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ライバルとの決着
85話 和尚さん、勘弁してくだしぁ
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いかん、いかん。
転生前の思い出に華を咲かせても献花にしかならん。
要約するとディス イズ ボーズ ヒア。
「ようこそ、最期の楽園へ」と言いたいところだが、それは奴の依頼次第だ。
ここまで来れば、【未払い】を正しく読めない俺でも分かる。
楽天カードマンの正体が……って違うわ!
誰だよ! 人の頭の中で「楽天ガードマァ~ン」って歌うやつは!? やっぱ、必殺技はマネーロンダリングかな?
それは、ともかく坊主の依頼は誰が受けるの? 俺でしょ!
有無を言わさず話だけが進んでゆく、もう慣れたことよ。
「依頼というのは、他のなんでもねぇです!」
「他があるのかよ……」
「えっ? 別に言葉のアヤですが?」
「何でもない。横やり入れて悪かった、話を続けてくれ」
やれやれ、マジレスされてしまった。滅多なことを口走ってはいけない。
印象を悪くするだけだ。
もっとも、どうして俺が未成年の悩みを聞かなければいけないのか……保険体育の先生もこんな心境なのか?
「最近、村にマーダの手下を名乗るサトランという賢者が現れて嫌がられているんです」
「誰に?」
「とくに若い村の女子たちですわ。ランキング、7,000代程度の奴にデカい顔されても……皆、困りますわ」
「参考までに聞いていいかな?」
「どうぞ、どうぞ。拙者が答えられる範囲なら何でも答えます」
「その……サトランとやらから嫌がらせを受けているのではなく、サトランが嫌がられている……のか?」
「そうすす! 生類憐みの令が無効になるほど拒絶されていますし」
これは、どうしたら良いモノか? こともあろうに被害者はサトランではないのか?
確かに、潜在的に拒否感を生み出す才能はあったと思う。
しかし、しかあ――しだぁ!! そこに里の損害はあったのかが論点だ。
むろん、里側からすれば奴の傲慢不遜な態度は鼻につくかもしれない。
毎度、ケツの穴の臭いを確認させられていたら、皆が参るのは当然だ。
けれど、言うほど酷いモノなのか? 実際、この眼で確かめてみなければ何とも言えない。
なかなか結論を出せない代わりに貰った菓子折りに手を出した。
紐で閉じてある木箱のフタをあけてみると、バナナのような高貴な香りが漂ってくる。
和紙に包まったソレを一つ手に取り、中を確かめる。
焼き菓子だ、しかも……これ東〇バナナじゃないか!?
異世界に存在する東京銘菓に、壱も弐もなく戦慄が走る。
「ど、どこでこれを手に入れたんだ!? これ、フシダラのセカイでは作れないだろう?」
「いや~、さすが神さん鋭いですな! 今回みたいに別世界に転移してしまったおりに、技術ごと盗んできたのですわ」
鋭いも何もあったもんじゃない。
真似して作ろうにも、そうとうな腕前を持つ職人がいなければ成し得ないことだ。
おまけに、物騒なことまで白状してきたが、おそらくスキルブックを使用したのだろう。
ギルティなのかもしれない。
でも、異世界の技術を盗んできていけないとは六法全書にも記載されてはいない。
路肩にて脱糞すんなとは書いてあってもだ。
それよりも――――「どうやって転移したのか?」が気になるところだ。
「拙者のスキルブック、夢枕は寝ている間に精神体を異世界に飛ばしたり、小さなモノなら転移も可能なんです。この菓子折りも枕元に置いておいた物、それにほら! この土偶も異世界で偶然、手に入れたモノなんですよ」
土偶と言われ、かかげられたソイツは、俺の知っているモノと少し様子が違った。
顔のついたサボテンだ。
仙人掌または覇王樹と呼ばれる植物を模したそれは、何の前触れもなく口を動かした。
「いやぁ! 初めましてだね。マイト初号機」
うえええ…………不意打ちの挨拶に当然、俺はフリーズするしかなかった。
置物だとばかり思っていたモノが生きているのなんて、並列思考をもってしても情報整理が追いつかない。
並列思考ができるのかと聞かれれば、大抵の男はできると言えよう。
我々は、いついかなる場合もスケベなことを考えて生きている。
試験のときπをみて筆がとまったり、体育の授業中に女子の方ばかりみながら、股間がパルクールするのなんてザラだ。
並列思考とは、そういった日々の罪重ねの応用だ。
「お前は一体……どうして俺の名前を知っているんだ?」
「ふふっ……なんでだろうね? それは兎に角、ワタシも相談があってここに来たのだよ」
「アウターゾーンを復活させることは俺にもできないぞ?」
「えっ? じゃあ……バアアゾーンで!」
しょうもない質疑応答が始まりを告げた。
どうやら今夜は遅くまで時間がかかりそうだ。
拭いきれない、異様な空気に自然と期待が高まってきた。
転生前の思い出に華を咲かせても献花にしかならん。
要約するとディス イズ ボーズ ヒア。
「ようこそ、最期の楽園へ」と言いたいところだが、それは奴の依頼次第だ。
ここまで来れば、【未払い】を正しく読めない俺でも分かる。
楽天カードマンの正体が……って違うわ!
誰だよ! 人の頭の中で「楽天ガードマァ~ン」って歌うやつは!? やっぱ、必殺技はマネーロンダリングかな?
それは、ともかく坊主の依頼は誰が受けるの? 俺でしょ!
有無を言わさず話だけが進んでゆく、もう慣れたことよ。
「依頼というのは、他のなんでもねぇです!」
「他があるのかよ……」
「えっ? 別に言葉のアヤですが?」
「何でもない。横やり入れて悪かった、話を続けてくれ」
やれやれ、マジレスされてしまった。滅多なことを口走ってはいけない。
印象を悪くするだけだ。
もっとも、どうして俺が未成年の悩みを聞かなければいけないのか……保険体育の先生もこんな心境なのか?
「最近、村にマーダの手下を名乗るサトランという賢者が現れて嫌がられているんです」
「誰に?」
「とくに若い村の女子たちですわ。ランキング、7,000代程度の奴にデカい顔されても……皆、困りますわ」
「参考までに聞いていいかな?」
「どうぞ、どうぞ。拙者が答えられる範囲なら何でも答えます」
「その……サトランとやらから嫌がらせを受けているのではなく、サトランが嫌がられている……のか?」
「そうすす! 生類憐みの令が無効になるほど拒絶されていますし」
これは、どうしたら良いモノか? こともあろうに被害者はサトランではないのか?
確かに、潜在的に拒否感を生み出す才能はあったと思う。
しかし、しかあ――しだぁ!! そこに里の損害はあったのかが論点だ。
むろん、里側からすれば奴の傲慢不遜な態度は鼻につくかもしれない。
毎度、ケツの穴の臭いを確認させられていたら、皆が参るのは当然だ。
けれど、言うほど酷いモノなのか? 実際、この眼で確かめてみなければ何とも言えない。
なかなか結論を出せない代わりに貰った菓子折りに手を出した。
紐で閉じてある木箱のフタをあけてみると、バナナのような高貴な香りが漂ってくる。
和紙に包まったソレを一つ手に取り、中を確かめる。
焼き菓子だ、しかも……これ東〇バナナじゃないか!?
異世界に存在する東京銘菓に、壱も弐もなく戦慄が走る。
「ど、どこでこれを手に入れたんだ!? これ、フシダラのセカイでは作れないだろう?」
「いや~、さすが神さん鋭いですな! 今回みたいに別世界に転移してしまったおりに、技術ごと盗んできたのですわ」
鋭いも何もあったもんじゃない。
真似して作ろうにも、そうとうな腕前を持つ職人がいなければ成し得ないことだ。
おまけに、物騒なことまで白状してきたが、おそらくスキルブックを使用したのだろう。
ギルティなのかもしれない。
でも、異世界の技術を盗んできていけないとは六法全書にも記載されてはいない。
路肩にて脱糞すんなとは書いてあってもだ。
それよりも――――「どうやって転移したのか?」が気になるところだ。
「拙者のスキルブック、夢枕は寝ている間に精神体を異世界に飛ばしたり、小さなモノなら転移も可能なんです。この菓子折りも枕元に置いておいた物、それにほら! この土偶も異世界で偶然、手に入れたモノなんですよ」
土偶と言われ、かかげられたソイツは、俺の知っているモノと少し様子が違った。
顔のついたサボテンだ。
仙人掌または覇王樹と呼ばれる植物を模したそれは、何の前触れもなく口を動かした。
「いやぁ! 初めましてだね。マイト初号機」
うえええ…………不意打ちの挨拶に当然、俺はフリーズするしかなかった。
置物だとばかり思っていたモノが生きているのなんて、並列思考をもってしても情報整理が追いつかない。
並列思考ができるのかと聞かれれば、大抵の男はできると言えよう。
我々は、いついかなる場合もスケベなことを考えて生きている。
試験のときπをみて筆がとまったり、体育の授業中に女子の方ばかりみながら、股間がパルクールするのなんてザラだ。
並列思考とは、そういった日々の罪重ねの応用だ。
「お前は一体……どうして俺の名前を知っているんだ?」
「ふふっ……なんでだろうね? それは兎に角、ワタシも相談があってここに来たのだよ」
「アウターゾーンを復活させることは俺にもできないぞ?」
「えっ? じゃあ……バアアゾーンで!」
しょうもない質疑応答が始まりを告げた。
どうやら今夜は遅くまで時間がかかりそうだ。
拭いきれない、異様な空気に自然と期待が高まってきた。
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