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しおりを挟むここは魔王城。やっと出会えた因縁の相手に勇者に選ばれしルクは唾をのむ。すでに目の前の相手は戦闘態勢に入っているようだった。
「無謀にも一人でやってくるとはな。仲間にも見捨てられたか?」
「そんなことない。あいつらが居なくても俺は一人でもお前と戦って見せる」
そう言うと目の前の魔王ゲレは目を細めて彼の武器である杖をこちらに向けて見せた。
「怖じ気づいて逃げたりするのではないか?」
「逃げたりしない!」
そう凄んで剣を構えるルクにゲレは余裕の笑みを見せた。……どう弄んでやろうか。奴の仲間達の目の前で殺してやるか、それとも殺しはせずに痛ぶってやるのも面白いかもしれぬ。ルクはなかなかの美丈夫だ。その整った顔立ちが歪むのは見物かもしれぬ。
脳裏で策を巡らせるが次の瞬間ルクが言い放った一言に魔王は思考停止せざるを得なかった。
「俺は!お前に踏んで貰うまで逃げたりしない!」
「……は?」
目の前の勇者は真剣そのものの表情をしていた。
「今なんと……?」
「だからっお前に踏んで貰うまで……!」
「意味が分からない。正気か?」
「そうだ!」
こいつは何か魔物に変な術にでも掛けられているのだろうか。
「お前は私に踏んで欲しいのか?」
「……うん」
心無しか頬を染め頷いたルクに頭を抱えそうになりながらも尋ねる。
「本当に私に踏まれたいのかお前は?」
「踏まれたい……だめか?」
何故そんな強請るような顔をしているのだろう。澄んだ声色に甘い熱が乗っていた。以前会った時はこちらが攻撃を仕掛けても片眉一つ動かさず無表情な男だと思っていたが、今、目の前の相手は何かを期待するようにじっと見つめてくる。
「貴様は……私が靴を舐めろと命ずれば私の靴を舐めるのか?」
「えっ」
そう尋ねると言葉に詰まったルク。だがさらに顔を赤らめ目を輝かせるとおずおずと頭を上げた。
「い、いいのか……?」
「……」
言葉を失った。というか何しにきたのだろうこいつは。魔王討伐はどうしたというのか。
「魔王に敗北して、支配されるのが楽しみだったんだけど、もう我慢できない……」
「貴様はそれが目的なのか?……あ、おい」
ルクは跪くと恍惚とした表情で靴に頬擦りして、舌を出した。まさか本当にやるのかと思う暇なく爪先に舌を這わせ始めたのだ。
「ん、あ……れろ……」
「……はぁ、まさか貴様にこんな趣味があったとはな」
「う、うるひゃい!お前が舐めろと言ったんだろ!」
(言ってない)
頬を紅潮させながらこちらを睨む相手に、内心やや動揺しながらもそれを悟られぬよう平常を装っているゲレだが心のどこかではこの男への興味が掻き立てられるのを感じていた。いくつかの国を滅ぼし、配下に置いた冷酷な魔王を倒しに来た勇者にこんな偏執的な目的があったとは。
しかし好都合だとも思っていた。この勇者はかなりの実力者であることが分かっていたから。事実偵察に送り込んだ配下の魔物が言うには、一人で大型のモンスターやドラゴンを薙ぎ倒していたと。曰く彼の周りには低、中級モンスターが寄り付かないらしく全くエンカウントしないそうだ。
……とても目の前に居る相手と同一人物には思えないのだが。
「ぁっ……あ……!」
熱を帯びた声を上げぶるりと身体を震わせた。見ると昂ったそこが生地を押し上げて主張しているではないか……本当に興奮しているのか。
「ルク……貴様」
「……!」
名前を呼ばれぴくりと反応したルクはこちらを見上げるとじんわり瞳を潤ませる。その反応に興が乗りゲレは足を上げ、とん、とルクの胸を押した。
「あっ」
そのまま仰向けにひっくり返されたルクは慌てた様子で股間を両手で隠す。その様子がどこか滑稽に見えて笑みが浮かんだ。
「なんだ?今更恥じらうのか?」
「うぅ……」
とことん面白い奴だ。自分で強請っておいてこのざまとは。
「ふ……いいだろう服を脱げ」
「えっ」
「貴様はこの私に支配されたいのだろう」
「っ!」
ルクはごくりと唾をのむとおずおずと装備を解いて服を脱ぎ始める。全て脱ぎ終わるのを見計らいゲレはルクの剣を手に取るとルクはしまったと言う顔をした。
「丸腰で裸のまま魔王に殺されるなんて滑稽だと思わないか?」
「……」
「ふ、冗談だ。こちらとしても戦意の無い相手に手など掛けたら魔王の名が廃る。だがこれは貰っておくぞ」
頭の天辺から爪先まで見下ろした勇者は過酷な戦闘を切り抜けて来たにも関わらずかすり傷程度の傷跡で引き締まった身体をしている。しかし衣類を何一つ身につけていない人間の身体はこんなにも脆く見えるのは不思議だ。そして自らこのような状況を望んで置きながらもじもじとなんとか恥ずかしい所を隠そうとする様子はどこかいじらしい。わざとやっているのかと言うほどに嗜虐心が煽られてゲレは言い放った。
「仰向けになって足を広げろ……そうだ、前は隠すなよ」
こちらを見て頷いたルクは魔王城の床に寝そべると恥ずかしそうに足を広げる。
「そ、その……あんまり……」
「どうした」
「……うぅ……みるな」
そう言いながらしぶしぶ手を退かすと必死に主張するペニスが先走りを垂らしているのが見えた。
「クク……なかなか立派じゃないか。色も綺麗だ」
「……~~っ、だ、だから見るなって……っ」
自らの命を狙っていると思っていた相手がまるで犬の服従のポーズのような格好をしている状況にますます興が乗る。ルクは恥じらいからか興奮からか、全身がほんのり赤らんでいた。そしてなにかを期待するようにこちらを見ている。
「さて、お前は踏まれたいんだったな……どこを踏んで欲しいんだ?」
「……そ、それはぁ……その……ここ……」
「どこだ?」
「だ、だから……」
腰を突き出してそれを揺らすが無視してあえて言わせようと焦らしてみると痺れを切らしたルクは意を決したように呟く。
「だから……ち、ちんちんを……踏んでくれ……!」
「ほう?」
ゲレはその姿を見て喉奥で笑うと靴を脱ぎ裸足になり思い切りルクの勃起を踏み付けてやった。
「お……、あぁぁぁ……そこっ……もっとぉ……!」
「全くこんな変態だとは思わなかったぞ」
「へ、へんたいじゃらいっ!」
「ここを踏まれて悦んでいるくせに良く言うな」
弾みをつけて陰囊ごと押し潰してやるとビクビクと身体が跳ね腰がヘコヘコと揺れてしまう様だ。その表情はだらしなく蕩け切っていて誰も彼を魔王討伐に来た勇者とは思わないだろう。
「あ、ん……や、あうぅぅっ……おれっまおうにちんちんっふまれてりゅうぅ……っ」
「随分と良さそうだな」
「んぅぅぅっきもちいっきもちいぃっ……!」
頬を上気させながら腰を動かす。ルクは自ら腰を押し付け、足の裏に擦り付ける度にそれはびくびくと震える。先端から先走りを零した。ゲレはそれを面白そうに見下ろし、足の親指で昂ぶりの先をぐりっと抉った。
「っあぁぁぁぁぁぁっ……!」
目の前がチカチカするような刺激に堪らずルクはゲレの足裏に精を放った。
「果てたか」
「あぅ……」
うっすら涙を浮かべ力尽きたようにくたりと床に身体を預けた。爪先が反り返りだらしなく足が開きっぱなしになっている。
「ふ、なんて格好だ」
「だって……あ、まって」
そう言うとルクは退けようとした足を引き止め、なんと自ら舌を這わせ始めたのだ。
「はぁっ、あ……」
「……」
……なんて樣だ。よもや世界征服よりもこの男を観察していた方が面白いのではないか?
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