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第16話 でも、その日々ももうすぐ終わります
「大事なお知らせ……?」
このサムネを見て知奈は猛烈な不安を感じていた。
そう思ったのは、ほづみはあまりこうした宣伝をしない事。そして、告知の書き方が今までとは全く違っている事だ。
今まで「緊急告知!」「速報!」みたいな”煽る系”の案件サムネは何度かありはした。しかし、今回の様な書き方は今まで見たことが無い。
案の定、このツイートに他のファン達も反応する。杞憂民が発生して、まとめサイト系も動き出す。個人勢だと言っても中堅ライバーなのだ。
知奈も不安になって色々調べてみるが推測以上の情報は見つからなかった。
やはり今日の深夜定期配信を待つしか無さそうだ。知奈はただ良いニュースである事を祈る事しか出来ない。
…
……
………
* * *
そしてついに運命の配信時間がやってくる。
深夜にもかかわらずたくさんの人が見に来ている中、いつもの様に液体の中で髪を揺らしながら、ほづみ・パトラクシェは静かに眠り続けている。
いつもはワクワクする待機画面も、今日ばかりはもどかしく感じてしまう。
そして、少しした後に画面が切り替わり、ほづみは目覚めて辺りを見渡し静かに話し始める。
「……この声聞こえてるのかな。おーい。サンプルさん聞こえる? ボリュームは問題無い?」
視聴者はすぐに反応して「聞こえるよー」「おはよう」という文字でコメント欄が埋まっていく。
「うわっ。今日はいつもよりサンプルさんいるね。こんなに来るとは思わなかったよ。ありがとう」
コメント欄はいつもと比べて流れが速く、またいつもは来ない人も集まってる。それによって雰囲気も少し殺伐としている。
正直、状況が状況だから仕方ないが、知奈は今日の雰囲気はあまり好きでは無かった。
しかし、それにも関わらず、ほづみはいつものように穏やかに雑談を始める。
どうやら20分後、”大事なお知らせ”について話すらしい。
…
……
………
「……そうだね。そろそろ本題に入るね」
知奈はじっと画面を見つめる。そして画面の向こうのほづみはゆっくりと話しだした。
「皆さんご存じのとおり、僕は育成ポッドの中でみんなと会える日を楽しみにしていながら、何年もずっと過ごしていました」
(……)
「モニター越しではない外の世界は一体どれだけ輝いているのだろう。スピーカー越しではない本当の”音”は一体どう聞こえるのだろう」
(……)
「でも、その日々ももうすぐ終わります」
(……!?)
知奈のドキドキは止まらない。胸がはちきれそうになる。
(一体”どっち”なの?ほづみ君。ほづみ君!)
「色々考えたけど、決めました。近日中にこの育成ポッドの電源を落として、今までしてきた配信を終わらせたいと思います」
その言葉にコメントは一気に加速していく。Twitterでもツイートが出回り始める。
そして、知奈はショックで何も考えられない。彼が言ってる理由も頭に入ってこない。
(この日常は永遠では無いと頭では知っていても、こんなに急にやってくるとは夢にも考えていなかったわ……)
「皆さん。本当に今までありがとう」
彼の口から聞きたくなかった言葉が、知奈の胸深くに突き刺さる。
「もちろん最後までみんなと楽しく遊びたいし、それまで色々企画をやっていくからよろしくね」
「そして、最後の配信に来てもらえたら、その時もっと色んな事を話せると思うから是非遊びに来て欲しいな」
(そうだ。今、私に出来る事は最後までほづみ君と一緒にいる事なんだ。配信の一分一秒を大切にしてほづみ君と一緒に過ごすんだ!)
そう思いながら知奈は配信を見続ける。
「僕の最後の配信日は……」
「……えっ?」
(まって)
(まって、その日なの?)
(よりにもよってその日時なの!?)
彼の口から発せられた配信日程。
それはロボバトの決勝戦開始と全く同じ日時だった。
このサムネを見て知奈は猛烈な不安を感じていた。
そう思ったのは、ほづみはあまりこうした宣伝をしない事。そして、告知の書き方が今までとは全く違っている事だ。
今まで「緊急告知!」「速報!」みたいな”煽る系”の案件サムネは何度かありはした。しかし、今回の様な書き方は今まで見たことが無い。
案の定、このツイートに他のファン達も反応する。杞憂民が発生して、まとめサイト系も動き出す。個人勢だと言っても中堅ライバーなのだ。
知奈も不安になって色々調べてみるが推測以上の情報は見つからなかった。
やはり今日の深夜定期配信を待つしか無さそうだ。知奈はただ良いニュースである事を祈る事しか出来ない。
…
……
………
* * *
そしてついに運命の配信時間がやってくる。
深夜にもかかわらずたくさんの人が見に来ている中、いつもの様に液体の中で髪を揺らしながら、ほづみ・パトラクシェは静かに眠り続けている。
いつもはワクワクする待機画面も、今日ばかりはもどかしく感じてしまう。
そして、少しした後に画面が切り替わり、ほづみは目覚めて辺りを見渡し静かに話し始める。
「……この声聞こえてるのかな。おーい。サンプルさん聞こえる? ボリュームは問題無い?」
視聴者はすぐに反応して「聞こえるよー」「おはよう」という文字でコメント欄が埋まっていく。
「うわっ。今日はいつもよりサンプルさんいるね。こんなに来るとは思わなかったよ。ありがとう」
コメント欄はいつもと比べて流れが速く、またいつもは来ない人も集まってる。それによって雰囲気も少し殺伐としている。
正直、状況が状況だから仕方ないが、知奈は今日の雰囲気はあまり好きでは無かった。
しかし、それにも関わらず、ほづみはいつものように穏やかに雑談を始める。
どうやら20分後、”大事なお知らせ”について話すらしい。
…
……
………
「……そうだね。そろそろ本題に入るね」
知奈はじっと画面を見つめる。そして画面の向こうのほづみはゆっくりと話しだした。
「皆さんご存じのとおり、僕は育成ポッドの中でみんなと会える日を楽しみにしていながら、何年もずっと過ごしていました」
(……)
「モニター越しではない外の世界は一体どれだけ輝いているのだろう。スピーカー越しではない本当の”音”は一体どう聞こえるのだろう」
(……)
「でも、その日々ももうすぐ終わります」
(……!?)
知奈のドキドキは止まらない。胸がはちきれそうになる。
(一体”どっち”なの?ほづみ君。ほづみ君!)
「色々考えたけど、決めました。近日中にこの育成ポッドの電源を落として、今までしてきた配信を終わらせたいと思います」
その言葉にコメントは一気に加速していく。Twitterでもツイートが出回り始める。
そして、知奈はショックで何も考えられない。彼が言ってる理由も頭に入ってこない。
(この日常は永遠では無いと頭では知っていても、こんなに急にやってくるとは夢にも考えていなかったわ……)
「皆さん。本当に今までありがとう」
彼の口から聞きたくなかった言葉が、知奈の胸深くに突き刺さる。
「もちろん最後までみんなと楽しく遊びたいし、それまで色々企画をやっていくからよろしくね」
「そして、最後の配信に来てもらえたら、その時もっと色んな事を話せると思うから是非遊びに来て欲しいな」
(そうだ。今、私に出来る事は最後までほづみ君と一緒にいる事なんだ。配信の一分一秒を大切にしてほづみ君と一緒に過ごすんだ!)
そう思いながら知奈は配信を見続ける。
「僕の最後の配信日は……」
「……えっ?」
(まって)
(まって、その日なの?)
(よりにもよってその日時なの!?)
彼の口から発せられた配信日程。
それはロボバトの決勝戦開始と全く同じ日時だった。
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