私鬼戦記 禁断の魔方陣とカエルに変えらし者

プロローグ

全ては、ここから始まり

ここで終わった筈だった

桃花とうかと忍びの者達で、禁断の魔法陣を封印した　あの日より二十年の歳月が流れる・・・



　かつて我々の国には、文献人ぶんけんじんと呼ばれる者達がいた。

　彼等は、常人では計り知れない程の、圧倒的な身体能力と魔力、そして忍術を自在に操り、この国の歴史を裏側で設計していたのだが、徳川家康が、天下を取り、時代の流れは、彼等を必要しない、そんな時代へと変わって行き、内戦無き時代は、人々にあんどを与え、穏やかな一日をゆっくり過ごす様になっていた。


　だが、そんな時代の流れに逆行するかの様に、圧倒的な魔力と妖あやかしを身にまとい文献人狩りを楽しむ、一人の式神師が現れる。


　「吸鬼きゅうきよ、我が身にまとい」「我が力の根源となれーー」
　

　「これだ」「この力だ」「ヌフフフ・・・」「ヌハハハーー」

　全ては、ここから始まる・・・