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最後の魔女02 眷属召喚
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魔法には原初とも言われている5大属性が存在している。
それは火、水、風、土、光。
魔女は基本この5大属性の魔法を行使する事が出来る。
更にそれらを極めた先に上位属性と言うものが存在し、例えば火の上位属性に炎。
水の上位属性に氷。
風の上位属性に雷。
土の上位属性に木。
光の上位属性に闇が充てがわれている。
これら5大属性とは全く別の属性として、時属性、無属性が存在する。
魔女は生まれた時に自分がどの属性と相性が良いのか適正を調べるのが習わしとなっており、相性が良い属性の魔法ならば、相性が良くない魔法と比べて大幅に会得までの時間が短縮される。
リアも他の魔女同様に生まれた時に相性調査をした所、結果全ての属性において相性が良いものは無かった。一般的には誰しもが一または二属性は相性が良いものがあるとされていたが、魔女界始まって以来の出来事と当時騒ぎになった程だった。
あれはまだ私が12歳だった頃。
両親も大好きだったお姉ちゃんも亡くしてから今年で丁度1年が過ぎようとしていた。
大陸全土に魔女狩りが勧告されて行き場を無くした私は、とある山奥へと逃げ込んでいた。
そこには、住むのに十分な程度の広さのいわゆる廃墟があったのも、ここに身を潜めようと思った理由の一つだった。
私は、この場所でひたすらに魔法の勉強をする毎日を送っていた。
「えっと、今日は眷族の召喚を試してみようかな?」
もっぱら私の魔法の先生を担っているのは、この魔法大全集先生。
先生は厚さ15cmもあり、緊急時には鈍器にもなりうる特技を持っていた。
「えっと、なになに⋯」
★魔法大全集 眷属の召喚方法★
魔法陣を用いて、定められた呪文を詠唱し、使役したい生物を想像しながら魔法陣の中央に意識を集中して自身の魔力を飛ばす。
「うんうん、なるほどね。うん、全然分からない! こともない⋯かな?」
魔女って言ったら、やぱし猫だよね。とびきり黒いやつ。使役したい動物を想像ってことは、何でもいいのかな?
うーん⋯あーでもないし⋯こうでもないし⋯。
あーやっぱり火を吹く大きな鳥とかがいいかな?
それなら、背中に乗せて貰ったら空も飛べちゃうんじゃないかな? それに何よりカッコイイしね。
私の妄想は留まる事を知らない。
魔女も魔法で空を飛ぶことは出来るみたいだけど、飛翔魔法は、かなり難しいみたい。でもいつかは、自分の力でこの大空を自由に飛んでみたいな~。
私は、その日から眷属召喚を何度も何度も挑戦した。
しかし一週間経っても一向に成功の兆しすら見えない。
「なんでだろうなぁ⋯私の想像力がないのかな⋯でも実際火を吹く鳥なんて見たことないんだもん! しょうがないよね⋯」
どうしても形を形成する時に失敗してしまう。
毎回、大きなスライムみたいな未知の生物が誕生しちゃう。
やっぱり私って、才能がないのかな⋯。
「そだ、試しに猫ちゃんをイメージしてやってみようかな。それなら何度も見たことがあるので、想像しやすいと思うし」
私はもう一度、眷族召喚の方法を頭の中で復唱し、挑戦する。
えっと、猫ちゃんのフォルムはこんな感じだし、大きさも普通サイズで、色は⋯でもやぱし黒だよね。
⋯よし、イメージ出来た!
「出でよっ! 私の眷族!」
私の声に呼応して魔法陣の中が淡く光りだす。
今までと反応が違うのが一目で分かった。あまりの眩しさに開けていた目を閉じてしまう。
おおおー!
目の前の魔方陣の中に、確かにイメージした通りの黒い猫ちゃんが召喚されていた。
猫ちゃんは、真っ直ぐに私の目を見ている。
「貴女がボクのご主人様かにゃ?」
「すごい! 猫ちゃん喋るの!?」
魔女の眷族たる生物は、一部例外を除いて喋る事が出来る。種族によっては、実際に声を発するのではなく、念話を用いることもある。
私は成功した事よりも、久しぶりの話し相手が出来たことの方が何よりも嬉しかった。
「ねえ、猫ちゃん、私と友達になってくれる?」
「友達もなにもボクはご主人様の忠実な眷族にゃ」
「うん、友達ならなんでもいいよ~」
自分の眷族の猫を強く抱きしめた。
「ご主人様」
「なに、猫ちゃん?」
「名前を決めて欲しいにゃ。いつまでも猫ちゃんだとちょっとにゃ」
「あーそだね、えーっと、何がいいかなぁ?」
暫くの間、あーうーえー、と考え込む。
「うん、決めたよ。今日から猫ちゃんは、にゃもさんで!」
「⋯⋯」
せっかく私がひねり出した最高に可愛い名前に、何だか猫ちゃんは、微妙そうな顔をしている。
「可愛いでしょ? にゃもさん」
「ボクは、オスにゃ」
「えええーー! こんなに可愛いのにオスなの!?」
なんてこと⋯、そいえば、眷族召喚のイメージの時に性別の事なんてまったく考えてなかったよ! 失敗失敗。
「どうやら、私は眷族召喚に失敗しちゃったみたいなの⋯今の猫ちゃんを消して新しいメスの猫ちゃんを召喚するね」
「にゃぁぁぁ! 間違えたにゃ! ボクは、メスだったにゃ! それに、いい名前にゃ! 気に入ったにゃ!」
「でしょー、こんなに見た目可愛いんだもん、メスに決まってるよ~。じゃ、改めてよろしくね、にゃもさん!」
「よ、よろしくにゃ、ご主人様⋯」
(危なかったにゃ、せっかく召喚されたのに消されるとこだったにゃ⋯でも、一生ボクはメスを名乗らないといけないのかにゃ⋯)
こうして、私と私の眷族であるにゃもさんとの生活がスタートした。
「にゃもさんって、何が出来るの?」
「ご主人様の魔力を使って魔法を使えるにゃ」
ということは、私が怖い人に襲われたら守ってくれるのかな?
「へー見せて見せて!」
にゃもさんは、コクリと頷くと、5m程先の空き地に視線を送り、何やら呪文を唱えている。
私が知らない呪文なので、きっとまだ覚えていない呪文だと思う。
にゃもさんの足元に魔法陣が展開され、視線の先にある空き地に小規模な落雷が落ちた。
落雷の衝突した場所は、黒焦げを通り越して両手サイズ程の穴が空いていた。
「にゃもさんすごぃ⋯」
「眷族はご主人様に比例して強くなるにゃ。だからご主人様が強くにゃる事で眷族が使える魔法の数や質が向上するのにゃ」
それから私たちは一緒に魔法の勉強をした。
今まではただがむしゃらにするだけだったのが、一緒に相談できる相手がいるだけで、効率がどんどん上がっていった。
それからあっという間に数年の月日が流れた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その日は突然訪れた。
生活の場を追われてしまったのだ。
私が、魔女がこの場所に隠れ棲んでいる事がバレたようで、数人の騎士の格好をした連中が私の仮住まいしている廃墟を訪れた。
幸いにも、この辺り一帯に探知結界を張っていたため、姿を見られる前に隠れる事が出来たけど。
「通報があったのは、ここの廃墟だったが⋯」
「隊長! 捜索しましたが誰もおりませんでした!」
「ガセ情報だったか? いや、確かに誰かがここで何かをしていた痕跡はあるな」
「当面の間、戻ってこないか交代で監視の任にあたれ!」
ここ、居心地が良かったんだけどなぁ、仕方がないよね⋯。
私は、この地を後にした。
魔法大全集先生のおかげで、既にかなりの数の魔法を行使出来るようになっていた。
今も誰にも気が付かれないように姿を消す魔法を使用している。
でもこの魔法、魔力効率がもんのすごく悪くて、すぐに魔力が枯渇してしまう。魔力が枯渇すると、死ぬことはないけど意識を失ってしまう。
魔女は大気中の魔力を僅かづつだけど自身に取り込むことが出来る。休んでいれば徐々に回復していくけど、意識を失うのは追われている魔女としては、即ち命を失う危険のある行為になる。
その後も落ち着ける場所を探し求めて、私と眷族のにゃもさんは旅を続けた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
もう、朝か⋯。
ずいぶん昔の夢を見ていた気がする。
私は朝支度を済ませて部屋を出る。
部屋を出る際に、駄猫を踏みつけて起こす。
「にゃあああ! だからそうやって起こすのはやめて欲しいにゃ!」
「うるさい」
「あーあ、昔のご主人様は優しかったにゃ~」
「何か言った?」
「言ってにゃいです⋯」
それは火、水、風、土、光。
魔女は基本この5大属性の魔法を行使する事が出来る。
更にそれらを極めた先に上位属性と言うものが存在し、例えば火の上位属性に炎。
水の上位属性に氷。
風の上位属性に雷。
土の上位属性に木。
光の上位属性に闇が充てがわれている。
これら5大属性とは全く別の属性として、時属性、無属性が存在する。
魔女は生まれた時に自分がどの属性と相性が良いのか適正を調べるのが習わしとなっており、相性が良い属性の魔法ならば、相性が良くない魔法と比べて大幅に会得までの時間が短縮される。
リアも他の魔女同様に生まれた時に相性調査をした所、結果全ての属性において相性が良いものは無かった。一般的には誰しもが一または二属性は相性が良いものがあるとされていたが、魔女界始まって以来の出来事と当時騒ぎになった程だった。
あれはまだ私が12歳だった頃。
両親も大好きだったお姉ちゃんも亡くしてから今年で丁度1年が過ぎようとしていた。
大陸全土に魔女狩りが勧告されて行き場を無くした私は、とある山奥へと逃げ込んでいた。
そこには、住むのに十分な程度の広さのいわゆる廃墟があったのも、ここに身を潜めようと思った理由の一つだった。
私は、この場所でひたすらに魔法の勉強をする毎日を送っていた。
「えっと、今日は眷族の召喚を試してみようかな?」
もっぱら私の魔法の先生を担っているのは、この魔法大全集先生。
先生は厚さ15cmもあり、緊急時には鈍器にもなりうる特技を持っていた。
「えっと、なになに⋯」
★魔法大全集 眷属の召喚方法★
魔法陣を用いて、定められた呪文を詠唱し、使役したい生物を想像しながら魔法陣の中央に意識を集中して自身の魔力を飛ばす。
「うんうん、なるほどね。うん、全然分からない! こともない⋯かな?」
魔女って言ったら、やぱし猫だよね。とびきり黒いやつ。使役したい動物を想像ってことは、何でもいいのかな?
うーん⋯あーでもないし⋯こうでもないし⋯。
あーやっぱり火を吹く大きな鳥とかがいいかな?
それなら、背中に乗せて貰ったら空も飛べちゃうんじゃないかな? それに何よりカッコイイしね。
私の妄想は留まる事を知らない。
魔女も魔法で空を飛ぶことは出来るみたいだけど、飛翔魔法は、かなり難しいみたい。でもいつかは、自分の力でこの大空を自由に飛んでみたいな~。
私は、その日から眷属召喚を何度も何度も挑戦した。
しかし一週間経っても一向に成功の兆しすら見えない。
「なんでだろうなぁ⋯私の想像力がないのかな⋯でも実際火を吹く鳥なんて見たことないんだもん! しょうがないよね⋯」
どうしても形を形成する時に失敗してしまう。
毎回、大きなスライムみたいな未知の生物が誕生しちゃう。
やっぱり私って、才能がないのかな⋯。
「そだ、試しに猫ちゃんをイメージしてやってみようかな。それなら何度も見たことがあるので、想像しやすいと思うし」
私はもう一度、眷族召喚の方法を頭の中で復唱し、挑戦する。
えっと、猫ちゃんのフォルムはこんな感じだし、大きさも普通サイズで、色は⋯でもやぱし黒だよね。
⋯よし、イメージ出来た!
「出でよっ! 私の眷族!」
私の声に呼応して魔法陣の中が淡く光りだす。
今までと反応が違うのが一目で分かった。あまりの眩しさに開けていた目を閉じてしまう。
おおおー!
目の前の魔方陣の中に、確かにイメージした通りの黒い猫ちゃんが召喚されていた。
猫ちゃんは、真っ直ぐに私の目を見ている。
「貴女がボクのご主人様かにゃ?」
「すごい! 猫ちゃん喋るの!?」
魔女の眷族たる生物は、一部例外を除いて喋る事が出来る。種族によっては、実際に声を発するのではなく、念話を用いることもある。
私は成功した事よりも、久しぶりの話し相手が出来たことの方が何よりも嬉しかった。
「ねえ、猫ちゃん、私と友達になってくれる?」
「友達もなにもボクはご主人様の忠実な眷族にゃ」
「うん、友達ならなんでもいいよ~」
自分の眷族の猫を強く抱きしめた。
「ご主人様」
「なに、猫ちゃん?」
「名前を決めて欲しいにゃ。いつまでも猫ちゃんだとちょっとにゃ」
「あーそだね、えーっと、何がいいかなぁ?」
暫くの間、あーうーえー、と考え込む。
「うん、決めたよ。今日から猫ちゃんは、にゃもさんで!」
「⋯⋯」
せっかく私がひねり出した最高に可愛い名前に、何だか猫ちゃんは、微妙そうな顔をしている。
「可愛いでしょ? にゃもさん」
「ボクは、オスにゃ」
「えええーー! こんなに可愛いのにオスなの!?」
なんてこと⋯、そいえば、眷族召喚のイメージの時に性別の事なんてまったく考えてなかったよ! 失敗失敗。
「どうやら、私は眷族召喚に失敗しちゃったみたいなの⋯今の猫ちゃんを消して新しいメスの猫ちゃんを召喚するね」
「にゃぁぁぁ! 間違えたにゃ! ボクは、メスだったにゃ! それに、いい名前にゃ! 気に入ったにゃ!」
「でしょー、こんなに見た目可愛いんだもん、メスに決まってるよ~。じゃ、改めてよろしくね、にゃもさん!」
「よ、よろしくにゃ、ご主人様⋯」
(危なかったにゃ、せっかく召喚されたのに消されるとこだったにゃ⋯でも、一生ボクはメスを名乗らないといけないのかにゃ⋯)
こうして、私と私の眷族であるにゃもさんとの生活がスタートした。
「にゃもさんって、何が出来るの?」
「ご主人様の魔力を使って魔法を使えるにゃ」
ということは、私が怖い人に襲われたら守ってくれるのかな?
「へー見せて見せて!」
にゃもさんは、コクリと頷くと、5m程先の空き地に視線を送り、何やら呪文を唱えている。
私が知らない呪文なので、きっとまだ覚えていない呪文だと思う。
にゃもさんの足元に魔法陣が展開され、視線の先にある空き地に小規模な落雷が落ちた。
落雷の衝突した場所は、黒焦げを通り越して両手サイズ程の穴が空いていた。
「にゃもさんすごぃ⋯」
「眷族はご主人様に比例して強くなるにゃ。だからご主人様が強くにゃる事で眷族が使える魔法の数や質が向上するのにゃ」
それから私たちは一緒に魔法の勉強をした。
今まではただがむしゃらにするだけだったのが、一緒に相談できる相手がいるだけで、効率がどんどん上がっていった。
それからあっという間に数年の月日が流れた。
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その日は突然訪れた。
生活の場を追われてしまったのだ。
私が、魔女がこの場所に隠れ棲んでいる事がバレたようで、数人の騎士の格好をした連中が私の仮住まいしている廃墟を訪れた。
幸いにも、この辺り一帯に探知結界を張っていたため、姿を見られる前に隠れる事が出来たけど。
「通報があったのは、ここの廃墟だったが⋯」
「隊長! 捜索しましたが誰もおりませんでした!」
「ガセ情報だったか? いや、確かに誰かがここで何かをしていた痕跡はあるな」
「当面の間、戻ってこないか交代で監視の任にあたれ!」
ここ、居心地が良かったんだけどなぁ、仕方がないよね⋯。
私は、この地を後にした。
魔法大全集先生のおかげで、既にかなりの数の魔法を行使出来るようになっていた。
今も誰にも気が付かれないように姿を消す魔法を使用している。
でもこの魔法、魔力効率がもんのすごく悪くて、すぐに魔力が枯渇してしまう。魔力が枯渇すると、死ぬことはないけど意識を失ってしまう。
魔女は大気中の魔力を僅かづつだけど自身に取り込むことが出来る。休んでいれば徐々に回復していくけど、意識を失うのは追われている魔女としては、即ち命を失う危険のある行為になる。
その後も落ち着ける場所を探し求めて、私と眷族のにゃもさんは旅を続けた。
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もう、朝か⋯。
ずいぶん昔の夢を見ていた気がする。
私は朝支度を済ませて部屋を出る。
部屋を出る際に、駄猫を踏みつけて起こす。
「にゃあああ! だからそうやって起こすのはやめて欲しいにゃ!」
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