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018:五大精霊
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「話には聞いてはいたが、こりゃやべえな・・」
「チート過ぎない?」
「これ、私達いらなくない?」
リンと黒夜蝶達は、誰もいない郊外の荒野を訪れていた。
各々が実力を確かめるべく、順にその能力を示していく。
今は、リンの順番だった。
リン個人の能力はたかが知れている。
リンの凄さは、精霊術師としての精霊の使役数とその精霊の能力を100%引き出すことが出来る点だ。
そして、何より凄いのは同時に召喚出来る数だった。
普通の精霊術師ならば、召喚出来る数は1体までだ。
同時召喚なんてことは不可能とさえ言われている。
そもそもの使役数が違うというのもある。
リンは、その実力を見せて欲しいと言われ、皆の前で、5体の精霊同時召喚を行なった。
それぞれ、風の精霊シルフ、雷の精霊ラム、水の精霊アクア、火の精霊フィア、地の精霊ノーム。
俗に言う、上級五大精霊を召喚した。
それぞれが、リンの指示で一斉に得意魔法を行使した。
風の精霊シルフ
「今日はギャラリーが居るからサービスしちゃうよ!我が風の理を持って命じる!切り刻まれちゃえ!サイクロンペイン!」
雷の精霊ラム
「僕の凄さが見たい?んーそうだなぁ・・あ、これがいいかな・・・・雷鳴轟け!その雷は、数多の龍となりて大地に降り注がん!多龍迫雷!」
水の精霊アクア
「えっとぉ、みなさまぁ初めましてぇ、アクアと言いますぅ。えっと、これにしちゃおっと。それでは・・・その降り注ぐ雨は、やがて大粒の雨となりて、大地を呑み込むであろう・・・あれ、なんだっけぇ・・ま、いいやぁ、エンドレスレイン!」
火の精霊フィア
「あたし、人多いの苦手なんだけどね・・。リンの頼みじゃなかったら、願い下げなんだからな!黒炎よ!燃やし尽くせ!この世の全てを灰と化すまで!ダークインフェルノ!」
地の精霊ノーム
「リン様、御機嫌よう。派手なのをご所望とあらば、あれがいいでしょう。鋭き刃となりて、その大地の全てを覆い尽くさん、私はノーム。大地の精霊なり。アースストレイン!」
ほぼ同時に放たれた五大精霊の魔法の圧倒的な威力と迫力により、皆一様に言葉をなくしていた。
「みんな、無理な頼みを聞いてくれてありがとう」
五大精霊達が、リンの周りに集まる。
「リンの頼みじゃ仕方ないかなー」
「僕はいつでも歓迎だよ!」
「私はぁ、たまにはこういうのもぉ悪くないかなぁって思います」
「ふんっ今日だけなんだからな!でも、時々だったらまた見せてやってもいいんだからなっ!」
「リン様、次は戦闘の場でお呼び下さい。必ずやご期待に応えましょう」
各々が言いたい事を言い、戻って行った。
「精霊って、あそこまで飛び抜けた力を持ってたの・・」
「魔族の精霊術師のレベルを遥かに凌駕しているな。リン殿の1/10程度の威力もないかもしれない」
精霊の複数召喚は、魔力をかなり消費する為、流石のリンでさえ、5体までがある種の限度ラインだった。
奥の手を使えばまだ増やす事も可能だが、ただのお披露目にそこまでする必要はない。
上級精霊1体でもその実力を示すだけならば、十分過ぎる程だった。
皆が順々にその強さを示していく。
「じゃあ、最後は私だね」
ユリシスは、魔術師だった。
亜空から取り出した杖を構え、聞き取れないくらいの微かな声で高速詠唱していく。
《フレア》
彼女が最後にそう告げると、杖先から1mはあろうかというサイズの巨大火の玉が次々と放たれていく。
放たれた火の玉は、狙い通りに正確に着弾していく。
何十発目かが放たれた後に、ユリシスはやっくりと杖を下げた。
「相変わらず、ユリシスの奴も規格外だな」
「ま、私らの中じゃマスターの次に強いしね」
仲間内は当然彼女の実力は知っているのだろう。
これに驚いていたのは、リンだけだった。
フレアは、火系魔法の中では上級に分類される。
上級魔法が放てる魔法使いは、文句なしのA級魔術師だった。
こうして1周した所で、スイさんが全員を集める。
「さて、互いの実力の程は、何となくだが分かったと思う。次は連携だ。リンがいるからいつもの布陣じゃだめだぞ。今回の戦いは、リンが要となる。リンを中心としたリンを最大限に活かせる布陣を考える必要がある」
スイの言葉に、異論を唱えるものは誰一人として居なかった。
実力だけならば、魔族の中でもエリート集団の部類に入る彼等だったが、皆がリンの実力を認めていたのだ。
そして、その日からリンを中心とした連携の特訓が始まった。
------------------------------------------------------------------------------------------------
話はすこしだけ遡る。
「ふあぁ・・」
誰もいない密林の奥深くで、何ともやるせない声が聞こえる。
「暇だなぁ・・。ていうか、ここどこ?僕はダレ?」
その姿は一糸纏わぬ姿だった。
少年?少女?どちらともとれる風貌をしている。
この人物こそが、今回復活した不死の王と呼ばれて恐れられている存在だ。
「うーん。考えても分からないや。取り敢えず・・」
「クゥー」
「何だお前は」
|不死の王(ノーライフキング)の前にいきなり現れたのは、体長15cm程の蜥蜴のような生物もといモンスターだった。
「クゥー」
「何だちっこいの。僕はクゥーじゃないよ」
「クゥー」
「だから違うって」
最後にそれだけ告げると小さな蜥蜴は、何処かへ走り去ってしまった。
「結局名乗らずに行きおった・・・」
「・・・・クゥか。悪くない・・かな?」
暫く歩いていると、人族の集団と出会う。
「おい、ガキがまっぱでいやがるぜ」
「あ?なんでこんな奥地にガキが一人でいるんだ?」
「団長、関係ないですぜ!それより容姿は悪くないみたいだし、捕まえて奴隷商にでも売り飛ばしちまいましょうぜ」
「はぁ・・・はぁ・・」
「なんだお前ガキに欲情してんのか?」
「こんな密林の奥で山賊稼業してると、ガキだろうが関係ないんだよ」
不死の王は、興味津々に盗賊達へと近付いた。
「お前達はだれ?」
「おいガキ。一人か?」
「僕はガキじゃない。クゥだ」
自分の事が分からず、名すらも思い出せない不死の王は、最初に出会った小さな蜥蜴に呼ばれた名を名乗ることにした。
「あ?名前なんて聞いてねえんだよ。ちゃんと質問に答えやがれ!」
怒鳴り散らすだけの盗賊達にクゥは、露骨に嫌そうな顔をした。
無視して通り過ぎようと歩き出すと、その行く手を三人の男達が塞ぐ。
「おい、どこに行こうってんだい嬢ちゃん」
「ジョウチャン?違う。クゥだ」
「ああ?生意気言ってんじゃ・・」
二度とその男が口を開くことは無かった。
男の首から上が虚空を舞い、団長と呼ばれた人物の目の前へと落下した。
「ひ、ひいいい」
「こいつやりやがった!!」
「おい、今何しやがった!全く見えなかったぞ!」
「ちっ!お前ら、そのガキを殺せ!」
9人いた山賊は、一瞬の内に首から上を切断されて、物言わぬ死体へと変貌した。
クゥは、何事も無かったようにその場を通り過ぎる。
------------------------------------------------------------------------------------------------
黒夜蝶のメンバーと一緒に特訓を開始してから1週間が経過していた。
「だいぶ様になってきたわね」
「そうだね。最初こそはみんなの連携に合わせられるか不安だったけどね」
「さて、今日の訓練は終了だ。帰るぞ」
朝から晩まで訓練をして、夜はレミリアの酒場で朝まで飲み明かす。それで起きたら訓練再開の生活をここ1週間続けていた。
「みんなタフだよね・・」
歩きながらボソリと発したリンの言葉だったが、隣を歩いているユリシスに聞こえてしまったようだ。
「え?何か言った?」
「ううん、何でもないよ」
次の日の朝、いつものように酒場で夜を明かしたリンは、スイの元へ呼ばれていた。
「おはよう。この生活にも慣れたかい?」
「そうですね、生活の方はだいぶ。お酒の方は未だに慣れないですけどね」
「酒は慣れるまでが楽しいもんだ」
「ははは」と両者は笑った。
「正直に答えてくれ」
リンは空気が変わったのを感じ取った。
それまでのスイさんの目とは明らかに違う。
「我々だけで不死の王に勝てると思うか?」
「そうですね、相手の力が未知数なので、何とも言えません。仮に前回戦った時の力を有しているならば、このメンバー単騎では、難しいと思います」
「そうか・・・実際に対峙した事のあるリンが言うのだ。間違いあるまい。厳しい戦いになりそうだな・・」
「チート過ぎない?」
「これ、私達いらなくない?」
リンと黒夜蝶達は、誰もいない郊外の荒野を訪れていた。
各々が実力を確かめるべく、順にその能力を示していく。
今は、リンの順番だった。
リン個人の能力はたかが知れている。
リンの凄さは、精霊術師としての精霊の使役数とその精霊の能力を100%引き出すことが出来る点だ。
そして、何より凄いのは同時に召喚出来る数だった。
普通の精霊術師ならば、召喚出来る数は1体までだ。
同時召喚なんてことは不可能とさえ言われている。
そもそもの使役数が違うというのもある。
リンは、その実力を見せて欲しいと言われ、皆の前で、5体の精霊同時召喚を行なった。
それぞれ、風の精霊シルフ、雷の精霊ラム、水の精霊アクア、火の精霊フィア、地の精霊ノーム。
俗に言う、上級五大精霊を召喚した。
それぞれが、リンの指示で一斉に得意魔法を行使した。
風の精霊シルフ
「今日はギャラリーが居るからサービスしちゃうよ!我が風の理を持って命じる!切り刻まれちゃえ!サイクロンペイン!」
雷の精霊ラム
「僕の凄さが見たい?んーそうだなぁ・・あ、これがいいかな・・・・雷鳴轟け!その雷は、数多の龍となりて大地に降り注がん!多龍迫雷!」
水の精霊アクア
「えっとぉ、みなさまぁ初めましてぇ、アクアと言いますぅ。えっと、これにしちゃおっと。それでは・・・その降り注ぐ雨は、やがて大粒の雨となりて、大地を呑み込むであろう・・・あれ、なんだっけぇ・・ま、いいやぁ、エンドレスレイン!」
火の精霊フィア
「あたし、人多いの苦手なんだけどね・・。リンの頼みじゃなかったら、願い下げなんだからな!黒炎よ!燃やし尽くせ!この世の全てを灰と化すまで!ダークインフェルノ!」
地の精霊ノーム
「リン様、御機嫌よう。派手なのをご所望とあらば、あれがいいでしょう。鋭き刃となりて、その大地の全てを覆い尽くさん、私はノーム。大地の精霊なり。アースストレイン!」
ほぼ同時に放たれた五大精霊の魔法の圧倒的な威力と迫力により、皆一様に言葉をなくしていた。
「みんな、無理な頼みを聞いてくれてありがとう」
五大精霊達が、リンの周りに集まる。
「リンの頼みじゃ仕方ないかなー」
「僕はいつでも歓迎だよ!」
「私はぁ、たまにはこういうのもぉ悪くないかなぁって思います」
「ふんっ今日だけなんだからな!でも、時々だったらまた見せてやってもいいんだからなっ!」
「リン様、次は戦闘の場でお呼び下さい。必ずやご期待に応えましょう」
各々が言いたい事を言い、戻って行った。
「精霊って、あそこまで飛び抜けた力を持ってたの・・」
「魔族の精霊術師のレベルを遥かに凌駕しているな。リン殿の1/10程度の威力もないかもしれない」
精霊の複数召喚は、魔力をかなり消費する為、流石のリンでさえ、5体までがある種の限度ラインだった。
奥の手を使えばまだ増やす事も可能だが、ただのお披露目にそこまでする必要はない。
上級精霊1体でもその実力を示すだけならば、十分過ぎる程だった。
皆が順々にその強さを示していく。
「じゃあ、最後は私だね」
ユリシスは、魔術師だった。
亜空から取り出した杖を構え、聞き取れないくらいの微かな声で高速詠唱していく。
《フレア》
彼女が最後にそう告げると、杖先から1mはあろうかというサイズの巨大火の玉が次々と放たれていく。
放たれた火の玉は、狙い通りに正確に着弾していく。
何十発目かが放たれた後に、ユリシスはやっくりと杖を下げた。
「相変わらず、ユリシスの奴も規格外だな」
「ま、私らの中じゃマスターの次に強いしね」
仲間内は当然彼女の実力は知っているのだろう。
これに驚いていたのは、リンだけだった。
フレアは、火系魔法の中では上級に分類される。
上級魔法が放てる魔法使いは、文句なしのA級魔術師だった。
こうして1周した所で、スイさんが全員を集める。
「さて、互いの実力の程は、何となくだが分かったと思う。次は連携だ。リンがいるからいつもの布陣じゃだめだぞ。今回の戦いは、リンが要となる。リンを中心としたリンを最大限に活かせる布陣を考える必要がある」
スイの言葉に、異論を唱えるものは誰一人として居なかった。
実力だけならば、魔族の中でもエリート集団の部類に入る彼等だったが、皆がリンの実力を認めていたのだ。
そして、その日からリンを中心とした連携の特訓が始まった。
------------------------------------------------------------------------------------------------
話はすこしだけ遡る。
「ふあぁ・・」
誰もいない密林の奥深くで、何ともやるせない声が聞こえる。
「暇だなぁ・・。ていうか、ここどこ?僕はダレ?」
その姿は一糸纏わぬ姿だった。
少年?少女?どちらともとれる風貌をしている。
この人物こそが、今回復活した不死の王と呼ばれて恐れられている存在だ。
「うーん。考えても分からないや。取り敢えず・・」
「クゥー」
「何だお前は」
|不死の王(ノーライフキング)の前にいきなり現れたのは、体長15cm程の蜥蜴のような生物もといモンスターだった。
「クゥー」
「何だちっこいの。僕はクゥーじゃないよ」
「クゥー」
「だから違うって」
最後にそれだけ告げると小さな蜥蜴は、何処かへ走り去ってしまった。
「結局名乗らずに行きおった・・・」
「・・・・クゥか。悪くない・・かな?」
暫く歩いていると、人族の集団と出会う。
「おい、ガキがまっぱでいやがるぜ」
「あ?なんでこんな奥地にガキが一人でいるんだ?」
「団長、関係ないですぜ!それより容姿は悪くないみたいだし、捕まえて奴隷商にでも売り飛ばしちまいましょうぜ」
「はぁ・・・はぁ・・」
「なんだお前ガキに欲情してんのか?」
「こんな密林の奥で山賊稼業してると、ガキだろうが関係ないんだよ」
不死の王は、興味津々に盗賊達へと近付いた。
「お前達はだれ?」
「おいガキ。一人か?」
「僕はガキじゃない。クゥだ」
自分の事が分からず、名すらも思い出せない不死の王は、最初に出会った小さな蜥蜴に呼ばれた名を名乗ることにした。
「あ?名前なんて聞いてねえんだよ。ちゃんと質問に答えやがれ!」
怒鳴り散らすだけの盗賊達にクゥは、露骨に嫌そうな顔をした。
無視して通り過ぎようと歩き出すと、その行く手を三人の男達が塞ぐ。
「おい、どこに行こうってんだい嬢ちゃん」
「ジョウチャン?違う。クゥだ」
「ああ?生意気言ってんじゃ・・」
二度とその男が口を開くことは無かった。
男の首から上が虚空を舞い、団長と呼ばれた人物の目の前へと落下した。
「ひ、ひいいい」
「こいつやりやがった!!」
「おい、今何しやがった!全く見えなかったぞ!」
「ちっ!お前ら、そのガキを殺せ!」
9人いた山賊は、一瞬の内に首から上を切断されて、物言わぬ死体へと変貌した。
クゥは、何事も無かったようにその場を通り過ぎる。
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黒夜蝶のメンバーと一緒に特訓を開始してから1週間が経過していた。
「だいぶ様になってきたわね」
「そうだね。最初こそはみんなの連携に合わせられるか不安だったけどね」
「さて、今日の訓練は終了だ。帰るぞ」
朝から晩まで訓練をして、夜はレミリアの酒場で朝まで飲み明かす。それで起きたら訓練再開の生活をここ1週間続けていた。
「みんなタフだよね・・」
歩きながらボソリと発したリンの言葉だったが、隣を歩いているユリシスに聞こえてしまったようだ。
「え?何か言った?」
「ううん、何でもないよ」
次の日の朝、いつものように酒場で夜を明かしたリンは、スイの元へ呼ばれていた。
「おはよう。この生活にも慣れたかい?」
「そうですね、生活の方はだいぶ。お酒の方は未だに慣れないですけどね」
「酒は慣れるまでが楽しいもんだ」
「ははは」と両者は笑った。
「正直に答えてくれ」
リンは空気が変わったのを感じ取った。
それまでのスイさんの目とは明らかに違う。
「我々だけで不死の王に勝てると思うか?」
「そうですね、相手の力が未知数なので、何とも言えません。仮に前回戦った時の力を有しているならば、このメンバー単騎では、難しいと思います」
「そうか・・・実際に対峙した事のあるリンが言うのだ。間違いあるまい。厳しい戦いになりそうだな・・」
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