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「エピローグ 最後に笑えりゃ勝ちなのよ」
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「エピローグ 最後に笑えりゃ勝ちなのよ」
洋孝拉致事件から半年がたった。相変わらず「まかせて屋」は困ったときの最後の「頼みの綱」との口コミで依頼を受けきれないほど繁盛しており、スタッフも増え6名体制で業務をこなしている。
そんな中、門真で本当に困ったときには「ウルトラマン」が現れるという都市伝説がネット界を賑わしていた。「門真 ウルトラマン」で検索をかけると、SNSや個人ブログや巨大掲示板のスレッドによる書き込みで多種多様な「ウルトラマン伝説」が検索に引っかかる。
ここ数カ月にアップされた「ウルトラマン」による門真市内で起こった謎の「事件解決事例」の一例を上げると、
「ウルトラマンにお願いしたら鬱陶しい「ストーカー」行為が止まった」
「ウルトラマンのおかげで隣のゴミ屋敷の「迷惑じじい」が居なくなった」
「ウルトラマンが近所のいたずら狸をやっつけてくれて、今年の畑は豊作だ」
などと何処まで本当のことかわからないが、いろんな事が門真を中心に起こっているらしい。
忙しい「まかせて屋」の業務の合間を縫って、半期決算の試算表を持って久しぶりに金城司法書士事務所を訪れた蘭に森と副島が楽しそうに尋ねて来た。
「蘭ちゃん、いろんなところで大活躍やないですか!」
「羽藤さん、最近、なんやかんやと暴れまわってるみたいやな?」
連続して、身に覚えのない案件を副島と森から突きつけられて蘭は困ってしまい、正直に「蘭の仕業でないもの」については関与を否定した。
「今聞かれたことのほとんどは「私」じゃないですよ。きっと門真のみんなが「ヒーロー意識」を持って、自主的に活動する様になったってことじゃないですか?「ニコニコガールズ」とか「やろうぜ会」に「何とか大学ヒーロー部」って人達が頑張ってるみたいですよ。
少なくとも門真市の「軽犯罪」の発生率は大阪の平均以下になったみたいですから、それだけでも良かったと思いますよ。
私の銃もほとんどが弾丸を打ち尽くしてしもて、今は銃身に鉄棒を入れて、トリガー機構と給弾装置を外した「無可動実銃」になってますからね。
自慢のコレクションで残ってるのは50口径対物ライフルのTAC50と実弾が20発くらいですから、もう「ウルトラマン」も引退直前ってなもんですよ。」
と答えた瞬間、森のスマホが鳴った。
暫くややこしそうな言葉が飛び交い、5分以上話し込んだ後、電話を切った森が蘭に言った。
「原先生からの電話だったんですけど、その20発使わせてください。また、違法駐車問題です。コンビニの駐車場にずっと違法駐車を繰り返すやくざ絡みのダンプが4台ほどいるみたいです。
今度は100万円の案件なんで成功の暁には向日葵寿司で中トロ、いくら、アワビ、ウニの食べ放題ですよ!」
森の言葉を受け、副島も一緒になって蘭に手を合わせ頭を下げた。
「すまんけど、羽藤さん助けたってもらえるやろか?原先生も「やくざ」と「違法駐車」だけは「法律では裁かれへん。」っていつも言うからなぁ…。いつぞやのベンツの事件の時みたいに2キロ先から「バン、バン、バン」ってな!」
「はいはい、森先生と副島のおっちゃんの依頼じゃ断ることはできませんからねー!じゃあ、今回もお兄ちゃんには内緒の案件という事で!住所と詳しい状況を教えてもらえますか?」
応接に上がると、いつものように「科学特捜隊」と「ウルトラマン」の会議が始まった。「あーでもない」、「こーでもない」と議論は白熱し、約2時間後に現地視察に蘭と副島は出かけた。
その5日後、原の依頼先のコンビニの4台のダンプの違法駐車は無くなり、向日葵寿司で金城事務所の奢りで楽しく飲み食いする4人の姿があった。
洋孝がトイレに立ち席を外した間に副島が蘭に尋ねた。
「以前、羽藤さんが言うてた「ウルトラマン」でお金を貯めたらやりたかったことって何やったん?今回の20発で「ウルトラマン」の「対怪獣」業務はお終いってことやったら、その「目標」には届いたんかちょっと気になってたんよ。」
副島の質問に森も強い興味を示した。二人の強い視線に負け、蘭は少し照れた表情になって、小さな声で呟いた。
「お兄ちゃんには絶対に内緒にしといて欲しいねんけど、「ウルトラマン」引退したら、私、「普通の人」になって、お兄ちゃんに交際を申し込もうと思ってるねん。血は繋がってるけど、戸籍上は他人やからね…。お金は将来の「結婚資金」って…」
っと言いかけたところに、洋孝が蘭の背後に戻ってきていることに気が付いた。
「えっ、蘭ちゃん、結婚資金貯めてんの?もしかして「彼氏」とか居ったりするん?えー、それはショックやなぁ…。僕、実は蘭ちゃんに近々告白しようと思ってたんやけど…。ガーン……。」
と草食系らしく、それ以上攻めきれない洋孝に気を使い、森は4人分の勘定を済ませると副島は大将に
「この後は2人に好きなもん食べさせたって。とりあえず、5万円預けていっとくわな。」
と耳打ちすると、副島は笑顔で
「じゃあ、万丈社長、羽藤さん、後は二人で仲良く好きなもん食べていってな。おいちゃんらは、なんかめでたい気分になってきたからお祝いに立ち飲み屋に行ってくるわ。じゃあ、お二人さん、「幸せ」になるんやで!じゃあ、お先に失礼さん!」
と蘭と洋孝に声をかけて店を出ていった。
その後、ニコニコ商店街で笑顔で腕を組んで歩く蘭と洋孝の姿がたびたび見られるようになったという。本来の24歳を迎える元の誕生日に蘭は7年ぶりに「万丈」姓に戻ることになった。結婚式の蘭のスピーチの最後を締めくくる言葉は
「どんな困難が降りかかり、大変な目に遭い続けてもあきらめず、「最後に笑えりゃ勝ちなのよ!」ってね。私、「普通」に幸せになります!」
だったらしい。
「まかせて屋」も大繁盛して「まかせて屋」の代理店の第1号がその年に門真北部にでき、その年のうちに4店の代理店が開店した。
その裏で「ウルトラマン」事業も実は継続している。
副島と森が中古で買ってきた金属加工用の旋盤や多種多様な金属加工機で沖縄の米軍キャンプ付近の土産物屋で買ってきた各種銃弾のアクセサリーを加工していることは、決して表にはできない事実として蘭と森と副島と原の4人の秘密であり、今も門真には、本当に困った人の元に「やさしく」、「キュート」で「かわいいウルトラマン」がやってくるとの都市伝説は残り続けている。
おしまい
「おまけ」
ラストまでお読みいただきありがとうございました!
一応、「ハッピーエンド」ということで!
では、「あとがきのようなもの」&「ぐだぐだ」でまたお会いしましょう!
(⋈◍>◡<◍)。✧♡
洋孝拉致事件から半年がたった。相変わらず「まかせて屋」は困ったときの最後の「頼みの綱」との口コミで依頼を受けきれないほど繁盛しており、スタッフも増え6名体制で業務をこなしている。
そんな中、門真で本当に困ったときには「ウルトラマン」が現れるという都市伝説がネット界を賑わしていた。「門真 ウルトラマン」で検索をかけると、SNSや個人ブログや巨大掲示板のスレッドによる書き込みで多種多様な「ウルトラマン伝説」が検索に引っかかる。
ここ数カ月にアップされた「ウルトラマン」による門真市内で起こった謎の「事件解決事例」の一例を上げると、
「ウルトラマンにお願いしたら鬱陶しい「ストーカー」行為が止まった」
「ウルトラマンのおかげで隣のゴミ屋敷の「迷惑じじい」が居なくなった」
「ウルトラマンが近所のいたずら狸をやっつけてくれて、今年の畑は豊作だ」
などと何処まで本当のことかわからないが、いろんな事が門真を中心に起こっているらしい。
忙しい「まかせて屋」の業務の合間を縫って、半期決算の試算表を持って久しぶりに金城司法書士事務所を訪れた蘭に森と副島が楽しそうに尋ねて来た。
「蘭ちゃん、いろんなところで大活躍やないですか!」
「羽藤さん、最近、なんやかんやと暴れまわってるみたいやな?」
連続して、身に覚えのない案件を副島と森から突きつけられて蘭は困ってしまい、正直に「蘭の仕業でないもの」については関与を否定した。
「今聞かれたことのほとんどは「私」じゃないですよ。きっと門真のみんなが「ヒーロー意識」を持って、自主的に活動する様になったってことじゃないですか?「ニコニコガールズ」とか「やろうぜ会」に「何とか大学ヒーロー部」って人達が頑張ってるみたいですよ。
少なくとも門真市の「軽犯罪」の発生率は大阪の平均以下になったみたいですから、それだけでも良かったと思いますよ。
私の銃もほとんどが弾丸を打ち尽くしてしもて、今は銃身に鉄棒を入れて、トリガー機構と給弾装置を外した「無可動実銃」になってますからね。
自慢のコレクションで残ってるのは50口径対物ライフルのTAC50と実弾が20発くらいですから、もう「ウルトラマン」も引退直前ってなもんですよ。」
と答えた瞬間、森のスマホが鳴った。
暫くややこしそうな言葉が飛び交い、5分以上話し込んだ後、電話を切った森が蘭に言った。
「原先生からの電話だったんですけど、その20発使わせてください。また、違法駐車問題です。コンビニの駐車場にずっと違法駐車を繰り返すやくざ絡みのダンプが4台ほどいるみたいです。
今度は100万円の案件なんで成功の暁には向日葵寿司で中トロ、いくら、アワビ、ウニの食べ放題ですよ!」
森の言葉を受け、副島も一緒になって蘭に手を合わせ頭を下げた。
「すまんけど、羽藤さん助けたってもらえるやろか?原先生も「やくざ」と「違法駐車」だけは「法律では裁かれへん。」っていつも言うからなぁ…。いつぞやのベンツの事件の時みたいに2キロ先から「バン、バン、バン」ってな!」
「はいはい、森先生と副島のおっちゃんの依頼じゃ断ることはできませんからねー!じゃあ、今回もお兄ちゃんには内緒の案件という事で!住所と詳しい状況を教えてもらえますか?」
応接に上がると、いつものように「科学特捜隊」と「ウルトラマン」の会議が始まった。「あーでもない」、「こーでもない」と議論は白熱し、約2時間後に現地視察に蘭と副島は出かけた。
その5日後、原の依頼先のコンビニの4台のダンプの違法駐車は無くなり、向日葵寿司で金城事務所の奢りで楽しく飲み食いする4人の姿があった。
洋孝がトイレに立ち席を外した間に副島が蘭に尋ねた。
「以前、羽藤さんが言うてた「ウルトラマン」でお金を貯めたらやりたかったことって何やったん?今回の20発で「ウルトラマン」の「対怪獣」業務はお終いってことやったら、その「目標」には届いたんかちょっと気になってたんよ。」
副島の質問に森も強い興味を示した。二人の強い視線に負け、蘭は少し照れた表情になって、小さな声で呟いた。
「お兄ちゃんには絶対に内緒にしといて欲しいねんけど、「ウルトラマン」引退したら、私、「普通の人」になって、お兄ちゃんに交際を申し込もうと思ってるねん。血は繋がってるけど、戸籍上は他人やからね…。お金は将来の「結婚資金」って…」
っと言いかけたところに、洋孝が蘭の背後に戻ってきていることに気が付いた。
「えっ、蘭ちゃん、結婚資金貯めてんの?もしかして「彼氏」とか居ったりするん?えー、それはショックやなぁ…。僕、実は蘭ちゃんに近々告白しようと思ってたんやけど…。ガーン……。」
と草食系らしく、それ以上攻めきれない洋孝に気を使い、森は4人分の勘定を済ませると副島は大将に
「この後は2人に好きなもん食べさせたって。とりあえず、5万円預けていっとくわな。」
と耳打ちすると、副島は笑顔で
「じゃあ、万丈社長、羽藤さん、後は二人で仲良く好きなもん食べていってな。おいちゃんらは、なんかめでたい気分になってきたからお祝いに立ち飲み屋に行ってくるわ。じゃあ、お二人さん、「幸せ」になるんやで!じゃあ、お先に失礼さん!」
と蘭と洋孝に声をかけて店を出ていった。
その後、ニコニコ商店街で笑顔で腕を組んで歩く蘭と洋孝の姿がたびたび見られるようになったという。本来の24歳を迎える元の誕生日に蘭は7年ぶりに「万丈」姓に戻ることになった。結婚式の蘭のスピーチの最後を締めくくる言葉は
「どんな困難が降りかかり、大変な目に遭い続けてもあきらめず、「最後に笑えりゃ勝ちなのよ!」ってね。私、「普通」に幸せになります!」
だったらしい。
「まかせて屋」も大繁盛して「まかせて屋」の代理店の第1号がその年に門真北部にでき、その年のうちに4店の代理店が開店した。
その裏で「ウルトラマン」事業も実は継続している。
副島と森が中古で買ってきた金属加工用の旋盤や多種多様な金属加工機で沖縄の米軍キャンプ付近の土産物屋で買ってきた各種銃弾のアクセサリーを加工していることは、決して表にはできない事実として蘭と森と副島と原の4人の秘密であり、今も門真には、本当に困った人の元に「やさしく」、「キュート」で「かわいいウルトラマン」がやってくるとの都市伝説は残り続けている。
おしまい
「おまけ」
ラストまでお読みいただきありがとうございました!
一応、「ハッピーエンド」ということで!
では、「あとがきのようなもの」&「ぐだぐだ」でまたお会いしましょう!
(⋈◍>◡<◍)。✧♡
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