私、推しVに認知してもらう為にロボに乗って戦います!

TEKKON

文字の大きさ
24 / 28

第23話 ねいねちゃんはそんなのには屈しませんから!

「そうですね。K・Oとはいきませんでしたが、私達らしい戦いを見せられたと思いますわ」

 歓声の中、勝利者インタビューに笑顔で答える伊集院まりぃの周りでは、決勝戦へ向けて会場の準備が進んでいる。

『来年こそ、チームフィフネルのロボバト優勝を期待しています!』

 とのインタビュアーに対してまりぃは即座に答える。

「私は追放天使を倒す為にここに来ました。ですから、来年出場するかはロボットアニメ同好会チーム次第です!」

 まりぃが待機場で準備中の同好会チームに向けて、聞こえるように声を張り上げると、それを聞いた同好会チームメンバーはそれぞれの反応を見せる。

「来年かぁ……」
「終わった所は気楽でいいですね」
「ふふふっ。1年越しの対決! 熱いではないか!」

 とは言っても、同好会は20世紀枠で出場している訳で、そもそも次の大会に出れるかもわからないのだが。

 (そんな事より今は決勝戦に向けて集中しないと……)

 と、ねいねが思った時、今度は待機場の入り口から嫌な男の声が聞こえてきた。

「あら。試合前のあいさつに来たんですが。やっぱりそちらは準備が大変そうですねぇ」

 その挑戦的な口調に渡辺会長は反応した。

「誰だお前は」
「今から戦うカイエンのパイロット、高槻だよ」

「で、高槻さんとやらの方は準備はいいんですか?」
「あんたとは違ってシートに座るだけだしな。それに今日は消化試合だから気楽なもんだよ」

 暇だから来たかのように高槻は振舞う。そこに山本も絡んできた。

「言ってくれますね。高槻さんとやら」
「事実だから」

 それを聞いて山本はニヤッと笑う。

「なるほどね。確かにあなた方のロボはとても強力ですが、肝心のパイロットが2流以下のようです。それが敗因になりそうですね」
「……何?」

 高槻は厳しい目で睨む。

「準決勝の時、あなたの所為で一時苦戦してたのは、明らかじゃないですか」
「あれはお客さんを楽しませる為の演出だ。そんな事もわからないなんて、やはりお前等は学生だな」
「ほほぅ。それでは精々決勝戦でもいっぱい演出を見せてくださいね」
「せめて3分は持ちこたえてくれよ? さもないとどうなるか……」

 高槻は知奈を舐めるような視線で見る。

「ねーねちゃん! 俺に掴まれたら最後だから精一杯逃げるんだな。何されるかわかんないよ?」

 その言動に周りの雰囲気が少し変わった。

「アッハッh……」

 笑いながら自チームに戻ろうとした高槻だが、一人の女性が詰め寄ってきた。

「あ?」
「みぅ!」

 みぅの見た事無い表情に知奈は思わず叫ぶ。
 そして、みぅはスゥッと息を吸い込んだ後、一気にまくし立てた。

「あなたは一体何ですか! 試合直前という大事な時間にわざわざやってきて! 実は追放天使とねいねちゃんが怖いからプレッシャーを与える作戦じゃないんですか!? それなら残念でした! ねいねちゃんはそんなのには屈しませんから! わかったらさっさとチームに戻ってコックピットの中で敗戦の弁でも考えておきなさいよ!」

「ぅお……っ!」

 みぅの勢いに思わず後ずさる高槻。

 「と、いう訳だ。さっさと戻るんだな」
 「高槻さんとやら本当にありがとうございました。バトル直前に良い情報が手に入りました」

 渡辺会長と山本はあっちいけとジェスチャーしながら笑う。

「……フンッ!ほえづらかくなよ!」
 
 捨て台詞を吐いて帰っていく高槻を見ながらみぅはヘナヘナと座り込んでしまう。。

「はぁ~っ。怖かった~」
「みぅ、何てことするのよー」
「だって、ねいねちゃんに酷い事言うんだもん……!」

 知奈はみぅの見た事ない一面に驚きながらも嬉しさを隠せなかった。

「もーっ。ダメだよ?」
「えへへっ」

 * * *

「あのバカのおかげで一筋の突破口が見えましたね」
「わざわざ敵に弱点を見せつけに来るとは、中々に愚かな奴だ」

 横では二人がほくそ笑んでいる。
 と、そこへ大会スタッフが声をかけてきた。

『そろそろ入場しますので、所定の位置にお願いしまーす!』

 いよいよ決勝戦が始まる。

「集中、集中っと……!」

 ねいねはゆっくり目を閉じる。泣いても笑ってもこれが最後なのだから。
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

マカロニ
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。