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『小浜へ』
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『小浜へ』
今日は、年に何度かあるお父ちゃんのネイチャーガイドの全国交流会に相乗りして、福井県の小浜にむけて家族3人でやってきた。
前日に女満別空港から千歳空港へ。千歳空港から小松空港へ飛行機を乗り継ぎ、小松空港でレンタカーを借りて国道8号線を南下して、かつての昭和の王道ドラマ「火曜サスペンス」のラストシーンご用達の「犯人の自白」そして「投身自殺」する飛び降り自殺の名所とも言われる、景勝地「東尋坊」を散策した。
「お母ちゃん、この崖の下にはお母ちゃんみたいな「浮遊霊」や自殺者の「地縛霊」がたくさん居るの?
お母ちゃんが若かったころは、毎週のように、ドラマの中でここで飛び降りて死んでたんやろ?年に50人死んでたら「霊」だらけで凄いことになってるんやろな!クスクスクス。」
とふざけてさとみが質問をするとかずみが青い顔をして呟き震えて見せた。
「さとみ…、あんた「最悪の霊」が憑りついてるで…。」
さとみは急に不安になった。
「えっ、まじ…。お母ちゃん、その霊に離れるように言うたってや。お母ちゃんひとりでも大変やのに、さらに増えたら私困ってしまうがな…。」
涙目でかずみに訴えるが、かずみは諦めたような表情で、さとみから視線を斜め下に外して呟き直した。
「あかん、お母ちゃん日本語しか話されへんから、よう説得できへんわ…。さとみ、運がなかったと思って諦めや…。」
「えっ、外人の「霊」なん?そんな、滅茶苦茶厄介やん。うわーん、お父ちゃん、なんとかして!しくしくしく。」
泣き出したさとみに直は
「僕の知ってる記録ではここで外人の自殺者が出たって話は聞いたことないよ。僕は仏教徒だから「南無阿弥陀仏」と言って通じるかどうか…。かずみ、いったい何人の霊が憑り付いてるんだ?」
と困った顔をしている。かずみは、申し訳なさそうにさとみに話した後、大笑いし始めた。
「外人やない…。さとみみたいに丸々太った「トリケラトプス」の霊やからどうしようもないわ。カラカラカラ。」
だまされたと知ったさとみは憤慨したが、かずみは1ミリも悪いとは思っておらず、その後は、福井県勝山の「恐竜博物館」に移動し見学することになった。
初日の昼は武生で福井のソウルフード「ボルガライス」を食べ、三方五湖をドライブして、アットホームな雰囲気の有機栽培の米や野菜を使うことと地酒提供で有名な民宿に泊まった。
例の如く、かずみはさとみの身体を借りて、直と晩酌で盛り上がりつい飲み過ぎてしまい、かずみの憑依が解けた後、さとみは「ゲロゲロ地獄」の目に遭った。
2日目は、民宿が用意してくれた熊笹茶と熱い濃い目の味噌汁でさとみの二日酔いは早々に回復し、早朝に民宿を出発し朝一番から3人でいろいろと観光して回った。
熊川宿の旧街道の街並みを散策し、「番所」を再現した建物の前で写真を撮り、道の駅で「鯖寿司」を食べた。
その後、名水百選に選ばれた瓜割の滝で、冷たくさっぱりとした中にかすかな甘みを感じる清水を味わい、妙楽寺でかつては33年に一度しか開帳されなかったという金ピカの「二十四面千手観音菩薩立像」を拝観し、田烏の棚田で素晴らしいコントラストの真っ青な海と緑の棚田の景色を堪能した。
北海道・知床の大自然もいいものだが、北海道斜里町で生まれ育った直はともかく、大阪生まれの大阪育ちのお母ちゃんとさとみは、自然だけでなく、いろいろなものが見れる「幕の内弁当」的な旅行が性に合っている。行く先々でお母ちゃんとさとみは、「〇〇最高!」、「めっちゃ、美味しい!」を連発して大はしゃぎだ。
浮遊霊のお母ちゃんは、身体の実体が無いので、自分では食べたり飲んだり触ったりはできないので、その都度、娘のさとみに憑依しては小浜の旨いものを楽しんでいる。はたから見ると、お母ちゃんの姿は見えず、声も聞こえないので父娘の2人組にしか見えないので、お母ちゃんも含めた3人での会話を耳にした人は、「???」となる人が多く、怪訝な顔をして足早に立ち去っていく。
超特急で午前中の観光を終え、午後からの直の本来の目的の蘇洞門観光の遊覧船に乗るために、小浜市の中心部に入り、フィッシャーマンズワーフに向かった。直の職業である「ネイチャーガイド」とは、ツアー客グループだけでなく、個人や任意のグループの専属ガイドを務めることも多く、ホームグランドの知床では、知床五胡から摩周湖、屈斜路湖、時には阿寒湖くらいまでの散策ガイド兼運転手兼ドライブガイドをしたり、外海のクルーズやカヌー、カヤックという水上のガイドまで幅広くこなしている。
今日は、年に何度かあるお父ちゃんのネイチャーガイドの全国交流会に相乗りして、福井県の小浜にむけて家族3人でやってきた。
前日に女満別空港から千歳空港へ。千歳空港から小松空港へ飛行機を乗り継ぎ、小松空港でレンタカーを借りて国道8号線を南下して、かつての昭和の王道ドラマ「火曜サスペンス」のラストシーンご用達の「犯人の自白」そして「投身自殺」する飛び降り自殺の名所とも言われる、景勝地「東尋坊」を散策した。
「お母ちゃん、この崖の下にはお母ちゃんみたいな「浮遊霊」や自殺者の「地縛霊」がたくさん居るの?
お母ちゃんが若かったころは、毎週のように、ドラマの中でここで飛び降りて死んでたんやろ?年に50人死んでたら「霊」だらけで凄いことになってるんやろな!クスクスクス。」
とふざけてさとみが質問をするとかずみが青い顔をして呟き震えて見せた。
「さとみ…、あんた「最悪の霊」が憑りついてるで…。」
さとみは急に不安になった。
「えっ、まじ…。お母ちゃん、その霊に離れるように言うたってや。お母ちゃんひとりでも大変やのに、さらに増えたら私困ってしまうがな…。」
涙目でかずみに訴えるが、かずみは諦めたような表情で、さとみから視線を斜め下に外して呟き直した。
「あかん、お母ちゃん日本語しか話されへんから、よう説得できへんわ…。さとみ、運がなかったと思って諦めや…。」
「えっ、外人の「霊」なん?そんな、滅茶苦茶厄介やん。うわーん、お父ちゃん、なんとかして!しくしくしく。」
泣き出したさとみに直は
「僕の知ってる記録ではここで外人の自殺者が出たって話は聞いたことないよ。僕は仏教徒だから「南無阿弥陀仏」と言って通じるかどうか…。かずみ、いったい何人の霊が憑り付いてるんだ?」
と困った顔をしている。かずみは、申し訳なさそうにさとみに話した後、大笑いし始めた。
「外人やない…。さとみみたいに丸々太った「トリケラトプス」の霊やからどうしようもないわ。カラカラカラ。」
だまされたと知ったさとみは憤慨したが、かずみは1ミリも悪いとは思っておらず、その後は、福井県勝山の「恐竜博物館」に移動し見学することになった。
初日の昼は武生で福井のソウルフード「ボルガライス」を食べ、三方五湖をドライブして、アットホームな雰囲気の有機栽培の米や野菜を使うことと地酒提供で有名な民宿に泊まった。
例の如く、かずみはさとみの身体を借りて、直と晩酌で盛り上がりつい飲み過ぎてしまい、かずみの憑依が解けた後、さとみは「ゲロゲロ地獄」の目に遭った。
2日目は、民宿が用意してくれた熊笹茶と熱い濃い目の味噌汁でさとみの二日酔いは早々に回復し、早朝に民宿を出発し朝一番から3人でいろいろと観光して回った。
熊川宿の旧街道の街並みを散策し、「番所」を再現した建物の前で写真を撮り、道の駅で「鯖寿司」を食べた。
その後、名水百選に選ばれた瓜割の滝で、冷たくさっぱりとした中にかすかな甘みを感じる清水を味わい、妙楽寺でかつては33年に一度しか開帳されなかったという金ピカの「二十四面千手観音菩薩立像」を拝観し、田烏の棚田で素晴らしいコントラストの真っ青な海と緑の棚田の景色を堪能した。
北海道・知床の大自然もいいものだが、北海道斜里町で生まれ育った直はともかく、大阪生まれの大阪育ちのお母ちゃんとさとみは、自然だけでなく、いろいろなものが見れる「幕の内弁当」的な旅行が性に合っている。行く先々でお母ちゃんとさとみは、「〇〇最高!」、「めっちゃ、美味しい!」を連発して大はしゃぎだ。
浮遊霊のお母ちゃんは、身体の実体が無いので、自分では食べたり飲んだり触ったりはできないので、その都度、娘のさとみに憑依しては小浜の旨いものを楽しんでいる。はたから見ると、お母ちゃんの姿は見えず、声も聞こえないので父娘の2人組にしか見えないので、お母ちゃんも含めた3人での会話を耳にした人は、「???」となる人が多く、怪訝な顔をして足早に立ち去っていく。
超特急で午前中の観光を終え、午後からの直の本来の目的の蘇洞門観光の遊覧船に乗るために、小浜市の中心部に入り、フィッシャーマンズワーフに向かった。直の職業である「ネイチャーガイド」とは、ツアー客グループだけでなく、個人や任意のグループの専属ガイドを務めることも多く、ホームグランドの知床では、知床五胡から摩周湖、屈斜路湖、時には阿寒湖くらいまでの散策ガイド兼運転手兼ドライブガイドをしたり、外海のクルーズやカヌー、カヤックという水上のガイドまで幅広くこなしている。
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