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ライバルとの決着
94話 デラックスロボット
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『マッハファルコン、スタンバイ完了! 発進シークエンスに移行します』
キャノピーにより、フタをされた俺はいよいよ逃げられなくなった。
ものの見事にジョージの意気込みに乗せられた感はあるが、この緊迫感はキライではない。
ラブホにあるベットように半回転するマッハファルコン。
ファルコンというからには、鳥の造形をしているのかと思っていたが曖昧なボディ形状をしている。
鳥っぽくしつつも戦闘機であるという主張を崩さない。
いわば、剛の者のスタンス。
幼馴染の少女が、パッとしない主人公をぐいぐい引っ張ってゆく、そのワンシーンを忠実に再現している。
カラーリングは勿論、ときめくようなマゼンタである。
断じてピンクなんぞのスィーツカラーではない。
夢と野望と性欲を乗せた翼が今、次元の歪から飛び立とうとしている。
このまま、ダンジョン内で出現したらインベーダーと間違えられてしまう。
事態を重く見た我々は、キヨシの里に直行するのではなく迂回して進むことに決めた。
この決断が、後に響くなどと俺たちクール全員、考えもしなかった。
とにかく、巻いてゆくのに懸命だった。
いつまで経っても発進しないと、戦闘シーンは数秒で終わらせないといけない。
嫌なプレッシャーを抱えながらマッハファルコンが先陣をきった。
「ファルコン、出ますぅ―――――わぎゃああああああああ!!」
発進直後、ガタガタと激しい衝撃が襲ってきた。
ファルコンではなく、別のモノが体内から出そうだ。
俺は必死に笑いこえらえながら、セグウェイを操作した。
隣を見るとフシダラが搭乗したシャークサブマリンがまったく前進できず悪戦苦闘していた。
そもそも、シャークは水中専用機だ。水中ではない場所から移動できるわけがない。
どうにもできず、宿屋にいたスタッフ総出で機体を手押ししている。
失礼ながらも、その直向きな姿勢がドツボにハマってしまった。
大の大人たちがジョージ一人の道楽に振り回されている。
それだけでもヘンなのに、しれっと人里の存亡をかけた戦いに巻き込まれている。
その辺りの状況が理解できているのかも怪しいところだ。
なかなか、思い通りならない俺たちを尻目に三番ピットからジョージのランドクルーザーがいち早く走り出していた。
アイツだけ自家用車とか……完全に安牌を取りに来ている。
せめて、パジェロミニにしておけよと、言ってやりたかったが既に奴は次元を壁を通り抜けていた。
後を追うようにファルコンも次元を超える。
シャークも皆に蹴り飛ばされながら発進していた。
次元を超えた途端、上下左右が分からなくなった。
俺たちの放り出された場所は、レーダーによると成層圏。
キヨシの里は星団船、船底エリアの第七層に位置する。
七層は、ダンジョン内であるにもかかわらず空を有するエリアである。
言わずもがな、状況は最悪だ。
俺のマッハファルコンは飛行できるから問題ない。
が、シャークサブマリンとランドクルーザーは空を飛ぶことができない。
このまま落下したら地に叩きつけられるだけだ。
今にも無線から、二人の悲鳴が聞こえてきそうな予感がする。
『こちら、ランドクルーザー! 乱気流に捕まった。二人とも、ここで合体するぞ!!』
『了解っす! サブマリンはこのまま垂直飛行して行きますんでヨロシクお願いします』
コイツら……往生際が悪すぎるだろ。
どうあっても自分たちが落下していることを認めたくないようだ。
あたかも、飛行している前提で話を進めてきた。
神経が図太すぎだろう、本当に。
合体すれば―――『行くぞぁぁああ!! 即身合体ぃぃぃい!!』
間髪入れずにフシダラが、発狂し始めた。
なんか、遠隔操作されているらしく、こちらの操作を受けつけない。
正面モニターが切り替わり合体時のイメージ映像が流されるだけだ。
どうやら、俺たちの機体は三機で合体することにより、特撮ヒーローモノで登場するような感じの二足歩行ロボットになるらしい。
ただし、一般的なモノに比べてかなりの小さい。
築二十五年の二階建て家屋に相当するサイズだ。
三機は互いに引き寄せられるように接近してゆく。
よくもまぁ、ここまでディテールにこだわったモンだと感心するしかない。
ランドクルーザー変形し両脚部となる。
シャークは左右、真っ二つに開き両腕部と背中に変わる。
あとはファルコンだ。
コイツが頭部、胴体、股間を担う。
『三体合体!!』ジョージがシャウトした。
『デラックス!』フシダラが奇声を発す。
ふっ、悪いな皆。俺だけ良いとこ取りしてしまって……後はこのロボットの名を呼ぶだけで完成だ。
「………………ヤバイ。名前、知らないんだけど」
キャノピーにより、フタをされた俺はいよいよ逃げられなくなった。
ものの見事にジョージの意気込みに乗せられた感はあるが、この緊迫感はキライではない。
ラブホにあるベットように半回転するマッハファルコン。
ファルコンというからには、鳥の造形をしているのかと思っていたが曖昧なボディ形状をしている。
鳥っぽくしつつも戦闘機であるという主張を崩さない。
いわば、剛の者のスタンス。
幼馴染の少女が、パッとしない主人公をぐいぐい引っ張ってゆく、そのワンシーンを忠実に再現している。
カラーリングは勿論、ときめくようなマゼンタである。
断じてピンクなんぞのスィーツカラーではない。
夢と野望と性欲を乗せた翼が今、次元の歪から飛び立とうとしている。
このまま、ダンジョン内で出現したらインベーダーと間違えられてしまう。
事態を重く見た我々は、キヨシの里に直行するのではなく迂回して進むことに決めた。
この決断が、後に響くなどと俺たちクール全員、考えもしなかった。
とにかく、巻いてゆくのに懸命だった。
いつまで経っても発進しないと、戦闘シーンは数秒で終わらせないといけない。
嫌なプレッシャーを抱えながらマッハファルコンが先陣をきった。
「ファルコン、出ますぅ―――――わぎゃああああああああ!!」
発進直後、ガタガタと激しい衝撃が襲ってきた。
ファルコンではなく、別のモノが体内から出そうだ。
俺は必死に笑いこえらえながら、セグウェイを操作した。
隣を見るとフシダラが搭乗したシャークサブマリンがまったく前進できず悪戦苦闘していた。
そもそも、シャークは水中専用機だ。水中ではない場所から移動できるわけがない。
どうにもできず、宿屋にいたスタッフ総出で機体を手押ししている。
失礼ながらも、その直向きな姿勢がドツボにハマってしまった。
大の大人たちがジョージ一人の道楽に振り回されている。
それだけでもヘンなのに、しれっと人里の存亡をかけた戦いに巻き込まれている。
その辺りの状況が理解できているのかも怪しいところだ。
なかなか、思い通りならない俺たちを尻目に三番ピットからジョージのランドクルーザーがいち早く走り出していた。
アイツだけ自家用車とか……完全に安牌を取りに来ている。
せめて、パジェロミニにしておけよと、言ってやりたかったが既に奴は次元を壁を通り抜けていた。
後を追うようにファルコンも次元を超える。
シャークも皆に蹴り飛ばされながら発進していた。
次元を超えた途端、上下左右が分からなくなった。
俺たちの放り出された場所は、レーダーによると成層圏。
キヨシの里は星団船、船底エリアの第七層に位置する。
七層は、ダンジョン内であるにもかかわらず空を有するエリアである。
言わずもがな、状況は最悪だ。
俺のマッハファルコンは飛行できるから問題ない。
が、シャークサブマリンとランドクルーザーは空を飛ぶことができない。
このまま落下したら地に叩きつけられるだけだ。
今にも無線から、二人の悲鳴が聞こえてきそうな予感がする。
『こちら、ランドクルーザー! 乱気流に捕まった。二人とも、ここで合体するぞ!!』
『了解っす! サブマリンはこのまま垂直飛行して行きますんでヨロシクお願いします』
コイツら……往生際が悪すぎるだろ。
どうあっても自分たちが落下していることを認めたくないようだ。
あたかも、飛行している前提で話を進めてきた。
神経が図太すぎだろう、本当に。
合体すれば―――『行くぞぁぁああ!! 即身合体ぃぃぃい!!』
間髪入れずにフシダラが、発狂し始めた。
なんか、遠隔操作されているらしく、こちらの操作を受けつけない。
正面モニターが切り替わり合体時のイメージ映像が流されるだけだ。
どうやら、俺たちの機体は三機で合体することにより、特撮ヒーローモノで登場するような感じの二足歩行ロボットになるらしい。
ただし、一般的なモノに比べてかなりの小さい。
築二十五年の二階建て家屋に相当するサイズだ。
三機は互いに引き寄せられるように接近してゆく。
よくもまぁ、ここまでディテールにこだわったモンだと感心するしかない。
ランドクルーザー変形し両脚部となる。
シャークは左右、真っ二つに開き両腕部と背中に変わる。
あとはファルコンだ。
コイツが頭部、胴体、股間を担う。
『三体合体!!』ジョージがシャウトした。
『デラックス!』フシダラが奇声を発す。
ふっ、悪いな皆。俺だけ良いとこ取りしてしまって……後はこのロボットの名を呼ぶだけで完成だ。
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