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最後の魔女84 剣王の最期
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何が起こったんじゃ?
突然、何の前触れもなく世界が凍り付く。圧倒的な反応速度と反射神経を見せていた流石のドレイクですら逃げる隙を与えられなかった。
身体が全く動かせん。微かに指先は動く⋯か。それに意識はハッキリしておる。ならば、こんなもの砕いてやるまでじゃ。
《炎舞・大車輪》
ドレイクが右手に握るは、魔剣カヅナ。
その昔、この世界の五龍神と呼ばれていた火龍カヅナの牙で造られたとされる魔剣。その刀身は持ち主の感情の高ぶりに呼応し、炎を纏うと言われている。
ドレイクは何十年も掛け自在に炎を纏えるまでに使いこなしていた。
炎を纏った大車輪。火龍カヅナの炎がリアの氷結を上回ったのだ。
辺り一帯の氷が砕け散り、中からドレイクが襲いくる。
だが、それすら予期していたリグはある魔法を既に発動していた。
《空間断裂》
その場に見えていながら対象を別の次元へと隔離する時空魔法。当然そんな魔法、ドレイクは知る由もない。故に脱出方法など知るはずもなかった。違う次元に閉じ込められる経験など誰しも体験したことはないのだ。
しかし、ドレイクは諦めてなどいなかった。今まで立ちはだかってきたその全てを斬ってきたドレイクにとって、次元であろうが、ただの壁という概念でしかなかった。
渾身の一振りを放つも次元の壁は微動だにしない。諦めずに、百振り、千振りとただがむしゃらに放つも結果は変わらない。
出口は目と鼻の先にあるにも関わらず、その距離は途方も無く遠い。
ふっ、別次元とは厄介じゃな。
じゃが、何故だ。斬れない気がしないのは。
その瞳に諦めの意思は微塵もなかった。
それから、血が滲む程に剣を振い続けた。
その時だった。
脳裏にある文字が浮かび上がる。
《次元斬》を会得しました。
一瞬何が起きたのか理解出来ないでいたが、呼吸を整え、頭に上った血を落とすように深呼吸する。
すぐに冷静さを取り戻し、己が自身に起こった状況を一瞬で整理した。
どうやら神が味方してくれたのは儂の方じゃったな。
ドレイクは次元の壁を一振りで斬り裂き、完全に後ろを向き油断しきっていたリアに対して容赦なくその剣を振るう。
何の抵抗もなくリアの首が飛び、転がった。
意外じゃな。また防がれると思おて身構えておったが、あっけないものよ。
だいぶ疲弊してしまったが、まだ戦えるじゃろうか。悪魔の嬢ちゃんは無効化出来ておるが、あの眷属とやらも相当に手強い。満身創痍でない今の状態で、何処までやれるやら。
視線があったかと思えば、下じゃと? 何のこ──!
突如として、足元から根っ子が伸びて来たかと思えば、そのままドレイクの足に絡みつき、瞬く間に全身を拘束してしまった。
頼みの綱の双剣も手元から離されてしまった。
視界が塞がれる本の一瞬、無傷の姿の魔女が映る。
ふ、不死身か⋯いや、先程の手応えのなさは、儂の手足が麻痺していたのではなく、単に擬装じゃったか。
ドレイクは力を込めるも、逆に抜けていく錯覚に苛まれる。
いや、これは錯覚ではない。この纏わり付く根や茎が吸い取って⋯おるのか⋯。グッ⋯駄目じゃ、もう⋯身体が動かせんわい。
⋯どうやら儂の強運もここまでのようじゃ⋯な。
死ぬのは⋯怖くない。じゃが⋯未練がないと言えば嘘になるの。
死後の⋯世界より⋯お主らの動向を⋯見守らせてもらうぞ⋯。こんなことを⋯言えた義理はないが⋯どうか、人族に仇なす敵と⋯ならんでくれ⋯。
ここに剣技において生涯を捧げた人物の一生が終わった。
突然、何の前触れもなく世界が凍り付く。圧倒的な反応速度と反射神経を見せていた流石のドレイクですら逃げる隙を与えられなかった。
身体が全く動かせん。微かに指先は動く⋯か。それに意識はハッキリしておる。ならば、こんなもの砕いてやるまでじゃ。
《炎舞・大車輪》
ドレイクが右手に握るは、魔剣カヅナ。
その昔、この世界の五龍神と呼ばれていた火龍カヅナの牙で造られたとされる魔剣。その刀身は持ち主の感情の高ぶりに呼応し、炎を纏うと言われている。
ドレイクは何十年も掛け自在に炎を纏えるまでに使いこなしていた。
炎を纏った大車輪。火龍カヅナの炎がリアの氷結を上回ったのだ。
辺り一帯の氷が砕け散り、中からドレイクが襲いくる。
だが、それすら予期していたリグはある魔法を既に発動していた。
《空間断裂》
その場に見えていながら対象を別の次元へと隔離する時空魔法。当然そんな魔法、ドレイクは知る由もない。故に脱出方法など知るはずもなかった。違う次元に閉じ込められる経験など誰しも体験したことはないのだ。
しかし、ドレイクは諦めてなどいなかった。今まで立ちはだかってきたその全てを斬ってきたドレイクにとって、次元であろうが、ただの壁という概念でしかなかった。
渾身の一振りを放つも次元の壁は微動だにしない。諦めずに、百振り、千振りとただがむしゃらに放つも結果は変わらない。
出口は目と鼻の先にあるにも関わらず、その距離は途方も無く遠い。
ふっ、別次元とは厄介じゃな。
じゃが、何故だ。斬れない気がしないのは。
その瞳に諦めの意思は微塵もなかった。
それから、血が滲む程に剣を振い続けた。
その時だった。
脳裏にある文字が浮かび上がる。
《次元斬》を会得しました。
一瞬何が起きたのか理解出来ないでいたが、呼吸を整え、頭に上った血を落とすように深呼吸する。
すぐに冷静さを取り戻し、己が自身に起こった状況を一瞬で整理した。
どうやら神が味方してくれたのは儂の方じゃったな。
ドレイクは次元の壁を一振りで斬り裂き、完全に後ろを向き油断しきっていたリアに対して容赦なくその剣を振るう。
何の抵抗もなくリアの首が飛び、転がった。
意外じゃな。また防がれると思おて身構えておったが、あっけないものよ。
だいぶ疲弊してしまったが、まだ戦えるじゃろうか。悪魔の嬢ちゃんは無効化出来ておるが、あの眷属とやらも相当に手強い。満身創痍でない今の状態で、何処までやれるやら。
視線があったかと思えば、下じゃと? 何のこ──!
突如として、足元から根っ子が伸びて来たかと思えば、そのままドレイクの足に絡みつき、瞬く間に全身を拘束してしまった。
頼みの綱の双剣も手元から離されてしまった。
視界が塞がれる本の一瞬、無傷の姿の魔女が映る。
ふ、不死身か⋯いや、先程の手応えのなさは、儂の手足が麻痺していたのではなく、単に擬装じゃったか。
ドレイクは力を込めるも、逆に抜けていく錯覚に苛まれる。
いや、これは錯覚ではない。この纏わり付く根や茎が吸い取って⋯おるのか⋯。グッ⋯駄目じゃ、もう⋯身体が動かせんわい。
⋯どうやら儂の強運もここまでのようじゃ⋯な。
死ぬのは⋯怖くない。じゃが⋯未練がないと言えば嘘になるの。
死後の⋯世界より⋯お主らの動向を⋯見守らせてもらうぞ⋯。こんなことを⋯言えた義理はないが⋯どうか、人族に仇なす敵と⋯ならんでくれ⋯。
ここに剣技において生涯を捧げた人物の一生が終わった。
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