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第二十三章「ジェルディク帝国遠征」(5)
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5
「なになに……、魔法学校では魔法付与があるので、武器の所持は許可されていますが、基本的に杖と魔法繊維によって編み込まれたローブ、あるいはマントの着用が必須になっています。他校から学期休暇特別講習を受ける生徒は、必ず装備、着用の上ご登校ください」
「へぇ……、いろいろと面倒なんですね」
僕の右横にくっついて、ヴァイリス魔法学園の休暇特別講習のしおりを一緒に読みながらテレーゼが言った。
何か言うべきなんだろうし、他のみんなも何か言いたげだけど、すぐに使いをやってこのしおりを持ってきてくれたのが彼女だから、何も言えない。
「魔法使いってだいたいローブやマントを着てるけど、あれってなんで?」
「理由はいくつかあるのだが……、まず、魔法術式はデリケートなものだから、金属製の鎧を付けていると干渉を起こして失敗しやすいということが挙げられる。雷属性の魔法を発動しようとして自分自身が感電してしまうという事故が発生したこともあるぐらいだからな」
僕の左横にくっついて、しおりを一緒に読みながらヴェンツェルが言った。
「なんでヴェンツェルまで一緒に見てるの?」
「私も魔法学院の学期休暇特別講習には興味があったのだ。君が行くなら私も受けようかと思ってね」
「……だからって、くっつかなくてもよくない?」
「わんこ属性なのはわかるけど、見た目が女の子にしか見えないから、なんかちょっと見ちゃいけないものを見ちゃってる気持ちになるのよね」
「……」
ユキとアリサが何か言っていて、メルが顔を赤くしながらも、ちらちらとこちらを見ている。
「自分自身に感電か……、自分自身に火球魔法を撃ったことならあるけど……」
「あの話は本当だったのか?! イグニア新聞で読んだ時は、話を面白くするために尾ひれがついたものだと思っていたが……」
「すごい、お兄様は姉を秒殺するほどの剣士なのに、火球魔法を撃てるんですか?」
「……そっちはかなり尾ひれがついてるよ。テレーゼ」
「私のことは『テレサ』って呼んでくださいね、お兄様」
「……油断のならない子だわ……」
アリサの低い声が聞こえた。
「火球魔法を撃てたのはあの一回きりだよ。未だになんで撃てたのかすらわからない」
「うーん、もともと君主は万能に近い職業だ。ベルが火球魔法を使えてもおかしくはないと思うんだが……」
ヴェンツェルが僕の顔を見上げて言った。
くそ可愛い女の子にしか見えないから、その角度でこっちを見ないでくれ。
「それで、ローブやマントを着る他の理由ってなに?」
「魔法職は魔法による長距離射程攻撃が中心になるから、後衛で戦う事が多い。前衛が機能していれば物理攻撃を食らう可能性は少なく、魔法や矢を警戒することが多くなる。熟練の魔法使いはたいてい、風属性魔法の圧縮空気魔法で自分に飛ぶ矢だけは防げるから、必然的にもっとも警戒するべきは魔法。よって魔法防御に特化したローブやマントを着用することが多くなるわけだ」
「おお、さすがヴェンツェル。わかりやすい!」
僕はヴェンツェルの頭をなでた。
最近は慣れたのか、あまり嫌がらなくなって、ちょっとだけ物足りない。
「……嫌がらなくなったわね」
「尻尾があったらきっとぶんぶんしてるわよ……」
ユキとアリサがぶつぶつ言ってる。
「あと、上質の杖やローブ、マントはそれ自体が魔法詠唱の効率を上げたり、魔力を増大させる効果がある」
「それじゃ、上質の装備を身にまとえば、お兄様はまた、火球魔法が撃てるようになるのかも!?」
「それだ!!!それやんけ!!!」
僕は思わずテレーゼの頭をごしごしとなでた。
もしかしたら、苦手な魔法の勉強をわざわざしなくても最終試験を突破できちゃったりして。
「ナイスだ、テレーゼ!」
「テレサです、お兄様」
「ナイス、テレサ!」
「……本当、油断のならない子……」
「……メル?」
(よし、そうと決まればさっそく出発だ!)
僕はすぐに出かける準備をして、魔法学校に通うための装備を揃えに、ジェルディク帝国の首都、リヒタルゼンの市街まで出た。
僕一人で行くつもりだったけど、なぜかみんながついてきた。
「そこの兄ちゃん! ヴァイリス名物、ヴァイリス焼きはどうだい?!」
「ヴァイリス名物って……、ヴァイリス国内でこんなの見たことないんだけど……」
甘藍を刻んだ上に卵を薄く焼いたものを乗せてソースをかけたものを見て、僕は思わず小声でツッコんだ。
「えっ、お兄様、ヴァイリス焼きってヴァイリスにないんですか?!」
「うーん、ちょっと似たのはあるけど、全然違うかな」
「へぇー!」
リヒタルゼン市街の活気はヴァイリスの首都アイトスに負けないぐらいすごかった。
特に驚くべきは馬車の多さと、その交通整備だった。
ヴァイリスでは貴族か豪商、兵士、冒険者の一行ぐらいしか馬車は使わないけど、一般市民らしき人たちもバンバン馬車を使っている。
「馬車が通りやすいようにきっちり舗装されていて、それに合わせて区画整理もされているから、これだけ馬車が通るのに渋滞にならないんだなぁ。すごい」
「殿、さすがに良いところを見ておられる。ベルゲングリューン市の参考になるのではないか?」
「イグニア街道とアルミノ街道が交差するからね。馬車での移動が便利なら交易や通行で訪れる人も多くなるかもしれないね」
「ベルゲングリューン……市? お兄様っていったい……」
「あんまり考えちゃだめよ、テレーゼちゃん。こいつのことを深く考えると頭がクラクラしてくるから」
ユキが人生の先輩のような顔でしみじみとテレサに語った。
「あ、雑貨屋さんがある! ベルくん、ちょっと寄ってもいい?」
「うん。僕も見てみたい」
「珈琲! 珈琲!」
アリサがウキウキしながら雑貨屋に入っていった。
さっそく店主のおじさんに、自分のお気に入りの銘柄を伝えているようだ。
「私、珈琲はちょっと苦手なんだけど、すごくいい匂いね」
店内に広がる焙煎したての珈琲豆の薫りに、紅茶党のメルが言った。
「ほう、好まぬのか? 珈琲は武人の嗜みだぞ、メル女史」
「私、舌がお子ちゃまなのかも。苦いのはちょっと苦手。ミルクを入れたら飲めるわよ」
ジルベールの問いに、メルが答えた。
メルも昔と比べて、ずいぶんみんなに対する反応が柔らかくなった気がするなぁ。
「ルッ君は珈琲飲んだことある?」
「あ、当たり前だろ! あるに決まってんじゃん」
……ないな。
「ああぁん、官能的な香りィ……、クラクラしちゃう」
「知ってるか? うんこしてるときに珈琲豆を鼻の穴に入れると臭くないんだぞ?」
「……ちょっと花京院、黙っててくれる?」
「なんだよユキ、おれの世紀の発明をバカにすんのかよー」
「あんたがお店を出禁にならないように言ってあげてんのよ!」
お店の入口でぎゃーぎゃー騒いでるジョセフィーヌたちと他人のフリをして、僕はアリサが入っていったお店の奥に足を踏み入れた。
「へぇー、珈琲の豆ってこんなに種類があるの?」
僕は一つ一つの豆を吟味しているアリサに尋ねた。
「商業的に使われている珈琲豆の種類って、実は2種類しかないの。その片方か、両方をブレンドしたものが使われるんだけど……」
アリサは答える。
「生産地によって風味や酸味、苦味、甘みが全然違ってくるのよ。ジェルディク帝国の中心地は寒冷地が多いけど、南方には熱帯や高山地帯がたくさんあって、そこで取れる珈琲豆が絶品なの」
「姉さん詳しいねぇ! そんな姉さんにオススメの逸品があるんだが……」
店主に案内されて、アリサがにこにこしながらついていった。
あんなにはしゃいでいる彼女が見られただけでも、ジェルディク帝国に来た甲斐があったと思う。
「お兄様、街の人に聞いてみたんですけど、あちらにあるお店が魔法使い用品で一番のお店なんですって」
遅れてお店に入ってきたゾフィアとテレサが僕に寄ってきた。
「あれ、ゾフィアがオススメの防具店を案内してくれるはずだったんじゃ?」
「ああ、そのつもりだったんだが……、どうやら魔法使いは防具店より専門店のほうが質がいいらしくてな。防具店の方はキム殿だけ案内してきたところだ」
僕はテレサが指差した、向かいにあるお店の外装を眺めた。
何と書いてあるのかすらわからない、古ぼけた看板とボロボロの建物。
ぱっと見ただけでは何のお店かまったくわからない。
「と、とりあえず、行ってみるか……」
僕は珈琲に夢中なアリサや静かにお店の品々を見ているメルとジルベール、入り口でギャーギャー騒いでいていつ全員出禁になってもおかしくないユキとルッ君、花京院、ジョセフィーヌをそのままにして、その魔法使い用品専門店に向かった。
ちなみに、ヴェンツェルは何も言わなくてもついてきた。
「なになに……、魔法学校では魔法付与があるので、武器の所持は許可されていますが、基本的に杖と魔法繊維によって編み込まれたローブ、あるいはマントの着用が必須になっています。他校から学期休暇特別講習を受ける生徒は、必ず装備、着用の上ご登校ください」
「へぇ……、いろいろと面倒なんですね」
僕の右横にくっついて、ヴァイリス魔法学園の休暇特別講習のしおりを一緒に読みながらテレーゼが言った。
何か言うべきなんだろうし、他のみんなも何か言いたげだけど、すぐに使いをやってこのしおりを持ってきてくれたのが彼女だから、何も言えない。
「魔法使いってだいたいローブやマントを着てるけど、あれってなんで?」
「理由はいくつかあるのだが……、まず、魔法術式はデリケートなものだから、金属製の鎧を付けていると干渉を起こして失敗しやすいということが挙げられる。雷属性の魔法を発動しようとして自分自身が感電してしまうという事故が発生したこともあるぐらいだからな」
僕の左横にくっついて、しおりを一緒に読みながらヴェンツェルが言った。
「なんでヴェンツェルまで一緒に見てるの?」
「私も魔法学院の学期休暇特別講習には興味があったのだ。君が行くなら私も受けようかと思ってね」
「……だからって、くっつかなくてもよくない?」
「わんこ属性なのはわかるけど、見た目が女の子にしか見えないから、なんかちょっと見ちゃいけないものを見ちゃってる気持ちになるのよね」
「……」
ユキとアリサが何か言っていて、メルが顔を赤くしながらも、ちらちらとこちらを見ている。
「自分自身に感電か……、自分自身に火球魔法を撃ったことならあるけど……」
「あの話は本当だったのか?! イグニア新聞で読んだ時は、話を面白くするために尾ひれがついたものだと思っていたが……」
「すごい、お兄様は姉を秒殺するほどの剣士なのに、火球魔法を撃てるんですか?」
「……そっちはかなり尾ひれがついてるよ。テレーゼ」
「私のことは『テレサ』って呼んでくださいね、お兄様」
「……油断のならない子だわ……」
アリサの低い声が聞こえた。
「火球魔法を撃てたのはあの一回きりだよ。未だになんで撃てたのかすらわからない」
「うーん、もともと君主は万能に近い職業だ。ベルが火球魔法を使えてもおかしくはないと思うんだが……」
ヴェンツェルが僕の顔を見上げて言った。
くそ可愛い女の子にしか見えないから、その角度でこっちを見ないでくれ。
「それで、ローブやマントを着る他の理由ってなに?」
「魔法職は魔法による長距離射程攻撃が中心になるから、後衛で戦う事が多い。前衛が機能していれば物理攻撃を食らう可能性は少なく、魔法や矢を警戒することが多くなる。熟練の魔法使いはたいてい、風属性魔法の圧縮空気魔法で自分に飛ぶ矢だけは防げるから、必然的にもっとも警戒するべきは魔法。よって魔法防御に特化したローブやマントを着用することが多くなるわけだ」
「おお、さすがヴェンツェル。わかりやすい!」
僕はヴェンツェルの頭をなでた。
最近は慣れたのか、あまり嫌がらなくなって、ちょっとだけ物足りない。
「……嫌がらなくなったわね」
「尻尾があったらきっとぶんぶんしてるわよ……」
ユキとアリサがぶつぶつ言ってる。
「あと、上質の杖やローブ、マントはそれ自体が魔法詠唱の効率を上げたり、魔力を増大させる効果がある」
「それじゃ、上質の装備を身にまとえば、お兄様はまた、火球魔法が撃てるようになるのかも!?」
「それだ!!!それやんけ!!!」
僕は思わずテレーゼの頭をごしごしとなでた。
もしかしたら、苦手な魔法の勉強をわざわざしなくても最終試験を突破できちゃったりして。
「ナイスだ、テレーゼ!」
「テレサです、お兄様」
「ナイス、テレサ!」
「……本当、油断のならない子……」
「……メル?」
(よし、そうと決まればさっそく出発だ!)
僕はすぐに出かける準備をして、魔法学校に通うための装備を揃えに、ジェルディク帝国の首都、リヒタルゼンの市街まで出た。
僕一人で行くつもりだったけど、なぜかみんながついてきた。
「そこの兄ちゃん! ヴァイリス名物、ヴァイリス焼きはどうだい?!」
「ヴァイリス名物って……、ヴァイリス国内でこんなの見たことないんだけど……」
甘藍を刻んだ上に卵を薄く焼いたものを乗せてソースをかけたものを見て、僕は思わず小声でツッコんだ。
「えっ、お兄様、ヴァイリス焼きってヴァイリスにないんですか?!」
「うーん、ちょっと似たのはあるけど、全然違うかな」
「へぇー!」
リヒタルゼン市街の活気はヴァイリスの首都アイトスに負けないぐらいすごかった。
特に驚くべきは馬車の多さと、その交通整備だった。
ヴァイリスでは貴族か豪商、兵士、冒険者の一行ぐらいしか馬車は使わないけど、一般市民らしき人たちもバンバン馬車を使っている。
「馬車が通りやすいようにきっちり舗装されていて、それに合わせて区画整理もされているから、これだけ馬車が通るのに渋滞にならないんだなぁ。すごい」
「殿、さすがに良いところを見ておられる。ベルゲングリューン市の参考になるのではないか?」
「イグニア街道とアルミノ街道が交差するからね。馬車での移動が便利なら交易や通行で訪れる人も多くなるかもしれないね」
「ベルゲングリューン……市? お兄様っていったい……」
「あんまり考えちゃだめよ、テレーゼちゃん。こいつのことを深く考えると頭がクラクラしてくるから」
ユキが人生の先輩のような顔でしみじみとテレサに語った。
「あ、雑貨屋さんがある! ベルくん、ちょっと寄ってもいい?」
「うん。僕も見てみたい」
「珈琲! 珈琲!」
アリサがウキウキしながら雑貨屋に入っていった。
さっそく店主のおじさんに、自分のお気に入りの銘柄を伝えているようだ。
「私、珈琲はちょっと苦手なんだけど、すごくいい匂いね」
店内に広がる焙煎したての珈琲豆の薫りに、紅茶党のメルが言った。
「ほう、好まぬのか? 珈琲は武人の嗜みだぞ、メル女史」
「私、舌がお子ちゃまなのかも。苦いのはちょっと苦手。ミルクを入れたら飲めるわよ」
ジルベールの問いに、メルが答えた。
メルも昔と比べて、ずいぶんみんなに対する反応が柔らかくなった気がするなぁ。
「ルッ君は珈琲飲んだことある?」
「あ、当たり前だろ! あるに決まってんじゃん」
……ないな。
「ああぁん、官能的な香りィ……、クラクラしちゃう」
「知ってるか? うんこしてるときに珈琲豆を鼻の穴に入れると臭くないんだぞ?」
「……ちょっと花京院、黙っててくれる?」
「なんだよユキ、おれの世紀の発明をバカにすんのかよー」
「あんたがお店を出禁にならないように言ってあげてんのよ!」
お店の入口でぎゃーぎゃー騒いでるジョセフィーヌたちと他人のフリをして、僕はアリサが入っていったお店の奥に足を踏み入れた。
「へぇー、珈琲の豆ってこんなに種類があるの?」
僕は一つ一つの豆を吟味しているアリサに尋ねた。
「商業的に使われている珈琲豆の種類って、実は2種類しかないの。その片方か、両方をブレンドしたものが使われるんだけど……」
アリサは答える。
「生産地によって風味や酸味、苦味、甘みが全然違ってくるのよ。ジェルディク帝国の中心地は寒冷地が多いけど、南方には熱帯や高山地帯がたくさんあって、そこで取れる珈琲豆が絶品なの」
「姉さん詳しいねぇ! そんな姉さんにオススメの逸品があるんだが……」
店主に案内されて、アリサがにこにこしながらついていった。
あんなにはしゃいでいる彼女が見られただけでも、ジェルディク帝国に来た甲斐があったと思う。
「お兄様、街の人に聞いてみたんですけど、あちらにあるお店が魔法使い用品で一番のお店なんですって」
遅れてお店に入ってきたゾフィアとテレサが僕に寄ってきた。
「あれ、ゾフィアがオススメの防具店を案内してくれるはずだったんじゃ?」
「ああ、そのつもりだったんだが……、どうやら魔法使いは防具店より専門店のほうが質がいいらしくてな。防具店の方はキム殿だけ案内してきたところだ」
僕はテレサが指差した、向かいにあるお店の外装を眺めた。
何と書いてあるのかすらわからない、古ぼけた看板とボロボロの建物。
ぱっと見ただけでは何のお店かまったくわからない。
「と、とりあえず、行ってみるか……」
僕は珈琲に夢中なアリサや静かにお店の品々を見ているメルとジルベール、入り口でギャーギャー騒いでいていつ全員出禁になってもおかしくないユキとルッ君、花京院、ジョセフィーヌをそのままにして、その魔法使い用品専門店に向かった。
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