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第3章 セイモーと偽善者狩り
第17話 調査と仮面
「さーてどこから行こうかな……取り敢えず領主のとこまでいってみっか」
フレン爺の冤罪を晴らすために、情報を集める事になったシダ。まずはここから徒歩10分の所にある、領主館へと向かうようだ。
「ねぇ聞いて! ピクリット様が私の旦那を助けてくれたの!」
「え? ほんと? これで何人目かしらね」
「ほんと。ピクリット様が領主になってからこの地域は安心できる場所になったわよねぇ」
町の人たちの会話が聞こえてくる。
どうやら何かから救われた様だが……
他の場所でも、あちこちでピクリットは素晴らしい領主だと言う声が聞こえてくるのだ。
しかし、シダは違和感を覚えていた。
(ピクリットという人物…今のところ良い噂しか聞かないが……逆に怪しいな)
シダは少し早歩きになりながら、領主館へと向かっていた。
ガラガラ
「失礼しまーす」
「はーい。って! これはこれは。シダ様」
ただいまーと同じ感覚で領主館の中へと入ったシダ。ちょうど入り口付近にいた領主が出迎えてくれた。
「私、この地域の長を務めております、ピクリットと申します。以後お見知り置きを」
「あ、第2部隊参謀長シダです」
2人は挨拶をし合うと、握手をし、その後ピクリットが領主室へと案内してくれた。
「どうぞおかけください」
「おう。ありがとう」
部屋にはピクリット用の、なかなかに立派な椅子と机、それと客人用の椅子が2つ置いてあったが、奥の棚から自身の椅子よりも立派な椅子を取り出してシダに用意した。
さすがは参謀長様だ。もてなされ方が普通ではない。
2人は椅子に腰掛けると、本題に入った。
「それで、こちらにはどうしてこられたのですか?」
「あぁ。それなんだが、散歩をしていたら、街の人達の噂話をたくさん耳にしてな。それがどれも貴方を褒めるものばかりで、いったいどんな政策を行なっているのか気になったんだよ」
ピクリットの問いかけに、シダは、本当の目的は隠したまま、知りたい情報を探るように話を始めた。
ピクリットは、自分が参謀長から好印象を得ていると勘違いをして、それはもう自信満々の顔をしている。
「そーだったんですか。参謀長様にお褒めいただけるなんて、こんな光栄なことはありません」
(いや、まだ褒めてないし)
「それでは早速、私の行なっている政策をお話しさせていただきます」
(……。)
ピクリットは、まだ褒めてもいないのに調子に乗って語り始める。
シダは、もうすでに呆れた目で「ダメだこいつ」と心の中で思っていた。
「私が現在最優先で行なっている政策。それは罪人救出です」
(ん? 罪人救出? そういえば街の人達もそんなこと言ってたような)
「まず、町民に冤罪を掛けます」
(冤罪だと?!)
突然化けの皮が剥がれて、流石のシダも声には出さなかったが驚いた。まさかこんなに早く本性を出すとは……
そうとは知らず、ピクリットは笑顔で話を続ける。
「そして牢獄に入れた後、薬を使って記憶の改竄をして、自分が罪人であるという記憶を植えつけます」
(まさか! そんなことが出来るのか?!)
さらに衝撃の事実が判明し、ついに顔に出てしまったシダ。しかしピクリットの頭はハッピーだった。シダの驚いた顔は、自分のこの素晴らしい考えに感動していると思ったのだ。
ピクリットは最後に決め台詞でも言うように続けた。
「最後にその罪を無しにする代わりに、兵士、もしくはそれをサポートする職人として一生働くように言うのです」
(なんてこった)
「町民は救世主の私をしたい、さらに働くようになります。兵士も増え、街の人々の士気も上がる! 一石二鳥の大プロジェクトなんです!!」
(そうか。それでフレン爺に覚えのない盗みの疑いがかかったのか。謎は……解けた! キリ)
語り終えたピクリット。シダは取り敢えず拍手をしておいた。勝手に全ての真相を語ってくれたピクリットに拍手!!
力が抜け、背もたれに寄りかかりながら、シダは感想を考えていた。
「……素晴らしい政策だ! 是非とも今後もこの国のために兵力の拡大、そして値域の活性化に勤めてもらいたい」
「お任せください!」
シダからここまで言われ、ピクリットはとても満足そうに返事をした。
その後、少しお話をして、シダは領主館を出発した。
「さーて化けの皮が剥がれたピクリット氏をこれからどうしてやろうか……俺の大事な人を傷つけたらどうなるか。あの世で後悔するといい」
ぶつくさ言いながらシダは少し君悪くニヤついていた。向かう先はカランコエの秘密基地。フレン爺の救出……これがカランコエ最初のミッションだ!
「なんだと!」
あれから一夜が明け、シダはクリスと共にカラコンエの秘密基地に来て、全員の前で今回の件を話した。
叫んだのはクリスだ。恩人を傷つけられ、怒りがこみ上げてきている。どうやらクリスはシダよりも感情的のようだ。
「まぁ落ち着けって……」
シダは、机をバンッ!と叩いて立ち上がったクリスの肩を抑え、椅子(樽)に座らせた。クリスはまだ包帯を巻いているの状態なのに、暴れられるわけにはいかない。
「……っ許せねぇ」
「そのお爺さんって前に話してくれたシダさん達の恩人ですよね……」
「なんて奴だ!」
「民を騙すなんて最悪ね」
右手を握り、机に叩きつけるクリス。
以前シダからそのお爺さんの話を聞いていたヤグルとマギク。ヤグルは心配そうに俯いた。マギクはイライラしているようだ。
ローズは、お爺さんのことは分からないが、民を傷つける者を軽蔑する表情だ。
「みんな気持ちは一緒のようだな」
シダはみんなの顔を見ながらそう言うと、机をバチンッと叩いた。
「カランコエ初ミッションだ! フレン爺を救い出し、ピクリットに制裁を下せ!!」
「「「「了解!!」」」」
シダの叫びと共に、他の4人のカランコエメンバーも立ち上がり、強く返事をした。
フレン爺の冤罪を晴らすために、情報を集める事になったシダ。まずはここから徒歩10分の所にある、領主館へと向かうようだ。
「ねぇ聞いて! ピクリット様が私の旦那を助けてくれたの!」
「え? ほんと? これで何人目かしらね」
「ほんと。ピクリット様が領主になってからこの地域は安心できる場所になったわよねぇ」
町の人たちの会話が聞こえてくる。
どうやら何かから救われた様だが……
他の場所でも、あちこちでピクリットは素晴らしい領主だと言う声が聞こえてくるのだ。
しかし、シダは違和感を覚えていた。
(ピクリットという人物…今のところ良い噂しか聞かないが……逆に怪しいな)
シダは少し早歩きになりながら、領主館へと向かっていた。
ガラガラ
「失礼しまーす」
「はーい。って! これはこれは。シダ様」
ただいまーと同じ感覚で領主館の中へと入ったシダ。ちょうど入り口付近にいた領主が出迎えてくれた。
「私、この地域の長を務めております、ピクリットと申します。以後お見知り置きを」
「あ、第2部隊参謀長シダです」
2人は挨拶をし合うと、握手をし、その後ピクリットが領主室へと案内してくれた。
「どうぞおかけください」
「おう。ありがとう」
部屋にはピクリット用の、なかなかに立派な椅子と机、それと客人用の椅子が2つ置いてあったが、奥の棚から自身の椅子よりも立派な椅子を取り出してシダに用意した。
さすがは参謀長様だ。もてなされ方が普通ではない。
2人は椅子に腰掛けると、本題に入った。
「それで、こちらにはどうしてこられたのですか?」
「あぁ。それなんだが、散歩をしていたら、街の人達の噂話をたくさん耳にしてな。それがどれも貴方を褒めるものばかりで、いったいどんな政策を行なっているのか気になったんだよ」
ピクリットの問いかけに、シダは、本当の目的は隠したまま、知りたい情報を探るように話を始めた。
ピクリットは、自分が参謀長から好印象を得ていると勘違いをして、それはもう自信満々の顔をしている。
「そーだったんですか。参謀長様にお褒めいただけるなんて、こんな光栄なことはありません」
(いや、まだ褒めてないし)
「それでは早速、私の行なっている政策をお話しさせていただきます」
(……。)
ピクリットは、まだ褒めてもいないのに調子に乗って語り始める。
シダは、もうすでに呆れた目で「ダメだこいつ」と心の中で思っていた。
「私が現在最優先で行なっている政策。それは罪人救出です」
(ん? 罪人救出? そういえば街の人達もそんなこと言ってたような)
「まず、町民に冤罪を掛けます」
(冤罪だと?!)
突然化けの皮が剥がれて、流石のシダも声には出さなかったが驚いた。まさかこんなに早く本性を出すとは……
そうとは知らず、ピクリットは笑顔で話を続ける。
「そして牢獄に入れた後、薬を使って記憶の改竄をして、自分が罪人であるという記憶を植えつけます」
(まさか! そんなことが出来るのか?!)
さらに衝撃の事実が判明し、ついに顔に出てしまったシダ。しかしピクリットの頭はハッピーだった。シダの驚いた顔は、自分のこの素晴らしい考えに感動していると思ったのだ。
ピクリットは最後に決め台詞でも言うように続けた。
「最後にその罪を無しにする代わりに、兵士、もしくはそれをサポートする職人として一生働くように言うのです」
(なんてこった)
「町民は救世主の私をしたい、さらに働くようになります。兵士も増え、街の人々の士気も上がる! 一石二鳥の大プロジェクトなんです!!」
(そうか。それでフレン爺に覚えのない盗みの疑いがかかったのか。謎は……解けた! キリ)
語り終えたピクリット。シダは取り敢えず拍手をしておいた。勝手に全ての真相を語ってくれたピクリットに拍手!!
力が抜け、背もたれに寄りかかりながら、シダは感想を考えていた。
「……素晴らしい政策だ! 是非とも今後もこの国のために兵力の拡大、そして値域の活性化に勤めてもらいたい」
「お任せください!」
シダからここまで言われ、ピクリットはとても満足そうに返事をした。
その後、少しお話をして、シダは領主館を出発した。
「さーて化けの皮が剥がれたピクリット氏をこれからどうしてやろうか……俺の大事な人を傷つけたらどうなるか。あの世で後悔するといい」
ぶつくさ言いながらシダは少し君悪くニヤついていた。向かう先はカランコエの秘密基地。フレン爺の救出……これがカランコエ最初のミッションだ!
「なんだと!」
あれから一夜が明け、シダはクリスと共にカラコンエの秘密基地に来て、全員の前で今回の件を話した。
叫んだのはクリスだ。恩人を傷つけられ、怒りがこみ上げてきている。どうやらクリスはシダよりも感情的のようだ。
「まぁ落ち着けって……」
シダは、机をバンッ!と叩いて立ち上がったクリスの肩を抑え、椅子(樽)に座らせた。クリスはまだ包帯を巻いているの状態なのに、暴れられるわけにはいかない。
「……っ許せねぇ」
「そのお爺さんって前に話してくれたシダさん達の恩人ですよね……」
「なんて奴だ!」
「民を騙すなんて最悪ね」
右手を握り、机に叩きつけるクリス。
以前シダからそのお爺さんの話を聞いていたヤグルとマギク。ヤグルは心配そうに俯いた。マギクはイライラしているようだ。
ローズは、お爺さんのことは分からないが、民を傷つける者を軽蔑する表情だ。
「みんな気持ちは一緒のようだな」
シダはみんなの顔を見ながらそう言うと、机をバチンッと叩いた。
「カランコエ初ミッションだ! フレン爺を救い出し、ピクリットに制裁を下せ!!」
「「「「了解!!」」」」
シダの叫びと共に、他の4人のカランコエメンバーも立ち上がり、強く返事をした。
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