が赤いのが見て取れる。
ふわり、と自然に笑みが浮かんだ。
こんな温かい気持ちで笑うのは、本当に久しぶりのことだった。
「しょう君、お婿に来てくれるのね。私のことは、愛架おかあさんって呼んでちょうだい。かけるはお袋だなんて、可愛くない呼び方するでしょ?」
素直じゃないんだ、と愛架は文句を言いながらも嬉しそうだ。
「お母さんが愛架おかあさんなら、お父さんのことは幸綯お父さんと呼んでくれるかな?」
突如として降ってきた幸綯の声に後ろを振り向くと、いつの間にか幸綯とオサダが立っている。
「長田さんが知らせに来てくれてね。ああ、長田さんのことは長田さんで良いからね。じゃあ、手続きしてくるから、荷物纏めておいてね」
それだけ言い残し、幸綯は颯爽と立ち去って行った。
オサダは鉄仮面のまま90度に腰を曲げる。
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