百万の契約

青いピアノ

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第2章 契約と誓約

第100話 契約のその先へ

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会議が終わり、参加者全員の左腕には新たな契約印が刻まれていた。複雑に絡み合う模様は、まるで結束を象徴するかのように輝いている。綾香、レイチェル、椿の3人が街の通りを歩いていると、後ろから百合、真弓、ナナが追いかけてきて声を掛けてきた。

特に百合は、椿に目を輝かせて近づく。

「水晶通信じゃよく見えなかったけど、椿さん、めっちゃかっこいい~!」と、まるで一目惚れしたかのように興奮気味だ。彼女は迷わず椿の腕に自分の腕を絡ませ、親しげに「一緒に頑張ろうね!」と声を弾ませる。さらに「今夜、ご飯でもどう?」と誘い、笑顔を向ける。

その瞬間、百合の大きくてふわっと柔らかな胸が椿の腕に押し当たり、椿は思わず息を呑んだ。コート越しでもはっきりと分かる豊満な膨らみは、まるで重力に逆らうような存在感を放っている。椿の心臓はドキドキと高鳴り、頭の中では『綾香より大きい…?』という考えが一瞬よぎる。

百合はさらに距離を詰め、椿の首元にそっと鼻を近づける。「ねえ、椿さん、なんかいい匂いするね。なんで?」と、くすっと笑いながら囁く。彼女の柔らかな髪が椿の肩に触れ、温かい吐息が首筋に感じられるほど近く、椿は顔が熱くなるのを感じた。百合は椿の手をぎゅっと握り、そのまま軽く頭を椿の肩に預ける。まるで長年の親友のように甘えている。彼女の大きな胸は、動きに合わせて椿の腕に何度も柔らかく当たり、その感触に椿はますます緊張してしまう。

綾香とレイチェルは、百合のあまりにも親しげな態度に目を丸くし、内心で苛立ちと嫉妬が渦巻く。レイチェルは我慢できず、さりげなく口を開く。「ねえ、百合、ちょっとくっつきすぎじゃない?」と、軽く牽制するが、百合はそれを無視。一方、ナナの視線は、椿と百合の絡み合った手に一瞬だけ鋭く注がれた。

ロコはその様子を後方から眺めていた。

「ったく、ガキかよあいつら。これから重大な任務だってのに浮かれやがって」

「おやおや?お前さん、やきもちかい?たしか旦那もいなければ彼氏もいないと噂だなぁ?いいよなあ、青春。お前さんも早く良い相手見つけなよ?なんならこの俺とかどうよ?」

「ポポン、テメェしばくぞ?」

苦笑いをするルークとサクを横に、三毛猫の獣人族の女性、可愛らしい目を持つミケが言う。

「私はサトルくんがいるから安心だな。絶対、一緒に生きて帰ろうね?」

少し尖った鼻を持つ小柄で髪がボサボサな男、サトルは頼りなさそうに「う、うん」と答えた。

「はー、こっちもかよ…。こいつらは相変わらずっちゃあ相変わらずだけど。どうなってんだよ、最近のやつらはよぉ」と面倒くさそうにため息をするロコ。

その頃、紫音はカナレットと話をしていた。

「それで、カナレットよ。お前はどこまで先の未来を見ている?機構一の占いの力を持つんだろ?」

「それほど大した能力じゃないわ。時折、映像と音が頭の中に流れてくるの。時系列なんてデタラメにね。最近見たのは、彼、椿が何人もの女性と魔力を交わらせることに成功したことだけ。それが何を意味するのか、いつなのかもわからない。でもその前に見たのは、彼と彼の友達が一つの戦を終わらせるところ」

「予知能力は不安定なもの。映像に加えて音まで聞こえるのであれば大したものよ。しかし、あの男がね~」

「…でも彼はね、戦を終えても深刻そうな顔をしていた。まるで何かに押しつぶされるかのように」

「…押しつぶされるか。契約、誓約、さらには運命にまで縛られて自分を見失っていたりしてな。あの男は案外臆病者で小心者だ」

「そうね…。予知で見る彼は、行動には移すけどいつもどこか不安そうな顔をしている。それでも彼がこの世界を変えるなら応援したい」

「たしかに…。朝霧だけじゃない。この世界は長いこと、病んでいる。臆病者の勇者様の誕生か、はたまた定められた道に弄ばれるだけの情け無い男か…どっちかな」
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