私鬼戦記 禁断の魔方陣とカエルに変えらし者

京間 みずき

文字の大きさ
28 / 32

二十七話 封印の魔法陣

しおりを挟む
乾と飛猿が、吸鬼に体力を削り取られているそんな最中、カエルとうかは、キビのはるか上空に薄っすらと描かれた封印の魔方陣を、目撃する。

 「ケロ」
 まだ未完成だが、あれは間違い無く式神師特有の封印の魔方陣だな
 と言うことは、サイナメ仕業だな

 完成まで、もうちと時間がかかりそうだな、キビに気付かれたらそこで終わる…

 桃花は小声で、柚華とユリネに話しかける。

 「キビのはるか上空に、封印の魔法陣が…」


 「はい…わかりました」「ユリネちゃん、矢尻の先端に魔力を」
 この言葉を聞いたユリネの瞳は、キラキラと輝いていた。

 柚華は、青き魔力を裏刃刀に写し込み、大きく振り抜き、青き魔力解き放ち一瞬にて具現化する。
「神速のキラメキ」疾風の如く駆け走りいつもの様に具現化させし青き魔力に、ヒョイと飛び乗り、大声出し二人に呼びかける

 「行くよ」上空ですかさず反転し、ユリネに向かい飛び行く 「ユリネーー」

「お姉たまーー」柚華はユリネの手をガシリと掴みとり、勢いよくスーーと持ち上げ、後ろに乗せる。 「良いかい、しっかりと捕まってな、キビに向かい急上昇するよ」

 「了解だ、お姉たまーー」

 具現化されし青き魔力は、彼等を落とさぬ様に足に絡み付きシュターと空気を切り裂き突き進む。

 柚華は自慢のマントたなびかせ、二本の刀を自在に操り向かって来る吸鬼を地面に叩き落とし、ユリネは有り得ない体制で弓をかまえ、大きく息を吸い込みマントの隙間よりその時を待ち

 カエルとうかは、余りの勢いにユリネの頭から滑り落ち
 「! ケローーーーーーーーー」




 「パク」マントの端を必死で噛みつき揺られながらもなんとか持ちこたえ、上手くマントのしたの潜り込み、決死のジャンプで、ユリネの頭の上に戻っていた。

 「あ、危なかった」「本気出しすぎだ柚華の バカーー」

 
 柚華はそんな事があったとは、つゆほども知らず、ただひたすらまっすぐ、キビに向かい飛び進める。
 
 「ヌァーー」

 キビはニヤと笑い、かん高い声で叫ぶ
 「飛んで火に入るなんとやらだ」「お前達、奴らを魔力秘める矢で撃ち落とせ


 この命令により、吸鬼達は一斉に矢を射り始める。
 
 唸りを上げ、四方八方から飛び来る矢を、柚華かの鋭い眼光は、その全てを見極める。

 空転しながら、身体をくねらせ、二本の刀で、その全てを打ち払う シュタタァ 再び柚華は大声を上げ、吸鬼達に向かい叫ぶ

 「吸鬼の放つ矢とはこの程度か」

 「良く聞け」

「我が名は、狩人の郷の柚華なり」「私の心の臓を貫く事の出来る者は、一羽たりともいないのかーー」


 この言葉に、全ての吸鬼が、柚華をにらみつける…
 
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

処理中です...