精霊さんと一緒にスローライフ ~異世界でも現代知識とチートな精霊さんがいれば安心です~

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第006話 燃しますか、ミシマさま

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 そこからは睡魔との戦いだった。

 明日……いや、もう深夜を回ったと思うので今日の朝からの移動は馬車に乗せてもらえる手筈になっている。

 なので、全力全開で夜に臨んでいるのだが。

『にんげんさん、がんばれ』

『ふぁいとなの』

『いっぱーつよ?』

 色々と精霊さんと話している内に、良く分からない情報が精霊さんネットワークにアップデートされていくようで、微妙に地球ネタを混ぜてくるので油断ならない。

 絶対にこれ、駄女神の仕業な気がする。

 だって、チュ〇チュ〇トレインばりにぐるぐる回りながら会話されると辛い。

 明らかに新しい動きにみんな興味津々だし。

 しかも妙に揃っているので、吹く。

 ずるい、絶対。

 まぁ、正常な肉体の翻訳が勝手に働いている部分もあるのだろうけど、今度会ったら駄女神は殴る。

 そんな感じで孤独とは縁遠い、ライヴパフォーマンスをエンジョイしながらの夜番は空はしらじんでいった事により終わりを告げた。

 起き出してきた二人が作った朝食は野菜と干し肉のスープにビスケットみたいな穀物の保存食。

 塩を利かせた干し肉なので過剰なほどに塩味は強いが、空腹と寝不足も相まって感覚が鈍磨しているようで美味しく頂けた。

 野営の片づけを手伝い、へとへとになりながら馬車の上によじ登った瞬間、緊張が切れたのか、そのまま夢の中にダイブ。

 あっという間に、意識を失った。





「……マ、ミシマ。起きろ、着いたぞ!!」

 リサさんの声に、意識の覚醒はあっという間だった。

 おぉ、体が重くないと場違いな感想を抱きながら上体を起こした。

 前方を眺めてみれば、柵に囲まれた長閑な寒村といったイメージそのままの村が広がっていた。

 畑は現在も拡張が続けられているのか、柵の範囲外であり、今は金色の実りを村人達が刈っている。

 いかにも落穂拾いといった風情の集団も垣間見えたり、中々絵になる光景だった。

「じゃぁ、行くかね」

 セベルさんの声かけで馬車から飛び降りる。

 では見せてもらおうか、先代村長の娘の実力とやらを。

「じゃぁ、仮宿ちう事で」

「ありがとうございます。慣れ次第、色々お手伝いしますので」

 へこへこ頭を下げながら、和やかムードで拳を打ち合う私と村長。

 ちなみにガツンと拳を打ち合うのが握手的同意の表現っぽいので覚えておく。

 いやぁ、流石セベルさん。

 先代村長の娘って、今代村長のお姉さんじゃん。

 そんな権力者兼商家の代表として人間性を保証してもらったところ、かなりあっさり目に村での滞在を許可して貰えた。

 コネ万歳。

 いや、ゲームじゃないんだから寒村の備蓄なんて限られたものなんですよ。

 仮宿に用意してくれる家だって不意の客を泊めるために用意しているもので。

 お客さんなんて村に取ってお荷物なんです。

 そんな村の負担が目に見えているにも拘らず、丁々発止で話をまとめた剛腕セベルさんに敬礼。

 あ、村長さんはセディスさんだそうです。

 姉弟ということで、ちょっと名前の感じが似ているなと思いましたとさ。

 ちなみに、リサさんは行商品の荷下ろしと報告のために先に商家に向かったみたい。

「おぉぉ。ザ家です」

 話がまとまると早速という事で、セベルさんに連れられて村外れのお家に案内してもらいました。

 目の前にはこじんまりとした洋風の小屋がぽつりと一軒。

 何というか。

 クラフトゲームとかで一番初めに作る、急遽作りました夜のゾンビ怖いものって感じのお手軽感。

 土壁の真ん中にある扉を開けると、土間に竈。

 その奥に一段上がって、フローリングが一間。

 ワンケーってやつですね。

「すみません、こんなに良い家をお借りしてしまって」

「何の何の。お構いも出来んけどな」

 ほっほと笑いながら手を振るセディスさんに再度お礼を伝えて、お礼合戦を繰り広げ、家の前でバイバイと分かれる。

 土間に佇む、一人とわらわら。

「ここを本拠地(仮)とする!!」

 宣言し、室内の物色を始める。

 いやぁ、生活に必要な物があるかの確認重要。

 お鍋とかカメや桶はOK。

 サンダルを脱いでフローリングに上がって、ベッドを見てみる。

 シーツを剥いで敷き藁の湿り具合を確認。

 ちょっと使い込んでいる感じ。

 シーツは洗濯済みのようで問題無し。

 ふむぅ……。

 じぃっと、狂喜乱舞しながら室内をうごうごしている精霊さんに目を向けてみる。

「精霊さん、この藁を乾燥して、温める事は出来ますか?」

 対価は必要ないと言っても、甘えるのは恐縮するし。

 何か良い方法が無いかは今後の課題という事で。

『かわかすの』

『どらいやー』

『もしますか?』

「燃やしたら駄目です」

 加減を伝えながらしばし。

 ふんわりほかほかの藁ベッドにそっと寝転がってみた。

 思った以上にチクチクするけど、藁の香りがマイナスイオンって感じで嬉しい。

 ノミやシラミが怖かったけど、これだけ温風乾燥したら大丈夫でしょうという事で。

 健全な肉体があっても、感染症怖い。

 注意が出来る中年なので。

 室内をうごうごするのに飽きた精霊さんがベッドに乗り込んでくるのを横目に目を瞑る。

 もうちょっとだけ昨日の疲労を回復しておこう。

 おやすみなさい。
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