ツンデレヒロインの逆襲

朽木昴

文字の大きさ
上 下
47 / 83
第4話 生徒会役員は個性が強い

生徒会役員は個性が強い 12ページ目

しおりを挟む
「えっと、葵ちゃん。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

「うん、式の日取りだよね? 大丈夫、今空いてる式場を探し──」

「ちっがーーーーーーう! だから結婚できる年齢じゃないからっ」

「ほらやっぱり、ツンデレ会長は節操がなさすぎだよー」

「私は一途なタイプなんですからねっ」

 エセお嬢様の綾崎さんは、何かとイチャモンつけてくるよね。ツンデレ嫌いとはいえ、ここまでくるとある意味イジメにしか思えないよ。だけど、今は綾崎さんよりも復讐の方が大事! とりあえず、葵ちゃんと一緒で放置プレイしとこうっと。

「朱音先輩、停学と退学の話なんですけど、私も廃止したいと思ってるんです。だってそれは、逃げ道を与えてるのとなんら変わりませんからねー」

 逃げ道って……。奈乃ちゃんはいったい何を言ってるの。

 待って、そうか、わかったよ。これは奈乃ちゃんちゃんから私向けたメッセージなんだよ。だって、いくら復讐しようとしても、停学や退学で逃げられたら意味がない。そういうことなのねっ。

「そうね、奈乃ちゃんの言う通りだよ。私、停学と退学の廃止に賛成するっ! 早紀先輩と葵ちゃんは反対なのかな?」

「ボクは会長の意見に賛成してただけ、だよ。だから、会長が賛成するなら、もちろん賛成するよ」

「サキも賛成するのだー。停学とか退学って可哀想なんだもーん」

「ありがとっ。これで反対する人は──管君だけね」

「ひどいですよー。僕は大賛成って言ったじゃないですかー。しかも、ちゃんと理由まで西園寺会長に伝えたのにー」

「ホント、ツンデレ会長はひどいよねー。でも安心していいよ、陽琥君。私だけは何があってもアナタの味方だからね」

 なんなのよ、このあからさまに挑発するような態度は……。

 管君に密着することないじゃないのっ! まるで私に見せつけてるような──っと、スルーよ、朱音、あんなエセお嬢様なんてスルー一択なんだからっ。

「あれっ、そうだっけ? 私の記憶にはまったくないんだけど。なーんてねっ、これはツンデレ流ジョークだよっ」

「どこにツンデレ要素があるんですかー! ツンしかないですよー」

「スガ君は、ボ、ク、の、会長にデレを求めるのかな?」

 あははは、葵ちゃんの変なスイッチが入ったみたい。

 ここは大人しく葵ちゃんに任せようかな。

 だって、うっかり変なこと言っちゃったら──。

 ん? 変なことって何? そうか、私としたことが、すでに思考回路がパンクしてるみたいね。もぅ、こんなこと考えるなんて、ぜーんぶ留年高校生が悪いんだからっ。
しおりを挟む

処理中です...