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黒幕の内
113話 そして伝説の木の下で
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保健室に残るは全裸の俺と、女教師のみ。
今、ここで第三者の介入があったら、どうなってしまうのか? 波乱の展開を想像するだけでエクスタシィ――。
俺的に個人レッスンはNGだが……今日は特別、だ、ぞ。
「そろそろ、服を着たらどうかしら。先生……ニッスイは、あまり好みじゃないの」
「フフッ……残念ですがあと三回、変身を残しているんですよ。このニッスイは!」
「大した自信ね。でも、夜向きじゃないでしょ……そんなんじゃ、子供たちの心もつかめないわよ」
「んはぁぁあああ」
K子先生の粋な言葉は、俺の失われた三年間を思い出させた。
饅頭をもらっても中身がなければ意味がない。
それはニッスイだけあっても意味がないということだ。
しっかりとした巾着が必要だ。いい酒には上質な革袋が必要だって奴だ。
「俺も、まだまだのようですね。いいでしょう! クロスを装着しますよ、アハハアアアアッ―――――!! 燃え上がれ心のムスコォォォ!!」
マイトは、スパンコールのズボンをはいた。
マイトは、パン粉のコートを作製した。
マイトは、ヨシユキの上履きを盗んだ。
「さ、いこうにハイって奴だぁぁあああ――――!!」
「大名君……どこかで聞いたような台詞をまんまパクるのは、先生、どうかしていると思うわ」
「先生、倫理じゃ心理には辿りつけませんぜ!」
「あっ、ふぅ――――ん」
俺の言葉に麻辣したようだ。K子先生は、伸びた髪を悩まし気にかき上げるとデスクワークを始めた。
こんな仮想世界でも、美女が仕事に追いやられるとは……サトランめ、ゆるさんぞ。
保健室に静寂が訪れるも、それは一時……案ずるより産むが易し?
いざ、そうなると新たなる嵐が到来するのが、世の常だ。
「あったたたあ、変だよぉぉぉ!! マイトぉぉぉん」
勢いよく、保健室のドアを開いて、やって来たのはクラスで一番情報に疎い、ポメオだった。
麻雀で使いどころが分からない牌を拾った時のデジャヴがよみがえる。
即行で捨て去りたいが、まぁ……ひさびさに出てきたのだ。
骨は拾わないが遺言ぐらいは聞いてやろう。
「落着け、変なのはお前だ。で……?」
「サトル君がぁああ、ササちゃんを伝説の木の下にテイクアウトしているんだぁあああ!! レジェンドと言うぐらいだから、きっと今、流行りのディサービスの類だよぉん」
「ん、なわあるかぁ!! まったく話が分からんけど、伝説の木を探せばいいんだな」
「大名君……そこよ」
先生がボールペンの先で窓の外を指していた。
確かに中庭にそれっぽい、木が立っている。
ほどなくして、サトランがヒヨコ走りで、木の方へとやってきた。
どうやら……ポメオの情報もあながちハズレではないようだ。
「サンキュー、先生!!」
礼を言いつつ、俺は保険室の窓ガラスを突き破り中庭に出た。
その騒ぎに気づいた奴は、俺をみるなり「うええええええっ――――!!」って感じで目を見開いていた。
「何故だ? なんで貴様はパンではないのだ!? 僕の設定……設定はどうしたんだぁぁ!」
「もって生まれたって奴? 今の俺は魔王クラスだ。哀しい賢者でしかないお前のスキルブックでは、どうこうできないぞ」
「るさい!! 低ランキングホルダーが何をほざいてやがる! オマエごとき、僕の敵じゃねぇえんだよ」
「だったら、試してみるか……?」
「これから、ササちゃんと大事なイベントを迎えるところだったのに……邪魔しやがってぇぇえ。まぁ、いいさ……時間を一時停止し、貴様を消した後で続きを楽しむとしよう」
「お前はドルオタ失格だ。押しを応援するのではなく、相手の気持ちも無視して自分のモノしようとするなんて、同士に申し訳ないと思わないのか……」
「だ、だまれええええぃぃい……」
頭を抱え込みつつサトランが歯を食いしばり、奇声を発していた。
自分の中の欲望を満たそうすると葛藤が湧きおこる。
大切な想いを捨て、欲しい物を手にしようとした末路が、この有り様だ。
「ぐぉぉおおおおおおお、ウォ―――タ―――スマイト!!」
サトランがスキルブックを開くと無数の水の刃が天から降り注いできた。
こんなモノが直撃したら一瞬で串刺しになる。
以前のおれならそう思ったに違いない。
荒々しく、触れるモノすべてをズタズタに引き裂く刃は、俺にとっては演出の一つでしかない。
魅力のステータス値が99999999999ある俺は半導体へと進化した。
よって、メンズ魔法【キンモジイィィィ】を使えば、水の刃は俺に接触しただけで水玉となり弾けてゆく。
豪雨の後に残るは、水に潤う俺の身体。
パン粉のコートが水を吸ってムダに重いが、そんなのは脱ぎ捨てておけばいい。
「今度こちらの番だ、サトラン。俺の断腸の思いをこめて……アーノルドパワ―!!」
今、ここで第三者の介入があったら、どうなってしまうのか? 波乱の展開を想像するだけでエクスタシィ――。
俺的に個人レッスンはNGだが……今日は特別、だ、ぞ。
「そろそろ、服を着たらどうかしら。先生……ニッスイは、あまり好みじゃないの」
「フフッ……残念ですがあと三回、変身を残しているんですよ。このニッスイは!」
「大した自信ね。でも、夜向きじゃないでしょ……そんなんじゃ、子供たちの心もつかめないわよ」
「んはぁぁあああ」
K子先生の粋な言葉は、俺の失われた三年間を思い出させた。
饅頭をもらっても中身がなければ意味がない。
それはニッスイだけあっても意味がないということだ。
しっかりとした巾着が必要だ。いい酒には上質な革袋が必要だって奴だ。
「俺も、まだまだのようですね。いいでしょう! クロスを装着しますよ、アハハアアアアッ―――――!! 燃え上がれ心のムスコォォォ!!」
マイトは、スパンコールのズボンをはいた。
マイトは、パン粉のコートを作製した。
マイトは、ヨシユキの上履きを盗んだ。
「さ、いこうにハイって奴だぁぁあああ――――!!」
「大名君……どこかで聞いたような台詞をまんまパクるのは、先生、どうかしていると思うわ」
「先生、倫理じゃ心理には辿りつけませんぜ!」
「あっ、ふぅ――――ん」
俺の言葉に麻辣したようだ。K子先生は、伸びた髪を悩まし気にかき上げるとデスクワークを始めた。
こんな仮想世界でも、美女が仕事に追いやられるとは……サトランめ、ゆるさんぞ。
保健室に静寂が訪れるも、それは一時……案ずるより産むが易し?
いざ、そうなると新たなる嵐が到来するのが、世の常だ。
「あったたたあ、変だよぉぉぉ!! マイトぉぉぉん」
勢いよく、保健室のドアを開いて、やって来たのはクラスで一番情報に疎い、ポメオだった。
麻雀で使いどころが分からない牌を拾った時のデジャヴがよみがえる。
即行で捨て去りたいが、まぁ……ひさびさに出てきたのだ。
骨は拾わないが遺言ぐらいは聞いてやろう。
「落着け、変なのはお前だ。で……?」
「サトル君がぁああ、ササちゃんを伝説の木の下にテイクアウトしているんだぁあああ!! レジェンドと言うぐらいだから、きっと今、流行りのディサービスの類だよぉん」
「ん、なわあるかぁ!! まったく話が分からんけど、伝説の木を探せばいいんだな」
「大名君……そこよ」
先生がボールペンの先で窓の外を指していた。
確かに中庭にそれっぽい、木が立っている。
ほどなくして、サトランがヒヨコ走りで、木の方へとやってきた。
どうやら……ポメオの情報もあながちハズレではないようだ。
「サンキュー、先生!!」
礼を言いつつ、俺は保険室の窓ガラスを突き破り中庭に出た。
その騒ぎに気づいた奴は、俺をみるなり「うええええええっ――――!!」って感じで目を見開いていた。
「何故だ? なんで貴様はパンではないのだ!? 僕の設定……設定はどうしたんだぁぁ!」
「もって生まれたって奴? 今の俺は魔王クラスだ。哀しい賢者でしかないお前のスキルブックでは、どうこうできないぞ」
「るさい!! 低ランキングホルダーが何をほざいてやがる! オマエごとき、僕の敵じゃねぇえんだよ」
「だったら、試してみるか……?」
「これから、ササちゃんと大事なイベントを迎えるところだったのに……邪魔しやがってぇぇえ。まぁ、いいさ……時間を一時停止し、貴様を消した後で続きを楽しむとしよう」
「お前はドルオタ失格だ。押しを応援するのではなく、相手の気持ちも無視して自分のモノしようとするなんて、同士に申し訳ないと思わないのか……」
「だ、だまれええええぃぃい……」
頭を抱え込みつつサトランが歯を食いしばり、奇声を発していた。
自分の中の欲望を満たそうすると葛藤が湧きおこる。
大切な想いを捨て、欲しい物を手にしようとした末路が、この有り様だ。
「ぐぉぉおおおおおおお、ウォ―――タ―――スマイト!!」
サトランがスキルブックを開くと無数の水の刃が天から降り注いできた。
こんなモノが直撃したら一瞬で串刺しになる。
以前のおれならそう思ったに違いない。
荒々しく、触れるモノすべてをズタズタに引き裂く刃は、俺にとっては演出の一つでしかない。
魅力のステータス値が99999999999ある俺は半導体へと進化した。
よって、メンズ魔法【キンモジイィィィ】を使えば、水の刃は俺に接触しただけで水玉となり弾けてゆく。
豪雨の後に残るは、水に潤う俺の身体。
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