問答無用!でランキングブレイカー!! ースキル、グラビアこそ最強最高ですー

心絵マシテ

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孤島の花嫁

66話 朝焼けのポーチドエッグ

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 聞き覚えのある名にピン! ときた。
 まさかと思うが、このオッサンは、あの変態の父親か!?
 この親父から、あの排泄物は生まれたのか……などと悪口を言っている場合ではない。
  
 報道マイクのように俺を取り囲むもり
 どうやら、ポメオのパパは集落の重鎮のようだ。
 彼の好意を否定したことで、連中の警戒心を高めてしまった。

 まじぃぃぃ―――。
 迂闊うかつな行動をとれば、バーベキューの具材みたいに串刺しになっちまう。
 なんとか、ウェットに富んだやり取りで心の距離をちぢめなければ……。

「アルファポメオじゃないナラ?」

「はい! アルファポリスです、父上!」

「ん? 何か変ナラ? お前、本当にマイサンなのかぁ――?」

 大きな顔面が、怪訝そうに歪む。
 しまった……父上呼びは不自然過ぎたか。
 心の距離は、ますます遠のくばかりだった。
 周囲からの漂う殺気に俺は蛇ににらまれたカエルのように身動き取れなくなっていた。
 せっかく、転生復帰したのに、この若さでおだ仏とかあんまりだ。

「アンタら、そこまでにしな。その子が怯えているじゃないか?」

 追い詰められた矢先、オッサンより、一回り小さいボリネシアンランサーの女性が家屋から出てきた。
 他の連中とは異なり、彼女だけは麻の服ではない。
 一人だけゴージャスな宝石のネックレスやシルクのような光沢感のある衣装に身を包んでいる。

「だが、マイワイフ! これがアルファポメオじゃなければ、本物のマイサンはどこに行ったんだ!?」

「ポメオであるかなんて、腰ミノを見れば分かるさね? 間違いない! その腰ミノは息子のために私が編んだ物よ」

「あいやややあ!! 腰ミノだけで判断してらっしゃるぅ―――」

 オカミサンの言うとおり、俺はポメオに貰った腰ミノを装着していた。
 というか、実の親にさえ認知されていないという真実。
 アイツの放浪癖もこれが原因なのかもしれない。
 俺は静かにまぶたを閉じた。

「オマエ、スケベダナ!」

 帆船にて、俺はボリネシアンランサーの青年アルファポメオと再会した。
 キリリとした顔立ちをした彼は、とても正義感が強く、たくましい男だった。

「そういう、オマエもマニアックじゃねぇか!」

 思い返してみれば、俺の辛辣な言葉さえもポメオは笑って受け流していた。
 あの無駄な明るさも複雑な家庭環境があったからこそなのかもしれない。
 でなければ、奴は相当ヤバい薬をキメている。

「そうか! ヨミコがそう言うのならポメオなのナラ!! お前たち、宴の準備をするのナラ~」

 女房に言い包められたオッサンは、考えるのを断念していた。
 彼女が黒と言えば、白も黒になる……そんな勢いで、他の男どもも言いなりになっている。
 どうして宴をするのは、はなはだ疑問ではある。
 甲板の上で彼の息子は村での生活に嫌気が差し、エロスの最上級エロティシズムを求めて飛び出してきたと邪眼で語っていた。
 嵐の後、ポメオの消息は不明だ。
 この島に戻ってきている可能性もなくはないが、あの嵐だ……俺のように日頃の行いが良くなければ、無傷とはいかないだろう。

「どうしたポメオ? 祝言だというのに浮かない顔して、マトリッツォのことが気になるのか?」

「マトリッ……いや、何でもねぇデスよ。ところで、誰が結婚するのか?」

「んっはは、誰ってオマエだよ!!」

 思いっきり背中を叩かれ、鼻水がフライングしかけた。
 理性の審判団が笛を吹いてくれなければ、汚物を噴き上げるところだった。
 咳込む俺を見て豪快に笑うのは従兄弟のルーカス。
 スキャニングがなければ、マジで誰だよとなる所だった。
 備考欄にはつい最近、女房子供に逃げられたと記されている。

 知っていけない他人の秘密を掘り出してしまう。なんて、イケない能力なんだ。
 おかげで、ルーカスの眼が殺意を帯びているようにしか思えない。

「まぁ、クロスケのオジサンの嬉しそうな顔も見れたことだし、本当によぅ、戻ってきた!」

 再度、背中を叩こうとしたので、俺はスキルブックを開き盾を出して防いだ。

「むっ、どういうことだ? ポメオ」

「悪いな。もう少し、様子を見ようかと思ったけど茶番はここまでだ。いい加減、ポメオ扱いされるのは不快なんだよ!」

 コイツらは全員、俺がポメオではないことを理解している。
 知っていながら、奴の母親であるヨミコの一存により俺に代役をさせようとしている。
 理由は知らんが、皆、彼女ことを恐れている。
 そして、ヨミコ自身も俺を息子として扱おうとしている。

「おいおい、冗談もホドホドにしておかないと尻でチョップスティック割っちゃうぞ!」

 何もかもが異常だった。否定する俺を無視して、ルーカスはすでに結婚式の余興を考えていた。
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