異世界で小学生やってる魔女

ちょもら

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第三章 続 魔女と天使の腎臓

彼女が0.35%だけ生き返られるたった一つの方法

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「………………いっ」

 アスタの口から小さな悲鳴が漏れた。別にそれは私の心ない言葉に傷付いたという訳ではないだろう。こいつに傷付く心なんてあるものか。そもそも私の言葉さえアスタの耳には届いていないのだから。……いや、違う。耳には届いているんだ。でも、頭には届かない。私がアスタの声の一つ一つを動物の鳴き声として認識しているのと同じだ。動物並みの知能しかないアスタにとって、人間の言葉と動物の鳴き声の区別がつくはずがないのだ。

 アスタの悲鳴の正体も、ただの生理的な反射に過ぎない。喉を解放された事で一分ぶりの空気が気道に流れ込み、小さな悲鳴を漏らしただけ。

「なー! ……あー。いー」

「……」

 本当にこいつは人間からかけ離れた存在なんだね。決して言語に昇華する事のない、無意味な鳴き声だけを漏らし続けるアスタを見る度に、そう思わずにはいられなかった。

 私は枕元のスマホに手を伸ばした。お母さんが戻り次第、私は右目の緊急手術が行われる事だろう。左目もいつまで保つかはわからない以上、これが人生最後のソシャゲになるのかも知れないのだ。お母さんが戻って来るまでの数分間、存分に人生最後のソシャゲに没頭させて貰うとしよう。

「……」

 ……そう、思ったのだけれど。

 何故だろう。十分程ソシャゲを楽しんだ後、ふとホーム画面に戻って現在時刻を見た瞬間、妙な違和感を覚えた。しかし違和感の正体にはすぐに気付く事が出来た。慌てて病室を飛び出したお母さんが中々帰って来ない事である。あれだけ血相を変えたおばさんに詰め寄られるのだ。本当なら三分もしない内にお医者さんを引き連れて戻って来るはずなのに、十分以上が経った今もお母さんが戻って来る兆しが見られない。

「しーっ! ……あっ!」

 それともう一つ。これは違和感という程の物でもないけれど、今日はやけにこの悪魔が五月蝿いなと思った。やんちゃ盛りの仔犬のように、意味のない鳴き声をあげ続けるのだ。

「あー……、い!」

 耳障りな事この上ない。まぁ無視しておけばその内鳴き止むだろうと思い、私はアスタに構わずスマホをいじるものの。

「いー! ……あー! うぅ…………、な! いぃっ!」

「……」

「しいー……いっ! あ! あーっ! ……んい」

「……」

「いぃーっ! あぁ……、あ。んいぃ……」

「うるせえよ」

 三度続くその騒音には流石に耐えきれず、私はアスタの顔面目掛けてスマホを投げ飛ばしてしまった。アスタは明確な悲鳴をあげながら、スマホと衝突したこめかみを手で押さえた。これは泣くかな。大声で泣き喚かれるくらいなら、まだ意味のわからない鳴き声を漏らし続けてくれた方が良かったのかも知れない。……なんて思ったのだけれど。

「……い、いー。……あーあ、いー」

 私の予想に反して、アスタは泣き出そうとはしなかった。スマホをぶつけられる前と変わらず、特に意味もない、動物としての鳴き声をボロボロと吐き続けている。

「いーぃ……あ。なー……いぃ」

「……」

「しーい! あーっ! あぁ……うぅ。……いっ!」

「……」

 それは、本当に鳴き声なのだろうか。執拗なまでに似たような鳴き声を漏らすアスタの姿に、そんな疑問がふと過ぎった。

 我ながら馬鹿な事を考えていると思っている。この動物が言葉なんて物を扱う筈がない事は、他でもない、こいつと五年間も過ごし続けた私がよく知っているはずなのに。こいつは言葉を発さない。こいつの扱う言語なんて、せいぜい私やお母さんの言葉を真似るだけの、オウムやインコのそれと同じだ。自分で考え、文章を構築し、口から吐き出す。そんな高等動物にのみ許された会話という特権を、こんな下等生物如きに扱われてたまるものか。

「いーっ! ん……な! ぅあーい!」

「……」

 じゃあ、私は今何を思っている。何を期待してこいつの鳴き声に耳を傾けている。こいつが言葉を話していると、本気で信じているのか? こいつが私に何かを伝えようとしていると、本気で思っているのか? あり得ない。そんな事は絶対にない。このポンコツが。この人間のなれ損ないが。この人の皮を被ったケダモノが。この天使のふりをした悪魔が人の言葉を話すだなんて、そんな事。

「しー! ぁあっ! んなぁ……。うぃー」

「……」

 そんな生意気な事。

「しいー」

「……」

 そんな恐れ多い事。

「なあー」

「……」

 そんな馬鹿げた事。

「……なっ!」

「……」

 そんなふざけた事。

「いー!」

「……」

 そんな烏滸がましい事、絶対に……。

「死なない」

「……」

 閉ざされ続けた私の口が、そこでようやく開いた。この時、私は口を開いて何を言おうとしたんだっけ。確か「なにそれ」とか、「どういう意味」とか。そんな事をアスタに問いただそうとして口を開けたんだ。でも、それらの言葉が私の口から漏れる事はなかった。いや、もしかしたら漏れていたのかも知れないけれど、私の声を凌駕する騒音がこの病室に近付いたせいで掻き消されてしまったのだろう。

「イヴ!」

 その騒音の正体は、お母さんの足音だった。体の弱さを忘れてしまったとでも言わんばかりに、けたたましい足音を立てながらこの病室まで戻って来たお母さんの物だった。

 お母さんの呼吸は酷く乱れていた。体が弱いくせにどれだけの全力疾走をしたのだろう。倒れそうな勢いで私の側まで歩み寄り、実際に倒れ込むように私の事を抱きしめて来たのだから堪ったものじゃなかった。

「……何? お母さん」

 私はそんなお母さんの不可解な行動について訊ねてみた。耳元で啜り泣くその音が非常に不愉快で、一刻も早く私から離れて欲しいとも願った。しかし、彼女の涙は私を不愉快にさせると同時に、一つの安心感も私にもたらしてくれた。なんせ先生を呼びに行ったお母さんが、こんなボロボロになるまで表情を崩しながら戻って来たのだ。そして縋るように私を抱きしめて来るのだ。

 一体彼女はお医者さんからどんな宣告を聞いたのだろう。私の寿命が尽きるのも、いよいよ目と鼻の先と言った所だろうか。だとしたら、当初の予定より大分早いけれど、いよいよあの巨大ロボットを機動させる日が来たのかも知れない。私は今日、右目の視力を失う。ならば左目の視力が残っている内に、あのロボットを使って……。

「……助かる……っ!」

 あのロボット使って……、何をしようと思ったんだろう。私の耳元で囁かれたそんなお母さんの一言に、私の頭は真っ白になった。

「……え」

「だから助かるの……っ! 助かるのよ……!」

 聞き間違い、と言う事はないはずだ。確かに糖尿病の合併症の中には難聴もあるけれど、しかし糖尿病の三大合併症である神経障害、腎症、網膜症に比べればその発症率は極めて低い。私の耳は、間違いなくお母さんの言葉を聞き止めている。

「先生が……先生がね? 今日の明け方……、都内で拡張型心筋症の人が亡くなったって……っ。それで……その子は生前、日本臓器移植ネットワークにドナー登録をしていて……」

「……」

 そんな残酷な真実が、私の鼓膜に叩きつけられている。お母さんのその言葉を聞いた瞬間、私の全身の毛穴が広がって、嫌な汗がふつふつと湧き出る感触に全身を覆われた。

「多分、過去に前例を見ない速さで症状が進行して行ったあなたに、……同情票が集まったんじゃないかって」

 やめろ。やめろやめろやめろ。言うな。それ以上余計な事を言うな。私は両腕に力を込めて、お母さんの抱擁を振り解こうとした。お母さんの抱擁から抜け出した上で、知りたくもない情報ばかりを聞いてしまう両耳を塞ごうと思った。

「膵腎同時移植の最優先候補に、あなたが選ばれたって」

 でも、出来ない。今の私の体では、こんな虚弱な体を持ってしまったお母さんにさえ腕力では遠く及ばない。

「あなたが……選ばれたって……、先生が……っ!」

「……」

 天国に行きのチケットになる筈だった私の体が、修正されてしまう。私の耳元で大泣きを始めたお母さんの声を鼓膜で受け止めながら、私は深い絶望の底なし沼へと片足を突っ込んでしまった。こんな事ってあるのだろうか。こんな事があっていいのだろうか。

 臓器移植は通常、二種類のドナーによって行われる事になる。脳死患者からの臓器移植と、心停止患者からの臓器移植である。脳死患者からの臓器移植はとても簡単だ。使える臓器を使えるだけ使い回せばいい。しかし心停止患者の場合、心停止してから20分間は経過がしないと死亡判定が降りない為、その臓器の殆どは長時間血液の供給を受けられなかった不健康な臓器になってしまう。

 心停止患者から移植可能な臓器は三つ。全体重の0.25%程の重さしかない腎臓と、全体重の0.1%程の重さしかない膵臓と、そして角膜が左右で二つ分。そんな四つしか再利用出来ない臓器の内の二つである、腎臓と膵臓がやって来る。見ず知らずの赤の他人の0.35%が私の中に侵入し、私の中で生き続けるのだと。私のお母さんはそう言っている。

 一型糖尿病によって末期腎不全を患った患者は、腎臓移植だけでは十分な健康体に戻る事が出来ない。一型糖尿病は、膵臓の細胞が破壊される事でインスリンが分泌されなくなる病気。腎臓だけを取り替えたって膵臓は悪いままなのだから、結局インスリン注射は続けなければならない。そしてそんな慢性的なインスリン不足に体が曝されると、折角腎臓を移植したにも関わらず、再び高血糖に腎臓が破壊されて二度目の慢性腎不全を患う事になる可能性だって低くはないのだ。

 故に一型糖尿病患者が完全な健康体を手に入れる為には、膵臓と腎臓の同時移植を行わなければならない。腎臓だけの移植なんてただのその場凌ぎにしかならないのだから。

 そして今、そんな私に膵臓と腎臓が揃って届けられるらしい。膵臓と腎臓をそれぞれ別の人に移植すれば二人の人間が助かると言うのに、二つの臓器を私一人の命を救う為に使ってしまうらしい。一体どんな基準で命の選別をしているのだと、私を最優先候補に選抜した日本臓器移植ネットワークと厚生労働省の職員に問いただしてみたいものだ。

 日本臓器移植ネットワークを介した臓器移植は、いつの日も需要と供給が釣り合わない。臓器を必要としている人間の数に対し、臓器を提供してくれる人の数が圧倒的に足りないのだ。そして私は、そんなソシャゲのガシャが優しく思えて来るような確率を引き当ててしまった。

 私は死なない。このままだと私は死ねない。生き続けてしまう。

「……」

 なんだそれ。

 生き続けるって何。私、死ぬつもりで今日まで生きてきたんだけど。それなのに私、死ねないの? 天国にいる本当の両親にも会えないまま、ずるずるとこの生き地獄に身を置く事になるの?

 インスリン注射から解放されて、食事の度にわざわざトイレに篭って注射しなくて済むようになるの? 二日に一回、六時間も拘束される透析も受けないで済むの? 義足を使ったリハビリに専念する事で、将来的には車椅子を卒業して自由に歩き回れるようになるの? 食事制限もなくなって、好きな物を好きなだけ飲み食い出来るようになるの?

「……」

 それに。

「……」

 それに……。

「……」

 それに…………。

「いぃー! あ! あー、い……!」

「……」

 私の回復を喜ぶように、万歳をしながら満面の笑みを浮かべるアスタの顔が私の左目に映り込んだ。そんなアスタと暮らす事になる私の未来像が、ふつふつと脳裏に浮かび上がる。

 その光景は何年後の光景なのだろう。ううん、何十年後の未来の光景なのだろう。お父さんとお母さんが死んだ後の世界で、私はアスタと二人で暮らしていた。その世界の私は加齢によって無数の皺が顔に刻み込まれ、腕の筋肉も年相応に弱って枝のように細くなっている。そんな細腕で私は、死ぬまで独り立ちする事の出来ないアスタのお世話をしていた。

 アスタはジジイになっても一人で生きる事は出来ない。それまではお父さんとお母さんがそんなアスタの面倒を見ていたはずなのに、二人が死んだと後なっては、その役割は私に課せられてしまう。片目を失い、片足も失い、そこに加齢というデバフまで付与された体を引きずりながら、私はアスタのお世話をするのだ。障害者の福祉に私の人生が浪費されるのだ。私の人生は、そうやって終わって行くのだ。

 そんな未来の光景がリアルで、悍ましくて、身の毛もよだって。

「……お母さん」

 だから私は。

「……私、移植は受けないね」

 生きたくない。
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