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第24話 まともにやっても勝てないなら……
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『さぁ、この2か月の熱い戦いもこれで最後! 皆さん盛り上がってまいりましょう!』
観客はその声に反応して歓声を上げ、会場もヒートアップしてきた。
『それでは、ロボバト初参戦ながら超技術を駆使して強豪たちを破り、ついに決勝まで勝ち進んできた、水道橋大学ロボットアニメ同好会の入場です!』
照明が落ち、BGMもフェードアウトして一瞬の静寂の後、デンドンデンドン!とティンパニの音が会場に鳴り響いた。
「こ、この曲は…!?」
いつもと違う入場曲に困惑するねいねとみぅをよそに、ロボットアニメ同好会は満足げにニヤニヤしている。
どうやら古いロボットアニメの音楽らしい。やりたかったんだろうなと苦笑いしてしまう。
(まぁ、一部の観客も盛り上がってるし、勇ましい音楽で気分も高まって良い感じね)
『ねいねちゃん頑張れー!』
『天使ちゃんまた奇跡を見せてくれぇ!』
と観客の声援も聞こえてくる。イロモノ扱いされてた最初の頃とは大違いだ。
――皆さん、本当にありがとう ー
心の中でねいねは感謝の言葉を呟き、所定の場所に到着するといつものようにウォームアップを始めた。
とても厳しい戦いになるのはわかってる。それでも私は出来る事を全力でやるだけだ。
その後ホソダチームも入場して双方配置につき、軽いインタビューの後、両チームのキャプテンが握手を交わそうと中央に向かう。
「よろしくお願いします」
右手を差し出すホソダチームに対して、渡辺会長はそれに答えない。ニヤニヤしながらキャプテンに問いかける。
「ところで、おたくのパイロットさんは楽しいね。何故、あんな奴をパイロットにしたのかな?」
「…………」
キャプテンはその質問には答えない。しかしその苦虫を嚙み潰したような表情で、大体の答えはわかるというものだ。
「ふーん。ま、いいけど。よろしく」
渡辺会長はようやく握手をして、ニヤニヤしたままチームまで戻ってきた。
「どうやら訳アリらしい」
「まぁ、普通に考えたらありえませんし、企業ならではの大変さかもですね」
「まったくだ ……さてっ!」
会長の声に反応するようにメンバー全員が正面を向き、今から戦うホソダチームを凝視する。
「敵はあまりにも強大だ。だからこそ我々は勝つ。いや、勝たなければいけない! それがロボットアニメの王道であり、ロマンだからだ!」
大きく頷く同好会メンバー。
「いくぞ!」
『おおーっ!!』
掛け声と歓声と開始のサイレンが会場を揺るがす。こうして戦いの幕が切って落とされた。
…
……
………
しかし、会場はいつもとは違う展開に少し困惑していた。
「よっ、よっ」
追放天使は戦う姿勢を見せず、さっきから準備運動を繰り返している。
「何故スタート位置から一歩も動かない。この俺を舐めているのか……!」
相手が先手を打ち奇策を仕掛けてくる。と読んでいた高槻も同じように戸惑っている。
「よしよし。戸惑ってる戸惑ってる」
一方、渡辺会長は楽しそうに笑っている。
「奴はそろそろ来ますよ注意してください」
「了解」
つまりはそういう事だ。まともにやっても勝てない相手なら、どうにか相手のペースを崩し、少しでもこちらに有利な状況を作るしかない」
「こんなの慣れないけど、勝つためにはまりぃさんみたいに何でもやらなきゃ!」
全高5.2mのカイエンに対して追放天使はわずか2.3m。
重量に至っては5.2トンと300kg弱。約17倍の差があるのだ。
今までは追放天使の特色を生かして勝つ事が出来たが、このカイエンは近いコンセプトだから優位性が薄れている。
つまり、相手は明らかな上位互換であり、絶対的に不利だという事だ。
(そう。まともにやっても勝てないなら……)
「頼みますよ、会長」
知奈は、相手を煽る事に天才的な才能を持つ、渡辺太一という男に一抹の希望を託す。
「見てろよホソダ! そして高槻とやら!」
――渡辺はカイエンを指さしながら不敵な笑みを浮かべた。
観客はその声に反応して歓声を上げ、会場もヒートアップしてきた。
『それでは、ロボバト初参戦ながら超技術を駆使して強豪たちを破り、ついに決勝まで勝ち進んできた、水道橋大学ロボットアニメ同好会の入場です!』
照明が落ち、BGMもフェードアウトして一瞬の静寂の後、デンドンデンドン!とティンパニの音が会場に鳴り響いた。
「こ、この曲は…!?」
いつもと違う入場曲に困惑するねいねとみぅをよそに、ロボットアニメ同好会は満足げにニヤニヤしている。
どうやら古いロボットアニメの音楽らしい。やりたかったんだろうなと苦笑いしてしまう。
(まぁ、一部の観客も盛り上がってるし、勇ましい音楽で気分も高まって良い感じね)
『ねいねちゃん頑張れー!』
『天使ちゃんまた奇跡を見せてくれぇ!』
と観客の声援も聞こえてくる。イロモノ扱いされてた最初の頃とは大違いだ。
――皆さん、本当にありがとう ー
心の中でねいねは感謝の言葉を呟き、所定の場所に到着するといつものようにウォームアップを始めた。
とても厳しい戦いになるのはわかってる。それでも私は出来る事を全力でやるだけだ。
その後ホソダチームも入場して双方配置につき、軽いインタビューの後、両チームのキャプテンが握手を交わそうと中央に向かう。
「よろしくお願いします」
右手を差し出すホソダチームに対して、渡辺会長はそれに答えない。ニヤニヤしながらキャプテンに問いかける。
「ところで、おたくのパイロットさんは楽しいね。何故、あんな奴をパイロットにしたのかな?」
「…………」
キャプテンはその質問には答えない。しかしその苦虫を嚙み潰したような表情で、大体の答えはわかるというものだ。
「ふーん。ま、いいけど。よろしく」
渡辺会長はようやく握手をして、ニヤニヤしたままチームまで戻ってきた。
「どうやら訳アリらしい」
「まぁ、普通に考えたらありえませんし、企業ならではの大変さかもですね」
「まったくだ ……さてっ!」
会長の声に反応するようにメンバー全員が正面を向き、今から戦うホソダチームを凝視する。
「敵はあまりにも強大だ。だからこそ我々は勝つ。いや、勝たなければいけない! それがロボットアニメの王道であり、ロマンだからだ!」
大きく頷く同好会メンバー。
「いくぞ!」
『おおーっ!!』
掛け声と歓声と開始のサイレンが会場を揺るがす。こうして戦いの幕が切って落とされた。
…
……
………
しかし、会場はいつもとは違う展開に少し困惑していた。
「よっ、よっ」
追放天使は戦う姿勢を見せず、さっきから準備運動を繰り返している。
「何故スタート位置から一歩も動かない。この俺を舐めているのか……!」
相手が先手を打ち奇策を仕掛けてくる。と読んでいた高槻も同じように戸惑っている。
「よしよし。戸惑ってる戸惑ってる」
一方、渡辺会長は楽しそうに笑っている。
「奴はそろそろ来ますよ注意してください」
「了解」
つまりはそういう事だ。まともにやっても勝てない相手なら、どうにか相手のペースを崩し、少しでもこちらに有利な状況を作るしかない」
「こんなの慣れないけど、勝つためにはまりぃさんみたいに何でもやらなきゃ!」
全高5.2mのカイエンに対して追放天使はわずか2.3m。
重量に至っては5.2トンと300kg弱。約17倍の差があるのだ。
今までは追放天使の特色を生かして勝つ事が出来たが、このカイエンは近いコンセプトだから優位性が薄れている。
つまり、相手は明らかな上位互換であり、絶対的に不利だという事だ。
(そう。まともにやっても勝てないなら……)
「頼みますよ、会長」
知奈は、相手を煽る事に天才的な才能を持つ、渡辺太一という男に一抹の希望を託す。
「見てろよホソダ! そして高槻とやら!」
――渡辺はカイエンを指さしながら不敵な笑みを浮かべた。
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