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第4話 ねいねを見ててね! ほづみ君!
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それから更に1ヶ月後。
「うわー。ねいねちゃん広いねここ! 中でコミケ出来そう!」
「流石にそれは言い過ぎ。でも、巨大ロボが一堂に集まるなら、これくらい広くないと駄目なんだろうね」
ここは湾岸にある資材用の大型倉庫。
周りをゆっくり見渡しながら、知奈とみぅは設営中の会場を歩いている。
今日はロボバドの開会式。そして追放天使のお披露目となる。
「んー。それにしても……」
知奈は、この会場の雰囲気にアウェー感を感じていた。
今まで行った事のあるスポーツ会場、同人誌即売会、モーターショーとも雰囲気は大きく異なるからだ。
客層がガテン系に偏っていて、ショーというよりビジネス臭が強い。アウェー感は当然かもしれない。
(まって。私はこの人達の前でお店の制服着けないといけない訳!? めっちゃ浮くじゃない! えーっ! 信じられない!)
知奈が「終わったら店長に昇給交渉をしてやる!」と心に決めた時、岸と大和田が二人を呼びに来た。
(いよいよね…… 実際にロボに乗って1ヶ月。ここまで来たらやるしかないわ!)
* * *
着替えやセッティングも全て終わり、しばらくして開会式が始まった。
煌びやかな光や大音量が会場を包み、巨大スクリーンからのムービーが観客の気持ちを盛り上げていく。
この後、司会から呼ばれて1機ずつ入場していく手筈だ。
広い会場は巨大なシートで区切られており、左半分はロボの待機場となっている。
ここには16機のロボが待機しているが、並んでみると追放天使の特異さが際立つ。
"大人と子供"どころではない。むしろ"モンスターと人間"に近い。それくらい差が大きいのだ。
あまりにもチームの雰囲気が違うからか、他チームから一切話しかけられはしなかった。
しかし、雰囲気や表情だけで同好会のみんなは理解していた。
奴らは完全に同好会を舐めてる、と。
そのオーラを全身に浴びて気圧されているメンバーの中、二人の男は逆にたぎっていた。
「クククッ。見ていろお前達を驚愕させてやる!」
「これはあなた方から見たら遊びでしょうね。そうです。これは遊びでしかありません。しかし、遊びだからこそ出来る事もあるのですよ?」
…………
主催者による開会の宣言が終わり、司会の声が会場に響き渡る。
『それでは皆様お待たせいたしました! 今回熱い戦いを繰り広げてくれる16機のスーパーロボット達の登場です!!』
待機場にいた運営スタッフの動きもそれに合わせて慌ただしくなってくる。
ついにメインイベントが始まったのだ。
一機、また一機と各チームのロボがチームメンバーと共に会場に入っていき、その都度歓声と拍手が聞こえてくる。
その光景を見て、知奈はインターハイに出場した時と似た、緊張感と高揚感に包まれていた。
『さぁ、10チーム目は21世紀枠の異色チーム! 水道橋大学ロボットアニメ同好会です!』
シートの向こうから歓声が聞こえてくる。知奈は胸ポケットに忍ばせているほづみのお守りに触れながら祈る。
「ねいねを見ててね! ほづみ君!」
そして、知奈は満を持して観客にその姿を晒した。
ウィィィン…… ウィィィン……
スポットライトに照らされながら、まるで普通に人が歩くように"追放天使"は自然に会場に入っていく。
その姿を見て会場がどよめきに包まれた。
「ちっちゃ!」
「何だよアレは!」
「パワードスーツ!?」
「あいつらオモチャで戦う気かよ」
「……人? 巨人?」
「生身丸出しじゃん! ヤバいって!」
「女の子がパイロットって狙い過ぎだろ」
「マジかよ……」
そんな声がチラホラと聞こえてくる。残念ながらほぼネガティブな内容だ。
(異端児だから仕方がないけど、もう少し歓声が欲しかったな……)
他のメンバーはこの雰囲気に飲まれていたが、渡辺会長と山本はその異様な雰囲気の中「どーもどーも!」と笑顔で手を振りながら歩いている。
本当に凄い人だと感心すら感じてしまう。
そのまま所定の位置まで歩いた後、ゆっくり観客の方に振り向く知奈。
その間も残りのチームが入ってくるが、観客の視線はロボと”ねいね”に注がれている。
ヒラヒラの可愛い衣装を着た小柄な女の子が、他のロボよりも遥かに小さいパワードスーツに乗っているのだ。嫌でも注目されてしまう。
知奈はゆっくりと客席を見渡し目をつぶって深呼吸をする。これは体操部時代からのリラックス法だ。
「ま、しょうがないか。この姿だと目立たない方がおかしいもんね」
* * *
多少の波乱はあったもののスムーズに全チームの入場が終わる。
『これから約2ヵ月間、この16機が死力を尽くし優勝目指して戦います。皆さん盛大な拍手をお願いします!』
という司会の声に合わせて大きな歓声と拍手が巻き起こった。
知奈はそれを見て安堵の表情を見せる。
(ふぅ。これでひと区切りかな? あとは記者やテレビの質問に答えるだけだよね?)
しかし、知奈は大事な事を忘れている。隣に立っている男が一体何者なのかを。
ロボットアニメ同好会会長の渡辺太一という男は、心の中で何かを企んでいるに違いないのだ。
「クックック……」
渡辺は不敵な笑みを浮かべている。
「うわー。ねいねちゃん広いねここ! 中でコミケ出来そう!」
「流石にそれは言い過ぎ。でも、巨大ロボが一堂に集まるなら、これくらい広くないと駄目なんだろうね」
ここは湾岸にある資材用の大型倉庫。
周りをゆっくり見渡しながら、知奈とみぅは設営中の会場を歩いている。
今日はロボバドの開会式。そして追放天使のお披露目となる。
「んー。それにしても……」
知奈は、この会場の雰囲気にアウェー感を感じていた。
今まで行った事のあるスポーツ会場、同人誌即売会、モーターショーとも雰囲気は大きく異なるからだ。
客層がガテン系に偏っていて、ショーというよりビジネス臭が強い。アウェー感は当然かもしれない。
(まって。私はこの人達の前でお店の制服着けないといけない訳!? めっちゃ浮くじゃない! えーっ! 信じられない!)
知奈が「終わったら店長に昇給交渉をしてやる!」と心に決めた時、岸と大和田が二人を呼びに来た。
(いよいよね…… 実際にロボに乗って1ヶ月。ここまで来たらやるしかないわ!)
* * *
着替えやセッティングも全て終わり、しばらくして開会式が始まった。
煌びやかな光や大音量が会場を包み、巨大スクリーンからのムービーが観客の気持ちを盛り上げていく。
この後、司会から呼ばれて1機ずつ入場していく手筈だ。
広い会場は巨大なシートで区切られており、左半分はロボの待機場となっている。
ここには16機のロボが待機しているが、並んでみると追放天使の特異さが際立つ。
"大人と子供"どころではない。むしろ"モンスターと人間"に近い。それくらい差が大きいのだ。
あまりにもチームの雰囲気が違うからか、他チームから一切話しかけられはしなかった。
しかし、雰囲気や表情だけで同好会のみんなは理解していた。
奴らは完全に同好会を舐めてる、と。
そのオーラを全身に浴びて気圧されているメンバーの中、二人の男は逆にたぎっていた。
「クククッ。見ていろお前達を驚愕させてやる!」
「これはあなた方から見たら遊びでしょうね。そうです。これは遊びでしかありません。しかし、遊びだからこそ出来る事もあるのですよ?」
…………
主催者による開会の宣言が終わり、司会の声が会場に響き渡る。
『それでは皆様お待たせいたしました! 今回熱い戦いを繰り広げてくれる16機のスーパーロボット達の登場です!!』
待機場にいた運営スタッフの動きもそれに合わせて慌ただしくなってくる。
ついにメインイベントが始まったのだ。
一機、また一機と各チームのロボがチームメンバーと共に会場に入っていき、その都度歓声と拍手が聞こえてくる。
その光景を見て、知奈はインターハイに出場した時と似た、緊張感と高揚感に包まれていた。
『さぁ、10チーム目は21世紀枠の異色チーム! 水道橋大学ロボットアニメ同好会です!』
シートの向こうから歓声が聞こえてくる。知奈は胸ポケットに忍ばせているほづみのお守りに触れながら祈る。
「ねいねを見ててね! ほづみ君!」
そして、知奈は満を持して観客にその姿を晒した。
ウィィィン…… ウィィィン……
スポットライトに照らされながら、まるで普通に人が歩くように"追放天使"は自然に会場に入っていく。
その姿を見て会場がどよめきに包まれた。
「ちっちゃ!」
「何だよアレは!」
「パワードスーツ!?」
「あいつらオモチャで戦う気かよ」
「……人? 巨人?」
「生身丸出しじゃん! ヤバいって!」
「女の子がパイロットって狙い過ぎだろ」
「マジかよ……」
そんな声がチラホラと聞こえてくる。残念ながらほぼネガティブな内容だ。
(異端児だから仕方がないけど、もう少し歓声が欲しかったな……)
他のメンバーはこの雰囲気に飲まれていたが、渡辺会長と山本はその異様な雰囲気の中「どーもどーも!」と笑顔で手を振りながら歩いている。
本当に凄い人だと感心すら感じてしまう。
そのまま所定の位置まで歩いた後、ゆっくり観客の方に振り向く知奈。
その間も残りのチームが入ってくるが、観客の視線はロボと”ねいね”に注がれている。
ヒラヒラの可愛い衣装を着た小柄な女の子が、他のロボよりも遥かに小さいパワードスーツに乗っているのだ。嫌でも注目されてしまう。
知奈はゆっくりと客席を見渡し目をつぶって深呼吸をする。これは体操部時代からのリラックス法だ。
「ま、しょうがないか。この姿だと目立たない方がおかしいもんね」
* * *
多少の波乱はあったもののスムーズに全チームの入場が終わる。
『これから約2ヵ月間、この16機が死力を尽くし優勝目指して戦います。皆さん盛大な拍手をお願いします!』
という司会の声に合わせて大きな歓声と拍手が巻き起こった。
知奈はそれを見て安堵の表情を見せる。
(ふぅ。これでひと区切りかな? あとは記者やテレビの質問に答えるだけだよね?)
しかし、知奈は大事な事を忘れている。隣に立っている男が一体何者なのかを。
ロボットアニメ同好会会長の渡辺太一という男は、心の中で何かを企んでいるに違いないのだ。
「クックック……」
渡辺は不敵な笑みを浮かべている。
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