55 / 106
第055話 水辺のダンス
しおりを挟む
とまぁ、色々あった訳ですが。
私は元気です。
豪族さん?
知らない人ですね。
実際に、まだ会った事も無いですし。
もしかすると、会う事も無く排除されるかもしれないですし。
その片鱗を垣間見てしまいましたので。
いやぁ、そろそろ品薄かしらと御用聞きに行った際にですね。
「あぁ、生きていてくれたか……。助かった、本当に助かったよ」
なんて、出迎えられた訳ですよ。
領の高官さんに。
うちのかみさんがねとかいう人なので、ハンドクリームをお渡しした相手なんですが。
話を聞くと、どうやら豪族さんが私を殺して財貨を奪ったなんて話がまことしやかに囁かれているようで。
奥様から、ハンドクリームが手に入らないなら絶許とかって申し送りされていたようで。
旦那さんも気が気でなかったらしく、そりゃ顔を出したら安心顔な訳ですよ。
ちょっとした経緯を説明したら、お偉いさん方に流布してくれるそうなので頼む事にしました。
もうね。
一人一人に説明するのは面倒くさいのです。
あ。
お客様は別ですよ?
その他の有象無象です。
顧客の方々には、きちんと顔を出してご挨拶します。
引っ越し蕎麦の代わりですね。
どうも、隣に引っ越してきた新しい国でーす。
うん、斬新な感じ。
積み木とハンドクリーム絡みの人にはきちんとお会いして、事情の説明を済ませたら、おうちに帰ります。
いや、折角拠点も移ったので、新しい産物を生み出したいなと。
てちてち。
はい。
という訳で、やってきました。
湖。
朝ぼらけの薄い陽光が湖面に映り、淡く輝いているのが美しいです。
横には、ちょっと眠そうなリサさん。
いつもよりも大分早めに起こして準備していたので、ちょっと申し訳ないです。
本日は、この新アイテム。
釣竿を使っていこうかと思います。
いや、朝釣りがしたかっただけというのもありますが。
精霊さん達も何が始まるのかとわくわくしています。
ちなみに、針は縫い針から自分で作ったものです。
子供の頃に作った経験を生かしてみました。
ライギョとかよく釣ったものです。
今回は、フライフィッシングでマス系を狙ってみたく思います。
そんな懐かしい思い出を噛み締めながら、オーバーヘッドキャスト。
針の重さと勢いだけで飛んでいった毛針が湖面に触れた刹那。
フィッシュオン。
その間、0.8秒です。
どんだけスレてないんでしょうか。
何回か試行しないと駄目かなと思っていたのですが。
冬場の湖面には餌があまりないのか、腹ペコさんのようです。
「う……ぉ!?」
しかも、呻く程度に重い。
針は自家製、ラインは頼りない細い毛糸。
切れないようにだけ慎重に引き込んで、引き込んで。
釣り上げるというよりも、そっと引っ張って誘導する感じで岸辺に上げてみると……。
『おおもの』
『ぬし』
『はくげい!!』
最後のだと、沈められちゃいます。
いやぁ。
しょっぱなから、三十センチ前後のマスっぽいやつがかかりました。
リサさん曰く、川でも住んでいる毒の無い美味しいやつとお墨付きを頂きました。
「面白そう……」
あたふたとお魚さんと格闘する様が良かったのか、珍しくリサさんも前向きです。
そんな事もあろうかと。
釣竿ー(濁声)。
ちゃんと二人分用意しています。
間違いなくラインは切るので、大量に用意しましたよ?
針は……。
少ないですが。
という訳で、お魚さんの食いつきが悪くなる一時間ほどの間。
二人の岸辺のダンスは続いたのでした。
私は元気です。
豪族さん?
知らない人ですね。
実際に、まだ会った事も無いですし。
もしかすると、会う事も無く排除されるかもしれないですし。
その片鱗を垣間見てしまいましたので。
いやぁ、そろそろ品薄かしらと御用聞きに行った際にですね。
「あぁ、生きていてくれたか……。助かった、本当に助かったよ」
なんて、出迎えられた訳ですよ。
領の高官さんに。
うちのかみさんがねとかいう人なので、ハンドクリームをお渡しした相手なんですが。
話を聞くと、どうやら豪族さんが私を殺して財貨を奪ったなんて話がまことしやかに囁かれているようで。
奥様から、ハンドクリームが手に入らないなら絶許とかって申し送りされていたようで。
旦那さんも気が気でなかったらしく、そりゃ顔を出したら安心顔な訳ですよ。
ちょっとした経緯を説明したら、お偉いさん方に流布してくれるそうなので頼む事にしました。
もうね。
一人一人に説明するのは面倒くさいのです。
あ。
お客様は別ですよ?
その他の有象無象です。
顧客の方々には、きちんと顔を出してご挨拶します。
引っ越し蕎麦の代わりですね。
どうも、隣に引っ越してきた新しい国でーす。
うん、斬新な感じ。
積み木とハンドクリーム絡みの人にはきちんとお会いして、事情の説明を済ませたら、おうちに帰ります。
いや、折角拠点も移ったので、新しい産物を生み出したいなと。
てちてち。
はい。
という訳で、やってきました。
湖。
朝ぼらけの薄い陽光が湖面に映り、淡く輝いているのが美しいです。
横には、ちょっと眠そうなリサさん。
いつもよりも大分早めに起こして準備していたので、ちょっと申し訳ないです。
本日は、この新アイテム。
釣竿を使っていこうかと思います。
いや、朝釣りがしたかっただけというのもありますが。
精霊さん達も何が始まるのかとわくわくしています。
ちなみに、針は縫い針から自分で作ったものです。
子供の頃に作った経験を生かしてみました。
ライギョとかよく釣ったものです。
今回は、フライフィッシングでマス系を狙ってみたく思います。
そんな懐かしい思い出を噛み締めながら、オーバーヘッドキャスト。
針の重さと勢いだけで飛んでいった毛針が湖面に触れた刹那。
フィッシュオン。
その間、0.8秒です。
どんだけスレてないんでしょうか。
何回か試行しないと駄目かなと思っていたのですが。
冬場の湖面には餌があまりないのか、腹ペコさんのようです。
「う……ぉ!?」
しかも、呻く程度に重い。
針は自家製、ラインは頼りない細い毛糸。
切れないようにだけ慎重に引き込んで、引き込んで。
釣り上げるというよりも、そっと引っ張って誘導する感じで岸辺に上げてみると……。
『おおもの』
『ぬし』
『はくげい!!』
最後のだと、沈められちゃいます。
いやぁ。
しょっぱなから、三十センチ前後のマスっぽいやつがかかりました。
リサさん曰く、川でも住んでいる毒の無い美味しいやつとお墨付きを頂きました。
「面白そう……」
あたふたとお魚さんと格闘する様が良かったのか、珍しくリサさんも前向きです。
そんな事もあろうかと。
釣竿ー(濁声)。
ちゃんと二人分用意しています。
間違いなくラインは切るので、大量に用意しましたよ?
針は……。
少ないですが。
という訳で、お魚さんの食いつきが悪くなる一時間ほどの間。
二人の岸辺のダンスは続いたのでした。
43
あなたにおすすめの小説
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
【完結】平凡な魔法使いですが、国一番の騎士に溺愛されています
空月
ファンタジー
この世界には『善い魔法使い』と『悪い魔法使い』がいる。
『悪い魔法使い』の根絶を掲げるシュターメイア王国の魔法使いフィオラ・クローチェは、ある日魔法の暴発で幼少時の姿になってしまう。こんな姿では仕事もできない――というわけで有給休暇を得たフィオラだったが、一番の友人を自称するルカ=セト騎士団長に、何故かなにくれとなく世話をされることに。
「……おまえがこんなに子ども好きだとは思わなかった」
「いや、俺は子どもが好きなんじゃないよ。君が好きだから、子どもの君もかわいく思うし好きなだけだ」
そんなことを大真面目に言う国一番の騎士に溺愛される、平々凡々な魔法使いのフィオラが、元の姿に戻るまでと、それから。
◆三部完結しました。お付き合いありがとうございました。(2024/4/4)
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
異世界で家をつくります~異世界転移したサラリーマン、念動力で街をつくってスローライフ~
ヘッドホン侍
ファンタジー
◆異世界転移したサラリーマンがサンドボックスゲームのような魔法を使って、家をつくったり街をつくったりしながら、マイペースなスローライフを送っていたらいつの間にか世界を救います◆
ーーブラック企業戦士のマコトは気が付くと異世界の森にいた。しかし、使える魔法といえば念動力のような魔法だけ。戦うことにはめっぽう向いてない。なんとか森でサバイバルしているうちに第一異世界人と出会う。それもちょうどモンスターに襲われているときに、女の子に助けられて。普通逆じゃないのー!と凹むマコトであったが、彼は知らない。守るにはめっぽう強い能力であったことを。
※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる