視線の犯罪

月桃子

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視線の犯罪

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仕事が嫌になり、辞めて3ヶ月になるが、まだみつからない。30歳なので色々とあると思うが、良いと思うと倍率がすごく採用されない。仕方なく派遣で倉庫で仕分けをしてる。倉庫の仕事は、簡単そうで疲れる。疲れるので週4とかになる。貯金を切り崩して生活してる。金の無い私の楽しみは、視線で電車に乗ってる人のリュック、バックから財布を盗む事。今日も前にいる人のバックを見て、開けて財布を取る想像をしてる。前の人は視線を感じてバックを、しっかり手で握りしめる。後向きの人も感じてバックを握りしめる。視線は感じるように人間はできている。いつもの様に視線で盗みをしてると、「次の駅で降りて下さい。」と中年の男性に言われた。驚いてると警察手帳を見せた。次の駅で降りて「何ですか?」警察が言うのには、まだ実害は無いが、視線で盗みを繰り返す私は、犯罪予備軍で書類送検になる可能性があるらしい。驚いた想像の犯罪もとりしまる。息の詰まる社会。
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