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第2章 魔神回廊攻略編
第24話 バレンシアの力
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第24話 バレンシアの全力
一瞬の出来事だった。
首の傷口をさらに重ね切りされた魔神は、グラリと揺れた頭部をとっさに二本の腕で支えた。左右の一番上の腕だった。
それを見たライムが嘲笑した。
「あら、そのおててでいいの? 知い~らない!」
ライムは超高速の圧縮魔法言語のあと、杖を振った。
「偶然見つけた激レア魔法! 言葉よ、主の元へ還れ! 反転魔術リ・アスポート!」
ライムの全身から、大質量の火の玉が飛び出して、真っすぐに魔神の頭部に向かっていった。いや、頭部を支える、その2本の腕にだ。
耳を聾する爆発音がした。
ライムが叫ぶ。
「防壁が消えた! 今よ」
その言葉を待たずに、ギムレットが、生き残った騎士たちが、魔神の懐に飛び込んでいた。
一方、祭壇の左奥では、もう一体の魔神の鋭い2本の爪に、副団長バレンシアが腹を貫かれていた。
いや、よく見ると爪は、腹の左右をすり抜け、薄皮を裂いただけで、刺さってはいなかった。
その2本の腕を、バレンシアはかんぬきに極めて、両脇に抱えていた。全身の筋肉が膨れ上がっている。
「ぬなああああああっ」
バレンシアの体中が震え、その声も振動していた。その全力を、いったいどれほどの時間続けているのか。両足は石造りの床を踏み抜いて突き刺さり、自らの体をその場所に縫い留めていた。
魔神を、力づくでその場に動けなくしているのだ。
バレンシアの全身を赤い光が包んでいる。筋力上昇の補助魔法が何重にも展開されていた。
それでも、5メートルはあろうかという巨体の魔神と腕力で張り合うというのは、尋常なことではなかった。
バレンシアが魔神を止めている間、その背後から、他の騎士たちはひたすら攻撃を叩きこんでいた。
回り込む動きができない魔神は、腕を後ろに回して対抗しようとしているが、思うようにいかないようだった。
その蛇体の背中や長い尾に、幾多の攻撃が命中していた。全員を纏う防壁が邪魔をして、ダメージにはなっていなかった。しかし、着実に防壁は薄くなっていた。
全員が逸る気持ちを押さえながら、的確な攻撃を繰り返していた。
魔神の正面では、両腕のふさがったバレンシアが、まったくの無防備で立っているのだ。
数本の腕が、バレンシアの肉体を引き裂こうと、その死神の鎌のような切っ先を何度も振り下ろしていた。しかし、そのたびに2人の人間が、それを剣で撃ち落としていた。
1班班長のトリファシアと2班班長のイヨだった。2人は、一度のミスも許されない状況のなか、正確無比な剣さばきを延々と続けていた。
魔神が、急に頭をのけぞらせた。その喉元があらわになる。そこには、無数の牙の生えた、真っ赤な裂けた口が隠されていた。
「ブレス!」
トリファシアが叫んだ。それと同時に、背後から別の騎士が戦槌を振り上げて、魔神の後頭部をぶん殴っていた。3班班長のグレイプだ。
彼女は、魔神が目の前のバレンシアにブレスを吐こうとするたびに、そうして後ろから殴って無理やり口を閉じさせていた。人間と同じ口の構造だったら、そううまくはいかなかっただろう。
魔神の魔法攻撃が止み、双方が同じような動きを繰り返す、膠着状態が生まれつつあった。
もう1体の魔神が出現してから、魔神が防御に徹しはじめ、時間稼ぎに入ったのは明らかだった。背後の騎士たちは、魔神の腕をかいくぐって必死で攻撃を繰り返し、1秒でも早く防壁を削りきろうとしていた。
こちらが攻めきるか。相手が守りきるか。
そういう意識が、生まれてしまっていた。
突然の魔法攻撃に、グレイプが反応できなかったのはそのせいだった。
魔神の一番上の右手がくるりと一回転したかと思うと、風の刃がグレイプの全身を切り裂いていた。
「あああっ!」
グレイプはもんどりうって地面に倒れた。その腕から戦槌が転がった。
「グレイプ!」
魔神と向かい合ったままで、イヨが悲痛な叫びをあげた。
「ブレスが来る!」
とっさにトリファシアが叫んだが、魔神の後方で反応できた騎士はいなかった。
魔神が頭をのけぞらせた。赤い口が見えた。もう間に合わない。
「くそが!」
バレンシアはうめきながら、目をつぶった。
魔神が、喉のなかの回路を、呼吸器官から別の器官に切り替える、そのわずかな時間。
ブレスを浴びる覚悟を決めたバレンシアが、腕を離すどころかさらに強くホールドしたその瞬間。
反対側の壁際で、視界の端にその光景が映ったギムレットが、叫んだ。
「口だ! 防壁がない!」
ライムが『防壁が消えた』と言った魔神Bには、実際はまだわずかに防壁が残っていた。だから気づけた。
ギムレットたちが手負いの魔神に全員で一斉に襲いかかり、めった斬りにしていくなかで、口のなかには防壁自体が展開されていなかったことに、気がついたのだ。
とっさの助言が間に合うのかわからなかった。ギムレットはただ祈った。
目を閉じたバレンシアの前で、魔神の胸部が膨れ、それがピタリと止まり、緊張から弛緩へ、一気に奔流となって膨大な量の致死性の息が……。
その赤い口の前に、竜巻が出現した。ギムレットの声に反応したトリファシアが跳躍していた。
反時計回りの剣撃の暴風となって、彼女は魔神の口を斬り裂いた。火噛みトカゲに見せた時の回転の比ではなかった。
防壁のない口腔内は、横薙ぎの嵐に斬り裂かれた。そして支える首は、捩じ切れるように横を向いた。
そして、それと同時に白く輝くブレスが吹き出し、すぐ面前にいたトリファシアの体をかすめた。
首が捻じれたことでわずかに左に逸れていたが、彼女の左半身はその腐食性のブレスの洗礼を受けていた。
「トリファシア!」
バレンシアに向かって振り下ろされていた魔神の腕を剣で止めながら、イヨが叫んだ。
トリファシアは吹き飛ばされて地面に落ちた。
ブレスを吐き終わった魔神の口から、血のような体液が吹き出した。頬にあたる部分が、深く切り込まれていた。
魔神の口は喉の下にある。
その場にいた全員の脳裏に、それが浮かんだ。
防壁のないあの口は、魔神の首を刎ねるための、切込みになるのだと。
だが、その全員が魔神の腕の攻撃を剣で止めている瞬間だった。
動ける者がいない!
這いつくばったトリファシアが叫んだ。
「団長ォッ!!」
その言葉の直後、反対にある右の壁から、弾丸のように、塊が飛んできた。
それは、全員の目の前で、魔神の喉元に凄まじい速度で衝突し、喉を斬り裂いて、その勢いのまま通り過ぎ、左の壁に激突した。
グガアアアアアッ
魔神の叫び。
首が反対側に向いている。喉元を中心に斬り裂かれて、捩じ切れそうになっていた。
ベキィッ。
水気を帯びた音が響いた。
バレンシアが両腕で抱え込み、かんぬきに極めていた魔神の2本の腕が、その昆虫のそれのような節の根元から、折れていた。
「やっとブチ折ってやったぜ」
バレンシアはずっと狙っていた。防壁が弱まる瞬間を。
折れて体液を吹き出している腕を掴んだまま、彼女は思い切り後ろに体を反らせて、スープレックスを決めた。
ブチッ。
という嫌な音がして、腕が完全にちぎり取られていた。
ギャアアアアアッ、と魔神は体の反対側に回っている口で、悲鳴を上げる。
バレンシアはすぐさま跳ね起きて、掴みかかるように両腕を前に突き出した。目が爛々と燃えている。
「よくも好き勝手やってくれたなこの野郎……。イモ虫ちゃんになるまで、全部ぶっちぎってやらあ!」
そう叫んで魔神に突進した。
残った騎士全員が、その闘志に呼応して剣を振りかざし、魔神に殺到していった。
一瞬の出来事だった。
首の傷口をさらに重ね切りされた魔神は、グラリと揺れた頭部をとっさに二本の腕で支えた。左右の一番上の腕だった。
それを見たライムが嘲笑した。
「あら、そのおててでいいの? 知い~らない!」
ライムは超高速の圧縮魔法言語のあと、杖を振った。
「偶然見つけた激レア魔法! 言葉よ、主の元へ還れ! 反転魔術リ・アスポート!」
ライムの全身から、大質量の火の玉が飛び出して、真っすぐに魔神の頭部に向かっていった。いや、頭部を支える、その2本の腕にだ。
耳を聾する爆発音がした。
ライムが叫ぶ。
「防壁が消えた! 今よ」
その言葉を待たずに、ギムレットが、生き残った騎士たちが、魔神の懐に飛び込んでいた。
一方、祭壇の左奥では、もう一体の魔神の鋭い2本の爪に、副団長バレンシアが腹を貫かれていた。
いや、よく見ると爪は、腹の左右をすり抜け、薄皮を裂いただけで、刺さってはいなかった。
その2本の腕を、バレンシアはかんぬきに極めて、両脇に抱えていた。全身の筋肉が膨れ上がっている。
「ぬなああああああっ」
バレンシアの体中が震え、その声も振動していた。その全力を、いったいどれほどの時間続けているのか。両足は石造りの床を踏み抜いて突き刺さり、自らの体をその場所に縫い留めていた。
魔神を、力づくでその場に動けなくしているのだ。
バレンシアの全身を赤い光が包んでいる。筋力上昇の補助魔法が何重にも展開されていた。
それでも、5メートルはあろうかという巨体の魔神と腕力で張り合うというのは、尋常なことではなかった。
バレンシアが魔神を止めている間、その背後から、他の騎士たちはひたすら攻撃を叩きこんでいた。
回り込む動きができない魔神は、腕を後ろに回して対抗しようとしているが、思うようにいかないようだった。
その蛇体の背中や長い尾に、幾多の攻撃が命中していた。全員を纏う防壁が邪魔をして、ダメージにはなっていなかった。しかし、着実に防壁は薄くなっていた。
全員が逸る気持ちを押さえながら、的確な攻撃を繰り返していた。
魔神の正面では、両腕のふさがったバレンシアが、まったくの無防備で立っているのだ。
数本の腕が、バレンシアの肉体を引き裂こうと、その死神の鎌のような切っ先を何度も振り下ろしていた。しかし、そのたびに2人の人間が、それを剣で撃ち落としていた。
1班班長のトリファシアと2班班長のイヨだった。2人は、一度のミスも許されない状況のなか、正確無比な剣さばきを延々と続けていた。
魔神が、急に頭をのけぞらせた。その喉元があらわになる。そこには、無数の牙の生えた、真っ赤な裂けた口が隠されていた。
「ブレス!」
トリファシアが叫んだ。それと同時に、背後から別の騎士が戦槌を振り上げて、魔神の後頭部をぶん殴っていた。3班班長のグレイプだ。
彼女は、魔神が目の前のバレンシアにブレスを吐こうとするたびに、そうして後ろから殴って無理やり口を閉じさせていた。人間と同じ口の構造だったら、そううまくはいかなかっただろう。
魔神の魔法攻撃が止み、双方が同じような動きを繰り返す、膠着状態が生まれつつあった。
もう1体の魔神が出現してから、魔神が防御に徹しはじめ、時間稼ぎに入ったのは明らかだった。背後の騎士たちは、魔神の腕をかいくぐって必死で攻撃を繰り返し、1秒でも早く防壁を削りきろうとしていた。
こちらが攻めきるか。相手が守りきるか。
そういう意識が、生まれてしまっていた。
突然の魔法攻撃に、グレイプが反応できなかったのはそのせいだった。
魔神の一番上の右手がくるりと一回転したかと思うと、風の刃がグレイプの全身を切り裂いていた。
「あああっ!」
グレイプはもんどりうって地面に倒れた。その腕から戦槌が転がった。
「グレイプ!」
魔神と向かい合ったままで、イヨが悲痛な叫びをあげた。
「ブレスが来る!」
とっさにトリファシアが叫んだが、魔神の後方で反応できた騎士はいなかった。
魔神が頭をのけぞらせた。赤い口が見えた。もう間に合わない。
「くそが!」
バレンシアはうめきながら、目をつぶった。
魔神が、喉のなかの回路を、呼吸器官から別の器官に切り替える、そのわずかな時間。
ブレスを浴びる覚悟を決めたバレンシアが、腕を離すどころかさらに強くホールドしたその瞬間。
反対側の壁際で、視界の端にその光景が映ったギムレットが、叫んだ。
「口だ! 防壁がない!」
ライムが『防壁が消えた』と言った魔神Bには、実際はまだわずかに防壁が残っていた。だから気づけた。
ギムレットたちが手負いの魔神に全員で一斉に襲いかかり、めった斬りにしていくなかで、口のなかには防壁自体が展開されていなかったことに、気がついたのだ。
とっさの助言が間に合うのかわからなかった。ギムレットはただ祈った。
目を閉じたバレンシアの前で、魔神の胸部が膨れ、それがピタリと止まり、緊張から弛緩へ、一気に奔流となって膨大な量の致死性の息が……。
その赤い口の前に、竜巻が出現した。ギムレットの声に反応したトリファシアが跳躍していた。
反時計回りの剣撃の暴風となって、彼女は魔神の口を斬り裂いた。火噛みトカゲに見せた時の回転の比ではなかった。
防壁のない口腔内は、横薙ぎの嵐に斬り裂かれた。そして支える首は、捩じ切れるように横を向いた。
そして、それと同時に白く輝くブレスが吹き出し、すぐ面前にいたトリファシアの体をかすめた。
首が捻じれたことでわずかに左に逸れていたが、彼女の左半身はその腐食性のブレスの洗礼を受けていた。
「トリファシア!」
バレンシアに向かって振り下ろされていた魔神の腕を剣で止めながら、イヨが叫んだ。
トリファシアは吹き飛ばされて地面に落ちた。
ブレスを吐き終わった魔神の口から、血のような体液が吹き出した。頬にあたる部分が、深く切り込まれていた。
魔神の口は喉の下にある。
その場にいた全員の脳裏に、それが浮かんだ。
防壁のないあの口は、魔神の首を刎ねるための、切込みになるのだと。
だが、その全員が魔神の腕の攻撃を剣で止めている瞬間だった。
動ける者がいない!
這いつくばったトリファシアが叫んだ。
「団長ォッ!!」
その言葉の直後、反対にある右の壁から、弾丸のように、塊が飛んできた。
それは、全員の目の前で、魔神の喉元に凄まじい速度で衝突し、喉を斬り裂いて、その勢いのまま通り過ぎ、左の壁に激突した。
グガアアアアアッ
魔神の叫び。
首が反対側に向いている。喉元を中心に斬り裂かれて、捩じ切れそうになっていた。
ベキィッ。
水気を帯びた音が響いた。
バレンシアが両腕で抱え込み、かんぬきに極めていた魔神の2本の腕が、その昆虫のそれのような節の根元から、折れていた。
「やっとブチ折ってやったぜ」
バレンシアはずっと狙っていた。防壁が弱まる瞬間を。
折れて体液を吹き出している腕を掴んだまま、彼女は思い切り後ろに体を反らせて、スープレックスを決めた。
ブチッ。
という嫌な音がして、腕が完全にちぎり取られていた。
ギャアアアアアッ、と魔神は体の反対側に回っている口で、悲鳴を上げる。
バレンシアはすぐさま跳ね起きて、掴みかかるように両腕を前に突き出した。目が爛々と燃えている。
「よくも好き勝手やってくれたなこの野郎……。イモ虫ちゃんになるまで、全部ぶっちぎってやらあ!」
そう叫んで魔神に突進した。
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