世界の終焉

ぴんくじん

文字の大きさ
上 下
14 / 34

妄想

しおりを挟む
金がない。財布をひっくり返してもレシートすら落ちてこない。

「もし俺が金持ちだったら、福沢諭吉でケツを拭いてやる。そしてその福沢諭吉で女買ってやるわクソが」

金がない。女がいない。金が女で女が金だから、金なしの俺に女がいないのは自然なことか。

「もし俺が金持ちで周りに女がたくさんいたら、女で布団を敷いて寝る。目覚めたら、福沢諭吉を何百枚も繋げて作ったカーテンを引いて朝日を浴びるさ。全裸の女が話しかけてきたら、布団が話してんじゃねーよベランダに干すぞって声を荒げてやるわクソが」

金がない。女がいない。心に余裕がない。"心に余裕を持て"って言ってくるアイツは何もわかってねーんだよな。選ばれしすべてを持った黄金のような人間だけが操作できる感情なんだよ余裕って。

「もし俺が金持ちで周りに女がたくさんいて心に余裕を持ったら、福沢諭吉で作った下品な下着を身につけた女を近所に配ってやるわ。まぁ俺が女を骨の髄までしゃぶり尽くしてからの配布だがなクソが」

あぁダメだわ、妄想がめっちゃ殴ってくる。殴り返したいけど妄想って形ねぇしなクソが。

どうしよう。うーん、なんかよく分からんけど人殺すか。なんだか人殺したらスッキリしそう。妄想もさぁ、人殺しほどの高貴な人間に殴りかかってはこないでしょ。

世田谷行こう。
しおりを挟む

処理中です...