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最後の魔女109 精霊の森2
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半世紀程前の話。
精霊の森を訪れる為に1人の少女と1匹の猫が彷徨い歩いていた。
「ご主人、本当にこんな場所にその入り口があるのかにゃ?」
「うん、間違いないよ。ベスティアにいた精霊さんが教えてくれたんだもん」
私はいつものように街を都市を転々とし、困っている人を助けて旅していた。そんな折、1つ前のベスティアと言う小さな港町で出会った精霊さんに精霊の森の場所を聞いた。
「私たち精霊が住まう精霊の森と呼ばれている場所で異常事態が起こっているの。だから魔女である貴女の助けが必要なのです」と精霊さんから直々に依頼を受けていた。
で、精霊の森への入り口がこの辺りにあると聞いて彷徨い歩くこと丸1日。
「お、もしかしてあれじゃない? なんか神聖な感じがするよあれ」
そこにあったのは、美しいまでに赤々と輝きを放っていた鳥居だった。
不自然なのは、何もない所に鳥居がポツンと建っている点だろう。にゃもさんは鳥居を睨み付ける仕草をとる。
「確かに何かの力は感じるにゃ」
取り敢えず鳥居をさすってみたり、潜ってみたり、拭いてみたり舐めてみたりと色々なことを試すも何ら変化が起きる気配がなかった。
「これじゃないのかな?」
「やっぱり、精霊じゃないと入れないんにゃ。つまりご主人は招かれてないんにゃ」
それでも諦めずに色んなパターンを思いついては鳥居に対して実践していると、誰かが話し掛けてくる。
「そんな所で一体何をしているのかしら?」
そこにいたのは、草の葉のようなドレスを見に纏った精霊さんだった。
「やっぱり、私が見えるのね。貴女、何者かしら」
私は咄嗟に持っていた木の棒を地面へとソッと起く。
先程思いついた鳥居を叩いてみてどうなるかを検証しようとしていた矢先だった。取り敢えず笑って誤魔化す。
「あはは、え、えと初めまして。私は魔女のシュタリアと言います。精霊の森の入り口を探しています。もしご存知でしたら教えて欲しいです」
精霊さんの表情が強張る。
もしかして、神聖な鳥居を破壊しようと思われているのかもしれない。こればマズい。すぐに誤解を解かなければ。
「ちょっと待ってね。その話は本当かしら? 魔女は全員魔女狩りの餌食になったと聞いていたのだけど」
「⋯⋯私は、運が良かったんです」
あの時のことを思い出すと胸が痛くなる。何故自分1人が生き残ってしまったのだろうかと何日も何日も考えていたあの頃を。
「ごめんなさい。軽率でした。その様子だと本当みたいね。後、どうしてこの場所が分かったのかしら。この場所を知っているのは精霊しかいないのだけど」
「あわわ、ええとそれは、ベスティアの精霊さんに聞いたんです。精霊の森で困っている精霊さんを助けてほしいと」
目の前の精霊さんは、何やら右手を頭に乗せて目を瞑る。
精霊同士は精霊王を通じて全て繋がっている。精霊王を通してベスティアの精霊へと連絡を取り真相の確認を取っていた。
「確認が取れました。無礼な態度をとり失礼しました」
ええと、私なんかにそんなに畏まらなくていいのに。
頭を下げる精霊さんに対して私も頭を下げる。
にゃもさんが呆れていたので、その頭を強引に下げさせた。
その後「明日もう一度この場所を訪れて下さい」と言われて精霊さんと別れた。
何でも精霊の森へ入るには、精霊王の許可が必要で、滅多な理由でもなければ中へ入ることは許されないようだ。
つまり、許可を得る為に1日時間を下さいということ。
頼まれて遥々訪れたような気もするけど、精霊さんの住まう場所に入る機会など今後訪れないかもしれないし、受け入れることにした。
「また今日も野宿かにゃ⋯」
にゃもさんがその場にグッタリと塞ぎ込む。
「ふっふっふ。喜ぶといいのだよ」
私はこの鳥居を見つける少し前にある場所を見つけていたのだ!
その場所へとにゃもさんと共に向かう。
そうしてすぐに目的地の物が目に入る。
「こんな廃墟が一体どうしたにゃ」
「修繕すれば使えるよ。野宿よりマシでしょ?」
にゃもさんは呆れているけれど、雨露を防げるだけ野宿より全然良いのにね、分かってないなぁ。と言うことで、廃墟へも足を踏み入ると中は想像以上に酷い有様だった。
これは中々にやりがいがありそうだね。
そうして私は魔法を駆使して時間も忘れて廃墟を見間違えるほどに修繕した。
しかし、熱中し過ぎた為に夜がすっかりど開けて朝日が差し込んでいた。
にゃもさんは、隅っこの方で丸くなって寝ている。
ええと、私がやったことは⋯⋯ううん、無駄じゃないよね。またいつかきっと泊まる日が来るよね。
あーそうだ。ここがずっと清潔を保っていられるように永続魔法を掛けておこう。
「にゃもさん、朝だよ起きて。精霊の森に行くよ」
まだ寝ぼけていたにゃもさんを半ば強引に引きずって昨日の鳥居の場所まで赴くと、そこには昨日とはまた違う精霊さんの姿があった。
「お待ちしておりました魔女様」
仰々しくお辞儀され、たじろいでしまう私。
そのまま鳥居の中へと案内され、中を通り過ぎるとびっくり仰天。精霊の森と呼ばれる場所に到着していた。
昨日は何度も中を潜り抜けても辿り着けなかったのにね。
精霊の森を訪れる為に1人の少女と1匹の猫が彷徨い歩いていた。
「ご主人、本当にこんな場所にその入り口があるのかにゃ?」
「うん、間違いないよ。ベスティアにいた精霊さんが教えてくれたんだもん」
私はいつものように街を都市を転々とし、困っている人を助けて旅していた。そんな折、1つ前のベスティアと言う小さな港町で出会った精霊さんに精霊の森の場所を聞いた。
「私たち精霊が住まう精霊の森と呼ばれている場所で異常事態が起こっているの。だから魔女である貴女の助けが必要なのです」と精霊さんから直々に依頼を受けていた。
で、精霊の森への入り口がこの辺りにあると聞いて彷徨い歩くこと丸1日。
「お、もしかしてあれじゃない? なんか神聖な感じがするよあれ」
そこにあったのは、美しいまでに赤々と輝きを放っていた鳥居だった。
不自然なのは、何もない所に鳥居がポツンと建っている点だろう。にゃもさんは鳥居を睨み付ける仕草をとる。
「確かに何かの力は感じるにゃ」
取り敢えず鳥居をさすってみたり、潜ってみたり、拭いてみたり舐めてみたりと色々なことを試すも何ら変化が起きる気配がなかった。
「これじゃないのかな?」
「やっぱり、精霊じゃないと入れないんにゃ。つまりご主人は招かれてないんにゃ」
それでも諦めずに色んなパターンを思いついては鳥居に対して実践していると、誰かが話し掛けてくる。
「そんな所で一体何をしているのかしら?」
そこにいたのは、草の葉のようなドレスを見に纏った精霊さんだった。
「やっぱり、私が見えるのね。貴女、何者かしら」
私は咄嗟に持っていた木の棒を地面へとソッと起く。
先程思いついた鳥居を叩いてみてどうなるかを検証しようとしていた矢先だった。取り敢えず笑って誤魔化す。
「あはは、え、えと初めまして。私は魔女のシュタリアと言います。精霊の森の入り口を探しています。もしご存知でしたら教えて欲しいです」
精霊さんの表情が強張る。
もしかして、神聖な鳥居を破壊しようと思われているのかもしれない。こればマズい。すぐに誤解を解かなければ。
「ちょっと待ってね。その話は本当かしら? 魔女は全員魔女狩りの餌食になったと聞いていたのだけど」
「⋯⋯私は、運が良かったんです」
あの時のことを思い出すと胸が痛くなる。何故自分1人が生き残ってしまったのだろうかと何日も何日も考えていたあの頃を。
「ごめんなさい。軽率でした。その様子だと本当みたいね。後、どうしてこの場所が分かったのかしら。この場所を知っているのは精霊しかいないのだけど」
「あわわ、ええとそれは、ベスティアの精霊さんに聞いたんです。精霊の森で困っている精霊さんを助けてほしいと」
目の前の精霊さんは、何やら右手を頭に乗せて目を瞑る。
精霊同士は精霊王を通じて全て繋がっている。精霊王を通してベスティアの精霊へと連絡を取り真相の確認を取っていた。
「確認が取れました。無礼な態度をとり失礼しました」
ええと、私なんかにそんなに畏まらなくていいのに。
頭を下げる精霊さんに対して私も頭を下げる。
にゃもさんが呆れていたので、その頭を強引に下げさせた。
その後「明日もう一度この場所を訪れて下さい」と言われて精霊さんと別れた。
何でも精霊の森へ入るには、精霊王の許可が必要で、滅多な理由でもなければ中へ入ることは許されないようだ。
つまり、許可を得る為に1日時間を下さいということ。
頼まれて遥々訪れたような気もするけど、精霊さんの住まう場所に入る機会など今後訪れないかもしれないし、受け入れることにした。
「また今日も野宿かにゃ⋯」
にゃもさんがその場にグッタリと塞ぎ込む。
「ふっふっふ。喜ぶといいのだよ」
私はこの鳥居を見つける少し前にある場所を見つけていたのだ!
その場所へとにゃもさんと共に向かう。
そうしてすぐに目的地の物が目に入る。
「こんな廃墟が一体どうしたにゃ」
「修繕すれば使えるよ。野宿よりマシでしょ?」
にゃもさんは呆れているけれど、雨露を防げるだけ野宿より全然良いのにね、分かってないなぁ。と言うことで、廃墟へも足を踏み入ると中は想像以上に酷い有様だった。
これは中々にやりがいがありそうだね。
そうして私は魔法を駆使して時間も忘れて廃墟を見間違えるほどに修繕した。
しかし、熱中し過ぎた為に夜がすっかりど開けて朝日が差し込んでいた。
にゃもさんは、隅っこの方で丸くなって寝ている。
ええと、私がやったことは⋯⋯ううん、無駄じゃないよね。またいつかきっと泊まる日が来るよね。
あーそうだ。ここがずっと清潔を保っていられるように永続魔法を掛けておこう。
「にゃもさん、朝だよ起きて。精霊の森に行くよ」
まだ寝ぼけていたにゃもさんを半ば強引に引きずって昨日の鳥居の場所まで赴くと、そこには昨日とはまた違う精霊さんの姿があった。
「お待ちしておりました魔女様」
仰々しくお辞儀され、たじろいでしまう私。
そのまま鳥居の中へと案内され、中を通り過ぎるとびっくり仰天。精霊の森と呼ばれる場所に到着していた。
昨日は何度も中を潜り抜けても辿り着けなかったのにね。
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