12 / 199
第五章 「はじめての依頼」(1)
しおりを挟む
1
「よう、爆笑王。この依頼ってまだ残ってるか?」
「……その呼び方はやめてくださいよ。ガンツさん。ちょっと待ってくださいね」
「くっくっく! いいじゃねぇか。その若さで称号持ちなんてそうそういねぇんだからよ」
冒険者のガンツさんにからかわれながら、僕はカウンターの奥の書棚から該当する書類を確認した。
「……えっと、牧場を荒らしまわっている暴れイノシシの討伐ですね。もう間もなく期限切れですが……、うーん、これ、うまくやれば追加報酬が出るんじゃないかな」
「しーっ!!」
僕が答えると、ガンツさんが他の冒険者に聞こえないように僕を小脇に抱え込んだ。
「うげっ」
何が悲しくて、ワックスで磨いたような禿げ頭に、上半身に革製の胸当てを付けただけでほとんど半裸に近いムキムキマッチョのおっさんに抑え込まれなければならないのか。
「……詳しく聞かせろ。どうしてそう思うんだ?」
「臭い……臭いですっ……」
「馬鹿野郎、こう見えてオレはそこらへんには結構気を使ってるんだよ」
「だから余計キツいんですよ! おっさんの脇の下からフローラルなフレグランスが漂ってくるおぞましさがわかりますか!」
「わかった、わかった、悪かったから、声がでけぇって! しーっ!」
ガンツさんが慌てて僕を解放した。
「いいですか、おっさんは何をやっても臭いんです。臭い生き物なんです。ジタバタしないでください」
「……おめぇは本当に肝が据わった野郎だな」
僕が鼻をハンカチでごしごし拭いていると、呆れたように肩をすくめて、ガンツさんが言った。
よく考えたら、洗って返そうと思ったメルのハンカチだった。……また洗い直さなきゃ。
「おめぇさんぐらいの若ぇ連中は、ちっとオレが睨みを効かせたらビビっちまうもんなんだがな」
「……ガンツさんの100倍おっかない教官に毎日しごかれてますから」
「ああ、天下無双の……。クックッ、ずいぶん可愛がられているみたいじゃねぇか」
ガンツさんは青銅星のベテラン冒険者だ。
冒険者のランクは銅星、青銅星、鋼鉄星、銀星、金星、白金星の6つの階級で分類されていて、ほとんどの冒険者は銅星冒険者。銀以上の冒険者を見ることはほとんどなく、金で国の英雄レベル、白金にもなると伝説上の人物クラスになる。
「向かいの教会が同じ暴れイノシシの依頼を先週出して、取り下げてます。たぶんこれ、近日中に教会と牧場の共同出資で依頼が出ますよ」
「……なるほどな。それじゃ、今日はコッチにしとくか。イノシシ鍋は今度にするぜ」
ガンツさんはニンマリと笑って言った。
凶悪犯罪者みたいな顔面なのに、笑うと人柄の良さが出てしまうのがこの人の特徴だ。
「邪魔したな、爆笑王。イノシシ狩ったら一杯おごるぜ」
「奥さんのキドニーパイも食べたいです」
「ガハハ!! わかった、カミさんに言っとくぜ」
ここは冒険者ギルド、アイトス第二支部。
国家事業として冒険者の育成に注力しているヴァイリス王国には、冒険者たちがモンスター討伐や失踪者探索など、さまざまな依頼を受注したり、クライアントの要望に合わせて冒険者を斡旋するための「冒険者ギルド」がアヴァロニア大陸で最も多く存在している。
ヴァイリスの首都アイトスに隣接した街であり、僕たちが通う士官学校のあるイグニア市には冒険者ギルドが2つあり、そのうちの一つがここ、イグニア第二支部だ。
そして、僕のアルバイト先でもある。
ヴァイリス士官学校の生徒、つまり士官候補生である僕たちの学費はヴァイリス王国から免除されており、逆にわずかではあるがお給金が出る。
……とはいっても、300年間の和平が続いているヴァイリス王国の士官資格とは実質冒険者資格がわりであり、警備として常駐する一般兵士か、大佐や中佐、少佐といった佐官階級以上にでもならない限り、緊急招集以外で国から給料が出ることは基本的にない。
だから、僕たち士官候補生が毎月もらっているのはあくまで、まだ冒険者として生計を立てることのできない僕たちが学校生活を無理なく送るための「お小遣い」にすぎない。
そのわずかなお小遣いというのがどのくらいかというと、武器屋でそこそこの幅広の剣を1本買えば、その月はもうお菓子は食べられないよね、ぐらいの金額だ。
そんなわけで、お金持ちの貴族ばかりのA、Bクラス以外の生徒たちはたいてい、武具の新調やそのメンテナンスでカツカツの生活を送っているのだ。
悲しいかな、剣にも魔法にも才能が見いだせなかった僕のお小遣いは貯まっていく一方だったのだが、やはり、先立つものはあるに越したことはない。
「まつおさん、お疲れさま」
「あ、ソフィアさん」
ガンツさんが受注した依頼の処理を終えて書類を整理していると、イグニア第二支部の職員で僕の上司でもあるソフィアさんがお茶の入ったカップを渡してくれた。
今日の僕の仕事はこれで終わりだ。
机仕事で硬くなった背中をぐっと伸ばして、僕は深呼吸をした。
「すっかりここに馴染んじゃったわね。……ウチで働いてからひと月も経ってないのに」
「だといいんですけど」
ソフィアさんがくすくす笑いながら、自分のカップに口をつける。
冒険者ギルドの多忙さもあって、長い藍色の髪を無造作なお団子にまとめたスタイルに洒落っ気は感じられないけれど、大人の女性の雰囲気満載の素敵な女性である。やさしいし。
「支部長も褒めてたわよ。頼りになる新人が入ってくれたって」
「ちょび……じゃなかった、支部長が?」
ちょびヒゲじじいと言いかけて、僕は思わず言い直した。
「ええ。私もそう思う。ガンツさんとあんな上手に付き合える新人なんて、正職員でもいないもの」
「あの人がおっかないのは見た目だけですから……」
「すっごく助かってる。本当に、ありがとね」
「……」
僕はソフィアさんの顔を見上げた。
……どうもおかしい。
ソフィアさんはたしかに普段からやさしいけど、今日はなんか、妙にやさしすぎる。
「それじゃ、僕はそろそろ……」
「あら、せっかくお茶を淹れたのに、飲んでいかないの?」
「あ、そうでした……」
なんとなく身の危険を感じてサッと退散しようとした僕に、ソフィアさんがにこにこしながらずずっとティーカップをスライドさせた。
うっ、退路を断たれた……。
「それでね、今日はちょっとお願いがあるんだけど……」
やっぱり。
僕はカップに口をつけようとして、やっぱりまだ熱かったので元に戻した。
ふー、ふー、と息を吹きかけて高原ハーブの香りがするお茶を冷ましながら、ソフィアさんの話の続きに耳を傾ける。
「実はギルドに銀星以上限定の緊急大口依頼が王国から入ってね、ウチの職員はこれからアイトスにある本部に行かなくちゃいけないのよ」
「……なるほど」
さっきから職員たちが慌ただしかったのはそのためか。
今も男性職員たちが受注関係の書類をごっそり箱詰めしたのを二頭立ての馬車に詰め込んでいる。
「それにしても、銀星冒険者限定の依頼って、すごいですね」
「ええ。金貨5000枚の超大口依頼だそうよ」
「ご、ごせん……」
立派なお屋敷1つ余裕で買えちゃうじゃないか。
「そ、そりゃ大変ですね……」
「そうなのよ!! わかってくれる?! しかも銀星冒険者なんて、どいつもこいつもクセの強い人たちばかりなのよ! そんな連中が各地からうじゃうじゃと……」
にこにこした表情を崩して、ソフィアさんが悲壮な顔で僕の腕をがっしりと掴んだ。
「そんなわけでね、今日はこっちの依頼は少ないと思うから、第二支部の業務はまつおさんにお願いできないかなって」
「えっ、ワンオペってことですか?」
「えへへ」
「えへへって」
ソフィアさんが片目をつぶっていたずらっぽく笑った。
ウチで働いてひと月も経ってないって、ご自身でおっしゃっていたじゃないですか。
そもそも、アルバイトの僕に全業務を任せるって、そんな無茶なことをちょびヒゲの支部長が許すわけが……。
「お願い! その分お給金は弾んでくれるって支部長もおっしゃってくれているから……」
くっ、支部長まで根回し済みか……。さすが第二支部を切り盛りしているソフィアさん。
「王国が運営している手前、ココを空けておくわけにはいかないの。ヒマだったら寝ててもいいし、応接用のお菓子も好きに食べていいから。あ、支部長のお菓子はダメよ?」
僕がさらに返答しようとするのを指で制して、「お願いね」と言ってほっぺにキスすると、ソフィアさんは自分のティーカップを片付けてそそくさと本部に出掛けて行った。
ソフィアさんのバラのフレグランスの残り香が漂ったままのギルド受付に座ったまま、僕はぼんやりと少しぬるくなった高原ハーブのお茶を飲んだ。
……大人って、ずるいよな。
「よう、爆笑王。この依頼ってまだ残ってるか?」
「……その呼び方はやめてくださいよ。ガンツさん。ちょっと待ってくださいね」
「くっくっく! いいじゃねぇか。その若さで称号持ちなんてそうそういねぇんだからよ」
冒険者のガンツさんにからかわれながら、僕はカウンターの奥の書棚から該当する書類を確認した。
「……えっと、牧場を荒らしまわっている暴れイノシシの討伐ですね。もう間もなく期限切れですが……、うーん、これ、うまくやれば追加報酬が出るんじゃないかな」
「しーっ!!」
僕が答えると、ガンツさんが他の冒険者に聞こえないように僕を小脇に抱え込んだ。
「うげっ」
何が悲しくて、ワックスで磨いたような禿げ頭に、上半身に革製の胸当てを付けただけでほとんど半裸に近いムキムキマッチョのおっさんに抑え込まれなければならないのか。
「……詳しく聞かせろ。どうしてそう思うんだ?」
「臭い……臭いですっ……」
「馬鹿野郎、こう見えてオレはそこらへんには結構気を使ってるんだよ」
「だから余計キツいんですよ! おっさんの脇の下からフローラルなフレグランスが漂ってくるおぞましさがわかりますか!」
「わかった、わかった、悪かったから、声がでけぇって! しーっ!」
ガンツさんが慌てて僕を解放した。
「いいですか、おっさんは何をやっても臭いんです。臭い生き物なんです。ジタバタしないでください」
「……おめぇは本当に肝が据わった野郎だな」
僕が鼻をハンカチでごしごし拭いていると、呆れたように肩をすくめて、ガンツさんが言った。
よく考えたら、洗って返そうと思ったメルのハンカチだった。……また洗い直さなきゃ。
「おめぇさんぐらいの若ぇ連中は、ちっとオレが睨みを効かせたらビビっちまうもんなんだがな」
「……ガンツさんの100倍おっかない教官に毎日しごかれてますから」
「ああ、天下無双の……。クックッ、ずいぶん可愛がられているみたいじゃねぇか」
ガンツさんは青銅星のベテラン冒険者だ。
冒険者のランクは銅星、青銅星、鋼鉄星、銀星、金星、白金星の6つの階級で分類されていて、ほとんどの冒険者は銅星冒険者。銀以上の冒険者を見ることはほとんどなく、金で国の英雄レベル、白金にもなると伝説上の人物クラスになる。
「向かいの教会が同じ暴れイノシシの依頼を先週出して、取り下げてます。たぶんこれ、近日中に教会と牧場の共同出資で依頼が出ますよ」
「……なるほどな。それじゃ、今日はコッチにしとくか。イノシシ鍋は今度にするぜ」
ガンツさんはニンマリと笑って言った。
凶悪犯罪者みたいな顔面なのに、笑うと人柄の良さが出てしまうのがこの人の特徴だ。
「邪魔したな、爆笑王。イノシシ狩ったら一杯おごるぜ」
「奥さんのキドニーパイも食べたいです」
「ガハハ!! わかった、カミさんに言っとくぜ」
ここは冒険者ギルド、アイトス第二支部。
国家事業として冒険者の育成に注力しているヴァイリス王国には、冒険者たちがモンスター討伐や失踪者探索など、さまざまな依頼を受注したり、クライアントの要望に合わせて冒険者を斡旋するための「冒険者ギルド」がアヴァロニア大陸で最も多く存在している。
ヴァイリスの首都アイトスに隣接した街であり、僕たちが通う士官学校のあるイグニア市には冒険者ギルドが2つあり、そのうちの一つがここ、イグニア第二支部だ。
そして、僕のアルバイト先でもある。
ヴァイリス士官学校の生徒、つまり士官候補生である僕たちの学費はヴァイリス王国から免除されており、逆にわずかではあるがお給金が出る。
……とはいっても、300年間の和平が続いているヴァイリス王国の士官資格とは実質冒険者資格がわりであり、警備として常駐する一般兵士か、大佐や中佐、少佐といった佐官階級以上にでもならない限り、緊急招集以外で国から給料が出ることは基本的にない。
だから、僕たち士官候補生が毎月もらっているのはあくまで、まだ冒険者として生計を立てることのできない僕たちが学校生活を無理なく送るための「お小遣い」にすぎない。
そのわずかなお小遣いというのがどのくらいかというと、武器屋でそこそこの幅広の剣を1本買えば、その月はもうお菓子は食べられないよね、ぐらいの金額だ。
そんなわけで、お金持ちの貴族ばかりのA、Bクラス以外の生徒たちはたいてい、武具の新調やそのメンテナンスでカツカツの生活を送っているのだ。
悲しいかな、剣にも魔法にも才能が見いだせなかった僕のお小遣いは貯まっていく一方だったのだが、やはり、先立つものはあるに越したことはない。
「まつおさん、お疲れさま」
「あ、ソフィアさん」
ガンツさんが受注した依頼の処理を終えて書類を整理していると、イグニア第二支部の職員で僕の上司でもあるソフィアさんがお茶の入ったカップを渡してくれた。
今日の僕の仕事はこれで終わりだ。
机仕事で硬くなった背中をぐっと伸ばして、僕は深呼吸をした。
「すっかりここに馴染んじゃったわね。……ウチで働いてからひと月も経ってないのに」
「だといいんですけど」
ソフィアさんがくすくす笑いながら、自分のカップに口をつける。
冒険者ギルドの多忙さもあって、長い藍色の髪を無造作なお団子にまとめたスタイルに洒落っ気は感じられないけれど、大人の女性の雰囲気満載の素敵な女性である。やさしいし。
「支部長も褒めてたわよ。頼りになる新人が入ってくれたって」
「ちょび……じゃなかった、支部長が?」
ちょびヒゲじじいと言いかけて、僕は思わず言い直した。
「ええ。私もそう思う。ガンツさんとあんな上手に付き合える新人なんて、正職員でもいないもの」
「あの人がおっかないのは見た目だけですから……」
「すっごく助かってる。本当に、ありがとね」
「……」
僕はソフィアさんの顔を見上げた。
……どうもおかしい。
ソフィアさんはたしかに普段からやさしいけど、今日はなんか、妙にやさしすぎる。
「それじゃ、僕はそろそろ……」
「あら、せっかくお茶を淹れたのに、飲んでいかないの?」
「あ、そうでした……」
なんとなく身の危険を感じてサッと退散しようとした僕に、ソフィアさんがにこにこしながらずずっとティーカップをスライドさせた。
うっ、退路を断たれた……。
「それでね、今日はちょっとお願いがあるんだけど……」
やっぱり。
僕はカップに口をつけようとして、やっぱりまだ熱かったので元に戻した。
ふー、ふー、と息を吹きかけて高原ハーブの香りがするお茶を冷ましながら、ソフィアさんの話の続きに耳を傾ける。
「実はギルドに銀星以上限定の緊急大口依頼が王国から入ってね、ウチの職員はこれからアイトスにある本部に行かなくちゃいけないのよ」
「……なるほど」
さっきから職員たちが慌ただしかったのはそのためか。
今も男性職員たちが受注関係の書類をごっそり箱詰めしたのを二頭立ての馬車に詰め込んでいる。
「それにしても、銀星冒険者限定の依頼って、すごいですね」
「ええ。金貨5000枚の超大口依頼だそうよ」
「ご、ごせん……」
立派なお屋敷1つ余裕で買えちゃうじゃないか。
「そ、そりゃ大変ですね……」
「そうなのよ!! わかってくれる?! しかも銀星冒険者なんて、どいつもこいつもクセの強い人たちばかりなのよ! そんな連中が各地からうじゃうじゃと……」
にこにこした表情を崩して、ソフィアさんが悲壮な顔で僕の腕をがっしりと掴んだ。
「そんなわけでね、今日はこっちの依頼は少ないと思うから、第二支部の業務はまつおさんにお願いできないかなって」
「えっ、ワンオペってことですか?」
「えへへ」
「えへへって」
ソフィアさんが片目をつぶっていたずらっぽく笑った。
ウチで働いてひと月も経ってないって、ご自身でおっしゃっていたじゃないですか。
そもそも、アルバイトの僕に全業務を任せるって、そんな無茶なことをちょびヒゲの支部長が許すわけが……。
「お願い! その分お給金は弾んでくれるって支部長もおっしゃってくれているから……」
くっ、支部長まで根回し済みか……。さすが第二支部を切り盛りしているソフィアさん。
「王国が運営している手前、ココを空けておくわけにはいかないの。ヒマだったら寝ててもいいし、応接用のお菓子も好きに食べていいから。あ、支部長のお菓子はダメよ?」
僕がさらに返答しようとするのを指で制して、「お願いね」と言ってほっぺにキスすると、ソフィアさんは自分のティーカップを片付けてそそくさと本部に出掛けて行った。
ソフィアさんのバラのフレグランスの残り香が漂ったままのギルド受付に座ったまま、僕はぼんやりと少しぬるくなった高原ハーブのお茶を飲んだ。
……大人って、ずるいよな。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
卒業パーティーのその後は
あんど もあ
ファンタジー
乙女ゲームの世界で、ヒロインのサンディに転生してくる人たちをいじめて幸せなエンディングへと導いてきた悪役令嬢のアルテミス。 だが、今回転生してきたサンディには匙を投げた。わがままで身勝手で享楽的、そんな人に私にいじめられる資格は無い。
そんなアルテミスだが、卒業パーティで断罪シーンがやってきて…。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
50歳元艦長、スキル【酒保】と指揮能力で異世界を生き抜く。残り物の狂犬と天然エルフを拾ったら、現代物資と戦術で最強部隊ができあがりました
月神世一
ファンタジー
「命を捨てて勝つな。生きて勝て」
50歳の元イージス艦長が、ブラックコーヒーと海軍カレー、そして『指揮能力』で異世界を席巻する!
海上自衛隊の艦長だった坂上真一(50歳)は、ある日突然、剣と魔法の異世界へ転移してしまう。
再就職先を求めて人材ギルドへ向かうも、受付嬢に言われた言葉は――
「50歳ですか? シルバー求人はやってないんですよね」
途方に暮れる坂上の前にいたのは、誰からも見放された二人の問題児。
子供の泣き声を聞くと殺戮マシーンと化す「狂犬」龍魔呂。
規格外の魔力を持つが、方向音痴で市場を破壊する「天然」エルフのルナ。
「やれやれ。手のかかる部下を持ったもんだ」
坂上は彼らを拾い、ユニークスキル【酒保(PX)】を発動する。
呼び出すのは、自衛隊の補給物資。
高品質な食料、衛生用品、そして戦場の士気を高めるコーヒーと甘味。
魔法は使えない。だが、現代の戦術と無限の補給があれば負けはない。
これは、熟練の指揮官が「残り物」たちを最強の部隊へと育て上げ、美味しいご飯を食べるだけの、大人の冒険譚。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる