私鬼戦記 禁断の魔方陣とカエルに変えらし者

京間 みずき

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七話 封印の書

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禁断の魔方陣寄り、吸鬼が出現した。

 その時
 サイナメは、右手で杖をガシリとつかみ取り、横たわったまま、杖を投げつける。
 「オリャーー」

 ズドッ その杖は確実に吸鬼の脇腹をとらえ、吸鬼は体勢を崩しまま、悪しき魔力を秘めた火を吐く、その火の威力は、骨のずいまで焼き尽くすと言う。



 
 「きゃーー」ユリネは突然の出来事に、驚き悲鳴を上げ、倒れ込む・・・

 それは間一髪の出来事だった。

 
 「おい、サイナメーー」「何 邪魔しやがる」
 吸鬼は、サイナメをにらみつけ、耳障りな程の、かん高い声を出し、怒鳴り散らす。

 吸鬼の細い目は、青白く冷たい光を放ち、その瞳は人をあやめる事に、ためらいなど微塵みじんも感じ取れなかった。
 


 
 この時倒れ込んだユリネは、血相を変え、「お、お姉たまーー」柚華の所にう様に走り逃げ、柚華は、湾曲する内側に刄を仕込む裏刃刀を鞘から抜き、そのギラリと光る刄を吸鬼に向け逆手で持ち、吸鬼をにらみ警戒する。

 だが、吸鬼は柚華達に、目を向ける事無く、圧倒的な眼力でサイナメをにらみつけ、「なんか言ったらどうだ」

 「サイナメーー」

 サイナメはふらりと立ち上がり、口の周りに付く泥をゆっくりと、右手で払い落とす。
 
 「おい吸鬼よ、いつ俺がお前にそんな命令を下した?」

 「俺はお前の雇い主だぞ」

 禁断の魔方陣の中に暮らす暗黒の住民は、その紋様を描かれた者の事を、雇い主と呼び、その者の言う事に逆らう事は、許されない

 その言葉を聞いた吸鬼は、不適な笑みを浮かべ「ふん、笑わせるな、お前から、禁断の魔方陣が打ち落されたその時より」

 「サイナメ、お前にその資格は、もう無い」
 
 サイナメは、後悔と苦痛に満ちた顔をみせる

 ・・・

「サイナメ、お前ごときの魔力と実力で、この俺達を雇うだと」「そもそも俺達吸鬼の魔力のみを、まといたいとは、いかがなもんだ?」
「サイナメ ちと、都合良すぎ無いか」

 「俺達吸鬼は、古代魔人いや・・・暗黒の番人だ」

 「この地に姿を現して、暴れるが・・・その役目」

 「お前の腕の中など、狭もうってかなわない」


 無言のまま、後悔と苦痛に満ちた顔をしていたサイナメだが、ある決断をする。

 「なるほど」

 「故に魔力を秘める、新しい生贄が必要」

 「つまりこの俺も用済みと言う事か・・・」


 「ならば、その禁断の魔方陣の紋様俺の手で」
 サイナメはそう言い放つと、懐に忍ばず封印の書を手にする。

 
 「消し去る迄だーーー」
 


 吸鬼は、この言葉に目をひん剥き慌てふためく
 「な、なんだと!」

 吸鬼は、地面に落ちるサイナメの左腕をガシリと、つかみ取り、黒いコウモリの様な羽根を広げ、その場を立ち去る。






「キャキャキャ」「その呪文ここまでは届くまい」「キャキャキャ」

 「やもえん、忍びの者達を・・・」
 
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