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最後の魔女49 魔技使い2
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シャロンが爆ぜる寸前、シャロンを私の隣に強制転移させた。
召喚した眷属は自分自身の元まで瞬時に戻すことも可能。
それにしても、あの魔技使いとか言う輩、明らかに敵意のない私のシャロンを攻撃したね。
少し頭にきた。灸を据える必要がありそうね。
「ジル殿! 何てことをしたんですか!」
「まぁまぁ、直撃はしとらんよ。あやつめ、着弾の瞬間消えよったわ」
外野が騒ぎ出す。
「さあ、邪魔者は居なくなった。早く御神木を斬り倒して下さい」
「勘違いしないで欲しいんじゃが、儂が出来るのは斬り倒すのではなく丸焼きにする事じゃ」
魔技使いの前にある人物が立ち塞がる。
勇者アレスだった。
「精霊様の言葉を聞いてなかったんですか!」
「ボンボンの勇者は簡単に正義感に騙されおってからに⋯邪魔立てすると勇者殿と言えど、容赦せんぞ?」
剣呑な空気が二人を中心に広がっていく。
「アレス! お前には失望したぞ! 説教は後でする。今は下がりなさい」
はぁ、何だか眼下で面倒くさい光景になってるね。
「お姉様、私が行って全員始末してくる?」
「もっと面倒になる。ダメ」
でも、このままだと本当にあの勇者くん毎燃やしかねない。
私の最終警告も無視され、あろうことか無抵抗な眷属に手を出した。
絶対許さない。
《天候操作・雷雲》
先程まで雲一つない晴天だった空が、一瞬の内に漆黒の雲に覆われた。
まるで朝からイキナリ夜になったような感じだろうか。
そこから、大雨が降り注ぎ、次いで数多の雷が大地へと降り注ぐ。
勿論、雷一つ一つは私が操作して、何もない場所に落とすようにしている為、安全安心な雷なのだ。
この事態に流石の野次馬たちは全員が我先にと逃げ出していく。
この場に残ったのは貴族の代表者が5人と領主、勇者とあの魔技使いとかいう輩の8人だった。
「なんて事だ⋯だから最初から言っていたんだ。御神木の伐採など止めようと⋯もうこのダーブルは終わりだ」
膝をつき力なく領主が項垂れる。
大袈裟だね。雨と雷くらいで街は滅びないよ。
あくまでも脅しのつもりだったけど、かなり効いてない?
なんで皆そんなこの世の終わりだなんて顔してるのさ。勇者はさっきからその額を地面に何度もぶつけて「どうか精霊様お許し下さい! 何卒!」と連呼してるし。
「流石お姉様ですね。この光景を見れば私はともかく、ただの人族じゃ死を想像してもおかしくはないですよ」
引っ切り無しに鳴り響く雷鳴に、雷の落ちた周りは丸焦げ、大穴すら空いている。まるで地獄絵図のその惨状に一番何も感じていなかったのは他ならぬリア本人だった。
「え、天災なんてこんなものじゃないの?」
「いえ、流石にここまで酷くはないですよ」
見ると、隣にいた精霊さんもガクガクと震えていた。
再度下を見れば、あの魔技使いが勇者たちに拘束され「どうか精霊様! 許して下さいお願いします!」みたいな形になっていた。
少し灸を据えるつもりがどうやらやり過ぎたみたい。
でも、これでこの御神木を切り倒そうなんて馬鹿な考えを起こす者は無くなるはず。
結局力に頼らざるを得ない形になってしまったのはちょっぴり悲しいかな。
暫くしてから天候を元に戻し、シャロンを再び召喚し、これに懲りたら二度と御神木を切り倒すことなきようにと念押しさせておいた。
その後、精霊さんに若干怯えられながらも御神木消失の危機を救った御礼という事で、樹木の精霊の加護を授かった。
何に使うのかは分からない。
まぁ、後で考えるとして私には先にやらなければならない事があった。
あの魔技使いが何者なのかだ。
私と同じ魔女なの?
な訳ないよね、だって性別からして違うし。
魔法は元々女性しか使えないのだから。だから魔法を操る女。魔女なんて呼ばれている。
だったら、あのジルとか呼ばれていた人物が使った魔法は一体。
「お姉様、考え事ですか? 顔が怖いですよ。あ、でもそっちのお顔も私は大好物です」
ほっぺに手を当てて頬を赤らめているリグ。ひっつかないで、暑苦しい。
さて、このまま見失う訳にはいかない。
ある程度の距離なら何処に行っても分かるようにマーキングをつけておく。
あとは機会を待つだけ。
数日が経過する。
私はある人物の前に立っていた。
入念に人払いをし、少し広い空き地。リグはいない。着いてこようとしたけど、チョップを喰らわせてお留守番してもらった。
「ねえ、貴方は何者?」
単刀直入に聞いただけなのに、何故だか警戒を露わにしている。
目の前の人物は、本を手に取り、パラパラとめくっている。
「ただのお嬢ちゃんじゃないね。悪魔か⋯それとも魔族かの?」
失礼だね。ただのお嬢ちゃんではないけど。魔族でも悪魔でもない。魔女だよ。
少なからず、貴方は私のシャロンを攻撃してきた時点で既に敵認定している。
即ち、この場で即刻殺す覚悟もあるわけで。
「質問に答えて」
魔技使いのお爺さんは、後ろへ跳躍した。
「儂を倒す事が出来れば、全て話してやっても良いぞ」
途端に私の頭上に落雷が堕ちる。
容赦のない一撃。
普通の人族なら死んでたんじゃないかな?
あまりにも遅かったから着弾の瞬間にひらりと躱させて貰ったけど。
お爺さんは再びページをめくると、今度は私を水の中に閉じ込める。
間違いない、これは水の堅牢と言う魔法だ。
不思議なのは発動の瞬間も魔力を全く感じないのは何故?
私が水の中で思案していると、
「どうじゃ? 降参するなら今の内じゃぞ」
無抵抗な私に、成す術なしと判断されてしまったらしい。水中でも10分位なら問題なく息を止めていられる。
水の中で呼吸出来るようになる魔法もあるしね。
取り敢えず指パッチンで水の堅牢を解除すると、お返しとばかりに水の堅牢をお見舞いする。
お爺さんはありえないと言った表情で苦しそうにもがいていた。
「ゴボッゲホッ⋯」
苦しそうだね。人族はせいぜい1分が限界なんでしょ。
顔色が悪くなってきたし、そろそろかな。
私もそこまで鬼ではない。
「全部喋るなら助ける」
お爺さんは両手を天に挙げ降参のポーズをとったので、私は魔法を解除した。
「一体嬢ちゃんは何者なんだい。本当に魔族じゃないだろうな?」
「私の事はいい。魔技使いが何なのか教えて」
観念したのか、ベラベラと魔技使いについて語り出した。
語られた内容は私が考えもしない。私が知り得ない事実が並んでいた。
魔技使いとは、その名の通り魔法を技として行使する事が出来る術士の総称だった。実際に自らの魔力を使って魔法を行使するのではなく、魔技書に記された魔法を選択し、行使する。
魔法を使ってるのに魔力の流れを感じ取れなかったのも頷ける。自分で言うのもあれだけど、魔法は偉大。こと戦闘において、種類にもよるけど魔法が使えればそれだけで優位に事を運ぶ事が出来る。
中には異常に身体能力に長けている勇者みたいな連中もいるけど。どちらにしてもチートな程に魔法は強い。かつて、魔族との対戦で薄勝ながらも勝利出来たのも前線を担った魔女の力添えが大きい。
だけど、この世界から魔女が消えて、同時に魔法も消えてしまった。どうにかして魔法だけを蘇らせる事が出来ないかを研究者が考え抜いて出した答えが、魔技書。
これがあればどんな人でも魔法を行使する事が出来る⋯訳ではないらしく、魔技書を使いこなすには、それなりの訓練が必要みたい。
ちなみに魔技書がどうやって作られているのかは知らないと言う。
ちなみに、魔技使いの存在を知っている人は多いけど、魔法を行使する仕組みや方法などは魔技使いだけの秘密となっていて、一般人が知る事はないそうだ。
この人ベラベラと私に喋っちゃってるけど、いいのかな?
ま、どうせこの後記憶操作させてもらうから別に問題ないのだけど。
それにしても、魔法を使う魔技使いか⋯何だか複雑な気分ね。
召喚した眷属は自分自身の元まで瞬時に戻すことも可能。
それにしても、あの魔技使いとか言う輩、明らかに敵意のない私のシャロンを攻撃したね。
少し頭にきた。灸を据える必要がありそうね。
「ジル殿! 何てことをしたんですか!」
「まぁまぁ、直撃はしとらんよ。あやつめ、着弾の瞬間消えよったわ」
外野が騒ぎ出す。
「さあ、邪魔者は居なくなった。早く御神木を斬り倒して下さい」
「勘違いしないで欲しいんじゃが、儂が出来るのは斬り倒すのではなく丸焼きにする事じゃ」
魔技使いの前にある人物が立ち塞がる。
勇者アレスだった。
「精霊様の言葉を聞いてなかったんですか!」
「ボンボンの勇者は簡単に正義感に騙されおってからに⋯邪魔立てすると勇者殿と言えど、容赦せんぞ?」
剣呑な空気が二人を中心に広がっていく。
「アレス! お前には失望したぞ! 説教は後でする。今は下がりなさい」
はぁ、何だか眼下で面倒くさい光景になってるね。
「お姉様、私が行って全員始末してくる?」
「もっと面倒になる。ダメ」
でも、このままだと本当にあの勇者くん毎燃やしかねない。
私の最終警告も無視され、あろうことか無抵抗な眷属に手を出した。
絶対許さない。
《天候操作・雷雲》
先程まで雲一つない晴天だった空が、一瞬の内に漆黒の雲に覆われた。
まるで朝からイキナリ夜になったような感じだろうか。
そこから、大雨が降り注ぎ、次いで数多の雷が大地へと降り注ぐ。
勿論、雷一つ一つは私が操作して、何もない場所に落とすようにしている為、安全安心な雷なのだ。
この事態に流石の野次馬たちは全員が我先にと逃げ出していく。
この場に残ったのは貴族の代表者が5人と領主、勇者とあの魔技使いとかいう輩の8人だった。
「なんて事だ⋯だから最初から言っていたんだ。御神木の伐採など止めようと⋯もうこのダーブルは終わりだ」
膝をつき力なく領主が項垂れる。
大袈裟だね。雨と雷くらいで街は滅びないよ。
あくまでも脅しのつもりだったけど、かなり効いてない?
なんで皆そんなこの世の終わりだなんて顔してるのさ。勇者はさっきからその額を地面に何度もぶつけて「どうか精霊様お許し下さい! 何卒!」と連呼してるし。
「流石お姉様ですね。この光景を見れば私はともかく、ただの人族じゃ死を想像してもおかしくはないですよ」
引っ切り無しに鳴り響く雷鳴に、雷の落ちた周りは丸焦げ、大穴すら空いている。まるで地獄絵図のその惨状に一番何も感じていなかったのは他ならぬリア本人だった。
「え、天災なんてこんなものじゃないの?」
「いえ、流石にここまで酷くはないですよ」
見ると、隣にいた精霊さんもガクガクと震えていた。
再度下を見れば、あの魔技使いが勇者たちに拘束され「どうか精霊様! 許して下さいお願いします!」みたいな形になっていた。
少し灸を据えるつもりがどうやらやり過ぎたみたい。
でも、これでこの御神木を切り倒そうなんて馬鹿な考えを起こす者は無くなるはず。
結局力に頼らざるを得ない形になってしまったのはちょっぴり悲しいかな。
暫くしてから天候を元に戻し、シャロンを再び召喚し、これに懲りたら二度と御神木を切り倒すことなきようにと念押しさせておいた。
その後、精霊さんに若干怯えられながらも御神木消失の危機を救った御礼という事で、樹木の精霊の加護を授かった。
何に使うのかは分からない。
まぁ、後で考えるとして私には先にやらなければならない事があった。
あの魔技使いが何者なのかだ。
私と同じ魔女なの?
な訳ないよね、だって性別からして違うし。
魔法は元々女性しか使えないのだから。だから魔法を操る女。魔女なんて呼ばれている。
だったら、あのジルとか呼ばれていた人物が使った魔法は一体。
「お姉様、考え事ですか? 顔が怖いですよ。あ、でもそっちのお顔も私は大好物です」
ほっぺに手を当てて頬を赤らめているリグ。ひっつかないで、暑苦しい。
さて、このまま見失う訳にはいかない。
ある程度の距離なら何処に行っても分かるようにマーキングをつけておく。
あとは機会を待つだけ。
数日が経過する。
私はある人物の前に立っていた。
入念に人払いをし、少し広い空き地。リグはいない。着いてこようとしたけど、チョップを喰らわせてお留守番してもらった。
「ねえ、貴方は何者?」
単刀直入に聞いただけなのに、何故だか警戒を露わにしている。
目の前の人物は、本を手に取り、パラパラとめくっている。
「ただのお嬢ちゃんじゃないね。悪魔か⋯それとも魔族かの?」
失礼だね。ただのお嬢ちゃんではないけど。魔族でも悪魔でもない。魔女だよ。
少なからず、貴方は私のシャロンを攻撃してきた時点で既に敵認定している。
即ち、この場で即刻殺す覚悟もあるわけで。
「質問に答えて」
魔技使いのお爺さんは、後ろへ跳躍した。
「儂を倒す事が出来れば、全て話してやっても良いぞ」
途端に私の頭上に落雷が堕ちる。
容赦のない一撃。
普通の人族なら死んでたんじゃないかな?
あまりにも遅かったから着弾の瞬間にひらりと躱させて貰ったけど。
お爺さんは再びページをめくると、今度は私を水の中に閉じ込める。
間違いない、これは水の堅牢と言う魔法だ。
不思議なのは発動の瞬間も魔力を全く感じないのは何故?
私が水の中で思案していると、
「どうじゃ? 降参するなら今の内じゃぞ」
無抵抗な私に、成す術なしと判断されてしまったらしい。水中でも10分位なら問題なく息を止めていられる。
水の中で呼吸出来るようになる魔法もあるしね。
取り敢えず指パッチンで水の堅牢を解除すると、お返しとばかりに水の堅牢をお見舞いする。
お爺さんはありえないと言った表情で苦しそうにもがいていた。
「ゴボッゲホッ⋯」
苦しそうだね。人族はせいぜい1分が限界なんでしょ。
顔色が悪くなってきたし、そろそろかな。
私もそこまで鬼ではない。
「全部喋るなら助ける」
お爺さんは両手を天に挙げ降参のポーズをとったので、私は魔法を解除した。
「一体嬢ちゃんは何者なんだい。本当に魔族じゃないだろうな?」
「私の事はいい。魔技使いが何なのか教えて」
観念したのか、ベラベラと魔技使いについて語り出した。
語られた内容は私が考えもしない。私が知り得ない事実が並んでいた。
魔技使いとは、その名の通り魔法を技として行使する事が出来る術士の総称だった。実際に自らの魔力を使って魔法を行使するのではなく、魔技書に記された魔法を選択し、行使する。
魔法を使ってるのに魔力の流れを感じ取れなかったのも頷ける。自分で言うのもあれだけど、魔法は偉大。こと戦闘において、種類にもよるけど魔法が使えればそれだけで優位に事を運ぶ事が出来る。
中には異常に身体能力に長けている勇者みたいな連中もいるけど。どちらにしてもチートな程に魔法は強い。かつて、魔族との対戦で薄勝ながらも勝利出来たのも前線を担った魔女の力添えが大きい。
だけど、この世界から魔女が消えて、同時に魔法も消えてしまった。どうにかして魔法だけを蘇らせる事が出来ないかを研究者が考え抜いて出した答えが、魔技書。
これがあればどんな人でも魔法を行使する事が出来る⋯訳ではないらしく、魔技書を使いこなすには、それなりの訓練が必要みたい。
ちなみに魔技書がどうやって作られているのかは知らないと言う。
ちなみに、魔技使いの存在を知っている人は多いけど、魔法を行使する仕組みや方法などは魔技使いだけの秘密となっていて、一般人が知る事はないそうだ。
この人ベラベラと私に喋っちゃってるけど、いいのかな?
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